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タマちゃん育成記  作者: イムルマ
第1章 新生活開始です。
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8/18

28日目~ 準備を始めよう。

8/25 初投稿

8/26 黒大公様ご指摘箇所修正

【28日目】


 戻ってきた一行に事情を説明し、確認してもらう。


 倒れた後直ぐにMPは注いでおいたのだけど――


 女の子の方を確認していたアオちゃんが黙って首を横に振った。つまり、2人共魔物――アンデット化決定か……。一体どうなることやら……。


 取り敢えず、まず間違いなく名前は忘れるだろうし、錯乱すると思う。危険物は離してもらい、女の子はベッドに、老人はその横の床に毛布――老人の荷物――を敷いて寝かせてもらう。ホネさん達の時から推察すると、目覚めるまで大体半日ぐらいは掛かると思う。


 ついでにホネさんとアオちゃんに荷物等を確認してもらう。


 その結果分かったことは――

 老人の方は、名前はゲルディク・ディオ。冒険者ではないらしいが、北にある国が発行する旅券があったらしい。正確には【人間】ではなく【ドワーフ】で、持ち物からすると鍛冶関係を営んでいたのではないか、というのがホネさんの推察。


 ――本当に鍛冶屋だったら、グッドタイミングもいいところだよな……

 ご都合主義働きすぎ……。ありがたいけど。


 一方女の子。こちらのほうは、名前等を示すものは何もなかった。ただ、首の――スゴく格好から浮いているゴツイ首輪を調べていた時、アオちゃんが顔をしかめた。

 よく分からなかったが、盗賊ギルドと呼ばれているギルドの印が見えたから、らしい。

 盗賊ギルド――盗賊や強盗団等が奪い去った盗品の売買を取り仕切る組織らしい。そして胸糞の悪い話ではあるが、取り扱う商品の中には“ 人間 ”も存在すると言われているらしい。

 彼女もおそらく――商品だったのだろう。

 そんな彼女が何故この【ドワーフ】の老人と一緒だったのかは分からない。ただ、老人の方は盗賊ギルドに関する物を持っていないので、関係者かどうかは今のところ五分五分らしい。


 ――何故そんなことを知ってるのか? そう思ったが、それは冒険者ギルドが手配書を出していたから、らしい。まぁ、犯罪者取り纏めといっても過言でもないから、当然といえば当然なのかもしてない。


 ともかく。分かったのはこの程度。後は2人が目を覚ますのを待つしかない。

 取り敢えず、2人が目を覚ますまで待機ということで――


 ・

 ・

 ・


 予想通り、半日程経った時に変化が訪れた。


 老人に動きが生じたかと思うと、イキナリ目を見開いた。そしてその目に映るホネさんの姿――ってマズくない!? たまたまとは言え、最初に目にするのがホネさんって!?


 瞬時に立ち上がったかと思うと――ってやっぱり!

 そのままホネさんに渾身の右フックを放った! 疾い! だけどクロよりかは遅い。当然ながらホネさんはガードをし――って、砕けたぁ!?

 ちょいマテ! ホネさんは『打撃耐性』持ってるんだぞ! 一体どんな力だよ!


 いや、それよりも――クロ!


 後で思うとよく判断できたと思う。

 オレの声に反応してか、体を伸ばしたクロが老人の四肢を縛り動きを止める。アオちゃんとついでにオレの『眼』も2人の間に入る。


 生じる硬直時間。その間にホネさんのキズを治す。

 老人は暴れるが、クロの力の方が勝っているらしく振りほどけないみたいだ。

 

 このまま暴れ続ければ勝手に力尽きてくれるとは思うけど、どうしようか?

 相手からするとこっちは魔物の集団だし、こちらとしては傷つけるつもりはないし。

 気長に力尽きるのを待つか――


 オレがそう判断したとき、もう1人――女の子も目を覚ましたみたいだ。ただし――


 いつの間にやら音もなくベッドから降りたみたいで、困ったような顔をして佇んでいる。その体はうっすらと透け、後ろの壁の模様も何となくだが見えてしまう。それは足の方に行く程顕著になっていき、足元は完全に透けて見えない。

 さらにダメ押しで、立っている彼女とは別の彼女が、まだベットに寝ている。こちらは言うまでもないが、体は透けていない。


 ――幽霊か……


 ホネさんとアオちゃんも彼女に気付いたらしい。さらには老人の方も2人の様子から彼女の状況に気付き、目を見開いている。

 

 連れが幽霊になってしまったのを見たのだから仕方がないか。


 ――えっと、取り敢えずお二人さん。話し合いましょう。事情説明しますから。


 ・

 ・

 ・


 事情を説明し、自己紹介等していたら早数時間……かな?

 洞窟入口見てきたら、どっぷりと陽は沈んでた。

 そして、何だかんだで意気投合し、また出て行くこともできなくなったということもあり2人もここに住むことになった。


 オレが言うのも何だけど……適応力高いよなぁ……


 2人の話――自己紹介をまとめると――

 老人の方は、ホネさんの推察の通り、北の国――ゴルディアスで鍛冶工房を営んでいたらしい。歳を理由に後進に地位を譲り、自分は己の知識欲や好奇心等を満たすため旅に出たらしい。――齢66でよくやる。

 ちなみに当然ながら後進――弟子達は旅に出るのを止めたらしいが、物理的にブチ破って出発したらしい。


 なお名前は旅券で判明しているが、ホネさん達と同じようにしっくりこないみたいなので、ゲン爺と呼ぶことになった。

 

 名前をモジっただけなのは、他に思いつかなかったんだよ!


 あと、成った種族はアオちゃんと同じ【フレッシュ・ゾンビ】

 

 一方の女の子。名前は結局分からないのでユウちゃんと呼ぶことになった。

 成った種族は【ゴースト】

 もともとは隣国の農村の生まれらしい。父親は幼い頃に亡くなっており、母親と一緒に暮らしていたらしい。しかし昨年にその母親も病に倒れてしまったのだとか。看病も虚しく亡くなってしまったのだが、その後。税の滞納を理由に領主に召され、その容姿を気に入られ妾になることになったらしい。

 それが何故こんな所に――と思ったが、それはお約束と言うか……

 嫉妬に狂った正妻に、領主に知られないまま奴隷として売られてしまった。そして他の奴隷と一緒に運ばれている時に魔物に襲われ、命からがら逃げ延び、ゲン爺に拾われたらしい。


 ――うん。ある程度は予想していたが、思った以上だった。


 ゲン爺は知っていただろうが、ホネさんとアオちゃんは……オレもだが、何も言えなくなっていた。

 そんな空気を察したのだろう。ユウちゃんの表情が一瞬にして笑顔になったかと思うと、それぞれを褒めながら場を和ませてくれた。

 

 本当にすごい。

 ただ――不束者ですが……――と言うのはこの場合だとズレてると思うぞ。

 あと、アオちゃん! 誰も取らないから、嫉妬が篭った目で睨まないように!




【29日目】


 人数も増え、書斎も手狭になってきたので拡張することになった。

 

 それぞれの要望で書斎の拡張と、ちょっとした作業部屋と厨房――ヒト型4人共食べる必要ないのに、ユウちゃんの強い希望により製作が決定――、そして鍛冶場を作ることになった。


 夜明け頃に、新部屋と入口とを繋げる通路が完成した。そこを担当していた【土喰い】達を書斎改造にあてる事にした。

 未来の身の安全も重要だが、現時点の快適生活も同じ位重要だし。


 ――あ、ちなみに――

 ユウちゃんの体――死体は書斎拡張工事の図面を考えている時に細道を拡張し、その一角に墓を作り埋葬した。

 あのまま放置して腐っていくのは見たくないし、満場一致で決まった。まぁユウちゃんは自分の体が埋まっていくのを微妙な顔をして見ていたが……それは仕方がない。


 話がズレたけど――元に戻して、それじゃあ開始と行きますか!


 ・

 ・

 ・


 そういえば最近全く『ステータス』を見てなかった。折角だから全員分を。


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:タマ

Class:???

   Lv:17

   MP:142/142

Skill:『移動不可』『自己能力確認』『視界飛翔』『暗視能力』『生命体把握』

      『脳内迷宮地図作成』『魔物捕食』『理不尽な搾取』『生命吸収』『穢れた復活』

      『魔力吸収』『念話(特殊)』『友軍能力把握』『魔物図鑑』『魔物再誕』

      『友軍治癒』『????』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:ホネ

Class:【グレイ・スケルトン】

   Lv:2

   MP:65/65

Skill:『陽光恐怖』『陽光虚弱』『思考能力発生』『暗視能力』『打撃耐性』

      『念話(特殊)』『魔力吸収』『黒霧鎧膜』『黒霧刃』 

 

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:アオ

Class:【フレッシュ・ゾンビ】

   Lv:11

   MP:71/71

Skill:『陽光恐怖』『陽光虚弱』『腐敗化』『思考能力低下』『発声不可』

      『腐敗防止』『思考維持』『運動能力強化』『暗視能力』『念話(特殊)』

      『魔力吸収』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:クー

Class:【ポイズン・スパイダー】

   Lv:2

   MP:38/38

Skill:『魔糸生成』『神経毒生成』『思考能力発生』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:クロ

Class:【ダーク・スライム・キマイラ】

   Lv:1

   MP:88/88

Skill:『思考能力発生』『強酸性液生成』『黒霧鎧膜』『体積圧縮』『高速流動』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:ゲン

Class:【フレッシュ・ゾンビ】

   Lv:1

   MP:32/32

Skill:『陽光恐怖』『陽光虚弱』『腐敗化』『思考能力低下』『発声不可』

      『腐敗防止』『思考維持』『運動能力強化』『暗視能力』『念話(特殊)』

      『魔力吸収』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・


Name:ユウ

Class:【ゴースト】

   Lv:1

   MP:32/32

Skill:『物理無効』『陽光恐怖』『陽光虚弱』『思考能力発生』『暗視能力』

      『念話(特殊)』『魔力吸収』『念動力(弱)』『自縛』

     

――――・――――・――――・――――・――――・――――・――――・





【30日目】


 30日――1ヶ月経った。

 色々とありすぎてまだ1ヶ月という気がスゴくするが、まぁそれは置いといて。


 いくら慣れたとは言ってもやはり拳大の昆虫が大量に蠢いているというのは見ていて気持ちいいものではない。

 特にユウちゃんの顔は青を通り過ぎて白くなっている。もともと血の気なんてないけどね……気分的に。


 というわけで、一時拠点を書斎から大部屋へと繋がる小部屋に移した。大部屋でも良かったんだけど、【土喰い】が行き来するから、邪魔にならないように。

 まぁ細かい所を指示するために何度も書斎には行く必要があるけど、拡張具合なら『マップ』で分かるから、ここにいても問題はない。

 さらに、入口からここまでの道も、まだ最初の方だけだが細く見えにくくしたので、侵入者が来てもすぐにはここまで来ないだろう。


 ――ユウちゃんが大部屋まで逃げてしまったので、今後そのようなことが無い様に、即効でしました!


 と、いう訳で他には特に何事もなく夜になり――いつもの外出の時間となった。

 今回のメンバーは、いつものメンバー(ホネさん、アオちゃん、クーちゃん)+ゲン爺。ユウちゃんはと言うと……洞窟の外に出られなかった。オレと同じように、透明な壁に阻まれて。多分『自縛』の影響かな?




【31日目】


 外出組みのお土産は、花だった。

 今までは時々魔物を持ってくる位だったのに。そう思ったが、花をもらっても仕方がないし、アオちゃんから渡されたユウちゃんは大喜びしてるから、まぁいいか。


 1人増えた事で調査の目線が若干変わったらしい。

 今までは周辺の地形と生息している魔物についてだけ調べたりしていたのが、今回は使える石や薬草とかも調べ、少し採って来たらしい。

 

 今までホネさん達も木を削ったりしていたが、何か形にはなっていなかった。

 知識では知っているけど、経験がないため手探りでしてたらしい。それがゲン爺加入で講師が出来たらしい。

 何でも、ゲン爺。鍛冶工房を経営していたが、昔一通りの職人技をある程度仕込まれた――というか習得して回っていたらしい。それも趣味で!

 

 ――ホント、ご都合主義サマサマだ……

 最初に知恵袋が住人になったら、次は万能職人が――

 運は……こんな体になってる時点でいいとは言えないけどさ……


 まぁそんな訳で。昼間の作業に拡張工事の監修と戦闘訓練以外に、物作りが本格的に加わった。

 



【32日目】


 昼過ぎに書斎拡張工事が終了した。

 流石に数百匹からで行うだけあって早い。

 

 今は新しい部屋の制作を開始している。

 ただ、部屋の拡張ができたといっても岩肌のまま。オレ達はそれで仕方がないと思ったのだが――唯一職人のゲン爺だけが気に入らず、内装改造に燃え上がっていた。


 ま、止める理由もないし、このままでいいか。

  



【33日目】


 昼過ぎ。

 皆がゲン爺の監督のもと制作を行っていた。

 ちなみにユウちゃんも。ユウちゃんはオレと同じく壁は無理だったが、扉は通り抜けられた。つまり普通ならものは持てないのだが、『念動力(弱)』の効果か、持とうとしたら普通に持てていた。手を離したらスキルの効果がなくなっていたけど。


 話が脱線したが――また! 侵入者があった。今度は3人の人間の男と、犬が一頭。

 何でこうも侵入者が多い!?


 取り敢えず『眼』を飛ばし――ついでに細くなっている道の影に隠れホネさんたちも覗き見をしていた。――と、侵入者を見たユウちゃんが突然震えだした。


 アオちゃんが慌てて奥に連れて行き――

 オレ達も後に続いた。

 

 侵入者の動きは『マップ』で確認できるから問題ない。

 それよりもユウちゃんの様子の方が気になる。


 ・


 ユウちゃんが落ち着いたところで聞いてみると――

 どうやら侵入者のうちの1人が、奴隷として売られた時に馬車を仕切っていたメンバーみたいらしい。

 

 ――ほほぅ――

 つまりは盗賊ギルドの関係者。しかもユウちゃんを怯えさせている――と。


 手加減は無用。

 見れば他のメンバーも、獰猛な笑みを浮かべている。

 気持ちは全員一緒。


 いっちょヤりますか!


 ――あ……でも殺さないでね。色々と聞き出したいから。



 


 

 



仕事のストレスをぶつけるように打ち込んでましたら、いつの間にやら1話分完成していました。 普段なら4日位かかってたんですけどね。


さて、最後の侵入者の末路は次回にということで。ロクなことにはなりませんが。


あと、黒大公様、いつも感想ありがとうございます。制作の活力に本当になっています。


・・・今回、1日で打ち込んだので、誤字脱字多いかと思います。申し訳ありませんが、見つけられたらご指摘の程お願いいたします。


では、34日目~ でまたお願いいたします。

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