外伝2
「ふ、ふざけないでよっ!」
実神先生が怯えながら言ってきた。
「まぁまぁ、落ち着いて」
なだめるように俺が言ったが、実神先生はおとなしくならない。
座って後ずさりながら実神先生は両手で俺を拒むように振っている。
「はぁ~。実神先生、なにをしたんだ?」
「せ…先生?」
あ、やっちゃった。
「あなたって、私の高校の生徒なの?」
「違う、けど違くない」
「そ、それじゃあ、卒業生?」
「と、とりあえず、なにをしたんだ?」
実神先生は俺の瞳をじっくり見た後、観念したかのようにため息をして、話しだした。
「私は今、殺人の冤罪がかかってるの」
「その事を言えばいいじゃねぇか」
「言えたら言ってるわよ」
「どういうことだ?」
「実はね、殺人の現場に私だけが居合わせて、犯人の顔を見たんだけどその犯人が、ここら辺では有名なヤクザのトップの息子だったの。私はすぐ逃げたんだけど、相手に顔を見られてて、調べあげられ、住所やらメルアドが知られたの。そして、口止めをされたんだけど、私は悪いことだと思ったから警察に言ったんだけど、警察も買収されてるみたいで聞く耳もたずなの。その後にきたメールの内容が「お前を殺す」だったの」
その後実神先生は目に涙を浮かべて、ひとつこぼれた後すぐに袖でふきとる。
「生徒の前では泣かないよ」
実神先生は今にも崩れそうな笑顔で言ってきた。
「それに、生徒の前で何言ってるんだろうね。ごめんね、早く私から逃げた方がいいよ。巻き込まれたくないでしょ」
「やっぱり、実神先生は生徒思いだな。そのヤクザについて教えてくれ」
「ダメに決まってるでしょ!早くどっかにいきなさい!」
「俺なら大丈夫っす」
「ふ、ふざけてるの!?」
実神先生は立ち上がり、手を握りしめて震えていた。
「ここに誰かいるのか!?」
扉が勢いよく開けられ、大きな音がビルの一室に響き渡る。
「ん?もしかして、実神か?」
そう言いながら入ってきたのが、スキンヘットで黒いスーツを着ている、いかにも表の人ではない。
「おい、そこの坊主。早くここから逃げないとお前まで殺すことになるぞ」
いきなり入ってきて、すぐに殺すとか言って、雑魚がよく言いそうな台詞だな。
「は、は早く逃げなさい」
実神先生が俺の事を押しながら言ってきた。
「だから、大丈夫っす」
「カウントするぞ」
すると、スキンヘットの男は五からかぞえ始めた。
「五、四、三」
「私のことはいいから、早く!」
「二、一」
「大丈夫っす」
「零」
銃声と実神先生の悲鳴がビルの一室に響き渡った。
「おぉー、やってみるもんだな」
俺はスキンヘットの男の放った銃の玉を右手を開いて見せつけながら地面に落とした。
スキンヘットの男は驚きながら銃を落とした。実神先生は涙を流しながら、唖然と俺の事を見ていた。
「いきなし、物騒だな」
俺が言うと、スキンヘットの男がすぐに銃を拾い上げた。そして俺に、震える手で銃を構えてきた。
俺は軽く走る程度の力でスキンヘットの男の前に近づく。俺が前に来たときには、まだスキンヘットの男は前を見ていた。
「遅いな」
俺は膝をスキンヘットの男の腹に深々といれた。その後、ガックリと力が抜けて倒れこんだ。
次で最後です。




