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第1次 アキバ戦争(その6)

秋葉原、UDX前のロータリーでは、

デモ派と、半デモ派の戦いが続いていた。


デモ派はネットユーザー中心の若者たち。

敵の半デモ派は、ワイドショーの呼びかけで集まった

中高年の視聴者たちである。


両陣営とも、近所で会えば、挨拶をし合う

普通の一般人同士が、メディアの影響を受けて、

今は憎しみ合っている。



単純な力は若いデモ派が有利だ。

しかし、中高年の中には完全武装の者が多い。


彼らの中には学生運動経験者が混じっており、

ここを死に場所と考えているのか、動きに迷いがない。


UDXに向けて、突破を続ける中高年の軍団。

デモ派の若者が総崩れになる。


そこへ、100人で編成された武闘派の集団が

割り込んできた。あのシゲさんのチームだ。


一度はイベント参加者達と敵対したが、

テレビスタッフに利用されたことに激怒し、

あっちゃん達の味方になったのだ。



往年の革命戦士も、現役の喧嘩屋にはかなわない。


喧嘩屋は相手が老人だろうが、親世代だろうが、

向かってくる相手には容赦しない。


UDX前の情勢は、デモ派グループに傾き始めた。


周りでは救急車のサイレンが響いている。

機動隊も到着した。


しかし、野次馬がロータリーを囲んでおり

中に入ってこれない。


よく見ると観光客たちが機動隊の介入を

邪魔しているようにも見える。



ロータリーの一角で、炎が飛んだ。

狂犬テリーの『ファイヤーボール』がさく裂したのだ。


元革命戦士たちも負けていない。

火炎瓶で対抗する。


さすがに火炎瓶の攻撃は強烈だ。

若者の中に、やけどや、飛び散った瓶で

怪我をするものが続出した。


血だらけの姿を見て

デモ派の中には逃げ出すものも出てきた。



「逃げるな。火炎瓶は俺が何とかする。

 ここは、お前らの街なんだろ!」


シゲさんが敵を投げ飛ばし、大声で叫んだ。


「俺たちに言った言葉は嘘だったのか?」

「お前らの根性見せてみろよ」


狂犬テリーが後に続く。

シゲさんチームの人間が次々と鼓舞する。


「そうだ。俺たちの街を守れ!」

「そうだ。守ろう。」


シゲさんの一喝で、逃亡する若者たちが

再び、荒れ狂う集団に立ち向かい始めた。



「テリー、俺についてこい」


「シゲさん、何か面白いこと思いついたんですね?」


2人は駆け出し、行く手をシゲさんの手下が蹴散らしていく。

やがて、2人は敵陣営の懐深くまでたどりついた。


「よし、あそこに火をぶち込んでやれ」


「キャッハ、りょーかい」

「くらえ、ファイヤーボール!」


テリーのファイヤーボールが火を吹く。

その標的は、火炎瓶が詰まれたケースだ。



<<<   ババババーン   >>>


連続して、火炎瓶が爆発する。


その音はすさまじく、敵味方、関係なく、

音に驚いて座り込んでしまった。


反デモ派、中高年たちの戦列が崩れた。



「やばいな。まるで戦争だ」


俺は戦いに入らず、ひたすらUDXを目指していた。

あっちゃんは、まだ見つからない。


火炎瓶欠片が、こちらまで飛んできた。

爆発の中心部では、多くの人が血を流して倒れている。



「は、離せよ。俺が何したんだよ」


あっちゃんの声だ。

いつの間にか、駅前に連れ去られていた。


スーツの男たちが彼の両脇を抱え、

ワンボックスに押し込めている。


時間を止めても、俺の力では最大10秒だ。

助けようにも間に合わない。



「オラオラーっ! お前らは逃がさないぜ」


ワンボックスの前にシゲさんが飛び込み

ワンパンで2人をKOしてしまった。


鬼のように強い。


「お前には借りがあるからな」


シゲさんがニヤリと笑う。

あっちゃんは、茫然として頭を下げた。



「あまり、邪魔をされたら困るんですけどね」


「あぁ、あんたか、真田さん。そろそろ出てくると思ったよ」


シゲさんの前に別のスーツ男が現れた。

俺がいる場所からは会話が聞こえないが、どうやら知り合いのようだ。


「おい、おまえ、早く逃げろ。

 この人は強い。たぶんお前を守れない。」


声を聞いて、あっちゃんは逃げ出した。

しかし、1歩も動かないうちに、真田と呼ばれた男に捕まってしまう。


シゲさんを見ると、、、さっきいたところに倒れている。



( 眷族だ! )


俺は瞬間的にそう感じた。


シゲさんを瞬殺して、次の瞬間にはあっちゃんを捕まえている。

時間を止めなければ、そんなことは不可能だ。


(三条は助太刀してくれるだろうか?)


とにかく時間を稼ぐしかない。

しかし、どうやって?


その間にも真田の部下たちが、あっちゃんを抱えている。


迷っている暇はない。俺は時間を止めた。

景色にフィルターがかかり始める。



「な、なんだと?」

「ここに眷族がいるのか?」


俺が仕掛けた時間操作に対し、真田は混乱した。

俺は全力であっちゃんの方へ走り出す。


(よし、間に合った)


今、動けるのは真田という男だけだ。

静止しているスーツ男達からあっちゃんを奪い返す。


俺はあっちゃんを車の影に置いた。



「驚きましたね。まさかヒトが時間を止めるとは…」

「500年ぶりでしょうか。」

「貴重なことですが、とても危険なことですね」


執事のように穏やかな真田の顔が戦闘モードに変わった。

既に呪文を唱えている。しかもスピードが速い。


俺の足元が一瞬で凍り始めた。

やばい。動けない。

次の瞬間、真田の剣が俺の腹を貫いた。


相手の足元を瞬時に凍らせ、動きを封じて、とどめを刺す。

これが真田の攻撃パターンらしい。



やられた・・・。


刺された腹が無茶苦茶痛い。

気絶する前にタイムリープしなくては!


俺は頭の中で、必死に時間を巻き戻すイメージをした。



------------------ーーー


3分前の世界、

つまり、真田が時間停止に驚いている場面に戻った。


タイムリープは成功だ。

ここから10秒間時間が止まるはずだ。


俺は周りの状況を見て、

反撃のシナリオを頭の中に思い描いた。


そして再び、時間が動き出す…。

 


------------------ーー


「500年ぶりでしょうか。」

「貴重ですが、とても危険なことです」


真田が同じセリフを言い始める。


(このタイミングだ)


俺は、真田が凍らせた同じ場所に

炎のじゅうたんをイメージしてエーテルを発動させた。


真田の氷の魔術は、この炎に打ち消された。


(よし!)


徐々にタイムリープの使い方が分かってきたぞ。


勝利を確信していた真田は、

きつねにつままれたような顔をしている。



今だ!今こそ、あのセリフを言う時だ!

ここが子供の頃から何度も夢見たタイミングだ!


恥ずかしいが、言ってみよう!

どうせこいつ以外は、誰も聞いていない。



俺は人差し指を立てて左右に揺らした。


「お前の攻撃はそれで終わりか?

 では、ここからは俺のターンだな!」

゜*。,。*゜*。,。*゜*。,。*゜*。,


今回もお読み頂きありがとうございます。


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