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生まれ変わったのですよね?  作者: セリカ
89/378

87 適性の差


 最近は、泉の同じ場所にずっとお風呂を作っていますから、カモフラージュの地面を取り除いて作り直すだけなので、時間がかなり短縮できています。

 以前に泉の周りに作りまくった物は、ちゃんと埋め直したので安心です。昔に作った物は表面だけ簡単に被せた物だったので、落とし穴になってしまっていて、落ちた時に酷い目に遭いましたからね。

 森の中にも、泉に戻れなかった時に簡易で作った物が今でも落とし穴と化していますので、不自然な所はなるべく歩かないようにしています。

 私以外にも落ちた被害者がいるので、泉の周りだけは調べてきちんと埋め立てています。エルナが落ちた時はめっちゃ笑ってしまったので、泥だらけのエルナにしこたま叱られてしまった結果なんですけどね!

 お風呂が完成した所で、レンが話しかけて来ましたが、何でしょうね?


「お姉ちゃんに聞きたいのですが……いまの工程だけで、4系統の魔術を行使していましたから、転移魔術と合わせて5系統の魔術が使えたのですね」


「まあ、半端ですが、他にも色々と使えますよ」


「まだ使える系統があるのですか……私が知っている者でも最大4系統までしか使えません」


「お姉様は、もっと沢山の魔法が使えますので、ゲームで言ったら勇者みたいなキャラですよ!」


 また、向こうの世界のゲームの設定みたいな事を言いながら、さっさと脱いで一番風呂とか言って入っています。私は完全にシズクのお世話役みたいな感じがするのですが?

 (勇者ねー。あんな都合の良い職業があるのでしたら、楽ですよねー。そんな資格さえ有れば、民衆の正義の代表なのですから、僕から言わせたら御都合設定そのものだと思います)

 ノアが主人公属性を貶してますよ。

 しかし、そんな職業があるのでしたら、私も欲しいですね。

 (この世界では、勇者とか英雄なんてものは、民衆や世界が称える称号ですよ? 僕としてはそんな偽善ぶった称号より死の魔王とか言われた方が断然いいですねー)

 はいはい、これが私の願望だと思うと絶対に信じられないのですが……今度、女神様に会った時に気付いたら聞いてみたいです。

 どうせ私の職業は女神様にしか変えられないのですから、誰かに見られても問題の無い普通の職業にして欲しいだけです……何と言っても放蕩娘ですからね……こんな職業は絶対にないよ!

 そんな事よりも私もさっさと湯船に浸かってリラックスしましょう。


「私達を最後まで討伐していたヴァリスの者達は光の勇者と名乗っていました。中には強力な聖魔術の使い手が多かったので、強敵でしたから、私にとっては勇者と名乗る者は敵としか思えません」


 私には、いまの言葉でレンの仲間が沢山倒されていくのが見えました。女子供も関係無く殺しまくっている情景が見えたのですが、光の勇者というよりも悪魔の軍団にしか見えませんね。

 でも、アルカードを見ていると、悪魔の方がいいような気がするのですが?


「レンも服を脱いで一緒にお風呂に入りましょう。過去の事を忘れろとは言いません。もしもそいつらが生きていたら仕返しをするのを手伝いますので、いまはレベルに見合った強さを手に入れるべきかと思います」


「お姉ちゃんには今の事が見えてしまっていましたね……使徒でも無い限りは生きているとは思いませんが、その時は私に復讐する機会を下さるだけで十分です」


「レンちゃん、お姉様は身内と認めた人の為なら、悪魔にでもなる人ですから。当然ですが、お姉様の剣を自負する私も協力致しますので。遠慮はいりません!」


 シズクは、敵と認識した者には相手が誰であろうと容赦がありませんので、怖いのですよね。

 逆にカミラは、相手が人だと殺す事にすごく躊躇っていますので、もしも戦争になったら、力が有っても戦えないかも知れませんね。

 (んー、シズクの方が君の事を良く理解していますねー。そろそろ自分の本質を認めた方がいいよ?)

 ……まあ、ノアの言う通り、私も敵と認識してしまうと、殺した方が良いと思ってしまうのです。

 そんなつもりは無いのですが、何故、本能に逆らえないのか知らないのです。自分の意思とは関係無く行動してしまうのですよね?

 そして同時に、敵対していても自分に好意を向けている者に対しては親しくしたいと思うようになるのです。


「悪魔とか何でも良いのですが、私は身内と認めた者は全力で守るつもりでいるだけですから、レンが危険な目に遭っていたら、助けるだけです」


「先ほどまで寝首を掻こうとしていた私に対して、お姉ちゃんは甘過ぎますが……いまはその言葉を素直に受け取らせていただきます」


「わかった所で、裸のお付き合いをして親睦を深めましょうね」


「はい! わかりました、お姉ちゃん!」


 レンが素直になったところでドレスを脱ぎ始めました。美少女の脱衣シーンとかなんかすごく良いですね。

 下着姿になると、私達と違ってドロワーズと呼ばれるカボチャパンツを穿いてますが、何か違和感があるのです……。

 金髪の長い髪に美少女と呼べるレベルの顔に愛らしい声なのですが、胸は私より無いし、絶壁呼ばわりのサテラの方が勝っていますが……ドロワーズを脱ぐとそこには、私に無い物が付いていますね。


「レン、ちょっと貴方は離れなさい! 見た目で騙されていましたが、貴方は男ですね?」


 セリスが、片づけをしてからこちらに来たのですが、レンを見て何か言ってます。この子は男の子なのですか?

 なんというか……ちょっと触ってみたいのですね。

 

「私は男の子なのですか? 母上には私は女の子だと教えられました。何かおかしいのですか?」


「可愛い顔と容姿をしているのにそんな凶悪な物を付けているとは……早く服を着てそれをしまって、今後はシノア様に近付く事は私が許しません!」


 何やら、セリスが怒っています。そんな事より、近づくのも禁止とか勝手な事を言ってますよ。


「わかりました……見苦しい物を見せてすみませんでした……」


「構いません。レンはそのままこちらに来るのですよ」


「シノア様、いけません! その者は男なのですから、シノア様の裸を見ただけで既に犯罪なのですから、厳しく処罰するべきです!」


「私は、どうすれば良いのでしょうか……」


 裸のまままオロオロしています。セリスは普段からこの手の事にはうるさいから、丁度良い機会です。


「とにかく私の側に来て、湯に浸かりなさい。そして、セリスは私が許可するまで発言を禁止しますので、静かに湯船に浸かりなさい。これは命令です」


「足が勝手に向かって行きますが……これほどの強制力があるのですか……」


 レンは違う事に感心しながら、私の隣に浸かってます。セリスは何か言いたそうに服を脱いで、レンを睨みつけながら湯に浸かってますよ。


「ふーん。男の子にはこんな物が付いていたのですね。全く胸が無いから好感を持っていたのですが、男だったら、無いのは当然でしたね」


 初めて見ました。隣に来たのでちょっと触ってますが、レンの反応が面白いですね。


「レンちゃんじゃなくて、レン君だったのですね。これは流行りの男の娘ですね!」

 

 そんな流行があるのですか?

 帰ってから、本人の許可が得られたら、カイト君にもドレスとか着せてみようかな?

 エルナに似ているので、髪を伸ばせば絶対に女の子と間違えるレベルなのですよね。


「男の子なのでしたら、これからは私もレン君と呼ぼうかなー」


「お姉ちゃんの好きなように呼んでもらえればよいのですが……余りそこを刺激されると、私は興奮してしまうのですが……」


 何となく可愛いと思いつつ触ったりしていたら、これ大きくなって来ましたね?


「何か大きくなって来ましたが、どうしたのですか?」


「お姉ちゃん、それ以上刺激すると私は我慢が出来なくなって……あっ……」


 何か湯船に浮いて来ました。変わった匂いがしますね?

 セリスから、殺意のような感情が流れてきますが……レンが真っ赤になっているので、ようやく理解出来ましたが。なるほどね。


「お姉様が美少年を手籠めにしています……これは薄い本によくある話ですね……」


 手籠めとか言われても……ちょっと触っだけなんですけど。

 レンはレンで何か満足そうに私にもたれ掛かっています。これちょっと癖になりそうですね。


「あの……お姉様。セリスお姉ちゃんから、半端ない殺意を感じるので、せめて喋る事を解除してあげないとまずいかと思います……」


 あのセリスが殺意の籠った目を向けています。あんな目でレンを睨みつけているとか、クロード先輩をゴミのように見ている時の方がまだ優しく感じますね。


「セリス、喋っても良いので、そんな目でレンを見るのは止めて下さいね?」


 目つきが少し和らぎましたが、怒りモードのままですね。


「レン、早く私のシノア様から離れなさい……後で、粗相をした物は私が切り落としてあげます。今回はそれで許してあげますが、今後はシノア様の近くにいる事は許しません!」


 また勝手な事を言ってます。粗相をした物って、もしかしてこれを切り落とすつもりですか?

 私はちょっと気に入ったので、これを切るのは反対ですね……。


「私は、いつからセリスの物になったのですか? ちょっとセリスは、男性が私に関わると異常過ぎます。レンに対してはそのような行動を取る事は私が許しません。なので、決してレンに危害を加えてはいけませんからね? 命令はしませんが、もし言い付けを破ったら、当分は口を利きません」


「わ、私はシノア様の為を思って……男なんて、女性を性の対象としか見ていない、ゴミのような存在なのですよ……なので、私は……」


 口を利かないと言ったら、猛烈な殺意が消えてめっちゃ動揺しているのです。落差が激しいですね。

 まあ、セリスを黙らせる方法はわかっていますので、問題はありませんけどね。


「私は素直なセリスが大好きなのですが、もしかして私のお願いが聞けないのですか? なんだかちょっと切なくなって来ました……セリスが私の知らない人に……」


「私はシノア様が望む事でしたら、どんな事でもする所存なのですから、レンの事も大事にするとお約束致します」


「よかった……私の大好きなセリスなら、絶対に賛成してくれると思っていましたので、安心しました。今後とも仲良くしてあげて下さいね?」


「わかりました。先ほどの私はどうかしていましたので、お忘れになって下さい」


 まあ、こんなところですね。

 セリスって、私に嫌われる事を極端に恐れていますので、説得する時は好き嫌いの話題にもっていけば絶対に折れます。

 普段から使っていると効果が薄れてしまうかも知れないので、たまに使うぐらいが良いんですよね。


「お姉様を見ていると、ドラマの詐欺師みたいな印象を受けるのですが。セリスお姉ちゃんの愛が盲目なのか……エルナお姉ちゃんの別バージョンみたいです」


 私が詐欺師とは酷い例えですね……セリスの好意に付け込んで納得させただけですよ?

 (んー、全く自覚が無いのも恐ろしいですねー。これなら、僕の方がわかり易い分だけましな気がするのですが?)

 ノアの方がましなのですか?

 他の生き物をゴミとしか思ってない拷問大好きな人格がましとか……何か間違っているのでは?

 取り敢えずはレンの男の子を守れたので良しとしますが、お屋敷にはどうやって紹介すれば良いのでしょうね?

 (体は男だけど、容姿はその辺の女の子よりもかなりの美少女で、心は乙女なので、女の子として紹介すれば良いんだよー)


「レンは男の子と女の子では、どちらで扱って欲しいですか?」


「私は、物心が付いた時から女の子として育てられましたので、これが普通なのです。私が男の子なのでしたら、それらしいようにしますが、とにかくお姉ちゃんに従います」


「まあ、こういう事は本人の好きにすれば良いと思うのです。私は気にしませんので、今まで通りに振舞って下さい。下手すると他の女性陣より一番女の子をしているかと思いますしね……」


「お姉ちゃん、ありがとうございます」


「お姉様は、羞恥心の欠片も無いので、女性としては問題が大ありですからね」


 さっき、素早く先に脱いで風呂に飛び込んだ娘に私は女性として問題有りとか言われてますが、あれはいいのでしょうか?

 レンの恥ずかしそうに脱いでいたのと比べたら、天と地の差があると思うのですが?


「シズクだって、恥じらいの欠片も無く脱いで風呂に入ったのは問題なのではないのですか?」


「こには、女の子しかいないので、問題はありません。男の人がいる時は、私だってちゃんとします。お姉様は、全く気にしないで脱ごうとするから、いつもエルナお姉ちゃんに叱られていますよね?」


「そうなのですが……レンは男の子ですよ?」


「それは後で分かった事だし、レンちゃんは付いている以外は心も完全な女の子なので、例外です」


「例外ね……私も例外としてくれれば問題無いと思いますけど?」


「お姉様は、一応は公爵家のお嬢様の身分があるのですから、それらしく振舞わないと世間の目があるので、ダメかと思います。その証拠に、エルナお姉ちゃんは私には何も言いませんよ?」


「そうだったのですか……鑑定で見られたら、私に家名が無いのがバレバレなんですけどね。しかし、シズクだけズルいですね」


「でも今は能力を偽装しているので、家名も付けていますよね?」


「どうして、それを知っているのですか? シズクには鑑定の技能は無いはずなのに……」


「カミラお姉ちゃんが教えてくれましたので。職業も放蕩娘から、お菓子職人に誤魔化しているのですよね?」


「……そこまで教えているのですか……これは口の軽いカミラには罰を与えないといけませんね……」


「シズクちゃん、放蕩娘と呼ばれる職業があるのですか?」


 レンが下らない事に興味を持ってしまいましたよ……セリスも目を閉じて、私は関与しませんみたいな態度を取っていますが、内心では興味津々で、聞き耳立ててますよ。


「放蕩娘とは、自分の思うままに遊び呆けるダメ人間の事ですね」


 ……シズク、殺す!

 いや、殺しはしないけど一度ぐらい手か足を斬って泣かせますよ!

 最近は、殆ど躱してしまうから、まともに怪我とかした事はないですが、以前は大怪我をして泣いていたのを思い出させる必要がありますね……ふっふふふ。

 それにしても私を励ます時は、自由人とか言っていたのに、結局ダメ扱いではありませんか!


「お姉ちゃんは、ダメな人なのですか?」


 そんな純粋な目で質問をされると、私は何て答えたら良いのですか?

 シズクには、罰を与えれは良いとして、レンに対しては心が痛むのですが……。


「本来は褒められた言葉ではありませんが、お姉様は趣味の武器などの作成と料理の向上に熱意を傾けていますので、好きな事をやっている点に関しては間違っていないと思います」


 なぜでしょう……一応は、弁護してくれたのですが。あんまり嬉しくないのですが……。


「それは、趣味に情熱を掛ける職業なのですね? 私は余り詳しくは無いのですが、そのような職業があるのでしたら、職人としては素晴らしいと思うのですが? お姉ちゃんは魔術師なのですよね?」


「お姉様は多くの魔術も使えるし、多少の槍術も扱えますので、魔法重視の戦士を兼ねた趣味人だから、ある意味で万能型とでも言った方が良いのかも知れませんが、カミラお姉ちゃんは器用貧乏の見本と言ってました!」


 ……帰ったら、絶対に許しませんよ!

 私が一番気にしている半端な事を器用貧乏とか言ってシズクに話しているとか、私もカミラにはお仕置きではなく罰が与えたいです!


「これだけ色々な事が出来るのですから、すごいと思います。普通でしたら、何かに特化して補助で何か持つものと思っていましたが、現在のスタイルはでは万能な方が良いのですか?」


「個の強さを求めるのなら、特化した方が良いかと思います。私は単に鍛錬しても強くなれないから、半端に色々と使えているだけです。そろそろ、お風呂からあがって、レンに闇魔術を可能な限り教えますので、寝る前に習得してしまいましょう」


「レンちゃんは闇魔術が得意なのですね? それなら、お姉様は殆ど知っていますから、すぐに覚えましょう!」


 そう言うとすぐに上がって風魔術で器用に水を切って、もうパジャマなんて着てますよ……ここの泉の周りだけは絶対に魔物がよって来ないとわかっていますから、安心しきっています。

 しかも、この空間だけは温度が保たれているので、夜なのに冷えない不思議空間です。

 考えてみたら、最初の頃はずっと真っ裸で過ごしていたけど、寒いとか考えもしませんでしたね。

 私達も上がるとシズクが乾かしてくれました。気が利く便利な子ですが、この程度では先ほどの怒りは消えませんからね!

 私も適当に着替えると、早速ですが、スクロールにいくつか転写していきます。レンも初級までなので、私の使える物は教えれますが、中級になったら私が使えないのでスクロールが作れないけど、きっとノアがレンを戦力にする為に私の闇魔術を解放してくれると思います。

 スクロールの作成が終わったところでレンの方を見ると、何故か可愛らしいネグリジェなんて着ています。どこにそんな私物が……。

 しかし、恐ろしく似合っていますが。本当に男の子なのでしょうか?

 私の方が完全に負けている気がします……本物の女の子なのに……。


「レン、その姿はどうしたのですか?」


「これは、シズクちゃんが夜に寝る時に着る物と言ってくれたのです。下着の方もくれたのですが……下がスースーしますが……」


「下……レン、ちょっとネグリジェを捲って下さい」


「えっ!? そのような事は余りしたくはないのですが……どうぞ……」


 真っ赤になって、恥じらいながらも裾を捲ると、ドロワーズからシズクと同じパンツにしたので、形がはっきりとわかります。本物の女の子よりも羞恥に耐えている姿は、何故か私に深い敗北感を与えてきます……。


「あの……もう宜しいでしょうか? そんなに見られると恥ずかしくて……」


「シノア様! 何をさせているのですか! そのような物を見てはいけません! レンも早く下ろして隠しなさい!」


 私の性の管理人が何か言ってます。仕方ありませんね。

 レンを調べるのはセリスがいない時にしますか。


「ちょっと確認がしたかっただけなので、もう良いですよー。それよりもこれを習得して下さい」


「シノア様……お願いですから、今後はそのような行動は慎んでください」


「一応は努力しますが、私の探究心が騒いでしまうのですから、どうしょうもありませんね」


「はぁ……困った事になりました……今後はレンを私の目の届くようにしておかないといけませんね……」


 そんな事はさせませんよ?

 セリスにはいっぱい仕事を押し付けて、逆にレンから遠ざけるように手を回しておかないといけませんね。

 それはそうと、レンにスクロールを渡すと、かなり驚いていますよ?


「お姉ちゃん、こんなに魔術のスクロールを私に使っても良いのですか?」


「取り敢えずレンの闇魔術が初級だから、私の使える物を転写したのです。レンには闇の加護があるから、闇魔術なら全ての適性があるそうですよ」


「いえ、そうではなくて、このスクロールは貴重な物だったはずだし、魔術は普通は個人が秘匿するものなので……」


 あー、そう言えばそうでしたね。

 最近は、私の身内系の人には、ばら撒きまくっているので、すっかり忘れてましたよ。

 シズクの痛い軍団の人達は、律儀に秘匿してますが、逆らったり裏切ったりしたらどうなるかを某事件で教えられたらしいので、未だに1人も裏切ったりしていないそうです。

 まあ、以前に所属していた所よりも環境が良いし、訳のわからない修行で実際に強くなっているので、問題は無いみたいです。

 例外で教えているとしたら、オリビアには内緒で教えています。

 カミラに見つかると小言が煩いのですが、色々と情報を提供してくれるので、この国や近隣の情勢なんかも結構知る事が出来たのですよね。

 今は、書き換えられた過去の歴史を調べてもらっているので、これからも私の情報源になって欲しいですからね。

 1つ問題があるとすれば……オリビアもエルナの同類なので、たまに違うご褒美を求めてくるのですが……何とかならないのでしょうか?

 スクロールにしても、製作方法がわかったので私が作っているだけで、貴重な物でもなんでもありません。私の収納に腐るほどありますよ。

 作り方がわからないのは、昔に手に入れたサテラの持ち物の魔法を封じ込めたスクロールなのです。

 同じスクロールは作れなかったのですが、それの応用で、武器に宝玉を付けて魔法を籠める事には成功しましたけれど、中級までが限界なのです。

 あのスクロールには、上級と最上級の魔法が封じ込められているのです。私が精製した宝玉の方が魔法を封じ込められると思うのに、実際には無理をすると耐えられなくて壊れてしまうのです。

 サテラに聞いたら、魔龍王の参謀をしていた魔術師が1日に1回だけ作る事が出来たらしいのです。クロノスに裏切られた時に殺されてしまったらしいので、誰もその技術を継承してないらしいです。

 下位の初級魔術なら使うと発動する物は一応は売ってます。これなら私の作った宝玉の方が中級までなら籠められるのですが、違いがいまいちわかりません?

 常時の効果が得られる物なら、使用者のマナが必要ですが、付与した方が早いので、私の現在の課題になっています。私にも付与魔術が使えたら、もっと効率良く作り出せると思うのです。ここだけはシズクに頼らないといけないので、私の作った物には最初から組み込めないのが欠点ですね。

 しかし、この世界の魔術の習得方法はめんどいです。

 シズクの世界のゲームみたいにレベルが上がったら勝手に覚えれたら楽なんですけどねー。


「そのスクロールは私が作成した物だし、私は可能な限り教えた方が良いと思っているので、気にしなくても良いですよ? 一応ですが、レンが誰かに教えるのだけは禁止しますけどね」


「それは当然です。お姉ちゃんは私の知っている方達とは考え方が違うのですね。それとも私が眠っている間に世間の常識が変わってしまったのでしょうか?」


「お姉様が開放的なだけで、レンちゃんの常識が今でも普通です。覚えたら、明日はレンちゃんの戦闘スタイルが見たいです!」


「シズクの言う通りもっと気楽に考えて下さい。私達といる時は良いのですが、他の人と接触する時はその中にある『ダーク・イリュージョン』の魔法で瞳の色を誤魔化しておくようにして下さいね? 赤い瞳は畏怖の対象だったらしてので、用心するのに越した事はありません。私としてはレンの真紅のルビーみたいな瞳は綺麗だと思うので、好きなんですけどね」


「赤い瞳は何かあるのですか? そう言えば、レンちゃんみたいにはっきりとした赤い目をした人は見た事がありませんね?」


「シノア様の指摘は間違っていません。いまでも赤い瞳を持つ者は吸血鬼なのではないのかと危険視されています。昔のようにそれだけで処刑の対象にはなりませんが、目を付けられてしまう可能性は高いです。特に、西方の神聖ヴァリスでは、いまでも処罰の対象になっています。目が赤いだけで、吸血鬼の可能性があると難癖を付けられて、逆らって殺されるか、奴隷に落とされて強制労働に従事させられる事になりますし。見た目の良い女性は娼婦にされる可能性が高いのです……」


 シズクの言う通り、確かに赤い目の人はあまり見ませんが、神聖ヴァリスって、セリスの話を聞いていると最低ですね。

 どの辺りが神聖なのか教えて欲しいぐらいです?

 レンは付いている以外は美少女の男の娘なので、娼婦確定ですね。

 お風呂の時の様子から見ると……私もちょっと可愛がりたい衝動に駆られるので、首輪でも付けられてペットにされそうですね。


「わかりました。瞳の色はお姉ちゃんと同じにしておけば、姉妹で通せると思います。初めて魔法を習得しましたが、この魔法は容姿まで誤魔化せるので、すごいですね」


「えっ!? その魔法って、部分的にしか変化させられないのでは?」


「いえ、全体的に使えますが。例えばですが、『ダーク・イリュージョン!』これで私がどう見えますか?」


「レンちゃんが美人のお姉さんになってしまいました!」


 ちょっと……私が使うと部分的しかダメなのにレンが使ったら、成長しているではないですか!

 しかも、男の子なのに胸が……。

 確か幻術だったはずなのに。どうして着ているネグリジェがゆったりだったのにぴちぴちになっているの!

 おかしい……それならば完璧な変身が出来る魔法になるのですが!


「ちょっとレンの胸に触っても良いですか?」


「構いませんがマナで作り出しただけですよ?」


 私が胸を揉んでみると普通にカミラの胸と同じ感触がします……私が使った時と差があり過ぎるのですが……これがこんなに素晴らしい魔法だったなんて……何が違うのですか!

 シズクも体を触りまくっていますが何か気付いたみたいで驚いています。


「レンちゃんの股間がすっきりしています。本当の女の子みたいです。闇魔術って、こんなすごい魔法があるのですね」


「本当の女性には無いと知りましたので、構成しませんでしたが、おかしいですか?」


 確かに触るとありません。これは幻術のレベルを超えていますよ。

 (んー、適性の違いですねー)

 私が疑問に思っていると、ノアが私だけに語り掛けてきました。適性の違いだけでこんなに変わるのですか?

 (んー、あの子は闇の加護があるから、あの魔法の全てを引き出せているんだよ。僕らがあのレベルまでの変化をさせるのでしたら、マナをより多く消費すれば可能ですが、マナの無駄遣いだから、僕が籠めれないように抑えているんだよ)

 それは、私にも可能となのに、ノアが邪魔しているから、あの程度しか使えなかっただけなのですか?

 (んー、あんな全体的にマナの上乗せなんかしたら、無駄に消費するだけだから、僕らにとっては非効率です)

 私にも出来るように抑えるのを止めて下さい!

 (んー、却下)

 即答ですか!

 私が成長できる唯一の方法があるのに使えないとか、私にも人並みの胸を下さい!

 (んー、あんなの邪魔だよ。いまのスタイルの方が戦いやすいし、君の事だから普段から無理して維持しょうとするから、絶対に許可しません。欲しかったら、カミラの胸でも揉んで満足して下さい。あれは僕らの一部なんですから、好きなだけ揉めますよ?)

 私は魔術を併用しないと並程度の戦闘しか出来ないので邪魔ではありませんし、一度で良いから、揺れてみたいです!

 それに私は揉みたいんじゃなくて、自分に欲しいのですよ!

 確かに揉むのも好きですが、試しに自分の成長した姿も見てみたいではありませんか?

 (んー、成長しても胸は育ってないから、無駄な努力です。スレンダーな美少女になるだけですから、君の考えている姿にはなりませんので、諦めましょうー)

 ちょっと、その言い方ですと私の成長した姿を知っている事になりますが。私の知らない間に使って確かめたのですか?

 ……返事がありません。

 これ本当に都合の良い時だけ私に囁いているだけではないですか……使い方がわからないけど、余剰レベルを無駄に使った気がします……。


「お姉ちゃん、どうしたのですか?」


「何でもありません……レンは適性が高くていいなーと思っただけです。ええ、それだけです……私も成長してみたかったな……」


「適性の差だけでここまで変化出来るなんて、この世界の魔法の基準が良く分かりません。お姉様には、この魔法の適性が全く無いのですね?」


「私にも可能らしいのですが、ノアが邪魔しているだけですよ……それにしてもどうしてシズクがそんな事を知っているのですか? 私は人前でこの魔法を使った事は無かったはずですが?」


「お姉様が個室のお風呂に入る時に、たまに胸だけ大きくしているのを見たのですが、お風呂に入ると胸とお湯が混ざっているように見えるので、レンちゃんみたいに質量までは効果が無いと思ったのです」


「……扉が開いた形跡はなかったのに。どうやって見たのですか?」


「実は驚かせようとして、気配を消して天井に張り付いていたのですが……お姉様がお風呂に入った時に浴槽に飛び込むつもりでしたが、雰囲気的に行きにくかったので、そのまま張り付いて見ていたのです」


 ……それは、私が一生懸命に無駄な事をしていた事を上から全て見ていた事になりますが。私の魔力感知に引っかからないとか忍者って、すごいですね……そして、私の秘密を見て暴露までしてくれるとは……。


「お姉様、どうしたのですか? なんか雰囲気が沈んでますが、言わない方が良かったでしょうか?」


「シズク……ちょっと寝る前に罰を与えなければいけませんね……私の膝に来て、パジャマのズボンとパンツを脱いで私が叩きやすいようにしなさい」


「今からですか? お仕置きされるのは構いませんが、寝る前に叩かれると……」


「黙って、こちらに来なさい。気持ちよく寝れるとは思わないで下さいよ? レンとセリスは先に休んでて下さい。私は気が晴れるまでお仕置きをします」


「お姉ちゃん、お仕置きって……」


「レン、あちらに簡易の寝床がありますので、一緒に先に休ませてもらいましょう。ちょっと雑音が聞こえるかも知れませんが、気にしてはいけません」


 セリスがレンを連れてシートの上に引いただけの掛布団の所に連れて行ってくれました。

 私が何をするか良く知っているので、セリスは優秀ですね。


「さあ、久しぶりにいっぱい叩いてあげますので、喜んで下さいね?」


「お手柔らかにお願いします……お姉様に胸の事は禁句でしたね……叩かれるのは嫌いじゃありませんが、時間を考えるべきでした……」


 その夜は私の気が晴れるまで、しっかりとお仕置きしてあげました。

 途中から麻痺して来たのか痛がるどころか喜んでいました。癒す人がいないので、後で大変な事になると思いますが、私は疲れを知らないので、ずっと叩き続けられるのは便利ですよね。



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