表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生まれ変わったのですよね?  作者: セリカ
71/378

69 小姑が強化されました


 昨日は憂鬱でした……女神様に会えてとても良い気分だったのに一気に落とされましたよ。

 セリスが私の様子に気付いて、私に聞こうとしたら……カミラが代わりに答えた所為で、私の職業までばればれです……。

 慰めてくれましたが、一瞬だけ考え込んだのを私は見逃してはいませんからね?

 気分が乗らなくていじけていたら、シズクが魔法少女の衣装を持って来ので、約束通りに着ましたが、ポーズまで要求して来るのです。そんな気分じゃなかったけど……カミラが、ちゃんとやらないと口が滑りそうとか言うから、やけくそでやりましたよ!

 そんなコスプレ状態の時にエルナとオリビアまで来るから、2人のおもちゃにもされて散々でした。

 本当は今日からダンジョンの続きの予定で、昨日はその話し合いもする予定でしたが、私の心はボロボロでしたから、無理でした。

 なので本日はふて寝をしています!

 エルナは起こしてからカミラと先に食堂に行ってもらいました。後で行くとだけ言ってあります。

 別に眠っているわけでは無いのですが、ベットから出たくありません……。

 しばらくシーツに包まっていると、足元からもぞもぞと誰か入ってくるのですが……。


「お姉様どうなされたのですか? エルナお姉ちゃん達しか来ないし、昨日も何か元気が無かったのですよね?」


「シズクでしたか……まあちょっとショックな事があっていじけているだけですよ……」


「何があったのか分りませんが、いつものお姉様らしくないので、元気を出して下さい。私で宜しければ相談に乗ります!」


 シズクの真っすぐに私を思う気持ちが感じられるので、心なしか癒される気分です。

 ちょっと昨日の事を話してみようかな……シズクなら何となく理解してくれる気がします。

 女神様に会った事や私の変化の事を話しましたが、笑わずに真剣に聞いてくれます。

 どこかのお目付け役とは大違いです。


「なるほど……そういう事でしたか。別に気にする必要は無いと思います」


「だって、放蕩娘なのですよ? 確かろくでなしを指す言葉ですよね?」


「悪く言えばそうなのですが、見方によっては自由人と言えますよね? 自分の好きなように行動する人を指していると思うのですが、恐らく女神様はそう思って変更したと思いますよ?」


「確かに、女神様は私に好きなように行動すれば良いと言っていましたが……」


「最初にお姉様に付けていた名称から考えれば、多分こんな感じ? ぐらいで付けていると思いますので、次に会う事が出来た時に聞いてみれば良いと思いますし、次はちゃんと要望を言えば変えてくれると思います」


 そう考えると別に悪い意味とは思えなくなって来ますね……シズクって、私より年下なのに考え方が大人染みています。

 ちょっと漫画に感化され過ぎていますが、何事にも真剣に取り組みますからね。


「シズク、ありがとうね。そう思えばへこむ必要はありませんね」


「そうですよ、お姉様が落ち込むのは似合いませんので、いつものように振舞って下さい!」


 元気が出て来たので、ベットの上で思わず立ち上がりました!


「ふっふふふ……まずは私が落ち込む原因になったカミラにきついお仕置きをしなくてはなりません……お目付け役なのに主を落ち込ませるとは罪が重いですね!」


「お姉様、その通りです! カミラお姉ちゃんには気の毒ですが、お仕置きでもして鬱憤を晴らして下さい! それと一つ聞きたいのですが、お姉様はいつも裸で寝ているのですか? いつもはエロエロなネグリジェを着せられていると思っていたのですが?」


「先ほどエルナに全部脱がされただけです! 断ると朝からごねるので、好きなようにさせているのですよ」


「丁度良いので、ついでにこれを着て下さい。そして、カミラお姉ちゃんにお仕置きをしに行きましょう! 私もお手伝いします!」


 これは昨日の魔法少女の衣装ではないですか……確か無駄に性能が良いし、謎の隠密機能が有って気配が消せたはずです。

 ただ……サテラのエロドレスを超える露出度なのです……私が苦労してオリハルコンを繊維状に錬成した物を勝手に使って作ったのです。ほとんど水着と変わらなくて、スカートが付いていると思ったら前が開いているし、肩から腕までは袖がありますが、腕に垂れ下がっている長い袖に暗器が仕込めるそうです。私は忍者ではありませんよ。

 足だって膝上までのミスリルで編んだストッキングらしいのです。速度強化の付与がしてあるので、セットの靴と併用すると倍増するらしいです……それも私のマナを使わずにその全ての効果が発揮されるという優れものなのです。

 防御面も物理防御も高く、露出している部分も何故か範囲にはいっていて、初級魔術は完全に防いで、中級魔術も私がマナを注げばほぼ防げる仕様なのです。

 このデザインさえ除けば、現時点で私の最高の防具に仕上がっているのです!

 シズクが私の為に今出来る全てを注いで作り上げた物なのですが……直接肌に密着していないと性能が下がるので、下着などは禁止されていて、エロドレス以上の仕様です。

 ……もう昨日散々披露したし、開き直ってこれを愛用しょうかな……私の反応も納得していたので、フード付きのマントも別にありますから、羽織っていれば問題はありませんし、防御力に関してはこの衣装より高いそうです。

 

「わかりました……せっかくシズクが私の為に最高の防具を作ってくれたのですから、これからはこれを使う事に決めました!」


「お姉様、ありがとうございます! これで私とお揃いで戦いに臨めますね! 操ちゃんのアナザーストーリーの闇の魔法少女のコスプレですから、魔法が得意なお姉様には絶対に似合うと思っていたのです!」


 ……なぜ闇の魔法少女なんですか?

 そう言えば、以前に見た記憶では青い正義の魔法少女のイメージだったのに、これ黒に統一されていますよね?


「私の知っているイメージと違うような……」


「それは番外編の最初の設定で、後ほど闇に染まって強くなるのです。大切な人達が全て殺されてしまった後に覚醒する最強のバージョンです!」


 いまシズクの考えている事を読んでみたのですが……操ちゃんの友達や美形のお兄さんや美人のお姉さんや仲間がみんな殺されてますけど……覚醒とか言ってますが、ほとんど魔王が誕生したような感じの話になっています。

 番外編とか言ってますが、拷問の次は殺戮者になる話ですよ……こんな漫画とかが普通に流通しているとか恐ろしい世界ですね。

 まあ何でも良いか……私が強化されるのですから、気にしない事にしましょう。


「まあ、理解しましたが、欠点としては毎回着るのが大変ですよね」


「首の部分に付いている宝玉に触れてレリーズと言えば解除されてチョーカーの部分だけになって収納されます。次に装備する時はチョーカーに触れて、プリズム・インストールと言えば瞬時に展開されます」


 試してみると出来ました。無駄にすごい機能ですが、毎回この台詞を言わないといけないのでしょうか?


「これ台詞無しにはならないのですか? 人前だと流石に言い難いのですが……」


「魔法少女が変身をする時に台詞を言うのはお約束なので、絶対に無理です」


「……では、毎回裸にならないと装備出来ないのですか?」


「それまで着ていた服は、宝玉に収納されますので、入れ替わるだけですから、どこでも変身が出来ますよ!」


 それは助かりました……毎回全て脱いでいたら地味に精神ダメージを受けてしまいます。


「ちなみにいまの出し入れで、装備者がお姉様に完全に登録されましたので、もう誰にも奪う事は出来ません」


「奪う人はいないと思うのですが……登録されてしまったのですか?」


「チョーカーの状態でも外そうとすると相手に電流が流れる付与がしてあるので、注意して下さい。お姉様も外せないので普段でもお洒落な感じに作ったので気に入ると思います!」


 怖い付与がしてありますね……てか、私も外せないとか呪いのアイテムですか!


「これ、私にも外せないのですか?」


「外れる時は、コスチュームが全て破壊された時だけです。自動修復機能も付けてありますから、完全破壊とか絶対にありえませんので、完璧ですよ!」


 ……もう外せないとか私は呪われてしまったようです……せめて、台詞だけでも無くすか変えて欲しかった……人前でプリズムとか言いたくありません!

 せめてもの救いは高性能な所ですね……。


「取り敢えず着替えてから装備し直すとして、どうやってカミラにお仕置きをしましょうか……森の洞窟の奥に転移ポイントでも作って来て置き去りにするとか面白そうなのですね。カミラは意外と臆病ですから、暗闇に放置とかしたら怯えながらお漏らしでもするに違いありません!」


「そうなのですか? よくそんな下らない事を思いつきますね? 私も貴女にお仕置きがしたくなって来ましたよ?」


「えっ!?」


 私が振り向くと同時に腕を羽交い絞めにされてベットに押し倒されています!

 カミラの細腕に押さえつけられています。どこにこんな力があるのか不思議なのですが、まったく振りほどけません!

 それにしてもいつの間に居たのですか!


「中々来ないから心配して様子を見に来たら、私に悪戯をする事を考えているなんて呆れましたよ」


「ちょっと私を拘束するのは止めて下さい! 早く放して下さい!」


 強く言ったのにカミラが拘束を解きません?

 私にはカミラの体に対する支配権があるから、命令出来るはずなのにどうして!?


「無駄ですよ? もう貴女には私に対する命令権が無いのですよ?」


「どうして!?」


「貴女が下らない事を私にさせようとするので、ノアさんに相談をしたら、特別に私に対する命令権を凍結してくれたのです。そうしておかないと、私にお目付け役を頼んだのに、貴女が私に強制力で命令をしたら意味が無いとの事です」


「そんな事が可能なのですか?」


「貴女自信が眷属にした場合は無理ですが、私を眷属にしたのはノアさんなので、私は彼女の影響が強いので可能なのです」


 そうなるといつの間にかお漏らしもしなくなっていたのですね……あんな面白い性癖を消すなんてノアも分っていませんね……。

 仕方ないので謝って何とかこの場を脱出しなくてはいけません。

 身体能力では、現在はカミラの方が上なので、私に出し抜く方法はありません!


「ちょっとした出来心なので、許して下さい……もう二度どそんな事は考えませんので……」


 カミラの目がまったく信用していないかの如く冷たいです……。

 先ほどから静かなのですが、こうなったらシズクに何とかしてもらうしかありません。

 (シズク、私を助けて欲しいのでカミラを何とかして下さい!)

 (余りにもカミラお姉ちゃんが自然に介入して来たので驚きましたがお任せください!)

 シズクが何か行動をしょうとしたら……。


「シズクさん、そのまま傍観していないとノアさんに言い付けますよ? 私にはシノアの眷属を決める権利があると以前にお話ししたと思いますが、それを分っていて邪魔をするのでしたら、もうお分かりですよね?」


「申し訳ありませんが、お姉様の助太刀は不可能になりました。せめて見届けさせていただきます」


「シズクの裏切り者!」


「貴女がシズクさんと念話で意思の疎通をしている事は知っているのですから無駄です。それではお馬鹿な事を考えていたシノアにはいつものお仕置きをしましょうね」


「いつもって言って、またお尻叩きですか! いい加減にこれ止めましょうよ!」


 私の両腕を片手で押さえつけたまま私の体を膝の上に持って来て、背後のスカートを巻くって叩いていますが、痛くないですね。

 

「おかしいですね……叩いている感じがしません。どうもこの服の防御力は優れているみたいなので解除して下さい」


 この魔法少女の服なら、お尻叩き程度の攻撃は全て無効にしてくれるようです。意外な所で素晴らしい真価が発揮されています!

 私の最後の砦なので死守しないといけません!


「嫌です!」


「解除しないのでしたら、またお馬鹿さんにするしかありませんね。今度は当分は字が読めなくなるかも知れませんね……貴女が日頃からちゃんと勉強をしていれば身に付いているので問題有りませんが、どうなるのかしらね?」


 ……無理です……最近は殆どダンジョンに行っていますし、授業なんて無視して他事をしているのですから、勉強などしてません!

 まともに勉強などしているのは、真面目なカミラだけで、エルナだって渋々しているぐらいなんですよ?

 こんな素晴らしい記憶力と楽できる知識が有ったら、今更覚え直すなんて事をするわけないですよ!

 それにちゃんと勉強をしても、それが自分だけの知識になるとは思えないんですよ……どこからどこまでが身に付いている知識かなんて、分かる訳がありません。

 先ほどから掴まれている腕は背中と一緒に押さえつけられていますが、私の力ではまったく振りほどけません……片手で押さえられているのに、何故?

 私とカミラのレベルは同じだけど、カミラの場合は私よりも元の身体能力が眷属になった時も低かったので、腕力では完全に勝っていたはずです。

 いくらノアと訓練しているとはいえ、ここまで差が付くのはおかしいですよ!


「1つだけ聞きたいのですがどうしてカミラの方が私よりも力があるのですか? 背中で押さえつけられているとはいえ、私は全力で振りほどこうとしているのに、カミラは片手で簡単に私を押さえ込んでいるのが、納得出来ません」


「別に隠す事では無いので教えます。基本能力では、私は貴女よりも劣っています。当然ですが、腕力は貴女よりありませんので、魔法で補っているだけです」


「カミラにはそんな身体能力を高める魔術があったのですか!? 私にはまったく思いつかないのですが、聖魔術の初級にそんなのあったのかな……」


「私もノアさんに散々叩き込まれるまでは無理でしたが、『エア・アーマー』の魔法を部分的に使っているだけです」


「はぁ? あのそよ風の魔法ですか?」


「そうですよ。シズクさんのように全体的に使って感知に使う方法も有効ですが、部分的に集中すれば風の圧力で恐ろしい力を発揮出来るのです。しかも私達はマナの籠め方とイメージでどんどん強化出来るので、この魔法を使いこなせば、身体能力が格段に上がるのです。私にはまだ無理ですが、ノアさんはこの魔法で全身を強化しているので、攻撃も重いし、体に届く攻撃も半減させているので半端な攻撃は通用しません」


 まじですか……このネタの魔法がそんなすごい魔法だったなんて……。


「この魔法を作り出した者はかなりの高位術者だったのですが、敢えて初級に分類されるように生み出したみたいですね。一般的には練習用の魔法として幅広く広まっていますが、これが本来の使い方なのです。今も私の左手に集中しているので、私が貴女の両手の手首を軽く掴んでいるように見えますが、風の圧力を私の指に掛けて掴んでいるだけです」


 それなら私も同じ事をすれば振りほどけるはずなのですが……試していますが、まったく持ち上がりません!


「同じ事をして押し返そうとしていますが、無駄ですよ? ここまで制御するのにノアさんに散々扱かれました。それにいま聞いただけの貴女のイメージには負けませんよ? 貴女が望むのでしたらこれからは私と組手をして鍛えてあげますが、死なない程度まで叩き込みます」


「そんな訓練はしたくありません! 鬼ですか!」


「ノアさんの訓練に比べれば優しい方ですよ? 彼女は手加減などは、まずしないので、私は訓練の度に手足どころか首なんてもう数えきれないほど刎ねられていますし、見本と言って風の圧力で潰された時は何度もこのまま眠りたいと思いましたね……」


 それは……訓練というよりも拷問の類ではないのでしょうか?

 カミラの性格が段々ときつくなってきたと思ってはいましたが、そんな事をしているから、精神も鍛えられているのですね……。


「そこまでするなんて……次にノアに会えたら抗議しなければいけませんね……私の大事な友達にやり過ぎですよ……」


「貴女が私の心配をしてくれるのは嬉しいのですが、これは私がお願いをして鍛えてもらったので、問題はありません。貴女の為を思うならこのぐらいの強さは必要ですからね。それよりも、諦めて早く解除しないと貴女を押さえている風の圧力を上げて重力魔術に近い事も出来ますから、いくら貴女でも苦しい思いをしますので、出来ればしたくありません。お馬鹿さんとどちらが良いのかしらね?」


「この魔法はそんな事も出来るのですか?」


「私もノアさんに教えてもらうまでは、重力魔術で押さえ込まれていると思っていました。接触した状態なら、範囲を手の平に集中するだけで十分に相手を押さえつける事が可能なのです。貴女は基本的には人間と同じ設定なので、私が最大で押さえ込めば体を押しつぶす事も出来るので、殺す事も可能です」


「……カミラが悪魔に見えます……」


 そうすると、私よりもカミラの方が格闘などの接近戦などでは完全に上になっていますよね?

 私も強くなりたいとは思いますが、そんな拷問みたいな訓練はしたくはありません!

 サテラに暴露される前までは戦えないように振舞っていたのですが、もう隠す気も無いようです。このままですと、悪戯なんかしたら、毎回お仕置きが確定のようです。私が主とは思えません……完全なお目付け役になってしまいました。


「もう1つ面白い罰があるのですが、試してみますか?」


「一応聞きますが、どんな罰なのでしょうか……」


「圧縮した空気を貴女のお腹に送り込むのです。無理をすると破裂してしまいますので、苦しい程度で止めますよ? ちなみに私は破裂の経験がありますので、悲惨とだけ言っておきます」


 何それ……そんな恐ろしい拷問まで受けた事があるのですか?

 お腹が破裂寸前まで膨らむとか、私は経験がした事が無いのですが、すごく嫌です!

 どれを選んでも最悪なので、私の取るべき道は1つしかないようです……。


「両手を押さえられていたら、解除できません」カミラに手を放してもらったので、チョーカーの宝玉に触れて、「れ、レリーズ……」


 衣装が解除されて裸の状態になってしまいました……先に着替えておけば良かったです……。


「貴女まだ着替えてなかったのですか……まあ、ちょうど可愛いお尻が叩きやすいので、都合が良いですね」


 その後、真っ赤に腫れ上がるまで叩かれました……いつかの仕返しも入っているみたいらしいのですが、やけに痛いと思ったら、叩く手の威力も上がっているので、最悪でした……。

 満足したカミラは、しくしくと泣いている私のお尻を摩りながら何か言ってきますが、暴君のサテラに匹敵する悪魔が増えただけですよ……。


「うぅ……カミラがいじめる……」


「貴女が下らない事を考えなければ良いのです。私はいつだって貴女の事しか考えていません。セリスさんもそうなのですが、私も貴女に触れているだけで心が満たされた気持ちになるのです。その貴女を叩くなんて事をするのはとても心が痛むのですが、心を鬼にして厳しくしているのです」


「それなら、お仕置きは止めてくれればいいのに……」


「貴女の為にしている事なのですから、私は貴女を正しているだけです」


「別に悪い事なんてしてないのに……ちょっとカミラに仕返しをしょうとしただけですよ」 


「そのような考え自体がいけないのです。これに懲りたら下らない事を考えるのはもう止めましょうね?」


「最近のカミラは厳しいです……以前なら見逃してくれたのに……」


「今でも十分に目を瞑っています。丁度いいので、貴女にお願いがあるのですが、私に手頃な短剣を2本作って下さい。マナが通しやすい丈夫な物が良いです」


「まさか、その短剣で私にお仕置きでもするつもりでは……お尻に刺すとか鬼ですね」


「貴女じゃあるまいし、そんな下らない事はしません。毎回手刀を魔法で継続するのはマナの無駄ですので、近接用に武器が欲しいのです。簡単に折れたりしない物がいいので、貴女はオリハルコンが作れたはずですから、それを希望します」


「それでは、カミラも前で戦うのですか?」


 さらに恐ろしくなってしまいますが、戦力がアップする事は歓迎します。

 私は後方で楽がしたいので良い事です。


「私は戦闘には弓でしか参加するつもりはありません。仕方のない状況以外は接近戦などは出来ないふりをしますので。ただの保険で欲しいだけです」


「えっー、そんなに強いのにですか? 下手したらシズクと互角ですよね?」


「まともに戦ったら勝つのは厳しいですが、範囲攻撃を混ぜた戦いなら勝算はあるかも知れませんね」


「それだけでも十分に強すぎると思いますが……現在はオリハルコンの在庫が無いので、貯まったら作ります。材料の指定まで来るとは……」


「可能な限り最高な物を持っておきたいのです。アルカードさんのような相手に遭遇したら、それでも厳しいぐらいです。もう1つお願いしたいのですが、時間がある時にミスリルの矢も作って下さい」


「それなら在庫があるので問題有りませんが、どうしてですか? あの弓ならマナの矢を作り出した方が威力があると思いますが?」


「私達は何をするのにもマナが無いとダメなので、マナの消費を抑えたいのです。ミスリルの矢なら少しマナを上乗せするだけでもかなりの威力が望めますけれど、普段は普通の矢か属性矢を使うつもりなのです」


「今日中にいくつか作っておきます」


「それではお願いしますね。どんなのが使いやすいのか試したいので、今から貴女の工房にある短剣をいくつか貰ってもいい?」


「試作品なので、好きに使って下さい。折れても工房に置いといてもらえば、別の物に作り直すので捨てないで下さいね」


「わかりました。それでは行きますが、早く着替えるのですよ」


 ふぅ……やっと小姑がいなくなりました。

 しかし、やたらと注文が来ました。最近は遠慮というものがまったく無くなって来ましたね?

 以前なら、武器に関しては何も言わなかったのですが……何となく、カミラの方こそ人格が変わっている気がします。


「お姉様、大丈夫ですか?」


「シズクが助けてくれないから、お尻がまだ痛いです。それにしても癒す事にマナを集中しているのですが、痛みが治まらないのです。治るのは腫れたお尻だけですが……まるで以前にエレーンさんにつねられた時と同じ感覚なのですが、まさかね……」


「エレーンお姉さんにですか?」


「私が痛みに慣れている事を知っているので、精神体に関渉したみたいな事を言っていたのです。ただほっぺをつねられただけなのに、もの凄く痛かったのですよね。正直、普通に斬られた方がましかと思いました」


「まるで漫画みたいな設定ですね。精神体とはアストラル体みたいなにもので、これに直接攻撃とか出来たら、肉体のダメージが無くても相手が倒せるみたいな事が出来るのですね? 流石に異世界の設定は怖いですね」


 ふむふむ、シズクから見たらこっちの世界が異世界ですか。シズクのオタク知識のお蔭で何となく理解出来ますが、そうなると今の私はそっちが傷ついているので、そちらを治せば良いと思うのですが、治し方がわからないですね?

 そう考えながら意識してもダメみたいなので、キュアを使ってみると痛みが和らぎました。

 ついでにヒールも使ってみたのですが、こちらは残りの赤くなっていた状態の肉体の方だけ治っていきます。

 どうも、精神体へのダメージに対してはキュア系の魔法を使わないとダメみたいです。

 そして、この体のマナの治療に関しては、あくまでも肉体だけに限定される事がわかりました。痛みが強烈な時は最初からキュアを使った方が良いみたいです。

 それにしてもカミラがそんな攻撃も出来るとは、どこまでノアに戦闘技術を教えてもらっているのでしょうね?

 

「それにしても、カミラお姉ちゃんは、短期間ですごく強くなりました。お姉様を拘束した手際には私も驚きました。あの魔法の使い方は私も試していたのですが、やはり出来たのですね」


「シズクも知っていたのですか?」


 シズクが考え事をしている横で服を着ながら聞いていましたが、刀の強化でも試していたのかな?


「使っている内に纏う風が強くなって来たので、もしかしたら可能なのではと思って色々と試していたのですが、私にはあそこまで使いこなすのはまだ無理です」


「カミラの話を聞いてからは、私はてっきり刀にでも使っていると思いました」 


「硬い相手を攻撃する時は『ウィンド・ブレイド』系を重ね掛けして威力を上げています。カミラお姉ちゃんと同じ事が出来れば刀の速度も更に上げる事が可能になります。剣の速度と威力を上げる魔法もありますが、マナの消費と効率を考えたら。『エア・アーマー』の方が理想的になりますし、全身を常に強化出来るのであれば、通常の状態から恐ろしく強化可能ですね」


 私もなるべく使うようにして、少しづつでも応用できるようにしておきましょう。

 カミラに教わると、死なないと思って、悪夢のような訓練が待っていそうなので辞退します。

 しかし、カミラの変化が気になるのですが……。


「シズク、ちょっと私に付きあってくれますか?」


「お姉様のお誘いでしたら、どこで行きますよ!」


 では、シズクをパーティーに入れて転移しましょう。

 ここでは突然誰か来たら、また面倒な事になると問題ですからね。

 着替えたので、さっさと転移して脱出です!


「ここは、サテラお姉ちゃんが居た泉ですね」


「ここなら、誰も来れないはずです」


 シズクを連れて泉に来ましたが、転移魔術でも使えないとお屋敷から追尾は不可能ですからね。


「それでここで何をするのですか? もしかして……私はお姉様とここで結ばれるとか……ここならとても満たされた雰囲気がしますので、お姉様が望むのでしたら全て受け入れますが……」


「しません! シズクにそんな趣味もあったとは驚きです……ちょっとカミラの事をどう思うか聞きたいと思っただけです。以前と比べてどう思いますか?」


「違うのですか? ちょっと期待したので残念です。カミラお姉ちゃんですか? そうですね……基本的な所は変わっていないと思いますが、お姉様に対する思いというか執着心みたいな物は明らかに強くなっています。同時に学校の先生みたいな感じがします」


「セリスと同じなので触れていないとまずいみたいなのです。お目付け役らしいので、ちょっと小言が増えましたが、他にはありますか?」


「戦闘面で言えば、私よりも上になったと思います。先ほどは勝てないみたいな事を言っていましたが、それは剣術に限定しただけですから。体術もすごかったので、魔法と併用されたら、私は躱すだけで精一杯になるかと思います。何しろ私は致命傷を受けたらお終いですが、カミラお姉ちゃんは首か心臓でも失わない限りは倒れませんので、勝てる確率は私の方が低いと思います。それに、当然そんな事はわかっていると思うので、狙わせてはくれないと思います」


「痛みに対しても知らない内にすごく慣れてしまったので、腕とか斬られても気にせずに攻撃出来そうですね」


「私がカミラお姉ちゃんに勝つには、マナが枯渇するように持久戦に持ち込むしかありませんね。先ほども武器と矢をお姉様に頼んだのもその事が理由かと思います。恐らくですが、マナの最大保有量はお姉様よりも少ないと思います。いくらなんでも、私みたいに常に風を纏っていたら、マナの回復が追いつかず減る一方になります。確かにこの『エア・アーマー』の魔法は纏う風を強化出来ますが、あんな使い方をすれば、当然ですが消費マナも多くなってしまいます」


 ふむ、いまちょっと試してみたのですが、一部分にかなり集中すると、マナが減っていく感覚が増えて行きますね。

 この程度で増えるのですから、先ほどのような使い方をしていたら、短期決戦じゃないと、私達は動けなくなる確率が上がってしまいます。

 ノアは全身に纏っていると言ってましたが、そうなるとかなりのレベルが必要と思いますので、今の私達には部分強化が限界だと思います。

 そうなると……もう少し粘っていれば、カミラが適当な事を言って、私を解放してくれた可能性もありましたね?

 私がまったく動けない程の力を加えていたのですから、かなりのマナを消費していたはずです。

 今頃は、マナポーションを飲んでいるか、私の蔵の高いお酒でも飲みまくっているかも知れません。

 基本的にはマナポーションの方が良いのですが、強いお酒の方が満たされた気分になるので、変換効率はポーションに劣りますが、つい飲んでしまうのですよね。

 ついでに、シズクにどうして眷属になりたいのかと聞いておきますか。


「話は変わりますが、シズクはどうして眷属になりたいのですか? 確かに不老不死になれますが、私が存在する事が必須条件です。それに、その時の年齢に固定されてしまうので、成長も出来ないし、言いたくないのですが、私の奴隷みたいなものですよ?」


「私は成長したくないので、最低でも15歳までには眷属にして欲しいのです。それにお姉様にはもう全てを晒していますので、奴隷とか言われても何とも思いません」


「そうですが……では、なぜ15歳までなのですか?」


「操ちゃんの設定が永遠の中学生だからです! それに私のお姉ちゃんが高校に入ってから、急に成長してスタイルの良いお姉さんになってしまいましたから、私も同じかと思ったのです」


「シズクの実のお姉さんですか……以前に見せてもらった記憶では、すごく美人な胸の大きなお姉さんですよね? シズクが成長するとこんな感じに……羨ましいと私は思うのですが?」


「あんなに胸が膨らんだら、剣の邪魔です! それに操ちゃんみたいな可愛い格好が出来なくなるので、私はこのままの方がいいのです!」


 シズクのお姉さんも、高校というとこに行くまではシズクと変わらない姿だったのに、たった3年でこんなに変わるので、シズクも一気に成長しそうです。勿体ないと私は思うのですが?

 あくまでも漫画の設定を守りたいとか、恐ろしい影響力ですね……。


「私はもう少し胸が欲しいのですが、個人の価値観なので仕方ありませんね」


「ですから、早く私を眷属にして欲しいので、早く方法を知って下さい! ノアさんが言っていましたが、お姉様の心がまだその域に達していないとの事ですから、精神を鍛えるのではないかと思います。可能でしたら、私の成長後の姿は差し上げます」


「心ねー、もしかしたら私の人格が固定されないとダメなのかも知れませんね。私にはその条件がわからないのですが、カミラも早く固定させたいみたいな感じでしたね。貰える物なら欲しいのですが、女神様から永遠にこの姿と言われてますから無理ですが、勿体ない……」


「私から見れば、お姉様は理想的な姿と思いますが? 確かお姉様は相手の感情を感じ取れるのでしたよね?」


 このちんちくりんの見た目だけで、一応は美少女らしい姿が理想的なのですか?

 私としては、女神様が変化したお姉さんの姿が良いと思うのですが。一時的で良いので、変化とかする魔術が欲しいです。


「今でもシズクからの好意的な感情を感じています。ノアが言ってましたが、負の感情はノアが貰っているとの事です」


「もしかしたらですが、負の感情を蓄積した状態で人格が固定されると、ノアさんと変わらない人格になるのではないでしょうか? ノアさんは敵対する者に対しては容赦がありませんから」


「こないだの事件の時に、悪人を狩りまくった方が効率が良いとか言ったら、カミラに叱られてしまいましたよ」


「お姉様……既に人の命を狩って効率が良いとか言っている時点で、普通の人でしたら驚きますので、言わない方が良いと思います。その辺りの感覚が既にノアさんに近いのでは?」


「カミラにすごく泣き付かれたから、間違っていると思うようになったのですが、どうも考え方がころころと変わってくるのですよね?」


「その辺りが感情に左右されやすいのですね。私もいまのお姉様が好きなので、そのままで固定される事を希望します」


「まあ、あんな事件はそう起こらないと思いますので、大丈夫かと思います。シズクに話したお蔭で何かすっきりした気分です」


「お姉様のお役に立てて何よりです! 帰る前にちょっと泉で泳いでも良いですか? この間入った時に思ったのですが、特にお風呂でもないのに、浸かるとすごく気持ちが良かったのです」


「私も以前は良く使っていましたので良いです。飲んでもマナが回復するから、私には最高な泉なんですよね。しかも常に浄化されるみたいなので、常に透き通っていますし、出た後も勝手に乾くというか霧散されるので、拭く必要もないとか便利過ぎです」


「では、ちょっと泳いでから戻りましょう! お風呂で泳ぐとセリスお姉ちゃんに怒られてしまうので、たまには泳ぎたかったのですよ!」


 お風呂で泳ぐとか、私がやったら確実にエルナからの説教コースが確定ですよ。


「先ほど、飲んでもマナが回復すると言っていましたが、この水を使えばもっと強力なマナポーションが作れるのでは?」


「そう言えば試した事がなかったので、ちょっと持ち帰って試してみますか」


 その後、適当にシズクと泉で遊んでから帰りました。これで完全回復のマナポーションが出来たら、せっせと通って作り置きをする事にしましょう。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ