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生まれ変わったのですよね?  作者: セリカ
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65 朝の一時?


 夢から覚めて、目覚めましたが、勝利して起きるのは気分が良いですねー。

 カミラも起きたようですが、何かぶつぶつ言ってます。

 ノアにパンツ1枚で勝利宣言をした後に、カミラに「頭が良いのにこの手のゲームには弱っちいねー」と、つい言ってしまったら、私が勝って喜んでいたのに倒れてしまいました。

 たまには、誰かに弱っちいとか言ってあげたかったので、丁度良い展開でしたからね。

 そのままいじけてしまったところで目が覚めたから、引き続きベットの中でいじけたままです。


「おはようー、カミラ。せっかく勝って、いい夢になったんだから、もっと喜んでほしいんだけど?」


「私は弱っちい……私は弱っちい……私は弱っちい……私は弱っちい……」


 ……まさかあの程度の言葉で、落ち込むとは……最近密かに作ったプリンみたいなメンタルですねー。

 中々美味しいので結構作ってあるのですが、つい食べてしまうので、在庫が増えないのです。 

 ダメ出し魔王のシズク先生から、ある程度の合格点は貰ってますが、まだ二人だけの秘密なので、2人でこっそりと更なる味を追求する試食会をしています。

 しかし、エルナが薄目を開けてニヤニヤしながら見ているのに気付いていませんが、後でネタに使われても知りませんからね。

 まあ、カミラはそっとしておいてエルナを起こすと、いつの間にかベットの脇にアルカードじゃなくて、アルカの姿のメイドさんがいます。まったく気配が無いから怖いですよ。


「おはようございます、お嬢様。お召し替えの用意は出来ておりますので、着替えたら食堂の方に参りましょう」


「おはよう、アルカ。ここに起こしに来るのはキャロだったと思うのですが?」


「扉の前で、朝一番の挨拶がしたいので、どうしたら良いかと尋ねましたら、キャロ殿からメイドの姿なら、起こしに行っても構わないのと言われましたので、代わってもらいました」


「扉の前って、いつからいたのですか?」


「シノア様がこの部屋にお入りになってから、ずっと扉の前で警護しておりました」


「休む部屋をもらわなかったのですか? この屋敷では、ロイさんとリンさんに従うように言ったよね?」


「勿論ですが、許可を得て警護しております。私には睡眠など不要ですから、リン殿は私の事を素晴らしい護衛と評価までしてくれました。そして、この部屋で御三方がお休みになる時の警護を私に全て委ねるので全力を尽くして欲しいと使命を頂いております」


 なんて、勝手な命令を与えているのですか。

 ロイさんは驚いていましたが、リンさんはアルカードが悪魔である事を知っても、驚くどころか頼もしいとか言ってましたからね。

 しかも、性別が無いから、どちらの姿にもなれるので、素晴らしいとか絶賛していました。あれは、自分に都合のいい手下が手に入ったと喜んでいたのですね。

 悪魔なのに人間に良いように使われているけど、もしかして、本当は悪魔って大した事がないんじゃないのかな……。


「まあ、良いんだけど、扉の前にずっと立っているとか詰まらないんじゃないの?」


 着替えながら聞いてみると。


「主を守る役目があるので、何も気になりませんが? あの地下室で、いつ来るかわからない相手を待つより充実感を得られます」


 そうだよねー。

 あんな何も無い所で、3000年以上も待っているぐらいなんだから、いまの方がましでしたね。


「それで、誰か来たりしたの?」


 深夜に訪ねて来る奴なんていないと思うけどね。

 このお屋敷自体がシズクのコスプレ軍団が徘徊しているんだから、余程の者じゃないと侵入だって厳しいと思います。


「リン殿に紹介された同僚になるメイド達の何人かが私に話しかけて来たり手紙を渡しに来ただけです」


「アルカードさんは、モテますねー。シノア、これ恋文ですよ?」


 いつの間にかエルナが勝手に中身を開けて読んでいます。そういう事をしても良いのですか?


「エルナ、人の手紙を勝手に読むのは感心しませんよ……こないだサテラの日記で私を責めていたのに行動がおかしいです」


「そうなのですが、既に開封されてテーブルに置いてあるから、つい読んでしまいましたので、これは不可抗力ですよ?」


 なんか都合の良い事を言っている気がするのですが……。


「ちょっと、アルカードじゃなくて、今はアルカでしたね。こんな大事な手紙は放置してはいけません。ちゃんと誠意ある対応をしてあげて下さいよ?」


「これは申し訳ありませんでした。リン殿からも大人の対応をして欲しいと言われていますので、必ず誠意ある対応を心がけますのでご安心して下さい」


「まあ、それなら良いのですが、カミラはいつまでいじけているのですか? 早く着替えないと私達がこの子犬の着ぐるみを着せてしまいますよ?」


「こんなに頑張ったのに……私は弱っちい……」


 まさか、ここまで壊れてしまうと、プリンどころかヨーグルトみたいです。


「もう、めんどくさいなー。アルカ、カミラを着替えさせて。まだ動かないようでしたら、お姫様抱っこで連れてきてください。私とエルナは先に行きますから、お願いしますよ。可能でしたら、現実に呼び戻してくれると助かります」


「畏まりました。必ずや立ち直らせて見せます」


「途中で、カミラが正気に戻っても、お姫様抱っこだけは、執事の姿で必ずしてあげて下さいよ? では、頼みましたよ」


 構っていると時間が過ぎていくので、アルカードに押し付けてさっさと行く事にしました。


「宜しいのですか? 良くわからないのですが、あんな姿のカミラは初めて見ました。どんな夢を見たのでしょうね?」


「きっと、テストで、最下位でも取った夢でも見て落ち込んでしまったのですよ。カミラって、真面目に勉強してる分だけ、例え夢でも地味に結果が悪いとすぐに落ち込みますからねー」


「そうでしたか……カミラって、意外と打たれ弱いのですね」


 私が喜ばせた後に落としたとは言えませんね。

 それに、まさか夢の中で一緒に会っていたなんて言ったら、今度はエルナからの追求が恐ろしくて、そんな事は絶対に言えません。


「でも、アルカードさんにお姫様抱っこされて連れて来られたら、他の方が嫉妬してしまいますよ? 昨晩に紹介した時に皆さんうっとりしていましたからね。男性の方達もアルカさんに姿を変えた時は、まるで一目惚れでもしたように見惚れていましたから、もしかしたサテラちゃんが言っていた魅了というのが抑えきれていないのではないのでしょうか?」


「かなりの高位の悪魔らしいので、そんなミスとかしないと思うのですが?」


「まあ確かに、どちらの姿も人とは思えない完成された美しさを感じますので、普通に虜になってしまうのは仕方ないかも知れませんね」


 男性の姿は私のイメージらしいのですが、女性の姿はあの暴君のを基準にしているのです。サテラがお淑やかな令嬢のように振舞えばあんな感じになるのでしょうか?

 いや、絶対に無理です。

 あの性格から変貌するなんて、ありえません。

 最初に会った頃のイメージでは優しいお姉さんと思っていたのに、自由を得たら自分勝手に行動するので、エレーンさんより対処が難しい暴君になってしまいました。あれが本来の姿なのですから、私の見る目は曇っているのですよ。

 そして、食堂に着くとサテラとステラさんがサラさんと楽しく食事をしなから騒いでいます。


「サテラちゃん! これすごく美味しいです! うちはもうこの家の子になります!」


「まあ、それは私の娘になってくれるのですか? ステラちゃんのような可愛い子は大歓迎ですよ?」


「姉さんのようなお馬鹿さんを公爵家の娘にしたら、サラさんに恥をかかせてしまうので、ダメですよ?」


「サテラちゃん。酷いです! うちはそんなにお馬鹿さんではありません!」


 そんなにという事は少しはお馬鹿さんと認めているのですね。


「いまだって、口の周りは汚いは、テーブルマナーは全然出来てないし、散らかし放題だから。まずは人並みの礼儀作法が出来てからじゃないとその辺のペットで十分です」


「また、うちをペット扱いするなんて、うちはお姉ちゃんなんですよ!」


「お手」


「うちは、犬じゃないよ!」


「お手」


「嫌です! 絶対にそんな事はしません!」


「私の言う事が聞けないとか、いつからそんな立場になったのですか? 昨日の話の後に反省して、私の言葉に絶対に従うと約束したのに、もう破るのですか? あーあー、お馬鹿な姉さんが騙されて、私にした事を全て許す代わりにした約束を早くも守れないとか、あの時の私の心の傷を癒すどころか抉るなんて、酷い姉ですねー。もしかして、また私を殺して封印でもして、黙らせるつもりですか?」


「それは深く反省しているけど……こんな事は……」


「お手」


「……はい」


 反抗していたのですが、陥落してしまいましたね。

 恐らくですが、昨日の夜にあの後の話をして、サテラにめちゃくちゃ怒られて、良いように言いくるめられて理不尽な約束でもしたのですね。

 はっきり言って、アルカードよりもサテラの方が悪魔なんじゃないかと思えるのですが、そんな事を言ったら、私に被害が及ぶので言いません。英雄とか言われていましたが、絶対に傲慢な英雄だったに違いありません。


「はい、良く出来ました。最初から、私の言う事に素直に従えば良いのですよ。次に逆らったら、お菓子を食べるのを禁止しますからね」


「そんなの酷すぎるよ! こんな美味しい物を食べるのは初めてなのですから、時間のある限り食べたいです!」


「だったら、もうちょっと行儀良く食べて下さいよ。一緒に居る私が恥ずかしい食べ方は見ていて見苦しいのですよ」


「まあまあ、サテラちゃんもそのぐらいで許してあげてね? 私は、サテラちゃんの食事している姿はとても可愛いと思っていますので、大丈夫ですよ? まるで、幼い頃のエルナみたいで可愛いですからね」


「お母様、私はそこまで、食べ散らかしたりはしていませんので、比較対象に使うのは止めて下さい! こんな食べ方をしたら、私はリンにお仕置きをされてしまうので、絶対にしません!」


 そんな幼い頃からエルナは、リンさんにお仕置きをされていたのですか。

 まあ、あそこまで逆らえないように刷り込まれているのですから、当然ですか。


「へぇー、こんな食べ方をしたらお仕置きなのですか。後で、姉さんにお仕置きをしてあげますので、好きなように食べても良いですよ? これからは、毎日お仕置きが出来るのでしたら、それはそれで楽しいですからね」


「もう、うちをいじめるのは許して下さいよ! うちはサテラちゃんみたいにマナーとか習っていないから、そんなの無理ですよ!」


「あそこにいる一番年下のカイくんとシズクちゃんだって、行儀よく食べていますよ? この中で、一番見苦しいのは姉さんです。姉さんだけ3歳ぐらいの子供みたいです。余分な駄肉に栄養が行き過ぎてお馬鹿なんですよ」


「うぅ……酷いよ……うちそこまで、子供じゃないのに……」


「こんなに大きい子供なんていませんよ。そう思うのでしたら、もう少し恥ずかしくない行動をして下さい。大体、自分の服もまともに着れないとか、戦闘以外はまるで使えないのですから。それに服装とその口調は何とかならないのですか?」


「これは、私と仲良くしてくれたカエデさんと同じ喋り方ですよ……」


「ステラお姉ちゃんの喋り方は私の世界の人に似ていますが、カエデさんと言うのはもしかしたら、異世界人なのですか?」


 ふむ、シズクの世界の人の口調だったのですか。


「姉さんが拾って来た異世界人の人ですね。助けてくれたお礼に姉さんのお世話をしてくれた方です。何も出来ない姉さんの身の回りの全てをしてくれたので、良い人だったのですけどね」


「サテラちゃんも良い人だって認めているじゃないですか! この服だって、カエデさんがうちの為に作ってくれた残り少ない大事な物なのですよ!」


「カエデさんは、もっと品のある清楚な感じがする人なので、お笑いみたいな姉さんと一緒にしないで下さい。確かに思い出の品とは認めますが、姉さんが汚しまくっていて、もう洗っても汚れが落ちないし、魔術が施されているわけではないので、流石に傷んでますから、思い出としてしまっておきなさいと言っているだけです」


「では、その巫女服を私が新しく作り直しますから、後で貸して下さい。見た感じすごく古い時代の衣装に見えますが、いつの時代の人なのでしょうね」


「これを直せるのですか! ありがとうございます! カエデさんは、なんとか皇という方に仕えるなんとかの巫女だったと確か言ってました。カエデさんは素晴らしい人だったので、うちは少しでも近づきたいと思って口調を真似ているのに、お笑いとか酷いです!」


「だったら、もっと真似して、お淑やかに喋って下さい。カエデさんはとても良い方でしたので、姉さんを見ていると私のイメージが破壊されますから、ムカつくのですよ。私もお世話になったので、思い出を壊したくないのです」


「うちが思い出を壊すとか酷いです……どうして、サテラちゃんはうちをいじめるのですか!」


「そんなの面白いからに決まっていますよ? 後は、私に散々迷惑を掛けた仕返しをついでにしているだけです」


「うぅ……酷い……昨日あんなに謝ったのに……」


「はぁ? あの程度で許される訳がないでしょ? 少なくとも私が眠っていた期間は反省してもらいますからね?」


「……当分終わらないよ……これが3000年以上……」


「ちょっと! 歳の事とか口に出したらダメとあんなに言い聞かせたのに、何を口走っているのですか! もう喋らなくても良いから食べる事に集中してなさい!」


 歳の事を言おうとした瞬間に、ステラさんの口にパンを詰め込んでいます。

 一度で良いから本当の年齢とか聞いてみたいですね。

 眠っていた期間を引いても結構な歳なんですが、天魔族の寿命って、どのくらいなんでしょうね?

 ここで気軽に質問したら……こないだの警告どおりにお尻を刺されそうですが。


「サテラちゃんだって、変わった格好をしているので、皆さんと比べたら浮いてるのに……」


「これは、シズクちゃんが作った最先端の着ぐるみです! いまは、知られていないけど、その内にこれが正装になる日が来るのですから、私は宣伝のために着ているのですよ?」


 そんなわけないでしょ!

 サラさんは困ったように微笑んでいます。流石にあれを着る勇気は無いでしょうね。

 賛同者を得られて喜んでいるのはシズクだけです。


「そうなのですか? じゃ、うちもサテラちゃんと同じのが着たいです」


「私の予備があるので、後で着替えさせてあげますから、汚してはいけませんよ?」


「サテラちゃん、ありがとう!」


 知らないと思ってあれを着せるつもりですか……可愛そうに……。


「ちょうど子犬の着ぐるみがあるので、姉さんにはぴったりですよ!」


「他の種類があるのでしたら、うちは小熊が良いです。小さい頃は可愛いんですよね!」


「はぁ? 姉さんは、私のペットなんだから、犬が似合うと思いますよ?」


「また、うちをペット扱いするなんて、酷いです!」


「とにかく、姉さんは私が良いと言うまで犬に決定です。小熊はシズクちゃんに頼んでおきますから、私を喜ばして下さいよ?」


「うぅ……わかったよ……約束だからね? 気持ちを切り替えて、サテラちゃんを頑張って喜ばして見せます!」


 もう着る事が前提なのですが、ステラさんて騙されやすいというか……すごくちょろそうですね。

 何を頑張らせるのか知りませんが、きっとろくでも無い目に遭いますよ?


「ところで、シノアちゃんはこの後にエレーンさんの所に行くんだよね? 私も久しぶりに会いたいので、一緒に行きますね」


「エレーンさんに会えるのですか! じゃ、うちも付いて行きます! すごく楽しみになって来ました!」


「はぁ? 姉さんはお留守番に決まってますよ? カチュアちゃんに頼んでおいたから、私が戻るまで作法の訓練をするんですよ? 厳しく躾けるように頼んでありますから、いっぱい叩かれるといいよ」


「そんなの聞いてないよ! うちも行きたいです! 何でもするから、うちも連れて行ってください! 私だけ訓練とか酷いです!」


「あの……私は、そのような事は頼まれていませんが……」


「だから、いま頼んだんだから、問題無いですよね?」


「私はこの後に仕事があるのですが……」


「サテラちゃんがいま思いついた事じゃないですか! もう意地悪しないでうちも連れて行って下さいよ!」


「ちょっと、カチュアちゃん……そこは、空気を読んで私に賛同してくれないと姉さんの躾にならないではないですか……仕方ないですね。犬の散歩と思って連れて行きますので、シノアちゃんは、この間の首輪を作って下さい。勿論ですがリードも付けて下さいよ?」


「首輪なんて嫌です! 昔、それで連れ回されて村の笑い者になったのに酷いです!」


 もう経験済みとは、可哀想に……村とか言ってますので、生まれ育った故郷で、遊びと騙されていたのでしょうね。

 絶対にサテラって、悪魔の生まれ変わりですよ。


「あれは、ごっこでしたが今回は、躾なので厳しくしますからね?」


「流石にそんな物を作るのは、ステラさんが可哀想なので、止めてあげましょうよ」


「シノアちゃんまで、反対するとは……仕方ないので今回は勘弁して上げます。シノアちゃんなら、面白いと思って乗ってくると思ったのに残念です」


「ありがとう、シノアちゃん! 私を助けてくれるなんて、良い子です! 困った事があったら、うちに何でも言ってね! サテラちゃんには敵わないけど、魔術なら少しは得意なので、一生懸命頑張るから期待して下さい!」


 サテラと違って、協力的です!

 遊ぶ事と食べる事にしか興味の無い堕落した暴君とは大違いですね。


「では、ステラさんは一緒にダンジョンの攻略を手伝ってくれますか?」


「うちに任せて下さい!」


「それは良いんだけど、いまの姉さんだとシノアちゃんに負担を掛けて協力する事になるんじゃないかなー」


「うちだって、すごい魔術が使えるんですよ!」


「昨日も教えたのにお馬鹿な姉さんに改めて教えてあげるけど、マナが自然回復出来ないのにどうやって活躍するのか楽しみですね?」


「だったら……」


「魔術が主体の姉さんはマナ不足になって、結局は迷惑をかけるだけなので、大人しく私の横に居れば良いのです。それにシノアちゃんの為にならないので、付いて行く事は禁止します。私の意見に反論でもありますか?」


「ありません……シノアちゃん、ごめんなさい……うちは役立たずでした……」


 せっかく戦力が増えると思ったのに余計な事を……。

 サテラを封印するぐらいなんだから、戦闘ではそれなりに強いと思うのです。魔術が主体と言ってますが、サテラと同じ槍を持っているのでしたら、自己回復出来ると思うのですが?

 まあ、レベルが一気に上がっているので、レイリアさん達が90階層以上にいるのですから、私達でも十分に行けると思っています。


「気にしないで下さいね。それとサテラには逆らわない方が良いので、適当に従っている方が良いですよ」


「シノアちゃん? それはどういう意味なのかな? 答えによっては後でお仕置きが待っていますよ?」


「えっと、特に意味は無いのですが、何となくこの方がステラさんに通じるのではないかと思ったのです。サテラのゆう事を聞いていれば、いざという時に頼りになりますからね~」


「なんか気になるのですが……私が頼りになるというのは、よくわかっているので良しとしましょう」


 普通に考えたら、すごく使える戦力なんですが、性格に難があり過ぎでしょ?

 こんな我が儘とわかっていたら、アバターなんて作らずに英霊のままの方が好きな時に戦ってもらえたので残念です。

 最初のイメージから、こんなの誰も想像できませんよね?


「それでは、私は姉さんを着替えさせてきます。シズクちゃんのコスプレ部屋で着替えたら行くから、門の所で待っていて下さい」


 まだ、食べているステラさんの首根っこをいきなり引っ張るから、持っていたジュースを零して、前がベタベタにに濡れた状態で連れて行かれ行きます。


「サテラちゃん! いきなり引っ張るから美味しいジュースがこぼれたよ! うちはまるでお漏らしみたいになってしまったし、そんなに引っ張ると服が破れちゃうし苦しいよ!」


 抗議しているステラさんを無視して、出て行ってしまいました……廊下の方から叫び声が聞こえるのですが、更に何かしているのでしょうか?

 入れ替わりにアルカードに抱っこされたカミラが来ました。まだ虚ろですね。


「アルカードは、廊下で何があったのか見たかな?」


「何かとは、サテラ殿がステラ殿の頬を叩いていた事ですか? 何やら、やかましいから静かにしろと言ってましたが?」


「虐待していたのですか……可愛そうに……ところでカミラの反応が今度は無いのですがどうしたのですか?」


「ここまで変化が無かったのですが、この体勢で連れて来る時に正気になられて、起きてからの事の説明を求められました。説明しながら来たのですが、聞き終えたら、こうなってしまったのです?」


「カミラ、そろそろ立ち直ってよ? あの言葉にそんなに気になのでしたら、謝りますから?」


「……全部見られました……」 


「そういう事ですか。アルカの方ですから、問題無いですよね?」


「貴女のせいで、私は……少し……もうこの体質嫌だ……」


「大丈夫ですよ、カミラ殿。綺麗に洗っておくように頼んでおきましたので、問題はありませんよ」


 なるほど!

 少し漏らしていたのですね。

 いつもはこっそり収納に隠していましたのに、ベットのメークに来たメイドさんに洗い物として渡してしまったのですね。

 これは、そのメイドさんを見つけて口止めしないと、楽しい噂が広がりそうですね。

 すっかり元気が無くなって、ただ座っているだけです。

 可能でしたら、何とかしてあげたいので、カミラに聞こえないように聞いてみますか。


「ところで、アルカードに聞きたいのですが、その頼んだメイドさんって、誰かわかりますか? エルナの寝相が悪いから、いつも乱れまくっているのですが、誰が直しているか知らないのですよね」


「いつもはセリス殿がシーツの取り換えとベットメークをしているそうです。シノア様が眠ったシーツを洗う役目だけは、誰にも譲れないらしいです」


 セリスだったら、口止めどころか知っているので問題無いでしょう。

 しかし、私が使ったシーツが洗いたいとか、変な趣味がありますね……その手の問題が無い完璧のメイドさんと思っていたのに……機会があったら、セリスにちょっと聞いて見ましょう。

 カミラは、知らないメイドさんの口から、あの子はおねしょをしたと噂をされるのを恐れているのですね……ここのメイドさん達は噂話が大好きですから、一度広まったら、ほぼ全員が知っていると言っても過言ではありません。

 私も撤回不可能なレベルで、百合娘になっていますからね。

 そうだ!

 これを使ってカミラにお願いすればいいのですよ!


「ねえねえカミラ、実はそのメイドさんって、私の知っている人なのですがいまなら、口止め可能ですよ?」


「本当ですか!?」


 素晴らしい喰い付きです。

 一気に復活しましたよ。


「カミラが私のお願いを必ず一つ聞いてくれるのでしたら、いま直ぐに他人に言わないように言えば秘密は守られますがどうしますか?」


「お願いします! ここの人達に知られたら、明日には知れ渡ってしまいます。それを止めれるのでしたら、シノアの理不尽なお願いの方がましです」


 カミラもよくわかっていますが、理不尽とか、ちょっと私に対する考え方を改めさせなければいけませんね。

 

「ちょっと行ってきますので、食事でもしてて下さいね」


 安心したのか、やっと食事をする気になったみたいです。さっさとセリスの所に行きましょう。

 セリスのいる位置は意識すればわかります。反応がある方向に行けば良いだけなので、見つけやすいのですよね。

 洗い場の方と思って向かおうとしたのですが、正反対の方向に居るみたいです……あちらは、メイドさん達の部屋がある方ですが?

 セリスの反応を感じて、辿って行くと……ここって、セリスとキャロの部屋ですよね?

 そっと、扉を開けると自分のベットのシーツを取り換えています。でも、そのままベットに寝転んで何かしてますが……まさかね。


「この辺りですね……私の大事なご主人様……」


「何がこの辺りなのですか?」


「この辺から、シノア様の匂いがするのです……その声は!?」


 うつ伏せ状態から私の声に反応して、顔を上げて私と目が合いました。固まっています。

 セリスも少しは趣味があったと喜ぶべきなのでしょうか?


「あ、あの……これは……」


「もしかして、そのシーツは私達の物ですか?」


「あ、いえ……」


「先ほどアルカードに聞いていますので、大体察しましたが、まさかセリスにそんな趣味があったとは知りませんでした……カミラの件で来たのですが、意外な発見をしてしまいました」


「違うのです! これはシノア様に触れていないと私は自分が保てないので、次の日のシーツを使わせてもらっているだけなのです!」


 セリスが珍しく冷静さを欠いて言い訳をしています。

 普段の優秀なメイドさんから、小娘のような雰囲気に大きく変化するのですが、こっちが素のはずなので、普段からこっちだと気楽に話せて良いのにね。


「毎日一緒にお風呂に入って、なるべく横にいますよね? エルナを言い負かして私の体まで洗ってくれているのと思いましたが? 別に責めたりはしないので大丈夫ですよ?」


「申し訳ありません……少しでも側に居たいと感じてしまって、せめて前日のぬくもりだけでもと思ったのです……」


 いや、そんなぬくもりとか無いって。

 それに、もし匂いとか残っているのでしたら、エルナが一番強く残ってますよ……あの子絶対に涎とか垂れてますからね。


「まあ良いんだけど、カミラの寝間着とか下着はどうしました? 実はその件で来たのですが特にお漏らししてる事で」


「それでしたら、まだ私の収納にあります。後で分からないように洗うつもりでした」


「それを私に渡して下さい。あとこの事は誰にも言わないで下さい。勿論ですが、カミラに聞かれても自分は知らないで通して下さい。それで私は何も見なかった事にしますので」 


「わかりました。それでは、私のしている事にもこれからも目を瞑ってくださるのでしょうか?」


 えー……これまだ続けるつもりなのですか?

 セリスに意外な変態さんの素質があったなんて……個人の趣味ですから別に良いのですが、これでまともな人がまた減ってしまいました……残念です。


「私は、知りませんので、キャロにばれないようにした下さいね」


「大丈夫です。あの子は自分というものをしっかりと理解していますので、私のする事は何でも受け入れます」


 なんかすごく気になる事を言っている気がするのですが、気にしたら負けですよね?


「それでは行きますので。これからは鍵を掛ける事をお勧めします」


 私が部屋を出ると鍵を掛けたみたいですが、続きでもするのでしょうか?

 取り敢えずはそろそろ門の所に行かないと、待たせたら、私が理不尽な目に遭ってしまうので、早く行きましょう。

 

 門の所に行くと騒がしいですね……私服に着替えたサテラと着ぐるみで縛られているステラさんが喚いています。本気であのまま連れて行くつもりだったのですか?


「シノアちゃんー、待っていたよ! さあ、エレーンさんの所まで散歩にいきますよー」


「シノアちゃん! 助けて下さい! これを着るのはすごく楽しいのですが、うち以外に誰も着ていません! そこのおじさんに聞いたら、注目を浴びるから止めなさいと言われましたよ! 別のに着替えたいと言ったらサテラちゃんに叩かれて縛られてるのです!」


 着るのは楽しいんだ。


「まさか本当に着て来るとは思っていなかったのですが、サテラが私服なのにどうして気付かなかったのか不思議です」


「だって、サテラちゃんが着替え終わったら、ちょっと忘れ物があると言って門に先に行っててと言うから、先に行ったら服装が違うから、遠見で街中の方を見てから、このおじさんに聞いたら教えてくれたのです!」


「遠見とは、遠くの景色でも見れるのですか?」


「姉さんは、マナを鏡のように屈折させて遠くを見る魔法が使えるのですよ。当時は、相手の布陣を調べるのにすごく便利でしたよ」


 そんな便利な魔法があるのでしたら、私も欲しいですね。


「流石にその格好で街中を歩いたら、そのお嬢さんが目立ちすぎますからね」


「コクマーさんが余計な事を教えなければ、楽しい羞恥プレイが出来たのに。暴れるから縛って連れ回す事にしましたけど、シノアちゃんは気にしなくていいから、早くエレーンさんの所に案内して下さい」


「助けて下さい! せっかく新しい自由をに入れたのに、もうどこにも行けなくなってしまいます! うちも今の時代を楽しみたいのです!」


「何で権利があるような事を言っているのかわかりませんが、姉さんは犯した罪に相応しい罰を受けないといけないので、まずは世間に恥を晒してしまえば良いのですよ?」


「サテラちゃんに従うから許してくれると言ったじゃないですか! お願いだから、うちだけに体罰とかするのは何でも受け入れるから、笑い者にするのだけは止めて下さい!」


「もうサテラも止めてあげようよ? 仮にも本当のお姉さんなんだし、流石にその格好で外を歩くのは可哀想ですよ」


「せっかく国民の皆さんにお笑いのネタを提供しょうと思ったのに。仕方ありませんね。着替えさせるのはめんどいので、シノアちゃんがやって下さいよ」


「じゃ、ちょっと近くの部屋で着替えさせてきますので、待ってて下さい」


「シノアちゃん、ありがとうございます! シノアちゃんはうちの女神様です! 一生付いて行きます!」


 なんか以前に誰かに言われたような台詞ですね。

 近くの部屋で着替えさせたのですが、この子はボタンも掛けれないし紐もまともに結べないとか超不器用です。

 初めて誰かの着替えとかさせたのですが、私の持っている服が全てサイズが合わないので、以前に愛用していたサテラの服だけが着せれました……自動調節の付与がしてあったから、けしからん物が出っ張っています……これが格差というものなのですね。

 やっとの思いで着替えさせて連れて来たら、サテラに「私の服が穢れる!」とか言い出すから、ステラさんがまた泣き出すし……これが英霊だと思うと私が泣きたくなって来ましたよ。



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