34 短い時間でした
本日は、学園もお休みなので、私もまったりとシズクを抱き枕にして未だにベットの中です。
シズクを抱いて寝ているとちょっと、エルナの気持ちが理解出来ますね。
あれから再び料理を堪能した後に部屋に行くと、エルナが何も着てないでシーツに包まって寝ていたのですが、手が怪しげに何かを探していました。あいにく、生贄のカミラも広間のソファーでそのまま寝ていたので、退避させてもらいました。
あんな酔っぱらった状態で捕まったら、絶対に遠慮なく抱き締め付けられるので、寝るどころかまたどこかの骨が遠慮なく折られる可能性が高いですからね……。
私は、斬られる事には慣れているのですが、骨を折られるなどの事にはまだ慣れていないので、ちょっと勘弁して欲しいのですよね。
カミラは健気に耐えていて、エルナに知られないようにたまに自己申告をしてくるので治していますが、敬愛というのは大変ですね。
なので、セリス達と御一緒させてもらいました。
セリスとは定期的に触れあっていないといけないので、丁度良いです。
普段は出来るメイドさんなのですが、私が抱きしめてあげると可愛い少女のようになるので、なんかムラムラしてくるというか滅茶苦茶にしたくなるのは秘密です。
シズクはわけのわからない話をしようとしたので、睡眠薬のポーションで強制的に眠ってもらいました。
最初は「それを飲むと起きていられないので、嫌です!」とか抵抗しましたが、素直に寝るなら使わないと言ったら……。
「今を逃してはセリスお姉ちゃんに私の趣味を理解してもらえないので、無理です!」
この子は、私に支配されているのに何を言っているのでしょうね?
私が絶対に命令しないと思っていますが、たまに少しだけ干渉している事に気付いていませんね。
「では、命令しますので、これを飲んで目を閉じて静かにしていなさい」
すると自分からポーションを受け取って飲んでいますが、めっちゃ嫌がっています。
「お姉様! 酷いです! 手が勝手に口元に!」
いつかのパンツ事件のように素直に行動しますね。
言葉に力を籠めると強制力が働くので普段は余り強く言えないのです。
目を閉じながら何か言っていますが、静かにと命令しているのに呟けるとはすごい精神力ですね。
「睡眠薬なのに甘くて美味しいから、普通に飲みたいです……せっかくのチャンスが……お姉様のいじわる……む、無念です……zzz」
ちょっとシズクの思考を読むと夢の中で、教師のように私とセリスに熱弁を振るっています。
何がそこまで、シズクを突き動かすのでしょうね。
そんな事で今朝はまだゆっくりしていますが、セリスはロイさんに呼ばれて体調不良の人の回復に駆り出されてしまいました。
サラさんが本日の警備の者以外は無礼講で楽しんでも良いとか言ったので、かなりの人が二日酔いになっています。他にも使える人と一緒に治療していますが、魔法って便利ですよね。
当番の人達は、代わりに今日は休暇をもらっているそうですが、無償で酒や料理が食べたかったと嘆いていました。くじ運が悪かったですね。
私は、意外と魔術が広まっていないと思ったので、お屋敷で聖魔術の適性がある人用に習得用のスクロールに転写しまくりましたから、この屋敷には回復系の魔術が使える人はそこそこいます。
皆さんに無償で教えたのですが、普通は、特に回復系は医療の人の収入源なので、あまり教えてくれないそうです。使える人が多い方が、仮に戦争とか始まったら、助かると思うのですけどね?
聖魔術が使えるエルナにも色々と試したのに3つの魔法しか使えませんし、あの職業の所為で使っても軽い傷が治る程度しか使えないとか使えるとは言えないレベルになってしまいましたからね……。
ヴァレンタイン家の騎士団の方達にも私とギムさんで武器や防具を提供して感謝されていますので、気持ちが良いです。
女性騎士の方達は、昨日の試合を観ていたので、シズクに防具の作成をお願いしまくっていました。
サラさんからの提案で、うちの女性騎士だけシズクのデザインした制服にしょうかと案が出います。私はシズクが女の子ばっかしのチームのアニメのユニフォームを連想していたのを知っていますが……ちゃんと話し合わないと、とんでもない物になりますよ?
エルナ達の予定が何も無ければ午後からダンジョンに行こうと思っていますが、1人でも何か予定が有ったらお休みにしようと思います。
珍しく、セリスがちょっとやりたい事があると言うので自由行動にしましたが、何をするのかこっそりと後を付けていたら……キャロに買い物に行こうと誘っているではありませんか!
彼女は私物の類は全て捨てられてしまっているし、ここには身に着けている服のみで来ましたからね。
着る物などは色々と支給しましたが、キャロだって女の子なのですから、欲しい物だってありますよね?
シズクも私が着るのを遠慮した物を仕立て直して渡していたみたいですが、キャロって私と身長以外は変わらないから仕立て直しやすいそうです。
本人はお洒落な服だと言って喜んでいますが……私は元になってたアニメや漫画を知っているので、着る勇気が無いのです……。
もし、シズクと同じ世界の異世界人が現れたら、きっと驚くでしょうね。
そういう事なので、私は、晴れてカジノに行こうと向かっています。
エルナ達も付いて来ようとしたのですが、リンさんに捕まったので、今頃はどうなっているのでしょうね?
明日から、楽しい3日間になるのですから、きっと説明でもされているのでしょう。
酔い潰れて朝から調子の悪いカミラはエルナが心配らしく付いて行きましたが、わざわざ危険地域に踏みいるとか物好きですね。
もう少しでカジノに着くのですが、私をずっと見ている子がいるのです。何者なのでしょう?
露店で買い食いしてる時にさりげなく鑑定をしたのですが、何もわからなかったのです?
自分で言ってて切なくなるのですけど、私をお嬢様にした感じの子なのですが、あの子からは感情がまったく感じられないのです
そのまま、カジノに行かずに裏路地に行くとそのまま付いて来ます。
しかも、まったく自分を隠さずに付いて来るのです。さすがにここまで付いて来たら、私以外に用事は無いですよね?
「先ほどから、私を後を付けているみたいですが、何か御用があるのでしょうか?」
「……」
私を真っすぐに見ていますが何も言いませんね。
よく見れば、私が初めてエルナに着せられたドレスに近いし、同じ銀髪の少女のようですが、もしかして天魔族とか?
「出来れば何か言って欲しいのですが……」
「試合を観ていました」
事務的な感じなのですが、もしかして、私のせいで賭けで損したとか?
それはそれで、私より幼い見た目の少女が賭け事をしているのは問題なのでは?
「それで、私になんの用事なのでしょうか?」
「ちょっと貴女が欲しくなったので、捕まえようかと思ったのです」
……危ない子と判断しました。
私は、何故か女性に好感を持たれるのですが、実は男の子なのでしょうか?
しかも、捕まえようとか……私はその辺のペットですか?
「済みませんがその手のお話はお断りしますので、お引き取り下さいね?」
「最初はみんなそう言うけど、最後には私の物になるから、大人しく捕まって下さい」
……さらに危ない子のレベルが上がりました。
しかも、やっと私の感覚が危険と告げています!
「お断りしますので、さようなら!」
そのまま、『ヘイスト』を使って反対方向に逃げ出そうとしたら、景色が何も無い空間になっています?
そう、あの子と私しか居ない空間に!
「私の結界からは、絶対に出れません。もし本気で逃げたいのでしたら、私を倒すしか無いので、全力を出した方が良いです」
「これが結界なの? しかも貴女を倒さないと出れないって……本気なのですか?」
シズクの音を消すだけの結界とはまったく違う、シズクのアニメの知識に出て来る異空間のような場所です!
どうやって出るのかも検討もつきません!
と、いうか……比較対象がシズクの知識とか……私の常識は向こうの世界が普通になってきましたよ!
「勿論、本気です。躾は最初が肝心らしいので、己の無力を教えないといけませんから、好きなだけ攻撃しても良いです。ここは私の虚無結界の中なので、どんな魔法を使っても外部に漏れたりはしませんから安心して下さい」
相変わらず鑑定不可能です。躾とか言っていますから、攻撃しても良いと言っているので、殺しても構わないですよね?
こんな可愛い子を攻撃するなんて、ちょっと迷いますが、見た目よりもかなりの強者と判断します。
それならば、迷っていてもしかたありませんので、倒させていただきましょう!
「我は呼ぶ 大いなる炎よ 集いて吹き荒れる力となりて 我が敵を撃ち滅ぼせ フレイム・ブラスト!」
普通なら、こんな魔法を喰らえば確実に即死です。
悪く思わないで下さいよ。
だけど、彼女が唱えた魔法があっさりと私の魔法を消し止めてしまいました。
「『フレイム・ヴァイス』」
当然、私の放った火球は全て凍り付いて、砕けて消えました。私は詠唱付きなのに、あの子は一言呟いた程度だし、その魔法を知っている事にも驚きました!
「次は?」
「我が前に立ち塞がりし 敵を貫け ライトニング・ボルト!」
「『アクア・ウォール』」
詠唱を付けてマナを込めたのに、水の壁に全て吸い込まれて終わりです……私もマナを込めた水の壁でファイヤー・ボールを止めた事はありますが、あの子はそれほど力を使った雰囲気も見られません。
「警告をします。私に魔法を使うのはマナの無駄なので、普通に攻撃した方が可能性が上がります」
「では、普通に戦わせてもらいますね!」
私がバルディッシュを取り出して、斬りかかると……。
「『ヘキサグラム・シールド』」
えっ!?
使える人は居ないと思っていたのに
そのまま『ヘイスト』を維持しながら、マナを籠めたバルディッシュで盾ごと首を刎ねてしまおうと思ったら、マナの盾が壊れずに私の渾身の一撃を受け止めています!
「その魔法を使える者はこの国には居ないと思ったのですけどね……」
しかも、私の一撃で砕けないという事は、私の作り出す物より強度が高い事になります。
「貴女が試合で使っていたから、久しぶりに使ってみただけです。私は武術の類は一切出来ませんので、これで相手をします」
そのまま6枚の盾の形が剣に変わって私を攻撃して来ますが、これ形も変えれたのですか!
しかも、私が制御するより正確に攻撃してくるので、私はあちこちが斬られまくりです。
こんな攻撃を躱したり受けたりするのは、私には無理です!
剣の動きだけでも、シズクの動きに近いぐらいです。
しかも、私が深手を負わないように手加減までしています。
この子は、一体何なのですか?
「さっきから、私を覗いていますがそんなに知りたいのですか? でしたら、少しだけ見せてあげます」
私がずっと鑑定している事までわかるなんて……いま少しだけ見せてくれると言いましたが、見れるのですか?
名称:アルフィン
種族:?
年齢:永遠の乙女
職業:?
レベル:5000
技能:?
固有能力:?
ちょっと!
レベル5000とか、おかしいですよ!
しかも、他の事が一切わからないけど、年齢だけ何これ?
今までに出会った最高のレベルというか……高すぎるでしょ!
しかも、使っている私の魔法を全て無力化出来るのですから、魔術に関する技能は私より多いのか上のはずです!
先ほどから、魔法も無詠唱で色々と攻撃しているのですが、彼女が呟くと魔法が拡散してしまうのです!
もしや、あれが魔術を無効にする技能なのでしょうか?
「先ほども言いましたが、私に魔法を使うのはマナの無駄ですから、非効率です。それに私は無詠唱は出来ませんから、いちいち呟かなけらばならないのが手間なので、諦めて下さい」
「それなら、呟くのを止めて少しはもらって下さいよ! 正直に言いますと、あちこち斬られながら魔法を使うのは、めんどいし痛くて集中しにくいのです」
「そうなのですか? では、そろそろ動けなくします」
すると6枚のうち4枚が杭の形に変わって、順番に手足を貫いて4方に引っ張られて空中で張り付け状態になってしまったのですが貫通した傷口を引っ張られるのって、すごく痛いです!
「これで、体の方は動けないですから、そろそろ魔法も止めて下さい。もう無駄と理解したはず」
「済みませんがすごく痛いので止めて欲しいのですが……」
実力の差があり過ぎるというか、あの見た内容が本当なら、レベルの差も激しすぎるのですが、この子は一体何者なのでしょう?
「では、改めて聞きますが私の物になって下さい。 はいと言えば、怪我も治してあげます。そして、私の印を付けさせてもらいます」
印とは、なんでしょうね?
「申し訳ありませんが、遠慮させて頂きます。出来れば他を当たって下さい」
「仕方ないので、しっかりと躾けてあげます。私の事をご主人様と言いたくなるように体に教えてあげます」
私とほとんど見た目の変わらない子をご主人様ですか……エルナが喜びそうな展開ですね。
それにしても、先ほどから私のマナが回復しません。これ以上失うとまずいので、もう魔法での攻撃も諦めてますが、どうなっているのでしょうか?
しかも、体の怪我がまったく治癒していませんし、半端に斬られまくっていますので、地味に痛いのですよね。
すると残っている2枚の片方が何か鞭の形状になるのですが……まさかね……。
「今から、躾の定番の鞭打ちをしますので、気が変わったら、いつでも言って下さい」
「そんな定番など、ありませんよ!」
そう言うと背中をばしばし叩かれるでは、ありませんか!
斬られたり食いちぎられた経験はありますが、鞭で叩かれるのは初めてです!
これは、エルナのお尻叩きに匹敵する拷問ですよ!
しばらく叩かれていたのですが、背中の感覚が痛いのを通り越してなんか変なのです。これいつまで続くのでしょう……。
「おかしいです。大抵はここまでしたら素直になるのですが、痛くないのですか? 普通は泣いて必ず従うのですが、我慢強いです」
いや……普通はここまでしないと思うのですが……。
「そろそろ時間もありません。仕方ないので、ちょっとつまみ食いだけします」
すると服として機能していない残っている衣服を取って傷口を舐め始めたのですが!
この子もそっち系の子なのですか!
でも、この子が怪我している所を舐めると治癒していくのです。舐めると治療出来る技能とかあるのでしょうか?
考えてみたら、全身を舐められているのですが……。
ちょっと痛気持ちいいので、このまま続けて欲しいと思っている自分が怖いです。
拘束も解かれて、手足も治してくれたのですが、マナが足りなくて体の動きがいまいちです。
私が動けないと気づくと違う意味で更にむちゃくちゃにされました……不本意ですがすごく良かったです。
最後に私に口づけしてくるとマナも流れてくるのですが……この子、すごくキスが上手いというか気持ちいいです。
「破ってしまった服の代わりにこれを着て下さい」
そう言って自分が着ている服と同じような物をくれたのですが……私のサイズと変わらないのですが、なんかドレス風で半端に露出部分が多いですね。
ここで逆らってもまず勝てませんので、言われた通りに着てみると、なんか姉妹と言われても違和感が無い気がしてきました。
「今日は、そろそろ時間なので、諦めますが次は私の物にします」
今日は、見逃してくれるみたいですが、また同じ目に遭うのは勘弁して欲しいですね。
「えっ……また、同じ事をされても絶対に従いませんよ?」
「駄目なのですか?」
驚いて、不思議そうに首を傾げていますが、この子の常識はどうなっているのでしょうね?
「誰に聞いたのか知りませんが、こんな方法は良くないと思います」
「むむっ……あの子は、躾はこれが一番有効と教えてくれたのですが、嘘つきです……後ほど、同じ事をして反省させましょう」
どなたか知りませんが、私と同じ目に遭う事が決定したらしいです。いい気味です。
「とにかく、私は貴女の物にはなりませんので、次は平和的に話し合いで勘弁して下さい」
今日の仕返しがしたいのですが、力の差が激しすぎるので、ここは穏便に済むようにしないと、会う度にこれではそのうちに死んでしまいます……そう言えばどうして、殺さないようにしていたのでしょうね?
この子の実力なら蘇生の魔術とかも使える気がするのですが、まあ、そうなるとノアが出て来るので、もしかしたら、倒せるか脱出出来たかも知れませんね。
「じゃ、どうすれば私の物になってくれるのですか?」
おや、力づくから、私に質問してくるようになったのですが?
「まず物では無く友達ではいけないのですか? 貴女の思っている物というのは、どのような事なのですか?」
「私の相手をしてくれて、一緒に居たりお話しをしたりご飯を食べたりする事です」
それは、友達というのではないでしょうか?
よくわかりませんが、この子と友達になっておいた方がすごく良いですよね?
大体、レベル5000とかあり得ないですよ。
よくよく内容を聞けば、親しくなりたいだけですから、殺すまではしなかったのですね。
しかし、誰か知りませんが、お蔭で酷い目に遭いましたよ。
「あの……それを友達というのですよ。誰ですかそんな間違った事を教えるのは? 普通に接してくれれば友達になりますよ? それにあんな体罰みたいな事をしてたら、友達ではなく嫌われてしまうし、怯えているだけになりますよ?」
「私は騙されたのですか? だから、みんな態度が不自然になってしまったのは、怯えていたのですか?」
ちょっと、何人の人が同じ目に遭ったのでしょうね?
可哀想に……。
「もう、あんな事をしないと約束してくれるのでしたら、今日から友達になりましょう!」
強い友達は大歓迎です!
この子と仲良くなれるのでしたら、さっきの事は忘れますよ!
「騙されていた私に優しくしてくれるなんて、貴女は良い人です。改めて、私はアルフィンと呼ばれています」
「私は、試合を観ていてくれたのなら知っていると思いますが、シノアと申します。良かったら、アルちゃんと呼んでも良いですか?」
なんかこうやって接していると素直で可愛い子です。
何となく、お人形さんのような感じというか表情も微妙なので、変化がわかりにくいです。
でも、趣味に染まったシズクとは別に、妹に欲しいぐらいです。
「アルちゃん……気に入ったので、そう呼んで欲しいです」
つい呼んでしまいましたが気に入ってくれたようです。
「では、次に会ったら、ご飯でも一緒に食べましょうね!」
「うん、近い内に会いに来る」
「ところで、印って何をするつもりだったの?」
「こうです」
そのまま私の首を抱き寄せると首に口づけして強く吸ってますが、キスですか。
この子は、さっき武術の類は出来ないと言っていましたが、私を引き寄せる力だけでも私より強いですよ。
口を離すと周りの景色が元に戻ります。
「じゃ、時間なので行きます」
「はーい、またねー」
そのまま小走りでいなくなってしまいましたが、あの子は一体何者なのでしょう?
私の魔法が全て通用しないとか、私ってそこそこ強くなったと思ったのですが、弱っちいと思いましたよ……。
ただ……あの子になら、キスとかされるのは私の方からお願いしたいと思ってしまいました……だって、すごく気持ちよかったから!
知らない間に結構な時間が経っていたので今日は帰る事にしましたが、昨日は優勝したのに早くもズタボロとか短い栄光でしたね……。
屋敷に帰って工房に行くと、シズクとギムさんが何か話し合っています。スケッチを見ると制服みたいですが……どこかで見たような気がします。
「お姉様、お帰りなさい! その服はどうしたのですか? 出掛ける時と違いますが、なんかエロ可愛い服ですね。いつもは露出が少ない服しか着てくれないのに。とっても似合ってますよ!」
「これは、さっき友達になって、私をぼこぼこにしてくれた子が代わりにくれた服ですよ」
「……お姉様は、マゾなのですか?」
「違います!」
なんて、失礼な……途中から、痛みがおかしな感じになってきましたが、あれは感覚が麻痺してきたからだけに決まっています!
少しだけ良いと思いましたが、きっと、気のせいです。
「だって、普通は友達にぼこぼこにされるとか意味がわかりませんし、お姉様が負けるというのも理解出来ないのですが?」
「お前、魔法を使わなかったのか? 純粋な武術ならわかるが、魔法を使えば十分に格上とも戦えるだろう?」
「殺す気で攻撃したのですが、私の攻撃は全て防がれて、死なない程度に一方的に蹂躙されましたよ。むしろ手加減されていたと思います」
「はぁ? お前の魔法が? お前さんなら、威力が調整出来るから、ミリアにだって通じると思うんだがな」
「一言呟いただけで打ち消されましたので、あれが魔術無効なのかと思いましたよ」
「魔術無効の技能は、呟いたりしないぞ? あれは、己のマナの総量より下位の者の魔術を無効にするだけなので、技能を持っている本人のマナが著しく減ってしまえば、働かない技能だったはずだ」
ふむふむ、そうなるとあの技能が有っても、相手のマナを減らす事が出来れば問題無いのですか。
「私は、てっきりあんな技能があったら、魔術師は人気ないと思っていましたよ」
「あの技能は、保険みたいな物で、余程の自信が無いと普通に防御するぞ? 相手がもし自分より所有マナが多かったらまともに喰らうから、怖すぎて無理だろう。圧倒的な力があって初めて有効な技能だから、普通は無いと思っているはずだな」
「では、私の魔術は、ミリアさんにも効くのですか? 確か中級魔術無効なんて持っているから、私の攻撃は通じないと思っていましたよ」
「お前さんは威力調整の幅が大きいから、わしの知る限りでは、防御しなかったらまず防げない。あの技能を過信したら、即死確実だろうな」
では、あの子はシールド系の魔法を使っていただけなのですね。
小声で聞き取れなかったのですが、どんな魔法だったのでしょうね?
「魔法を使ったお姉様が負けるなんて考えられないのですが……私は、刀での勝負でしたら圧勝する自信はありますが、魔法を使わたら即死です」
……圧勝ですか……間違ってはいないのですが、ちょっと傷つきますよね……昨日は一応は優勝したのに、早くも弱者の烙印を押された気分です……。
ちょっと、シズクには後で、お仕置きをしましょう。
「それで、お姉様はどうやって友達になったのですか? 私には、お姉様がぼこぼこにされる姿が想像出来ないのですが?」
「えっと、私の物になってと言われたので、断って戦ったら、私の魔法が全てダメで、武器で攻撃したら、私が使っていたマナの盾を呼び出したと思ったら、剣に形が変わって滅多切りにされてから、拘束されて鞭でしばらく叩かれて、よくよく話を聞いたら、友達になりたかっただけとの事でしたから、友達になりましたよ?」
「……お姉様はそれでいいのですか? 鞭でしばらく叩かれたとか聞こえましたが、ほとんど拷問とかの部類ですよね?」
「それはもう痛かったですよ? 背中なんて痛いのを通り越しましたからね。叩かれ過ぎて服がぼろぼろになったので、怪我を治してもらってから、この服をくれましたが?」
「……お姉様は、M確定です。普通は、そんな目に遭って友達になるとか意味がわかりません?」
Mって、さっきのマゾとかいうのですよね?
それは、お尻を叩かれて喜ぶシズクの事だと私は思うのですが……。
確かに痛い思いをしましたが、殺す気は無かったようだし、勘違いなら問題無いのでは?
いっぱい死んだり食いちぎられたりした事があるので、ちょっと慣れたましたから、叩かれるだけならまだ耐えれますけど?
「どうも、その子の勘違いだったらしいので。和解して友達になっただけなのですが、どの辺りがわからないのですか?」
「……お姉様は、それで良いのですか……寛大なのですね……尊敬しますよ」
「だって、その子すごく強いから、友達になった方が頼もしいですよ? 今度、一緒に食事の約束もしましたよ」
「食事に毒でも盛って、仕返しでもするのですか?」
「しませんよ? 食べ物を粗末にするなんて、いけませんよ?」
「ちょっと、お姉様の基準がよくわからないというか……私も一度だけ、お姉様の頭の中を覗いてみたいです」
何がわからないのでしょう?
取り敢えず、とても失礼な事を考えているのが気になるので、シズクの考えている事を覗いたら……。
(お姉様は、そんな拷問みたいな目に遭っているのに仲良くなるとか、普通はあり得ないので、マゾに目覚めたに違いありません。私だったら、知らない人にそんな事をされたら、絶対に仕返しとか考えるのに意味がわかりません。もしかして、鞭で叩かれ過ぎて精神に異常でも発生してしまったのでしょうか? それとも……鞭で叩かれるのは気持ちいいのかな?)
……どうも私の考え方が普通ではないようですね。
私は、悪意さえ無ければ、このぐらいは許容範囲なんですけどね。
施設に居た時なんて、色々な実験をされ過ぎて、泣き叫んだりしたらもっと罰を与えられるので、殺されるよりはましと思っているんですが……。
それに魔法でほぼ治せるのですから、死ななければ問題無いですよ?
いまの私は、死なないけどね!
「シズクが私をどう見ているのかよくわかりました。罰として、明日から3日間は、最初に作ったおむつの着用して下さいね。勿論、お風呂の時間までは外す事を禁止します」
「えっ!? お姉様、見たのですか!」
「どうも私の考え方と食い違っているので、気になりましたからね。確か3枚作ったので丁度良いはずですから。使用後はちゃんと自分で洗濯をして残しておくのですよ?」
「うぅ……わかりました……最初の物はすっきりしていないので、軽い服装をしたら、かっこわるいのに……」
おむつの使用より、格好を気にするのですね。
「それと、近い内に鞭で一度叩いてあげますよ? 叩いて欲しいのですよね?」
「それは、結構です! あんなので叩かれたら、ただ痛いだけに決まっていますから、止めて下さい! あんなので叩かれて喜んだら、もう変態です!」
言いませんがそれは……ちょっと良いと思った私は変態という事なのですね……地味にショックです……。
「最近の若い娘は、変わった性癖の奴が多いな……お前らを見ていると、わしが間違っている気がするわ」
ギムさんにまで、変な認識をされてしまいましたよ。
取り敢えずエルナに見つからない内に着替えてしまいましょう。
何となくですが危険な予感がします。
「お姉様、後でその服を貸してもらえますか?」
「構いませんがシズクが着たいのですか?」
「それも興味はありますが、何となく普通の服では無いと思うのです。最近、私も服というか防具を鑑定が出来るようになったのですが、その服の詳細がわからないのです」
「では、ちょっと着替えてきますね」
隣の部屋で着替えて渡しましたけど、ギムさんと2人でなんか話し合いを始めたら、私はもう2人の会話に付いて行けませんよ。
ただの露出の多いエロっぽいドレスなのでは?
師匠とか言いながら、2人で調べている様子の方が危ない人に見える気がするんですけどね。
だって、シズクはともかく、おっちゃんが女性物のきわどいドレスを調べている光景は変態にしか……。




