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生まれ変わったのですよね?  作者: セリカ
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31 お試しの時間


 本日は、午前に準決勝と午後に決勝を行うそうです。

 天気も良く、良い試合日和なのですが……私の心は朝から少し憂鬱です。

 どうしてかと言えば、散々お尻を叩かれた後に罰として、お姫様抱っこの状態でお屋敷まで帰ったのですが、周りからの視線が痛かったです……。

 しかも、エルナの首に手を回して抱き着いていないとダメですと警告されたので従いましたが、見ている人達は「御二人はそういう関係でしたのね」とか話していましたから、明日からは学園に行きたくありません。

 手を緩めようとするとお尻をつねるので、すごく痛いのです。

 カミラとシズクは後ろから付いて来ましたが、まったく助けようとしてくれませんし、話しかけようとしても目が関わりたくないと言っています。

 シズクに念話で話しかけても「ごめんなさい」としか言ってくれません。

 もう完全に主導権がエルナに移ってしまいましたよ。

 そんなこんなで、昨日は、まったく酷い目に遭いましたよ。



 エルナは昨日で満足したようなので、普通にカミラと3人で向かっていますが、学園に着くなり質問攻めですよ!

 2人の関係を聞かれると、私は従妹ですと答えていますが、エルナは……。


「シノアは、私の大事な人ですから、ちょっかいを出してはしてはいけませんよ?」


 とか言うから、私とエルナは百合の関係が確定してしまいました……。

 エルナを密かに想っていた男子はショックを受けたみたいですね。


「彼女はそっちの人なのか……」とか言ってますが、男だったら頑張って修正して下さいよ!


 もし射止める事が出来たら、逆玉なのですから、頑張れば未来の公爵閣下になれますよ?

 まあ……いまのエルナを力押しとかしても叩きのめされるだけなので、かなりの勇気がいりますが……。

 私の方は、お姉様と呼んでくる子達の視線がなんか熱くなっています……自分にもそうなる関係になれると勘違いをしているみたいですが、私にそんな気はありませんよ!

 同期生や一部の先輩も何故かお姉様とか言ってくるのです。年齢が不要になっていますが、まだ15年しか生きていませんし、実験体生活がほとんどなので、世間的には知識だけ増えた子供ですよ?

 私は必死に弁解しましたが、誰も信じてはくれませんでした……エルナは学園での表面だけは良いので、普段から信用度は高いですからね……。


 気を取り直して試合の準備をしていますが、私の服の変更は間に合ったようです。

 初めの状態から硬化の付与だけで、防御面だけ強くしただけなのですが、自動でマナを使われるのは私にはまずいので、十分です。

 持ってきてくれたのはセリスなのです。シズクはカシムさんと観客席に居るそうです。

 今朝はずっと謝っていましたが、私も同じ立場でしたら、同じ事をするので、許してあげました。

 ギリギリまで調整していたらしく、観客席で試合の開始まで寝ているそうです。

 そろそろ行こうかと思ったら、セリスが話しかけて来ました。


「シノア様、今日の試合は剣ではなく、本来のスタイルで戦った方が良いと思います」


 めずらしくセリスが助言をしてきましたよ。

 いつもは私の指示に従うだけなのですが、良い傾向です。


「クロード先輩は私より上に感じますか?」


「失礼を承知で申し上げますと純粋に剣の戦いをすると勝てないと思います。確かにシノア様は動きが読みにくいのですが長引けば対応されてしまうと思います」


「でしたら、最初から全力で行けばなんとかならないでしょうか?」


「この世界の技能持ちはそれだけで格差が顕著に表れますので、それだけで不利なのです。シズクは普段はシノア様に合わせて模擬戦をしていますので、本気でしたら試合になりません」


「シズクは純粋に試合をしたいので、わざと自分に負荷を掛けたりしていますから、それはわかっていますが、エルナはどうでしょう?」


「エルナ様は力に振り回されているのであれが本気なのですが、いつか力を自分の物にしたら、戦士としては完成されると思います」


 セリスって、ちゃんと見ているのですね。

 私が3人のサポートを殆ど丸投げしていますから、変化には気付くのでしょうね。


「では、私が槍でクロード先輩と戦ったら、どうなると思いますか?」


「私の予想では、近付かれなければ五分の戦いが出来ると思います。長引けば長引くほど最終的には勝てると思います」


 それなら、持久戦に持ち込めば疲れない私の方が有利ですからね。

 正直に言いますと、私は接近戦は魔力感知に頼って適当に戦っていますので、怪我をしないように一撃で倒せたら良いとしか思っていません。

 知識は有っても思考と体が追いついていないので、シズクみたいな速度重視の攻撃の前には後手に回りまくりです。


「セリスの意見はわかりましたが、やはり剣で戦う事にしますね」


「お言葉ですが苦戦は免れませんよ」


「大丈夫ですよ。まあ、見てて下さいね」


 見送られながら、試合会場に行くと大勢の観客が居ますね。

 クロード先輩の3連覇も掛かっていますから、熱くなりますよね。


「それでは、Aブロックの準決勝を開始致します」


 アナウンスさんは、女性ですが大丈夫でしょうかね。

 相手が王子様だから、また私だけおざなりな紹介をされそうですよ。


「東のゲートからは、3期生Sクラスのクロード殿下です! 3連覇が掛かっている大事な試合ですが、相手は強敵ですのでどうなるでしょう!」 


 手を上げながら歓声に応えてますよ。

 ちょっと王子殿下と思えないのですが、人当たりは良いので、中々の人気ですね。

 結構ですが女性から頑張って下さいと応援されていますよ。


「西のゲートからは、2期生Bクラスのシノアさんです! 対戦相手をまったく寄せ付けない恐るべき実力者です! こんな小柄な可愛い少女が誰が強いと予測したのでしょう!」


 小柄な可愛い少女……素晴らしいです。

 私は、また悪口混じりの声援と思っていたのですが、ちょっと気分が良くなりましたよ!

 ただ……「お姉様! 素敵です!」とか言うのが混じっているのです、が気にしない事にしましょう。


「やっとテストの時間になったな。本来は槍の使い手みたいだが剣で戦うのか?」


「勿論ですよ。剣しか使わないと決めていますので。これが折れたら考えますよ」


「悪いが、見てた感じでは剣の戦いなら俺にも勝機がありそうなので、全力で行くぜ?」


「そう思っているのでしたら、私も全力で行かせてもらいますね」


 前の試合で怪我をしたかいがあって、私の実力をある程度理解したつもりみたいですね。


「それでは、試合を開始して下さい! 勝利はどちらの手に!」


「いくぜ!」


 王子というより、その辺の冒険者の戦士みたいですね。

 大剣を力一杯に振り下ろしてきますが、私は剣を合わさずにシズクのように受け流します。

 その後も同じように受け流しに徹していますが、驚いていますよ。


「ここで、初めてシノア選手が剣を使って、相手の攻撃を受けています! 」


 この戦い方は、今までして来なかったですからね。

 前回までは、マナの流れを読んでギリギリで躱していただけなので、まともに立ち合っていなかったのですが。

 正直に言ってしまうと、クロード先輩の攻撃はギリギリで躱す事が私には出来ないので、受け流す事にしただけです。

 シズクと模擬戦をしているので、完璧ではありませんがある程度の真似は私にも可能です。

 それと最大の問題は私に剣術の技能が無いので、いくら真似ても技能持ちには劣ってしまうのですよね。


「どうなっているんだ……前回の試合までと全然動きが違うじゃないか……まるで落ちて来る葉っぱを斬ろうとしている感じだ」


「前回までは、躱す事に徹していましたからね。この戦い方は私の模擬戦の相手の真似なんですが、少しは出来ているみたいですね」


「なら、これならどうだ?」


 さっきと変わらないと思うのですが?

 3撃目の時に流そうとしたら、威力が軽いと思ったらフェイクですか!

 まともに受けてしまったので、飛ばされます!

 この辺が本職の応用とかなのですね。

 私に接近戦の駆け引きとかは、才能が無いみたいです。

 なんとか、踏みとどまりましたが危うく場外に落ちるところでしたよ。

 気が付けば、もう接近して振り下ろしていますが普通でしたら、躱せません。


「悪いがこれで、終わりだ!」


「我を包め風の導きを ヘイスト!」


 つい魔術を使ってしまいましたが、私が躱してしまったので、驚いていますよ。


「馬鹿な……いまのを躱すなんて、どうなっているんだ? いまのは、何の魔法なんだ?」


「危なかったですよ。お蔭で一枚手札を使ってしまいましたよ」


「絶対に当たると思っていたのに……」


「使いたくはなかったのですが、使ったからにはこちらから行きますね」


 それからは、私が一方的に速度と手数で押し切っています。

 速度強化魔法『ヘイスト』なら、風魔術なので、私も使えます。

 ただ普通は速度が1.5倍になるのですが魔術並列起動があるので、同時に使うとさらに加速可能なのです。

 これを使って初めてシズクの剣が見えるのですよね。

 シズクが使うと強化される速度が1.5倍なのですが私は、詠唱を足すと2倍になるのです。

 この魔法だけは、詠唱を長くしてもこれ以上効果が変わらないし、マナを多く込めても継続時間しか増えないのです。

 ですが私にも2つの魔法までなら、重ね掛けが出来るようになったので、『ヘイスト』を詠唱付きとは別に重ねているので、今の私は3.5倍の速度で対応が可能なのです。

 クロード先輩は私に攻撃をしていますが、それは残像なので空振りしているだけになっています。

 シズクが分身の術とか言って、『ヘイスト』で遊んでいたのを真似させてもらいましたが、私は疲れないので効果が続く限りはクロード先輩の攻撃は当たりません。


「はぁはぁ……まったく当たらなくなったぜ……しかも左右同時の攻撃が両方とも重いとか、もう意味がわからん」


 そろそろあちらに疲れが出て来たみたいですね。

 判断に迷っているところに首に剣を付き当てて、寸止めしました。

 

「では、私の勝ちで宜しいですね?」


「ああ、残念だがまったく捉えられないから、勝負にならんよ。俺の負けだ」

  

「ここで、クロード殿下が負けを認めましたので試合は終了です! それにしてもシノア選手の動きは速すぎて私にも見えなかったです!」


 魔法無しでしたら、私が負けていましたので危なかったですよ。

 この大会が魔法禁止じゃなくて良かったです。


「攻撃を受け流すのにも驚いたが最後のあれはなんなんだ? 速すぎて手も足も出なかったぜ」


 まあ、種明かしをしても良いかな?


「あれは、速度のみを強化する魔法ですよ。ちょっと私のアレンジがしてあるので、普段の速度の3.5倍に高めています。見切りなどの技能が無いと無理でしょうね」


「身体強化の魔法は、聞いたことはあるがそんな事が可能なのか?」


「この国でも一部の方達は使えますが、公にしていないだけですよ? 出来れば使いたく無かったのですが、あそこで使わなかったら私は場外負けでしたからね」


 ミリアさんは私を見ていましたので、後で何か言ってくるかも知れませんね。

 流石にシズクの使い方が普通だと思うと、私の使い方はおかしいですからね。


「まあ、良い所までは追いつめれたのだから、良しとするか! それで、俺は不合格か?」


「魔法を使わなければ私は負けなので、合格にしますよ。困った時は助太刀しますね」


「それなら、十分にこの試合で得るものが有ったから、問題は無いな。俺に賭けていた奴らには悪い事してしまったがな!」


「当然、試合の賭けの事も知っていますよね。クロード先輩は、自分に賭けていたのですか?」


「お前に決まっているだろう? 俺のダンジョンの稼ぎを全部賭けているんだぜ? 絶対に優勝してくれよ!」


 呆れた人ですね……。

 勝つ気だったのに私に賭けているなんて、もし勝っていたら、大損していますよね?


「対戦相手に賭けるなんて面白い人ですね」


「どう考えたって、お前かエルナが優勝すると思っていたから、配当の高い方にしただけだぜ?」


「するとエルナの方が優勝すると思われているのですね?」


「勝負の予想は、5割はエルナで、お前が3割で、俺が2割ぐらいだったが、賭けの割合は、俺とエルナに集中していたから、お前に賭けた奴は少なかったぜ」


 おおっ、私が勝てば結構美味しいですね。

 これは、期待に背いて勝ちたくなってきましたよ!

 クロード先輩みたいにエルナに有り金全てを賭けている人とかいたら、楽しそうですね。

 

「面白そうなので、何としても私が勝ちますよ」


「頼もしい答えなんだが何が面白そうなんだ? まさか……破綻する奴が多いからとかじゃないだろうな?」


 良くわかりましたねー。

 人の不幸というか予想を裏切るのが好きなんですよ。

 違う意味で楽しみが増えましたよ!


「そんな事はないですよ? 私も自分に賭けていますので、負けられないと思っているだけですよ?」


「まあ、俺も勝ってもらわないとやばいので頼むぜ?」


「それでは、午後の試合を楽しみにしていて下さいね!」


 控室でセリスに聞きましたが、エルナの試合も問題無く勝ちましたので、午後の決勝は私との試合になりますね。



 戻ってから、みんなとお昼にしましたが、エルナから怪しげなお願いが来ましたよ。


「次はシノアとの試合なんだけど、私が勝ったら御褒美が欲しいのですがどうでしょうか?」


 一体、何が欲しいのでしょうか?

 それに負けた私が何かをあげるというのは、理不尽な気が……。


「負けたら私が御褒美をあげるのですか? では、私が勝ったらどうなるのでしょう?」


「私が勝ったら、毎朝におはようのキスをして欲しいのです。シノアが勝ったら、私がお休みのキスをしてあげますよ!」


 ……意味がわかりませんが?

 勝っても負けてもする事が同じではありませんか?

 口づけする事自体は別に望むのであれば問題ありませんが、普通は男性とする物だと私は記憶していますが……。

 私はセリスに魔法を教えるのと治癒とで何回もしているので、作業的なものという考えなのですが、無意味にする事でなにか効率でも上がるのでしょうか?

 エルナの事は好きですが、将来が不安なので、早く貴族の令嬢らしく婚約者を作って下さい。

 だけど、普段は猫被りなので、お屋敷での実態を見たら婚約した事を後悔するかも知れませんね……だって、監視の目がないと寝転がって、お菓子を食べながら、誰かにちょっかいを出しているだけなんですよね。

 それなのに私がちょっとだらしない格好をしていると淑女の何たるかを語って注意して来るのですから、理不尽過ぎるのです。

 私がそれを言うと……「口煩い者の前ではちゃんとしていれば良いのです」とか言うのですが、それなら私だって問題無いと思うのです。自分以外が私のだらしないというかラフな姿を見るのがいけないとか……意味がわかりません……。

 そして、何故か私はエルナに逆らえないので、納得はしていないのですが従ってしまうのですよ。

 まあ、それならば勝ったら、たまには私に主導権が有ってもいいですよね?


「どちらもする事が同じなので、私が勝ったら、3日間ほど私のメイドになってもらいますね」


「それは良いけど、言ってくれればいつでもシノアのメイドになりますよ?」


「当然ですが、3日間は、リンさんと2人で寝てもらいますからね? しっかりとリンさんの指導を受けて下さいね」


「そんなのは、嫌です! ずっとお説教されるに決まっています! それに私はシノアを抱いて寝たいのです!」


 あー、リンさんが居るのに恐ろしい事を言ってますよ。

 抱いて寝たいとか大きな声で言うから、周りの視線が痛いです……。

 明日からは、夜も濃厚なのですねとか噂されそうです……女の子って、この手の妄想はすごいですからね。

 お屋敷のメイドさん達からはどんな事をまでされているのかよく聞かれるのですが、抱き枕になって寝ているだけと言っても誰も信じてはくれません。

 取り敢えずは、昨日の仕返しに3日もあれば、お仕置きでもされると期待して言ったのですが、もう確定みたいですね!

 私がお仕置きとかしても喜ぶだけに決まっていますので、こういう事は恐れている対象にお願いするのが一番ですね。

 

「エルナ様、そんなに私と一緒に寝たいのですね? シノア様が勝ったら、眠るまで子守歌を聞かせて私が撫でながら、抱いていて上げますので、覚悟して置いて下さいね?」


 わかりやすい例えですね。

 これは、勝っても負けてもお仕置きは確定になると思うので、昨日の仕返しは達成出来そうです。、


「リン、これは違うの!」


「シノア様、必ず勝って下さいね? 私は、今日の夜がもう楽しみで仕方ありませんので」


 ちょっと、リンさんの笑顔が怖いのですが!


「勝負はわかりませんので、どうなるのでしょうね……」


「シノア様が魔法で手足を斬り飛ばしてしまえば、剣しか使えないエルナ様はお終いですよ」


 えっ!?

 そんな事をしても良いのですか?

 自分の主の手足を斬り飛ばせとか言ってますが、どっちが主なのかわかりませんね。

 それにエルナにそんな事はしたくないです。

 しかも、そんな試合をしたら、明日から私の評価が違う意味で下がってしまいます。


「流石に武術の試合なので……遠距離魔法で滅多打ちとか好きですけどしませんよ」


「止めて下さい! 魔法で攻撃されたら、シノアに勝てる訳がありません! 手足の前に死んでしまいます!」


 エルナは、普段から私の魔法での戦い方を知っていますからね。

 私は確実に首を最初に狙いますので、刃を飛ばす魔法などで必ず首を刎ねます。

 アロー系やランス系の魔法でも、普通なら狙いやすい体を狙わずに初撃はつい頭から撃ち抜くので、シズクからは死神とか首狩り族の末裔とか言われまくってます。

 昔から、相手の頭を潰す戦い方をしてきたので、癖になっているのですよね。

 だって、上手く行ったら最初の攻撃で倒せるから楽なのです。


「あの……一応ですが補助魔法の使用は認められていますが、相手に怪我をさせる攻撃魔法は禁止になっていますので、補助と防御魔法なら使えます」


「そうなのですか……シノア様に期待するしかありませんね」


 アイリ先生が説明してくれたので、リンさんは引き下がりましたね。


「シノアさんの攻撃魔法は、そんなに強いのですか?」


「アイリ先生……シノアは必ず最初に首を狙って攻撃するか殲滅する魔法で攻撃をしますよ」


「それは、範囲魔法などですか? しかし、首を狙うというのは怖いですね……」


 なにを私の趣味じゃなくて、戦い方を変な風に説明しているのですか……。

 首を落とした方が確実に殺せるし、数が多い時は範囲魔法で近づく前に殲滅した方が楽だからですよ?

 最近は、シズクも風魔術が中級になったので、忍法とか言って、風の範囲魔法で相手を切り刻んでいます。

 魔物の群れに突撃して、自分の周りを円を描くように切り裂くとか、正直恐ろしいですよ?

 無詠唱で、無理やり忍術とか言っていますので、何の魔法かこの世界の人にはわからないでしょうね。

 私は、悲しい事に忍術の名称で、何の魔法か理解出来るほどシズクの知識に汚染されましたが……。

 それに近づかれて攻撃されたら、私は痛いではないですか!

 私は、バトルマニアのシズクや脳筋のエルナと違って、効率良く楽がしたいだけなのですよ。


「エルナ……まるで私が危険人物のような言い方は止めて下さい……いじけますよ?」


「そんなつもりでは無かったのですが……とにかくです! 私の身の危険を回避する為にも必ず勝ちますからね!」


 わけのわからない事を言っていたのに危機回避が目的になってますね。


「私も負けるつもりはありませんので、多少の怪我は許して下さいよ?」


「そのぐらいは構いませんが私も全力で、攻撃しますので、最初に謝っておきますね? でも、私が勝ったら、時間は掛かりますが愛を籠めて念入りに治療をしてあげますので安心してください!」


 ……エルナの攻撃を受けたら打撲程度では、済まないと思うのですが……。

 しかも、エルナは聖魔術の技能があるのに回復系の魔法はまともに使えないですよね?

 明かりを灯す『ライティング』しか使えないのにどうやって癒すのか知りたいです。

 一応、『ヒール』は使えたのです。今でもかすり傷ぐらいなら治せるのですが、殆ど意味が無いので……。

 そんなエルナに治療なんてしてもらったら、私は治るまで激痛地獄になってしまうし、『ヒール』は対象の代謝能力を早めるだけなので、私を癒すには術者のマナを注ぎ込む『キュア』じゃないと効果がありません。

 要するに、私は生物の定義が適用されない、自然治癒されない存在なのですから。言いたくないのですがお人形さんですよ。

 しかし、本気にならない内に落としてしまおうと考えていましたが、すっかりその気になってしまいました。

 力に頼っている戦い方なので、付け入る隙はあるはずです。

 


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