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生まれ変わったのですよね?  作者: セリカ
31/378

30 お仕置きは……


 朝食を済ました後に部屋で、エルナが「セリスさんの雰囲気が昔に戻りましたね」と、言うのでちょっと驚きました。

 どうしてそんな事がわかるのか聞いてみたら、「周りの人は、よく観察していますよ?」と……。

 私は、エルナをちょっと見直しましたよ。

 いつもは欲望ダダ漏れの残念なお嬢様で、最近は脳筋剣士と思っていましたから……。

 

「エルナって、そんな観察眼が有ったのですね……普段の素振りからはまったくわかりませんでした」


「一応、人を見る目はあるつもりですよ? 社交界で立ち回るには、大切な事なので、お母様とリンに小さい頃から叩き込まれました。でも、シノアが私を普段はどのような目で見ているのかよーくわかりました」


「えっ!? そっ、そんな事は無いよ!」


「そんなに慌てているところを見ると、私が何も考えてないとでも思っていそうですね? これは、お仕置きが必要ですね?」


「猫被りとか、思っていませんよ! お仕置きって何をするつもりなの!」


 しまった!

 つい本音が!


「猫ね……あながち間違いではありませんが、正面から言われると面白くありませんね。リンからは、笑顔で傍観者に徹していた方が楽しいと言われているのですよ?」


 まじですか!

 普段のあのおっとりとした態度は、演技だったのですか!

 リンさんは、とんでもない事を教えていますね。

 一体、どこまでが素なのかわからなくなってきましたよ。


「怒らないから、私の事は、どんな風に思っていたのですか? シノアは顔に出ますから、隠し事をしてもわかりますよ? もし誤魔化したりしたら、お仕置きが増えますからね?」


 怖いです!

 何故だかわかりませんが、逆らってはいけないと体が反応しています。

 ちょっとお仕置きの内容が気になりますが、まさか……お尻叩きじゃないですよね?

 頭の中で、正直に言った方が良いと何となくですが囁いていますが……。


「勿論、大好きな友達と思っていますよ……」


 ダメです!

 残念とか脳筋なんて、言える訳がありません!

 言ったら、絶対に怒るに決まっています!


「残念です……それは間違っていませんが、シノアは誤魔化したり嘘を吐くと目が必ず左下を見る癖があるのですよ? ずっと見ていましたので、シノアの事は何でも知っているのですよ?」


 何それ!?

 怖いです……。

 しかも、私にそんな癖が有ったのですか!

 それは、残念を通り過ぎて、ストーカーの領域では無いでしょうか?

 すごく逃げたいのですが、動けないというか……まるで判決を待つ罪人になった気分です。

 私が諦めた表情をすると、笑顔で判決を言い渡してきました。


「シノア、パンツを脱いで私の膝にいらっしゃい」


「なんで、それになるのですか!」


「シノアが最初に始めたお仕置きですよ? お蔭で私もリンに以前ですが久しぶりにお仕置きされましたので、いつかシノアにもしたいと思っていたのです。丁度良い機会でしたね?」


 私にしたいって……エルナにそんな趣味が有ったのですね。

 抱き着き癖もそうなのですが、どんどんお嬢様のイメージが崩壊していきますよ!


「あれは、シズクの設定なので、私の趣味ではありません!」


「何でも良いので、素直になりなさい。カミラもしっかりと見ていてあげて下さいね」


 そう言えば、いつの間にか部屋の隅で本なんて読んでいますが、逆さまですよ!


「カミラも何か言って下さいよ……そして、私を助けて下さい!」


 すると、私の側に来たと思ったら、羽交い絞めにしてエルナに差し出すではありませんか!


「ごめんなさいね……貴女に加勢などしたら、私にも被害が及ぶのでしっかりとお仕置きされて下さい……私には見ていることしか出来ません……」


 カミラは、エルナの陣営でした!

 こんな事でしたら、シズクかセリスを呼んでおくべきでした!


「友達を見捨てるなんて酷いです!」


「さあ、覚悟してくださいね?」


 その後、学園に行くまでずっと叩かれました……。

 途中で、「話す気になりましたか?」と、聞かれたので、素直に答えたら、当然のように笑顔で怒りました。

 怒っていないと言っていますが、こめかみがピクピクしています。

 それからは、さらに強く叩かれたので、痛すぎです!

 シズクは、こんなことで喜ぶなんて、おかしいです!

 最近は、あまり怪我とかしなくなったのですが、斬られた方がましだと感じます。

 カミラは、怯えながら私の真っ赤に晴れ上がったお尻を見ていますが、いつか私もカミラにしてあげようと誓いました。

 終わった後に魔法で癒そうとしたら……学園で着替えるまでは治してはいけないと言われてしまいました。

 更衣室で確認した時に治っていたら、後ほど同じことを追加すると言われたので、治せませんからすごく痛いです。

 学園って近かったのにすごく遠く感じます。

 途中で、エルナが撫でたりつねってくるので、拷問でした……。

 目的地が見えているのに歩くのがつらいです……。



 

 学園に着くと私とエルナを見る目が違いますね。

 エルナは普段通りに挨拶しながら、昨日の試合の事で絶賛されていますが、謙遜しながら軽く受け流しています。

 私の方には、1期生の女子から、「昨日は、素敵でした! お姉様!」などと、慕われています……。

 当然のように、ユリウスのファンらしき女性からは、殿下に恥を欠かせた小娘などと、陰口満載です。

 ユリウスも私を待っていたようで、挨拶をしただけで、周りの女子からは私に対する嫉妬のような感情が増えまくりです。

 無視とかしたいのですが、そんな事をしたら、さらに非難されるし、ユリウス本人も良い人なので、出来ませんからね。


「シノアさん、体調が悪そうだけど大丈夫かな? こんな事を女性に言うのはなんだが、お腹と言うか歩き方がつらそうに見えるのだけど……」


 ユリウスも良くわかりますね……貴族というのは、人の観察をするのが得意なのですね。

 ちょっと赤くなりながら質問してきましたが、美形の人は何を言ってもかっこいいのですね。

 周りの女子は、「自分を負かした相手なのに素晴らしい気づかいをなさる」とか、とにかく絶賛しています。

 私は心の中で、陰口を叩いている女子のお尻を立てないぐらいに叩きたいと思いましたよ。

 私と同じ状況になれば、叩かれた事も無いお嬢様なんて、まともに歩けないので、恥を欠くのは間違いないよ!

 それか今すぐにこっそりと風の刃でスカートとパンツでも切り刻んでしまおうかな……。

 まあ、私は寛大なので言葉ぐらいでは、そんな事はしないけど……言葉ぐらいならね……。


「ユリウス、私の事は普通にシノアと呼んでも構いませんよ。私も呼び捨てにしてしまっていますからね」


「では、僕もシノアと呼ばせてもらうね。ところで本当に大丈夫かい? 良ければミヨナが回復魔法が使えるから、使ってもらうけど」


 すると、いつもユリウスの背後にいる娘が前に出てきました。


「話すのは初めてになりますがミヨナと申します。シノア様が回復出来るように癒しますが宜しいでしょうか?」


 大人しい感じの娘ですね。

 ユリウスと同じSクラスなのですが、この娘だけは、いつも私のことを変な目でみたりはしないし、友好的な感情を感じてました。


「大丈夫です。心配してくれてありがとうね。ミヨナさんも私のことは気軽にシノアと呼んで下さい。私もそうしますので」


「公爵家の方に対して失礼に当たりますが……」


「私は、少し前までは、身分などは無かった身ですので気にしなくて良いと思いますよ。では、そろそろ行きますので試合を見てて下さいね」


 2人と別れて更衣室に行くとエルナから、早速お言葉が……。


「私が着替えさせてあげますね? 当然ですが良いですよね?」


 何が当然なのかわかりませんが、素直に頷くと……テキパキと脱がせてくれるのですがここで問題が!


「シノア……だいぶ腫れが引いていますが回復魔法を使いましたね?」


「私は何もしていないけど……あっ!」


 まずいです!

 いつもは怪我とかすると最優先でマナを回して治していたのですが、しなくても自然に回復するのをすっかりと忘れてました!

 斬られたり出血している訳では無いので、比較的早く回復してしまいます。


「私は何もしていないのです! 信じて下さい!」


「言い訳は聞きませんので帰ったら、続きをしましょうね? 帰るのが楽しみですね」

 

 ちょっと嬉しそうなのですが……笑顔で言われてもね……。

 女神様、今日だけで良いので痛覚遮断を私に授けて下さい!




 本日は、選手が16人になったので2試合するらしいのです。最初の試合は3期生の方でしたが、ユリウスと変わらない実力でしたので、適当に躱して場外に落としました。

 次の試合の方も3期生の方でしたが、クロード先輩のお仲間でちょっと強いです!

 シリアさんというのですが、躱しているはずなのに剣が変な軌道を描きます


「お姉さんは、強いですね。確かに躱しているはずなのに剣が私に当たります」


「シノアさんこそ、どうして反応出来るのか不思議です、この剣の特徴に気付いているのかしら?」


 やっぱり、あの剣に何かあるのですか……突然、鞭のような動きをするのですが、どうしましょうね。


「ちょっとその剣を見せて欲しいのですが、ダメですよね?」


「降参してくれたら、見せてあげますよ? その服に当てても弾かれるので、押し切れないのよね」


 躱しているつもりなのですが、その後に不規則な動きをする攻撃までは躱せないのです。

 当たってはいますが、軽い攻撃なので反射してくれるのですけど、これ少しずつですが私のマナを使っていますよ。

 きっと持ち主のマナを対価に弾く機能があると思うのです。マナの使い道が無いエルナには良いのですが、私にはまずい機能です。

 

「うちの子が作ってくれた服なのですが、強い攻撃以外は反射するらしいですよ?」


「それはすごい防具ですね。しかも、お洒落な服としても問題は無いので、私も是非欲しいですね」


「クロード先輩とは友達になりましたので、お屋敷に遊びに来てくれたら、紹介しますよ?」


「それでしたら、是非ともクロードに連れて行ってくれるようにお願いしないとね!」


「シズクは、その気になると制作意欲が湧くので、頑張って下さいね」


「貴女のパーティーの可愛い子ですね。必ず気に入られて見せますよ」


 軽く会話している間にもちょこちょこ当たってますので、私のマナが減っています。

 1本でも対処に困っているのに2本もあるから、攻撃と防御で、使い分けているみたいです。

 近づく前に剣が変化して襲ってくるので、私の剣が弾かれてしまいます。

 槍でしたら、十分な間合いなのですが……。

 それに、どうも私を倒すつもりで攻撃をしていないのは、私の動きをクロード先輩に見せる為みたいですね。

 仕方ありませんので、ここは強引に行かせてもらいましょう。

 次の剣の突きの時に私は避けずに左腕で受けます。


「えっ!?」


「なるほど……そうゆう事でしたか」



 名称:双剣のウイップ・ソード


 効果:マナを通すと持ち主の意思で剣の軌道を操れる


 状態:正常



「どうして、わざと腕に……」


 まさか剣がこんな形状に変化するとは、思っていませんでした。

 躱したはずの部分だけ私に見えないように折れて攻撃していたのですね。

 しかも、細い糸のような物で連なっているから、伸びたように感じるわけです。


「剣がどうして不規則な動きをするかわかりましたよ」


 そのまま剣が伸びた状態の繋ぎの紐を掴んで引き寄せて、悪いけど体当たりをして、場外に落とさせてもらいました。

 お姉さんは、動揺していたので、まともに私の体当たりを受けてしまいましたからね。

 きっと、対人の真剣勝負などの経験が無かったので、私に怪我をさせてしまった事に対応が出来なかったのですね。

 以前にシズクの漫画に有った「肉を切らせて骨を断つ」というのを参考にさせてもらいましたよ。

 

「シノア選手の勝利です! まさか自らの腕を犠牲にして攻撃を封じるとは、シリア選手も思わなかったようです!」


 痛い思いをしましたが、実況の人が私の勝利宣言をしていますので、お終いでいいですね。


「シリア先輩。大丈夫ですか? 剣はお返ししますね」


 腕から、剣を抜きながら話しかけると。


「私なんかより、貴女の腕は大丈夫なの!? まさかそのまま腕を突き出すなんて思わなかったから……」


 抜いた後に直ぐにマナを回しつつ回復魔法を軽く掛けたので、もう何ともありませんが、久しぶりにすごく痛かったです。朝のお仕置きに比べればましですね。


「大丈夫ですよ。ほら、もう治ってますからね」


 シリア先輩は私の腕をじっと見ていますが、袖の部分は血だらけでです。


「治るから良いのでは無くて、痛く無かったの? こんなに血が出ているのに……ごめんなさいね……」


「すごく痛かったですが、森に居た頃はいつも怪我をしていましたので、このぐらいでしたら大丈夫なので気にしないで下さい。それに自分から受けに行ったのですからね」


「森に? いつもって……ダンジョンでもこんな危険な戦い方をしているのですか?」


「ダンジョンでは、私はほぼ魔法専門ですから、接近戦などはしませんよ?」


「これだけの動きと剣捌きに加えて度胸もあるのに、魔法が専門だなんて……私、自信を無くしそうです……」


 エルナとシズクが突撃するから、私の出番が無いだけなんですけどね!


「あの時にそのまま私の腕に巻きつけて切断してしまえば、もう片方の剣で私に致命的な攻撃が出来たかも知れませんでしたね」


「そんな事は考え付かなかったわ……」


「もし、私があの剣を使っていたら、相手の手足に巻き付けて切断するなどの方法を取っていたと思います」


 手足と言いましたが多分、首に巻き付けて絶対に落とすと思います!

 しかし、あんな剣があるとは面白いですから、今度作って練習をして見ましょう。


「……私は、不意打ちぐらいにしか考えてなかったし、人を切断するなんて出来ないわ……」


 うん、この辺が私と普通の人の考え方の違いなんでしょうね。

 私は、戦うと決めたら相手を殺した方が効率的と考えていますので、真っ先に相手の首を落とす事を優先します。

 情けや相手の事を気遣うのは一度痛い目に遭って後悔していますからね……。

 今回は、模擬戦と変わらないので、殺さないようにしていますが、生き返れるのだから、本当は殺した方が早いと思っています。

 ただ……私の学園の噂が最悪になりそうなので、殺さないだけです。


「クロード先輩の為に戦っていたみたいなので、私からの助言ですが……勝つ事が目的なのでしたら、相手の研究も大事ですが、有効な攻撃手段があるのでしたら、初見で倒した方が私は楽と思いますよ?」


「私の行動がわかっていたみたいね」


「お陰様で、明日はちょっと苦労しそうですよ。では、近い内に訪ねて来て下さいね。シズクを紹介しますので」


「ええ、楽しみにしているわ」


 意外な所で苦労しましたので、明日のクロード先輩の試合はちょっと魔法を使った方がいいかも知れませんね。

 試合を観る限りは、エルナと同じ力で押すタイプのようですが、2人が決勝で戦った方がきっと盛り上がりますよ。

 まずは、帰ったら、シズクに反射の機能は私が意識した時に出来るか相談してみましょう。

 それが出来ないのでしたら、止めてもらわないと。勝負が長引くとまずいですからね。

 エルナの方も順調に勝ったみたいです。忘れていましたが、これから帰った後が怖いです!

 午前中の相手の選手をボコボコにしていましたので、気分が晴れていると信じています。

 控室に戻るとシズクが待っていますね。


「お姉様、お疲れ様です! 腕の方は大丈夫なのですか? 怪我に関しては、以前に聞いたので痛み以外は問題無いと思いますが……」

 

「ちょっと服の袖の部分が切れてしまったの。ごめんね。怪我に関してはマナさえ尽きなければ問題有りません。この服は反射に私のマナを使っているみたいなのですが止めたり出来ますか?」


「服は直せばいいので気にしなくていいです。止める事は可能ですが、そんなにマナを消費しないはずなのですが?」


「多分ですが、私が着ると多めにマナを使うみたいなので、ちょっとまずいのです」


「そうでしたか……わかりましたが、機能を停止してしまいますとちょっと丈夫な服になってしまいますので、明日はお止めになりますか?」


 着て欲しいけど私を困らせたくないと思っているのでしょうね。

 

「せっかくシズクがこの大会の為に作ってくれたのですから、使わせてもらいますが、機能だけは停止させておいてね」


「しかし、明日はクロードさんとエルナお姉ちゃんが相手ですから、防御面が心許無くなってしまいますが……」


「大丈夫です。少しだけ手札を切りますので、勝てる望みはありますし、当たらなければ良いのですよ。シズクのお蔭で、躱す事は勉強しましたからね」


「ありがとうございます! 明日までに反射の代わりに硬化を掛け直しておきますので、少しは耐えれるようになると思います!」


 これだけ喜んでくれたのですから、勝たないといけませんね。

 しかし、午前と午後で続けて試合とか、私は良いのですが、普通の人でしたら決勝がきつそうですね。

 魔法で回復出来るとはいえ、精神的には疲れてると思うのですけど

 着替えて、シズクに衣装を渡したら、エルナがやってきました。とっても慌ててますがどうしたのでしょう?


「シノア……わざと腕に剣を刺したと聞いたけど、大丈夫なの?」


「大丈夫ですよ。もう治ってますというか、あのぐらいでしたら私でも治せますし、酷い時はミリアさんも待機しているので問題無いかと思いますが?」


「そんな問題では、ありません! 私の大事なシノアが怪我をしたと聞いたので、私は心配したのですよ!」


 今朝、その大事な私のお尻が腫れあがるまで、叩いたのはノーカウントなのでしょうか?

 正直、剣が刺さった時よりもお尻の感覚が無くなるまで叩かれた時の方が痛かったですよ。


「心配してくれて、ありがとうね。相手の攻撃手段を知るには、あれしか思いつかなかったのですよ」


「ですが……そんな方法はもうダメですからね?」


「まあ、痛かったのでなるべくやりたくはありませんが、朝に比べれば大したことありませんよ」


「朝ですか?」


「エルナのお尻叩きの方が強烈でしたからね」


 あれ?

 さっきまで、私をすごく心配してくれていたのに何か様子が変です?


「あの大怪我より、私の方が……」


 これは……言い方を間違えたみたいです!


「わ、私は、先に戻っていますので、お先に失礼しますね!」


 シズクは、危険を感知して、逃げようとしていますよ!

 私も逃げたいです!

 気付いたら、私の腕を掴んでいますが振りほどけないし痛いですよ!


「シズクちゃん? 得意の風の魔法で音を漏れないようにしてくれないかしら?」


「えっ!……どうしてなのですか?」


「今すぐにシノアにお仕置きをしたいのですが、周りに聞かせるわけにはいきませんからね? すぐに終わるので少しの間だけお願いしたいのですが。勿論よいですよね?」


 私の助けを求める目とエルナの威圧を感じる笑顔を交互に見ていますが……シズクの取った行動は……。


「えっと……忍術! 風の結界陣! これでこの部屋の音は決して外に漏れなくなりました」


 主の私を見捨てて、エルナに従いました!


「シズク、そこは私を助けてくれないと!」


「お姉様……申し訳ありませんが、先に頼まれたことをしただけなので、私にはわかりません……朝の様子なんて、決して見ていないので入り口を見張っていますね……」


 それは、私が何をされるのか知っていると言っていますよ!

 でしたら、あの部屋のどこかに居たのですね!

 

「ありがとうね。シズクちゃんには、申し訳ないのですが入り口を見張ってて下さいね」


「お任せください! 決して誰も入れないようにしますので……お姉様も頑張って下さいね……」


 何を頑張れと!

 シズクから念話で、「お姉様、許して下さい……エルナお姉ちゃんが怖いので私には無理です……」と……。

 私も「後でお仕置きだからね」と返事をして置きました。

 それから、30分ほど叩かれましたが「これは貴女の為なんですよ?」とか言っていますが、私には理解出来ませんでした。

 叩かれている内に何か変な気分になってきましたが……私もシズクと同じなのかもね……。



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