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生まれ変わったのですよね?  作者: セリカ
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29 心の在り方


 ちょっと、セリスの事が気になったので、そのまま屋敷には戻らずにエレーンさんのお店に行く事にしました。

 仕方ないとはいえ、私の配下にしてしまいましたが、ネタのアイリ先生とは違うから、どうしましょうね?

 私の奴隷になった事をあんなに喜ぶなんて……もう気の毒としか言えませんよ。

 セリスが無茶な事をしないようにと祈りながら、エレーンさんのお店に着ましたが、覗いただけで、顔パスで奥に通されました。目立たないように案内してくれればいいのにVIP待遇で迎えてくれるから、他の偉そうな人の視線が毎回痛いです。

 いつもの部屋に案内されると良い匂いのする料理がテーブルに載ってますが、エレーンさんが笑顔で迎えてくれましたよ。


「面白い試合をしていたみたいですね! まずは、おめでとうねー」


「お姉ちゃん、ありがとうですー」


「勝ったお祝いに、こないだ狩って来たアース・ドラゴンのステーキを御馳走しますよ!」


「ドラゴンのステーキとか、美味しいのですか?」


「私は、お肉ではドラゴン系が一番美味しいと思いますよ。なので私には、ご飯にしか見えませんね」


 竜種って、私が調べた限りでは最強種とありましたが、エレーンさんにとってはご飯扱いとか、強さの最低ラインが遠すぎます……。


「私はここのダンジョンに居るとしか知りませんが、生息している地域があるのですね」


「この大陸にはもう居ませんので、隣の大陸の物を狩って来ているのです。ちなみにダンジョンで徘徊しているのは、アストレイアが生み出した物なので味がいまいちです」


 もう試食済みですか!


「やっぱり、野生である程度育った物の方が油の乗りも良いので、今度は絶滅しないように乱獲は避けています」


 それは、この大陸に居たのは全て狩ったというか、食べてしまったと言ってますよね?


「他に大陸が有ったのですね。書物には、海は魔物で溢れているので、渡るのは不可能とありましたから、行けないと思っていました」


「私は、飛んで行きますよ?」


「空路も強力な魔物が飛び回っていますよね?」


 まあ、強行突破してると思いますけどね。


「ついでに狩って行きますよ? 私から見たら、鶏肉ですね。4つの国の店舗に均等にわけますから、ラウルくん達も一緒に連れて行きます」


「ラウルさん達も行くのでしたら、みんな飛べるのですか? ラウルさんにそんな技能は無かったと思いましたが?」


「私の配下に魔術でみんなを運べる子がいるのです。そのうちに紹介してあげますね」


 そんな魔術があるのですね。

 ギルドの書物をもっと調べていけばわかるかも知れませんね。


「それで、今日は何か聞きたいのでは無かったの? 取り敢えず料理でも食べながら聞きますよ?」


 危うく肝心な事を聞かずに、調べ物をして帰る所でしたよ。


「そうです。お姉ちゃんに聞きたかったのは、セリスの事なのですが……私に対する忠誠心というか、敵対する者に遠慮が無くなって来ているのです」


「あのシノアちゃんの眷属の子ですよね?」


「セリスは、元々は大人しいお姉さんだったのですが、最近では、私に関わる事に過剰気味なのです。人はそんなに変わってしまう物なのでしょうか?」


「うーん……。実はですね……私は、シノアちゃんみたいに眷属は作れないのです」


 えっ!?

 てっきり、何人かは眷属を連れていると思っていましたよ。


「それでは、お姉ちゃんには、わからないのですか?」


「私は、代わりに最初からガーディアンを2体だけ持っていますが、眷属ではありません」


「ガーディアン? そう言えばセリスがその名前の職業に変更していましたが……ところで、そのガーディアンって何ですか?」


「うーん……まあ、良いですか。私の守護をする者ですが、普段は眠らせていますので、私が強敵と戦う時か留守番に使っています」


 現在のエレーンさんを守る必要があるとは思えませんが、もっぱら留守番に使われているのでしょうね。


「あの子達は基本的には私を守る事だけしか考えていませんし、行動も起こしませんが……片方は芽生えた自我が強すぎて本能を優先しますから、私がお願いしないとダメですが……」


 自我ね……きっと理不尽な命令ばっかしだったから、反乱したのですよ。

 大体、主の女神様の命令を無視して、好きな事をしているのですから、見習ったに違いありません。

 まあ、それは置いといて。


「セリスも同じように私の事だけを考えるようになっているのかな?」


「ノアに聞けばわかるかも知れませんが……問題は教えてくれるかです。私の渡した薬を飲んだ時に観察していましたが、主様に近い性格と思えたので、気付くまで知らないふりをするかも知れません」


 同時に存在が出来れば良いのですが、入れ替わってしまうので、どうやっても聞く事が出来ませんよ。

 セリスに質問させてもきっと問題無いとか言うと思うし、シズクでは強く出れないので聞けないでしょうね。

 エレーンさんなら、聞き出す事が出来るのでは?


「仮に入れ替わったのなら、エレーンさんなら聞き出せると思うのですがどうでしょうか?」


「それは無理です。もう一つの人格への干渉は禁じられているので、私自身が話す事も出来ないと思います」


「禁止されているって、見てないのですからわからないのでは?」


「それがですね……入れ替わっている時に思い切って、声を掛けようとしたのですが出来なかったのです。向こうは、私を見て如何にも残念でしたと思っている目で私を見てましたからね」


 何となくですが、本当に私の願望が強く出ているのかな?


「もしかして、ノアって……主様なのでは?」


「それは、違うと断言は出来ませんが……私の行動を止める権限を持っているのかも知れません」


 エレーンさんを何とか出来る権限とか、私にも欲しいです。

 そしたら、エレーンさんに戦ってもらえば、もう苦労とはお別れです。


「また、下らない事を考えてますね……シノアちゃんのそういう所がお仕置きの対象になるのですよ? もし、ノアが主様だったら、いま考えている事がダダ漏れなので、追加で罰が増えますよ?」


 それはまずいです。

 やっと安定してきてのに能力剥奪とかになったら、私は涙目です!

 済みません……反省しますので、聞かなかったに事してください。(はぁ……)

 ん?

 何か溜息のような声が聞こえたような?

 まあ、気のせいですよね。


「反省したので、忘れて下さい」


「まったく、懲りない子ですね……」


 素直だから、直ぐに反省してるのにね。

 それより、いまはセリスの事を考えましょう。


「それでは、どうしたらいいのかな……」


「あの子が喜ぶ事や安心したりする事は無いのですか? 私のガーディアンの子は、たまに構ってあげないと拗ねるのですよね」


「そう言えば、以前に一緒にいると心が安らぐみたいなことを言っていた事がありました」


「取り敢えず、帰ったら一緒に居てあげるのが良いかも知れませんね」


「ちょっと、今晩は一緒に居て、じっくりと話をしょうと思います」


「そうしてあげるといいわ。お肉だけ堪能したら、早く行ってあげなさいね」


 このお肉すごく美味しいので、ゆっくりと味わいたいのですが、食べたら早く帰りますか。

 私もドラゴンが狩れるようになったら、きっと美味しいお肉に見えるようになるのでしょうね。




 お屋敷に戻ると、キャロさんが一条の光でも見つけたように私の所に向かってきます。


「お帰りなさいませシノア様! 御入浴の準備は出来ていますので、まずは試合の疲れを癒して下さい!」


 どうしたのでしょう?

 何か鬼気迫る感じなのですが、エルナに黙ってお風呂に行くと後でややこしいのですよね。


「エルナは、居るのかな? 一言いわないと問題が発生するのですよね」


「エルナ様は、もうシズク様達と一緒に済ませています」


「じゃ、私は用があるので、後にしますね」


「お願いします! 疲れを癒してもらわないと、私はお仕置きされてしまうのです! 愚かな私を助けて下さい!」


 愚かって……すごく必死なのですが、どうしたのでしょう?

 セリスに何か言われていると思いますが……お仕置きの内容が気になりますね。

 

「えっと、キャロさんでしたよね? 私は、自分を卑下する事は好きではありませんので、愚かとか言わないで下さいね」


「お仕置きをされている時に……セリスさんに愚か者と言われましたので……畏まりました。それよりも御入浴の方をお願いします! じゃないとまた、お仕置きされてしまうのです……」


「ところでお仕置きって、何をされたのですか? 非常に気になります」


「済みません……それは言えません……」


「まあ、後でセリスに聞くとして、お風呂に行きますか」


「ありがとうございます!」


 すごく嬉しそうに喜んでますが……とても可哀想になってきましたよ。

 脱衣所で脱ごうとしたら、ご丁寧に脱がせてくれるのですが……勘弁して下さいよ。

 

「お背中をお流しします。ここで待機して下りますので、その時はお呼び下さい」


 一体何を指示されているのでしょうね?

 段々うざくなってきました。


「めんどいから、キャロさんも一緒に入りましょう」


「私が一緒に入るなんて、恐れ多いことです。私の事は、お願いですから、キャロと呼び捨てにして下さい」


 ……これは、湯船に浸かってしっかりと語り合う必要がありますね。


「では、主として、命令しますがキャロも一緒に私と湯船に浸かりなさい。わかりましたか?待っているので、脱いだら来るのですよ?」


 セリスに何を言われたのか知りませんが、強制力は私の方が強いですから、逆らえませんよ。

 しばらくすると怯えたように入ってきましたが、よく見るとスタイルの良い体ですね。

 確か年齢は18歳でしたが、中々可愛いし、胸が私に近いので親近感を覚えます。

 お尻を抑えてますが……お仕置きって、それでしたか!

 

「それでは、失礼致します……あぅ……お尻が沁みる……」


「お仕置きって、お尻叩きだったのですね。ちょっと見せて」


「大丈夫です……ご主人様に見苦しい物を見せる訳にはいきませんので……」


 めんどいので、命令して大人しくさせている内に治してあげましたが「治して頂いてありがたいのですが……見られたらどうしょう……」とか、言ってます。

 しかし、どれだけ叩けばこんなに真っ赤になるのでしょうね?

 そして、お仕置きは、どうしてお尻を叩くことが定番になっているのでしょうか?

 シズクなんて、喜んでいるだけなのにね。

 取り敢えず、あれから何が有ったかを聞いてみました。

 まずは、シュタイナー家に行って、ヴァレンタイン家に泥を塗ったと言い掛かりを付けて、キャロを解雇させて強制的に連れて来たそうです。

 あちらさんは、「そのような者は知らない」と言って、あっさり捨てたので、すんなりと話が終わったとか……権威だけの貴族なんてそんな物ですよ。

 そのままこちらに連れられて来て、こちらのルールを叩き込まれ、セリスに折檻された後の最初の指示で、私のお風呂の世話をしなさいと言われたらしいです。

 もし出来なかったら、お仕置きの追加と念を押されたらしいです。

 

「セリスに関しては、私が何とかしますので、心配しないで良いです。ところで、キャロの私物とかはどうしたのですか?」


「私は、住み込みのメイドでした。それほど荷物は持っていなかったのですが……普段着など少々ぐらいなので、今頃は捨てられていると思います……」


「それは、悪い事をしてしまいましたね。今度、一緒に買い物にでも行きましょうか? 私が買ってあげますよ?」


「とんでもございません! 元はと言えば私が目先の話に乗ったのがいけないので、命があるだけ感謝しています」


「後は、シズクに作ってもらえば、良いかもね。あの子は、趣味で作っているからね」


「シズクさんと言うのは、私の手足を一瞬で斬った子ですよね……最初に会った時は、絶対に死んだと思いました……」


 いきなり手足を斬るとか、何をしているのですか!

 後で、説教をしておきましょう。


「それは気の毒に……よく助かりましたね」


「その後にセリスさんが直ぐに繋げて治してくれたのですが……また斬られて治すの繰り返しの後にシノア様の勝利を告げられたあたりで縛り上げられました……今度は、森で魔物に喰わせると言われた時はもう助からないと諦めていました……」


 恐ろしい拷問ですね……回復魔法をフルに活用しています。

 キャロが必死に私に助けを求めるのも誓約魔術を受け入れるのも理解出来ましたよ。

 セリスは教会の執行人として派遣されていたのですが、神官という職業は実は拷問係だったのですね。

 それにしても教会の人達の裏の仕事が納得出来ましたよ。

 こんな事をずっとやられていたら、それは素直になりますよ。


「血痕などが無かったので、そこまでされているとは思いませんでした。痛かったでしょうに……」


「斬られるとあんなに痛いのですね……しかもこの身で、指を全て落とされてから、手足を斬るとか……嫌というほど体験しました……私の周りに風の結界が強く張ってあったらしく、血が浮いてました……二度と見たくないです」


 シズクって、暗殺とかも気付かれずに出来そうですね。

 それにしても意外と躊躇とかせずに人も斬れるとか、恐ろしい子ですね。

 その後の拷問は恐らくセリスと思いますが……。

 キャロさんとそのまま話をしていると普通に良い人ですね。

 お風呂を出た後にセリスの所に行こうとしたので、「今日は私と一緒に居ましょう」と言ったら、「嬉しいのですが戻らないと怒られてしまいます」と……余程恐れているのですね。

 面倒なので、とにかく付いて来るように指示したら、セリスのキャロを見る目が怖いのですが!

 私と話す時は笑顔なのに、キャロに対しては、「どうしてそこにいるのですか?」と、顔に出ていますよ。

 泣きそうになりながら、私の背後で怯えています……これはいけませんね……。



 その晩にシズクを私の代わりにエルナの所に行かせて、キャロを連れてセリスのところに行くと、私が来たのに驚いてます。


「シノア様、こんな時間にどうしたのですか? キャロは、隣のベッドで休みなさい。話は明日の朝に聞きます」


「はっ……はい。では、休ませて頂きます……朝ですね……」


 私が居るから、朝になったらお仕置きでもするつもりですね。

 キャロの為にもここはちゃんと話しておきましょう。


「今日は、セリスと一緒にお話しでもしながら寝ようと思いますが良いですか?」


「私とですか!? とても嬉しいのですがエルナ様は良いのですか?」


「代わりにシズクにお願いして来ましたので、大丈夫です」


 私と一緒に寝ましょうと言ったら、ものすごく喜んでいます。

 もし、尻尾とか有ったら、わかりやすいでしょうね。


「キャロさん、これ飲むとぐっすりと眠れますよ」


 飲むと速攻で眠れるポーションです。

 暇な時に色々と作っているので、健康薬から、毒薬まで、沢山持ってます。

 この睡眠薬は、裁縫に夢中で夜更かしをしていたシズクに飲ませたら、直ぐに眠ってしまいましたからね。

 シズクは、集中していると終わるまで、絶対に寝ませんからね。

 

「ありがとうございます。そのまま起きないとかは無いですよね?」


「キャロ……まさか、シノア様が気遣ってくれた物を疑うのですか?」


「とんでもございません! それではいただきます……これすごく美味し……もう目を開けて……」


 もう寝息を立てて眠ってしまいました。

 市販の物はこんなに早く効果が出ませんので、お屋敷の不眠症の方にあげたら喜んでましたが、他言無用にしています。

 ここまで効き目が早いとなると悪用されそうですからね。

 それはさておき、セリスを何とかしないとね。。


「狭い所ですがお願いします」


 話をしながら、一緒に寝るだけなのに、何をお願いするのでしょうね?

 そして、よく見たらセリスって何も着ないで寝るのですね。

 私もエルナの趣味全開のネグリジェですけどね。


「セリスに聞きたいのですが、最近はどうしてしまったのですか? 以前ならこんな事はしなかったのに」


「私は何も変わってないと思いますが……シノア様に害を成そうとする者に対してはどうしても我慢が出来ないのです……」


「我慢出来ないって……以前にシズクを私が許したのに、お仕置きとかしてたのもそれが理由なのですか?」


「どうしてそのことを……シズクが話したのですか? あの子は……」


「何となく怪しかったので、私が強制的に話させました」


 シズクがうっかり喋ってしまったのですけどね。


「あの時も……どうしても罰でも与えないと気が晴れなかったのです……」


 これは……もしかしたら、眷属になると私の事に対して過剰になるように心変わりして行くのでしょうか?

 もしそうだとしたら、心まで私が縛っているのと変わりません。


「セリス、ごめんね……いまの私にはこんなことぐらいしか出来ないけど」


 気が付いたら、セリスを強く抱きしめていました。

 

「シノア様!? その……どうなされたのですか? とても心が休まる感じがしますので、私は嬉しいのですが……」


 そのまま、少しだけ何気ない話をして眠りました。

 私が落ち込んでいたら、セリスが一生懸命になだめてくれたのですけどね。

 でも、気のせいか、セリスから流れて来る感情が以前に感じた暖かい感じになっている気がします。



 翌朝、目が覚めると、セリスが穏やかな表情で私を見つめています。

 目が合うと、ちょっと恥ずかしいのですが、以前の優しい感じがします。


「おはよう、セリス」


「おはようございます。シノア様」


 なんというか、満たされている感情を感じます。

 昨日までの雰囲気と全然違います。

 

「いまのセリスは、私の好きな感情を感じますよ」 


「私も久しぶりに心が満たされた感じがします。いま感情を感じると言いましたが、シノア様も感情を得るのですか?」


 つい人の感情が読める事を言ってしまいましたが、私もと言うのはノアの事なのでしょうか?

 

「あの……おはようございます。お二人のお召し物を用意しておきましたので、私はシノア様のお着替えのお手伝いをすれば宜しいでしょうか?」


 いまの会話を聞いていたよね?

 そういう関係だと思われそうですね。


「おはようー。キャロはいつから起きていたの?」


「結構前から起きて、お目覚めになるまで待機していました」


「早起きなのですね。もっとゆっくりしてて良いのですよ? 着替えは自分でしますので待っててください」


「向こうでは、このぐらいの時間に起きていましたので、お構いなく」


「おはようございます、キャロ。そして、昨日は酷い事をしてしまって、ごめんなさいね」


 いつの間にか着替えたセリスが謝っていますよ。

 昨日は、気が晴れないとか我慢できないとか言っていたのに?

 

「えっ!? セリスさんが謝るなんて……起きたら、お仕置きされると覚悟していましたのに……」


「昨日の私はどうかしていました……貴女に大変な事をしてしまって、本当に申し訳ないと思っています。どうしてあんな事をしたのかわからないのですが、ごめんなさいね」


「いえ、私もわかっていて嫌がらせをしてしまった自覚はありますし、このお屋敷でのお話しの内容は向こうよりも待遇が良いので、それに関しては良い条件だと思っています」


 もしかしたら、私の近くに居る方が心が安定したりするのかな?

 でも一晩だけ一緒に居ただけですが……それでしたら、普段もいつも一緒に居ますが。

 違う事と言えば抱き合って寝ていただけなのです。

 しかも、ほとんど何も着てなかったぐらいですが……。


「ちょっとセリスとお話がしたいので、キャロには悪いのですが、セリスの代わりに他の仕事を頼まれてくれないかな?」


「はい、わかりましたので、後ほど食堂の方にいらして下さい」


 キャロが居なくなったので、ちょっとセリスに質問してみますか。


「いまのセリスは以前と同じ雰囲気なのですが、いつからあのような考えをしてしまうようになったのですか?」


「言うべきか迷っていたのですが、シノア様と接する時間が少なくなると少しづつ落ち着かなくなるのです。特に、最近は皆さんのサポートに集中していたので落ち着かないのですが、シノア様の指示を優先をしている間は問題有りませんでした。後は、魔法を教えてもらった時に治まったのですが……」


 ちょっと手を握ってみると嬉しそうな表情をします。


「もしかしたら、セリスは私と触れ合っていないと心が変化してしまうのかも知れませんね。セリスはガーディアンという職業にしましたよね? エレーンさんもガーディアンを連れているそうですが、主を守る事しか考えていないそうです」


「あの時は、神官よりも戦闘に向いている職業が良いと思ったのですが「この職業を選びなさい」と、内なる声がしたと思ったら、もう選んでいたのです」


 よくわかりませんが、何か強制力のような物が働いているのでしょうか?

 私とセリスは、人間を辞めてしまっているので、生きている定義も怪しいですからね……。


「先ほど、私も感情を得ると言っていましたがそれは、ノアもなのでしょうか? 」


 セリスは話しても良いのか迷っているみたいですが、ノアに口止めでもされているのかも知れませんね。

 それでしたら、無理に聞くのは止めておいて方が良いですね。


「話したくなければ、無理に話さなくても良いので、いまの事は忘れて下さいね」


 少し考え込んでいましたが、セリスは語り始めました。


「シノア様は感情を感じると言いましたが、得るのとは違うのですか? ノア様は出会った時に私の感情も得たと言いましたが、あの場に居た者の負の感情が得られると言ってました」


「……もしかして、私が感じている他の人の感情は、私が得るというのか吸収でもしているのかも……私は人の感情の起伏などがわかるので、それを基準に人の良し悪しを判断していたのですが、それ自体が得ているのかも知れませんね」


 これは、いよいよ人から遠ざかっているような……。

 それが事実なら、私は何の為に他の人の感情を得ているのでしょう?

 これは、ちょっと聞きにくいですよね。

 確かに幸せそうな気持ちを感じると、私の心も満たされた気がしていました。

 嫉妬や妬みなどの負の感情は、感じてはいますが何も感じないので、どうなっているのでしょうね?


「セリスは、感じたりはしないのですか? 私と同じなので、もしかしたらと思っていましたが」


「私には、わかりません。でもそれがノア様の仰る事なのかも知れませんね」


「今のところは、特に問題は無いと思いますので、内緒にしていて下さいね。しかし、もう完全に化け物とか魔物の類ですね……」


「そんなことは、ありません! 私にとっては、神様のような存在です。私を解放して下さった恩人でもありますし、ご自身でも仰っていたように、自分を貶めるようなことは言わないで下さい!」


「ごめんね。いつも自分が言っている事でしたね」


「眷属を作り出せるのですから、女神様と同格と思います。ミランダさんは、最後にそのような事を口にしていましたので、間違いないと思います」


「あのスナイパーのお姉さんですね。そうですね、力不足ですが、そう思えば前向きに考えられますね」


 今度、エレーンさんに聞いてみますが、答えられる範囲だと良いですね。

 どうも、女神様に関する事は、話せないようになっているみたいですからね。

 感情の云々の事も聞いて見ますが、私とは違う点があるので同じかどうかわかりませんからね。

 考えていても仕方ありませんので、自分に出来る事をしましょう。

 


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