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生まれ変わったのですよね?  作者: セリカ
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14 学園2

 魔術のテストの時間になりましたが、どうして私が最初なのでしょう?

 先生からは、「シノアさんの魔術の実力はここで見るように言われてますので、最初に済ました方が良いでしょ?」とか言ってます。

 普通は自信のある者かクラスの実力者からお手本を見せるのではないのですか?

 エルナは、当然のように「シノアの実力を皆さんに見せつけてあげるのよ!」と、妥協を許さぬ勢いです……道中に見せてますので、あれより低い魔術が使えないですね。

 カミラさんは、「この間まで、庶民として暮らして居たのに魔術がまともに使えるはずがないです!」と、言っていますが。

 他の方達は、エルナが私を上げまくっているので、興味津々ですね。

 これはどうしましょう。

 前方には的らしき物が10個立ててありますが、要するにあれを攻撃すれば良いのですよね?

 ここは、簡単な魔法で……。


「シノア! 期待しているから、頑張ってね!」


 はい、無理です。

 ここでエルナが知っている範囲の魔術を使わないと帰ってから大変なことになります。

 内容を聞けばきっとセリスもエルナの味方になるに違いありません。

 流石に詠唱付きは見せたくないので……

 ここは、「ライトニング・ストーム」にしましょう。

 あれなら、必ず的に全て当たるし最初にエルナにも見せていますので、問題はないでしょう。


「ライトニング・ストーム!」


 動かない的なら、簡単です。

 魔物と違って、レジストもされないので楽勝です。

 全て消し炭にしたので、問題無いでしょう。

 よし、目の前はすっきりと綺麗になりました!

 これなら、エルナもおっけいを出してくれるはずです! 


「シノア! 流石です!」


「えっ!?……全ての的を完全に破壊するなんて!」


「すげぇ! 雷撃の魔法なんて、初めて見たぜ!」


「あの娘……雷魔術まで使えるし、威力が凄いな……」


「おい、Sクラスの奴よりすごいんじゃないのか!」


「シノアさんって、すごいですね……」


「私に魔術を教えてくれないかなー!」


「あの娘、あんなに凄かったなんて……」


 あれ?

 まさか標的は一つだけで、良かったのですか?

 みんなの反応は様々ですが……。

 もしや、Sクラスの人はこれ無理なんですか?

 失敗したかな……。

 そう言えば、エルナのレベルと能力を考えれば、これは過剰になってしまいます。

 そのエルナがBクラスなんですから……。

 エルナは納得して、我がことのように感想を言ってますが、これやりすぎですよね?

 これは、まずいですよ。

 私の目立たない学園生活がいきなり破綻しましたよ。


「先生……僕には、あんな魔術の後に見せる勇気は無いです……」


 次の方のエリオル君だったかな?

 完全にやる気を無くしています。

 というか、みんな辞退しましたよ。

 エルナだけは、普段の私を知っているので、気にせずに新しい的に『ホーリー・アロー』を放っていますね。

 うん、これが普通なんでしょうね。


「あの……シノアさん、貴女はBクラスの範囲を超えていますから、学園長にお話しをしますので、Sクラスに……」


 嫌です、止めて下さい。

 向こうでいじめにあったら、ぼっち生活がまた始まってしまいますよ。


「シノア、私を置いて、Sクラスに行ってしまうのですか?」


 ほら、もっと恐ろしい言葉が来ましたよ!

 今後の生活も掛かっていますので、エルナの側を離れるわけにはいけません。


「先生、申し訳ありませんが、私はエルナと一緒に学園生活をすることをアリオスさんとお約束をしているので、そのお話は遠慮致します」


「アリオス様とのお約束ですか……しかし、これではバランスが取れないと言うか……3期生にもこれだけの魔法を使える人はあまりいませんし……教師陣にも……どうしたら……」


 えっ!

 教師にも居ないの?

 よく見たら、アイリ先生のレベルは30ですが魔術が何も無いですよ!

 他の教師も同じぐらいと考えると……私よりレベルは有っても弱いということに……弱っちい私より弱い……。


「あのー、皆さんが黙っていれば良いのでは無いでしょうか? 私としては、目立ちたくないのですが……ダメですか?」


「取り敢えずは……見なかったことにします……」


 この先生は話が分かりますね。

 助かるのですが教師がそれで良いのかな?


「流石は私のシノアね! これで、皆さんにシノアの実力が証明されて、私は嬉しいですよ!」


 エルナは喜んでいますが、皆さんの視線が痛いから畏怖に変わってますよ。

 特にカミラさんは、泣きそうになって震えています。


「そっ、それじゃ、次に武術の方の腕前も見たいのですが、何が得意なのですか? 魔術が凄いので特に無ければ良いのですが」


 得意な物ですか。

 一応、一通りは扱えるのですが、鎌とか出したら引かれるような気がします。

 実は、あれで首を狩るのが何だかすごく気分がいいのですよね。


「特に得意と言うわけでは有りませんが一通りは使えますよ、試しに剣で何か切ったりするのですか?」


「では、あちらの鎧を着せた標的を……」


「分かりました、あれを切れば良いのですね?」


「この練習用の剣で、打ち込みを……って、もう向かってますね……」


 さくっと、真っ二つにして、終わりましょう。

 これ以上は私の見る目がだんだんおかしくなってしまうので。

 そして、そのまま走り出して、収納から私の剣を出して、真っ二つに切断した所で、何やら騒がしくなりました?


「シノア、素晴らしいですよ!」


「あれで……一通りのレベルなのですか……剣術の先生が見たら、自信を喪失しそうですね……」


「あの子、収納持ちだわ!」


「あの剣、すごい切れ味だぜ!」


「私、甲冑が綺麗に切断されたの初めて見ました!」


「あの娘、動きも良いし速いな……」


「剣術の先生より、かっこいい太刀筋だったな!」


「私……とんでもない事を……」


 えっ……、これでも過剰なんですか?

 魔物と違って、動かない標的なんですけど……。

 これなら、エルナにも出来るはずなのですが……そうだ、エルナにもやってもらいましょう!

 それで、納得するはずです。


「エルナもやって見せてあげてよー。はい、エルナの剣だよー」


 ちなみにこんな剣です。



 名称:エレメンタル・クレイモア

 

 効果:マナを込める事で重量を軽減可能 魔術付与可能 


 状態:正常



 エルナの要望が、かっこいい大剣で自分にも使えるように軽い剣という矛盾する要求でしたが、そんなことを考えて作ったら、やっぱりマナを使う剣になりました。

 これ、ちょっと大きくて重いのですが、マナを込めると軽くなるので、エルナにも軽々と振れるようになります。

 あと、魔法を予め唱えて込めておいて、任意で発動させると一定時間の間だけ属性剣になるという優れものです。

 そして、不思議な事に鞘に納めると重量がほぼ無い訳のわからない剣になりました

 マナを込めずに抜くとエルナが振るには重すぎる剣なのです。

 そう言って、こないだ作ってあげたエルナの剣を渡しました。


「任せてね、私の練習の成果を見せるわ!」


 私から、剣を受け取ると同じ様にバッサリと鎧ごとを斬ってしまいました。

 流石ですね。

 以前より良い剣筋になっていますし、マナを剣に流して切りましたよ。

 私の作る武器は大抵はマナ依存仕様になるので、マナを流す技術さえ使えれば、その辺の武器より強くなります。

 きっと、私の体がマナを使うことが前提なので、自然とそのような武器になってしまうのですよね。

 これで、エルナも私と同じなので、安心です。


「シノア、どうですか? 私も少しは良くなりましたか?」


「ちょっと見ないうちにエルナさんの動きが良くなっていますね……なんで、練習用の剣を使ってくれないのでしょうか……」


「あの剣なんだ? 刀身が光っていたぞ!」


「ちょっと、エルナ様も切断しましたわ!」


「しかし、どう見ても重量がありそうな大剣なのにあんなに軽々と振れるんだ?」


「領地に帰る前より、動きが良いな」


「この短期間で、どんな練習をしたんだ?」


 中々好評のようです。

 これなら、問題は無いはずです。


「エルナも私と同じことをしましたから、これなら、皆さんと同じぐらいですよね?」


「……えっーと、ただこの練習用の刃の潰した剣で打ち込んでくれれば良かったのですが……先生も一応剣を使えるのですが、普通は鎧を切るなんてことは熟練の方だけだと思います。私……明日から教師辞めようかな……」


 まずいです……他の方は驚いているだけですが、先生は自信を喪失しています。

 この先生は扱いやすいので、何とか自信を回復させないと……。

 投擲用に作った剣がありますので、これを先生に使ってもらって剣のせいにしましょう。


「先生、この剣を使って試し切りして下さい、ちょっとマナを通して下さいね」と、言って別の剣を渡して、無理やり切らせたら、スパッと切れたので驚いています。


「嘘! ……私はそこそこの腕前しか無いけど、こんなに簡単に切れる物なのかしら……」


「これで、武器が良かっただけとわかりましたよね? その剣はお詫びに先生に進呈しますので、元気だして下さいね」


「こんなすごい剣をもらうわけにはいけません! とても私のお給金で、買える物でもありません。マナを通しただけで相手の鎧も切れるなんて……欲しいですけど私は先生だし……」


「その剣は、元はただなので大丈夫ですよー。代わりに私のことは何もかも普通で通して下さい」


 そんなにすごいのなら、これを口止め料にしましょう。

 戦争とかしてるのだから、この程度の剣ならもっと流通しても良いと思うんですけどね。

 ただ確実に相手に刺す為に作った投擲用とは、言えないけど!


「しかし……そんなことは……欲しいですが私は教師だし……」


 中々賄賂を受け取りませんね、

 流石は教師です。

 ただ、とっても欲しいと目が言ってますけどね。

 仕方ありません、クラスのみんなにも配ってしまいましょう。

 全員を抱き込んでしまえば、私は安泰です。

 元はタダですし、在庫は沢山あります。

 他の方達も先生を羨ましそうに見ていますからね。


「他の皆さんにも進呈しますので、これなら先生も安心ですよね? 皆さんは要りませんか?」


「俺達にも貰えるのか?」


「ええ、宜しければ色々と持っていますので、得意な武器を言ってもらえれば進呈しますよー。その代わり私のことは内緒にして下さいよ?」


「まじか! やったぜ!」


「あんな凄い武器は、普通は手に入らないのに良いのですか?」


「頂けるのでしたら、とても欲しいのです!」


「俺は出来たら、槍が欲しいんだけどあるかな?」


「大丈夫ですよ。大抵の物は持っていますので、得意な物を言って下さいね!」


 試作品で色々と作っていたので、大抵は持っていますし投擲用以外は、捨てるか潰すか考えていたので、一石二鳥です。

 そう言って、それぞれに聞きながら渡しましたがカミラさんはずっと俯いて震えていますが反応がありませんね?

 どうしたのでしょうか?


「カミラさんは何が良いのですか? もしかして、武術の方は得意では無いとか?」


「わたくしは……貴女に言いがかりを付けて酷いことをしたので……戴く資格がないし……この後に貴女に報復をされるのでは無いかと気が気でないのです……」


「私はまったく気にしていませんが。では、どうして私に言いがかりとか付けようとしたのですか?」


「敬愛するエルナ様とあんなに親しくしていたので……つい……」


 ふむふむ、この娘はエルナを尊敬してたのですね。

 でも、学園では完全に本当の自分を偽っていますよ?

 屋敷でのあの姿を見せたら、きっと考え直すかと思います。


「それなら、私に対する態度も理解できましたので、宜しければこれから私の友達になってくれますか? 私は、田舎者ですから、友達は少ないのでなってくれると嬉しいです」


「あんな態度を取ったわたくしを許してくれるのですか?」


「では、今日からはお友達ですね! 私のことはシノアと気軽に呼んでくれると嬉しいです、それで得意な武器は何かな?」


「ありがとうございます! 私のこともカミラと呼んでください。私は弓を少し得意としていますが……」


 最近使ってない、私の弓を渡しましょう。

 収納から直接投擲した方が速いので、めったに使わないからついでにちょっと属性矢も付けて。


「では、この弓を差し上げます、マナを込めると飛距離が伸びますし命中精度が上がります。そして4属性の矢も20本ずつ付けます。試しに、ここから通常の矢で、狙ってみて下さい」


 属性矢とは違う普通の貫通力を重視した矢を持たせましたので、鎧でも刺さるはずです。


「はい。この弓……すごく軽いしほとんど力を入れてないのに簡単に弦が引けます」


 そう言って放ってみると鎧を貫通しました……本人もそうですがみんな唖然としています。


「えっ! この距離なので当たるか不安でしたのに。それに貫通までしましたわ! この弓はもう魔弓クラスですが……こんな凄い物頂けないわ……」


「大丈夫です。もう使ってなかったし、エルナにもあげましたからお揃いですよ」


「エルナ様も持っているのですか? とても嬉しいのですが本当に私がもらっても……」


「カミラはエルナのことが好きなようですから、これでぐっと近づけましたよ!」


 その気になるように適当に煽っておきましょう。


「ありがとうございます! 私、一生の宝にしますね!」


 完璧です。

 先ほどまでの、気まずい空気から一気に心地よい空気になりました。

 やっぱり贈り物(賄賂)は最強ですね。

 先生もみんながもらっているのなら問題は無いですよねと自分に言い聞かせていますけど、本来ならダメでしょう。

 先生もちょろいことが良くわかりましたよ。

 みんなそれぞれ試し切りとかして、はしゃいでますがこの後の始末はどうするんでしょうね?

 私は知りませんよ。

 取り敢えずサラさんにお願いをして、Bクラスのメンバーは固定出来るようにしておかないとね。


 あれから、私への評価が高くなったので、エルナはとってもご機嫌になったし、クラスのみんなも私に気軽に話しかけてくれるようになったので、良い始まりになってくれました。

 朝の揉め事の時は、早くも辛い2年間を過ごさねばならないかと諦めていました。

 このBクラスは子爵と男爵で固められていて、エルナだけが公爵家なので、最初は私が無礼を働いていると思われていたようです。

 私に喰ってかかって来たカミラは子爵家のようで、エルナの家の派閥に属しているのもあるため、私が呼び捨てにしてたら、当然ですよね。

 私をエルナの従妹と知って、さらに謝罪をするので困りましたよ。

 本当の所は、身内でも何でもないですからね!

 私のことを、やっぱり不敬に当たるので様づけで呼んだ方が良いのではと言い出すので、そのまま呼んでもらうようにしっかりと説得はしました。

 屋敷も近いみたいなので、良かったら一緒に登校しましょうと言ったら、なんか感激してましたが、大丈夫かな?

 そしたら、翌朝から屋敷の前で待っているではありませんか。


「何時から待っていたの?」と、聞いたら「いま来た所です」と言ってるけど……セリスがずっと門の前に誰か居ることは確認しています。


 そのことを話したら、黙り込んでしまったので、「正直な言葉が欲しい」と言ったら白状しましたね。

 一緒に通えることが嬉しくて、1時間前からずっと待っていたらしいです。

 次からは早く着いたら、屋敷の方に入って下さいとお願いしましたよ。

 勿論、執事のロイさんにお話しを付けておきましたが「お嬢様にお友達の迎えが……」とか言って、リンさんと一緒にちょっと涙ぐんでいます。

 これで感動するとか、エルナの私への異常な執着心が何となく理解出来る気がします……。

 エルナも表には出していませんが、喜んでいるのが良く分かります。

 あの後、「シノアと同じく私も友達として、呼び捨てにして欲しい」と言ってましたが流石にそれはと困っていました。

 自分の家の主家の令嬢を呼び捨てにしていたのがどこからか漏れたら、大変なことになるので、許してくださいと。

 慣れてしまって、もし公の場で使ってしまったら、ちょっとまずいみたいですからね。

 みんなと楽しくお話しをしながら、登校するのは新鮮で、楽しいですね。

 エルナ以外の普通の知識も手に入るので、私は満足です。

 授業の方は、私は歴史的な知識と応用以外は、頭に入っているので問題無く対応出来ています。

 実技の方は、逆に私が教えている状態ですがこれで良いのでしょうか?

 セリスと二人でダンジョンに潜っていることを、エルナがこれでも連れて行ってくれないのとか口走るから発覚してしまいました。

 何層まで行っているのかと聞かれたので、「一昨日から、セリスと2人で、9階層」と答えたら、「初めて入って、2人なのに2日で9階層ですか……私は、6人で10日だったのに……」と、先生が何か落ち込んでいます。

 その時の先生達のレベルはいくつなんでしょうね?

 まあ……私とセリスはマナさえ切れなければ疲れませんからね。

 レベルも聞かれましたので「それは秘密です」と言って誤魔化しましたけど、これ学園で測定とかされたら……また問題が起きそうですが、先のことは知りません。

 私には剣術などの技能は無くても実践で覚えた動きが出来るので、ある程度は指摘とか出来ますが、先生も私に教えを乞うとか……良いのかな?

 しばらくは、昼間は学園生活で、夜はダンジョンに籠ることにしますか。



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[一言] クラスメイトにあげた武器 親に奪われそうな予感。
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