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冷酷王の愛娘  作者: 水無月 撫子
第四章 ティアと血塗られた花冠の儀
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    4話 花冠の儀

遅れました!!ゴメンナサイ!!!!


 正式な立太子の儀が終われば、次は花冠の儀が行われる。


 会場となるのはセジリア宮殿にある王城神殿だ。


 三大公爵家から末席の貴族家まで、貴族名鑑に名を連ねる者たちが皆が集まっている。


(……普段の夜会よりも多くの者が集まっているわね) 


 この広い神殿内が人で溢れかえることは、滅多にないだろう…。


「皆の者、よくぞ集まってくれた。今日は我が娘の成人の儀である。新たな王太子の誕生を心から祝おう」


 父は、眉間の皺はいつものままだが、心なしか少し柔らかい雰囲気を纏っている。


「只今より、ルピアナティア・ロゼリア・ロズマリン第一王女殿下の立太子の儀を執り行います」


 白く長い髭が特徴の王城神殿長、ロマノス・ボッテン

 神殿生まれ神殿育ちの彼は、かなりの御老体であるのは確かだが、私が生まれたときから変わらない姿なので、年齢不詳だ。


 ロマノスは、神官が運んできた丸められた一枚の紙を受け取るとそれを私達の目の前にある主祭壇へとおいた。


「こちらに王の証たる神力を注ぎながら、サインをしてください」


 そう言って、渡されたガラスペンにはインクが入っていなかった。


 (これは……、【魔力感知ペン】?)


 通常は、このペンに魔力を注ぐことでそれに反応し字が書ける………行政での書類のサインや、結婚証明書のサインなど、重要な契約の時に使われることが多い。


 魔力というものは、一人ひとりそれぞれの形があるため、偽装ができないのだ。


(神力を流すということは、これは、魔力感知ペンの神力版ってところかしら……)


「それでは、国王陛下から」


 父がサラサラと自分の名をサインしたあと、私も促されるままにサインをする。


「……はい、確かに。……ここに、新たなる王太子が誕生したことに、神の祝福を!!」

 

 ロマノスが神杖(しんじょう)を高く上げると、キラキラとした光の粒が天井から降ってきた。


「これが神の祝福だ」

「祝福……」


 リゼアイリアに降り注ぐ神々からの祝福。

 そして、たった今、この国の頂点に立つことが決まった私への、優しい祝福のようにも感じる。


「移動するぞ、民たちが待っている」

「はい、陛下」


 無表情の父に連れられて、そのまま、王城広場に面したバルコニーへと向かう。


「先程の立花の儀は、国内全てに放映されて入るが、実際に国王と王太子を見ようと、王城広場には多くの民たちが集まっている。祝い事につけ込み善からぬことを考えるものもいる。警戒は怠らずに向かえ」


 その言葉にコクリと頷き、防御魔法の結界を張り直した。


 広々としたバルコニーからは、王都中が見渡せる。

 さらなる覚悟と責任を胸に、白亜のバルコニーへと一歩を踏み出したのだった。






次の投稿は、4月29日(木)です!!

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