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冷酷王の愛娘  作者: 水無月 撫子
第二章 誕生祭とセルフィジア
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    14話 遠乗り


「ウィンディーネ!!」

「キュヒヒーン!!」


我が愛馬、ウィンディーネは美しい白馬。


鞍には私の象徴である淡い黄色の薔薇が描かれている。


「ティア様、そろそろ出番ですよ。」


今回の護衛を務めるのは、()()オルセイムだ。


そう、グロッター辺境伯が第一子、オルセイム・グロッター。

かの有名な近衛騎士団第一小隊長である。


私の前でいくらアホ面をさらそうとも!ストーキングしようとも!…こいつは、皆が憧れるオルセイム小隊長であったのだ………………。


そのため?私は、身の危険を感じつつ?遠乗りをしなければならない……


おいおい、待て、遠乗りに護衛は必要なのか!?

外交だよね!

ってかウィンディーネの鞍に剣を留めるためのホルダーがついてるし!

ちゃっかり私の愛剣ブルーメディベインがかけられている。


私のドレスの下にもこれでもか、というほどの暗器が仕込んである。


ウィンディーネは実に素晴らしい馬で、振動も少ないし、堂々と歩く。流石は王太子の馬だ。




今日の遠乗りに参加する客を前に私は姿勢を正し、マントをなびかせる。


「お集まりの皆様。この度の遠乗りにご参加くださいましたこと深く感謝いたします。本日は王都郊外にございますレクトリアの森、リゼアイリアの水源モンクトセル湖に向かいます。道中の不測の事態には騎士団の方が対応いたしますのでご安心くださいませ。それでは参りましょう。」



先頭は私とオルセイム。

くだらない話を降ってくるのを笑顔を崩さぬように適当に返す。


「ティア様ー」

「なぁに?オルセイム、……あなた、さっきからしつこいわよ。」


まぁ、もちろん王女スマイルを崩しはしないが……


郊外へは王宮を出て専用の街道を通れば行ける。  

今日は交通規制をしているため、他に人はいない。



問題はレクトリアの森である。


レクトリアの森は魔獣が多く出るのだ。

まぁ、対処はできるため、いいのだが……




「ルピアナティア王太子。」

「あら、ごきげんよう、王子。」


出た、バカ王子だ!

いーーやーー!!

近づくなぁーーー!!


「お楽しみになられていますか?」

「はん!私達にこの程度で楽しんでもらおうとはな!側近どもが言わなければ参加はしなかったな!」


ピキ


「……あら、そうでしたか。セルフィジアはさぞお美しい場所なのでしょうね。」

「無論、このような場所とは比べ物にもならんな。ハッハッハッハ!!」


ビキ


「…それでは失礼。……オルセイム。」

「はっ」



オルセイムに目で合図しスピードをあげる。

あのまま、馬鹿どもと一緒にいたら耳が腐るわ!!


「最悪ね。」

「えぇ、本当に。」


リクトリアの森に入り、モンクトセル湖についた。

美しい青の空がそのまま写し出されたモンクトセル湖はひとつの絵画のように優美で上品だった。



「……ティア様」

「……どうかしたの?」

「……馬鹿王子どもが森に入りました。」

「……はぁ!?」


周りに気づかれないように細心の注意をはらって小声で話す。


周りから距離をとるとそっと森にはいった。


「どっち!?」

「右です!」

「くそがっ!!」

「ティア様、言葉が!!」


チッ!いらん仕事増やしやがって!


見つけた!!!

……あぁーあ、最悪の展開ほら来たぁー


「頭をさげてください!!!!!」


デカイもぐら的ななにか……もぐらもどきが手を振り上げる。


そして、馬鹿どもは腰を抜かして動かない。

はい、くそがーー!!!!


「ドーム!」


『ボコン!!!!』


「さすが、ティア様!」

「誉めてる暇があったらアレを連れていけ!」

「はっ」


馬鹿どもを小脇に抱え距離をとるオルセイムを見届け目の前のもぐらもどきを見る。


『情報』


もぐらもどきの情報が目の前に現れる。


………

…………

……………


見なかったことにしようかな。うん。


『浄化』


もぐらもどきが光だしだんだん縮んでいく。


「……うぅ」

現れたのは小さなもぐらっていうかなんかわかんないけど羽がはえたやつ。


なんか、ほら、あれ、ト○ロの小さい版?


ま、いいや、私には関係ないさ。

ははっ


「……あぁっ!ちょっと!帰らないでくださいぃ~」


おい、誰かこのト○ロもどき回収しろよ。






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