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第三話【正しすぎる反応】(三)

戦闘シーン書くの本当に苦手なので薄っぺらく感じたらごめんなさい。

読み応えのある描写書くの苦手過ぎる……。

 バンが止まった場所は少し離れた所にある中高一貫の男子校だった。

 DSIの現地対策班が規制線を張っており、立ち入り禁止のロープを何人かくぐって出入りしている。既に学校内の生徒や教師達は避難が済んでる様だ。

 

「今回のロスト、かなり大きいんです。現地対策班も援護してますがかなり苦戦してます」

「分かりました、ロストはどの辺に」

「中庭で飛渡さんが応戦してます」

「じゃあ上から応戦します。もう少しだけお願いします」

 

 明日香は校舎の中に入り、階段を登って狙撃出来る場所を探す。

 三階の廊下、窓からドラゴンのような姿をしたロストが暴れてるのが見えた。

 

「あれー? おねえさんどうやってここにはいってきたの?」

 

 明日香の前方、廊下の真ん中にフードを被って制服を着た一人の少年が立っていた。

 フードの中から青い髪が見えている。

 この学校の生徒だろうか。だが一般人の避難は済んでたはずだ。ここに人がいるのはおかしい。

 

 少年は風船ガムを噛み膨らましながら明日香をじっと見つめる。

 夕焼けに照らされたその姿が、この現場に不自然で明日香は身構えた。

 

「どうしてここにいるの? ここは危ないから早く避難して」

「あのかいぶつ、すっごくつらかったんだねえ」

 

 割れた風船ガムを口の中に戻し、再び噛みながら話し出す。

 

「いろんなひとにきずつけられて、いかりがたまって、ようやくはっさんできるとおもったらおさえつけられて、かわいそうだとおもわない?」

「……なに、何なの貴方。ロストのことを知ってるの?」

「いままでつらかったんだからさあ。おもうぞんぶんあばれさせてあげればいいじゃん。へたにてだしするとさあ」

 

 その時、瓦礫が壊れるような振動と音が響き、建物が衝撃で揺れる。

 

「誠司!」

「かいぶつのこうげきくらって、しんじゃうかもしれないよ?」

 

 少年がニヤリと気味悪い笑みを浮かべる。

 明日香は少年の横を走り抜け、非常階段のドアを開けて外に出た。

 非常階段を降り、別棟の建物に移動してベランダのある開けた場所に出る。

 そこからロストに向かって矢を放つと、ロストがこちらを向いた気がした。

 

 勢いよくロストが明日香の方に向かってくる。ベランダから隣の教室へ移動してロストの攻撃が届かない場所を探し走り出す。

 奥の教室まで辿り着いた時、ロストがベランダから教室へ飛び込んできた。

 

 がらがらと壁が崩れる音と共に土煙が舞う。

 モンスターを討伐するゲームに出てきそうなドラゴンの獰猛な目が明日香を捉えた。

 すかさず明日香は弓を引っ張り光の矢を放つが、大きい割に俊敏なドラゴンの動きを捕らえることが出来ない。

 

 次の瞬間、ドラゴンが旋回し、尾を振り抜いた。

 咄嗟に身体を引くも遅かった。視界が横に跳ねる。

 鈍く重い衝撃が全身を打ち、明日香の体は二階の教室から宙を舞った。

 

「──ッく……!」

 

 地面が近づいてくる。思考が、時間が、引き延ばされる。

 だが運命の女神は、わずかに彼女に微笑んだ。

 

 眼下、中庭に設置されたテント。日除け用の帆布が張られた、簡易の休息スペース。

 そこへ明日香の体が叩きつけられる。

 バシャッ、と裂けるような音とともにテントは崩れ、支柱が折れ、帆布が一瞬クッションのように沈む。

 そして明日香は帆布ごと地面に落ちた。

 胸に詰まった息が一気に押し出される。

 

「ッ……ぐ、あ……っ」

 

 体は痛む。肩に痺れ、肘を打った鈍痛がじわじわと広がる。

 だが、骨は──折れていない。

 両手に握っていた弓も、軽く擦れた程度で、破損は見られなかった。

 

 荒い呼吸を繰り返しながら、明日香は首を巡らせる。

 視線の先、崩れた柱の影に誠司が倒れていた。

 地面に散らばった瓦礫、赤く擦れた頬、呼吸に合わせて震える胸──その顔には苦痛が浮かんでいる。

 

「……せ、誠司……っ!」

 

 誠司は力ないうめき声を上げ、片手で胸を押さえていた。打撲だろうか。頭も強くぶつけたのか、額から血が流れている。

 誠司のそばに、誠司の武器の石である黒曜石が転がっていた。痛みに耐え、明日香は這うように地面を蹴り、倒れている誠司の元へと身を寄せた。

 

「ごめん……私が遅かったせいで、」

「いや……それよりもあのロスト、強すぎる……俺達じゃ、敵わない……」

 

 明日香が誠司を抱き起こそうとする前に、ロストが二人の前に立ちはだかる。

 羽を広げ、威嚇のような雄叫びをあげた。

 明日香は誠司の前に出て、庇うような立ち位置に来る。

 

「明日香……逃げろ……っ」

「駄目! 誠司を置いて行けない!」

 

 よろよろと立ち上がり、痛めた左腕を伸ばし、弦を引っ張る。誠司と同じように自分も額を切ったのか、視界が少しだけ赤に染まるが、明日香は気にしなかった。

 その明日香の背中に、誠司は既視感を持つ。

 かつての幼かったあの時の背中と重なった。


『私があなたの盾になる!』


 初めて明日香と出会った時の事が、誠司の頭をよぎった。

 ギリギリと引っ張った弦を放ち、光の矢を放とうとしたその時、弓から光が弾け飛び、弓の形が水晶の石に戻ってしまった。明日香の顔に焦りが映る。

 

「そんな……っ」

 

 それと同時に、建物の中から無数のロープがドラゴン目掛けて飛んでいき、拘束した。ドラゴンはうめき声をあげて倒れ、その衝撃で地面が揺れる。

 明日香がその衝撃で膝をつきかけたその時、ひとつの人影が飛んできて明日香を支えた。

 

「夏歩さん……」

「よく頑張ったわ。あとは任せなさい」

 

 DSIの情報操作班、結城夏歩ゆうき・なつほが二人のそばに駆け寄る。

 誠司も他の職員によって抱きかかえられ、保護される。

 安堵と疲労の中で、明日香の意識は静かに、闇に沈んでいった。

かなり脚色は加えてますが、学生の頃別のクリエイターサイトでここまでの描写は書いた事があります。

ここから先は貯金が無いので少し時間がかかるかもしれません。

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