関真輿編著「地理と地形で読み解く世界史の疑問55」 宝島新書 第3章 ー10- ヴェルサイユ条約
【書名・タイトル名】「地理と地形で読み解く世界史の疑問55」
【著者・作者】関真輿編著
【発行元・サイト】宝島新書
【参考URL】
本文
第3章 帝国主義と世界大戦、そして戦後
世界史の流れ、ポイント
イギリスの覇権(1815~1914)
ナポレオン3世(1852~1870までフランスを統治)
クリミア戦争(1853~1856)⇒ロシアとオスマン帝国・英・仏の連合国の戦争
ドイツ帝国(1871)⇒ドイツの統一と大国化
アヘン戦争(1840~1842)と清朝⇒イギリスの植民地化
帝国主義と民族運動
日英同盟(1902~1923)⇒ロシアの南下政策の妨害
日露戦争(1904~1905)
第1次世界大戦(1914~1918)
ロシア革命(1917)
パリ講和会議(1919)・ヴェルサイユ条約(1919)
世界恐慌(1929)
ヒトラー(1933首相任命)とナチス
第2次世界大戦(1939~1945)
ヴェルサイユ条約
1919年6月、パリ講和会議の結果として、連合国とドイツの間で締結された第一次世界大戦の講和条約。
ドイツに対する報復的な厳しい内容となり、海外領土放棄・軍備制限・賠償金などが課せられた。
同時にアメリカ大統領ウィルソンの提案が入れられ、民族自決の原則、国際連盟の創設なども盛り込まれた。
これによって第一次世界大戦後の国際秩序としてヴェルサイユ体制が生まれたが、敗戦国ドイツの不満は残り、ソヴィエト=ロシアが参加していないなど、次の危機の出発点ともなった。
1935年3月のナチス=ドイツの再軍備、36年3月のロカルノ条約破棄で崩壊した。
ドイツの受諾
敗戦国ドイツはこの時、ドイツ共和国となっていたが、パリ講和会議には参加できなかった。
ドイツ代表はパリに滞在し講和条約案が確定した1919年5月6日の翌日、ヴェルサイユのトリアノン・パラスホテルで条約案全文440条を手交された。
そこには戦争責任はあげてドイツにあるとされ、海外領土はすべて没収、アルザス・ロレーヌ、ポーランド回廊などは割譲、軍備の制限、そして賠償金(1320億金マルクという金額は翌年提示される)の義務など、想像以上に厳しいものであった。
ウィルソンの十四ヵ条の「平和原則」を講和の条件として休戦に提案したドイツとしては、とうてい受け入れがたいものであった。
その後1ヶ月以上にわたりドイツは連合国との折衝を行ったが、連合国側も1月以来の多くの困難を克服してまとめた講和案なので引きことはできず、結局ドイツはベルサイユ条約全文を無条件で受諾することを通告し、1919年6月28日のヴェルサイユ宮殿での調印式を迎えた。
★「なぜヴェルサイユ条約は厳しかったのか」
Search Labs | AI による概要
ヴェルサイユ条約がドイツに対して厳しかったのは、第一次世界大戦の責任をドイツに負わせ、多額
の賠償金と軍備制限を課したためです。
また、領土の割譲や植民地の喪失も含まれており、ドイツ国民の反発を招き、後のナチズム台頭の一
因となりました。
詳しく説明すると:
ヴェルサイユ条約は、第一次世界大戦の講和条約として、1919年にフランスのヴェルサイユ宮殿
で締結されました。
この条約は、ドイツに多額の賠償金支払いを課し、軍備を大幅に制限しました。
また、ドイツは領土の一部を失い、海外植民地も放棄することになりました。
厳しかった理由:
戦争責任の追及:
条約では、ドイツが第一次世界大戦の開戦責任を負うとされ、その責任を問う形で賠償金が課せられ
ました。
経済的負担:
賠償金の支払いは、ドイツ経済に大きな負担となり、国民生活を圧迫しました。
軍事的制限:
ドイツの軍隊は大幅に縮小され、ドイツ国民のプライドを傷つけました。
領土の喪失:
ドイツは領土の一部を失い、特にアルザス・ロレーヌ地方はフランスに返還されました。
植民地の喪失:
ドイツの海外植民地は、連合国によって分割され、ドイツは植民地を失いました。
結果:
国民の不満:
これらの厳しい条件は、ドイツ国民の間に不満と反発を生み、ナショナリズムを刺激しました。
ナチズムの台頭:
ヴェルサイユ条約に対する不満は、ナチスのような極右政党の台頭を招き、最終的に第二次世界大戦
へとつながりました。
ヴェルサイユ条約は、単なる講和条約ではなく、その後の国際関係に大きな影響を与え、特にドイツ
においては、その後の歴史を大きく左右する要因の一つとなりました。
⇒賠償が激しすぎたため、経済的に大きな損傷が起きた
ドイツ=ハイパーインフレ
⇒ヒトラー、ナチスドイツの台頭
⇒この後世界恐慌も起きた中で世界が経済的に疲弊し、第2次世界大戦へと突入していく
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