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とある王国にあるスーファント侯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「蚊に刺されたところが痒いわ」
「掻くと跡が残るので掻かない方がいいです」
「脚なんてどうせ見えないんだから、もう良くないかしら? 顔だったらさすがにますいけど。ってどうしたのよ?」
「貴方の顔が蚊に刺されたらと想像しただけで、はらわたが煮えくり返りました。許すまじです、蚊。もしも貴方の顔が刺されたら、俺はいくらでも蚊撃派になりましょう。貴方の仇は必ず取ります」
「たかだか蚊相手に、よくそこまで熱くなれるわね」




