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804.夕食は、屋台バイキング。

 『自律型人工ゴーレム 犬馬車』に、大人のみなさんも乗せてあげた。


 いつも乗っている馬車とそんなに変わらないと思うのだが、なぜかみんな童心に帰ったような笑顔で乗っていた。


 俺は、六日後に行われる『領都セイバーン』での式典に、パレードもあると聞いていたので、そのパレードで使ったらどうかという提案をしてみた。


「そりゃ、いいねぇ! 注目を集めるね」


 ユーフェミア公爵は、喜んでくれた。


「いやー素晴らしい! これは目を引くよ。王都で行う式典の時にも、ぜひ使ってほしいね」


 国王陛下も、気に入ってくれたようだ。


「屋根の部分に、人が乗れるようにするオプション装備があるので、そこに立ってもらうかたちにしようと思います。『神獣の巫女』と『化身獣』、『光柱の巫女』と『従者獣』に乗ってもらおうと思っています」


「それはいいねぇ。でもあんた達が、乗った方がいいんじゃないのかい? 妖精女神と救国の英雄だからねぇ」


 ユーフェミア公爵が、悪戯な笑みを浮かべながら言った。


「いえ、今回の主役は『神獣の巫女』や『光柱の巫女』だと思いますので、我々はパレードに参加する必要はないと思います……」


 俺はそう言って、パレードに出ないという意思表示をしてみたのだが……


「そういうわけにはいかないね。もう救国の英雄という話は広まっているからねぇ……。妖精女神様と救国の英雄様として、目立ってもらわないとねぇ……」


 今度は国王陛下が、悪戯な笑みで言った。

 わざと『救国の英雄様』と様付けをして、遊んでいるんだよね、この人……。

 まったく……。


「その通りだね。この後に及んで、目立ちたくないなんて思ってんのかい? まったくしょうがないね……」


 今度は、『セイリュウ騎士団』のマリナ騎士団長が、駄目な子供を見るような目を俺に向けた。


「あんたたちが乗るパレード用の馬車は、私が用意するから、ちゃんと乗るんだよ」


 今度はユーフェミア公爵がそう言って、駄目な子供を見るような目を俺に向けた。


 出たよ……久々にダブルで向けられる……この呆れた目つき……トホホ。


 俺は苦笑いしながら、頷くしかなかった。



 ちなみに俺の作った『犬馬車』を見て、俺と同じ世界の知識を持っている『魚使い』ジョージと、見た目は四歳児中身は三十五歳のハナシルリちゃんは、めっちゃ喜んでくれていた。

 ニヤニヤだったのだ。


 特にハナシルリちゃんは、わざわざ念話を俺に入れてきたからね。


 (すごいわ! 最高ね! これ……どうせなら、ちゃんと猫の形にすればよかったのに……。異世界だから、著作権とか関係ないでしょう? なんか……この『犬馬車』の隣でとろろご飯が食べたいわね……となりのトロロ……なんちゃって!)


 そんな微妙に笑えない冗談を言っていた。

 完全なオヤジギャグじゃないか!

 やはりオヤジギャルだったに違いない!


 となりのトロロって……やはり考えることは同じようだ。



 犬馬車の試乗を終えて、俺たちは夕食を食べることにした。


 今日の夕食は、少し変わった夕食だ。

 イベント的な夕食になっている。


 というのは、中庭に屋台を並べたのだ。


 現在『フェアリー商会』で運営している屋台を、一通り並べてある。

 それから六日後に『領都セイバーン』で行われる式典の時に開催される『美味い屋台決定戦! 屋台一番グランプリ』に出店しようと思っている特別メニューの屋台も出した。


 今回改めて屋台メニューを食べてもらって、『屋台一番グランプリ』に出展するメニューを正式に決定しようと思っているのだ。

 そろそろ本格的な準備をする必要があるからね。

 というか……タイミング的には遅すぎたくらいだが……。

 まぁ今からでも、何とかなるだろう。


 中庭に並んでいる屋台は……まずは、定番として定着しているものからだ。


 ○『おにぎり』——今回用意したのは『鮭おにぎり』と、『ツナマヨおにぎり』だ。


 ○『ホットドッグ』——改良が進んでかなり柔らかくなったパンと、いつものおいしいソーセージの組み合わせだ。

 ソースが『マヨネーズ』『ケチャップ』『つぶつぶマスタード』の中から選べるようになっている。

 三つともかけることも、可能なのだ。

 新作の『揚げかまぼこドッグ』も用意した。


 ○『コロッケ』——『ジャガイモコロッケ』『肉じゃがコロッケ』『野菜たっぷりコロッケ』の三種類を用意した。

 今のところ『ジャガイモコロッケ』だけでバカ売れしているので、あえて種類を増やす必要はないのだが、今後増やす予定の試作品を二つ作ってみたのだ。


 ○『フレッシュジュース』——『フルーツミックスジュース』『リンゴジュース』『ブドウジュース』と、それを炭酸で割った『フルーツサイダー』『リンゴサイダー』『ブドウサイダー』がメイン商品だ。

 通常営業では、これ以外に、その時仕入れたフルーツで作る『日替わりジュース』も出している。

 魔法の巻物『氷塊創造(ロックアイス)』を使って、氷を入れて冷たくして提供しているので、毎日バカ売れしている。

 新商品として『レモンシロップ』で作る『レモンジュース』と『レモンサイダー』も用意した。


 ○『かき氷』——相変わらずバカ売れしている。

 温暖な気候なので、冷たい『かき氷』はすごい人気なのだ。

 シロップは、『練乳』『野イチゴ』『ブルーベリー』『レモン』の四種類で、増やしていない。

 現時点でバカ売れしているので、シロップの種類を無理に増やす必要もないと思っている。


 ○『揚げカマボコ』——今回は 『揚げカマボコ』『イカ入り揚げカマボコ』『タコ入り揚げカマボコ』『野菜入り揚げカマボコ』の四種類を用意した。

 串に刺してあるので、食べやすい。

『コロシアム村』では、かなり売れているのだ。


 ○『せんべい』——『パリパリエビせんべい』と『魚の骨せんべい』の二種類を用意した。

 今後、発売する予定のお米を使ったいわゆる普通のせんべい、『おせんべい』も用意してみた。


 ○『アメリカンドック』——『魚肉ソーセージ』が完成したので、『アメリカンドック』の屋台もスタートしているのだ。

 ソースはホットドッグと同じように、『ケチャップ』『マヨネーズ』『つぶつぶマスタード』の三種類だ。


 ここまでが、現在レギュラーとして稼働している屋台の商品なのだ。


 これに『屋台一番グランプリ』の為だけに出店する『カレーライス』『とんかつ』『ツナマヨ』の屋台が加わっている。


 『カレーライス』と『とんかつ』は、今後専門店を展開していくので、屋台で提供する予定はない。

 あくまで今回のイベント限定の屋台なのである。

『ツナマヨ』については、今後どうするかはまだ決めていない。

『ツナマヨ』単体を屋台で販売するというよりは、『おにぎり』の具にしたり『サンドイッチ』にするというかたちの方がいいと思うんだよね。


 この特別屋台の三つは、優勝……グランプリを狙うためのメニューなのだ。


 集まっているみんなに食べてもらって、いろんな意見を聞きたいんだよね。


 そのためにも、最初に一言、言っておかねば……


「皆さん、それじゃあ好きなものを自由に食べてください! ただ一通りのメニューは必ず食べてくださいね! カレーライスだけを食べるのはなしですよ!」


 俺がそう注意を喚起すると、何人かがドキっとしたような顔で俺を見ていた……。

 その何人かの中に……ビャクライン公爵と国王陛下が入っていた……まったく……子供か!




読んでいただき、誠にありがとうございます。

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次話の投稿は、1日の予定です。


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[気になる点] >『揚げかまぼこドック』 →『揚げかまぼこドッグ』 [一言] >この『犬馬車』の隣でとろろご飯が食べたいわね……となりのトロロ……なんちゃって!  それにマグロのトロを添えてとろとろト…
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