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第8話

「では、開けてみてくれないか」

 言われてそれぞれは袋をゆっくりと開けた。伯爵の手の中には金色に輝くライオン。岩に前足を置き、猛々しく吼えようとしている様子だ。続いてハイデには、まず見た目は木でできた1本の40センチメートルくらいの一直線の枝に、頭を持ち手の方向になるようにくるくるとらせん状に巻き付いている2匹の黄金の蛇がついた杖だった。また蛇にはそれぞれ銀製の片翼の翼が附けられており、あわせて一対の天使の羽根となるようになっていた。最後にペクーニアが袋を開けると、白磁器だった。ただそれも上蓋がつけられている状態で、中は空洞になっている。香炉として使えるように、上ぶたにはそれぞれ30度ずつのところに隙間が空けられていた。また本体の方には東方の三賢人が描かれており、彼らは蓋の持ち手の方へと捧げものをしているようになっている。この持ち手を中心点として、蓋には八芒星が描かれていた。

「君らにきっとふさわしいだろうと思って選ばせてもらった」

 公爵はにこやかな、微笑とも呼べる微笑みを浮かべていた。

「感謝の言葉もございません、このような品々をいただき、誠にありがとうございます」

 伯爵が頭を下げて公爵へとあいさつをしている。それに合わせて、ハイデ。彼らを見てようやくペクーニアがそれぞれ頭を下げて礼を伝えた。

「さて、彼らももう帰る時間であろう。見送ってあげなさい」

「承りました」

 言いつつ、執事はドアの近くへと移動する。まずはハイデ、そしてペクーニア、最後に伯爵の順番で立ち上がり、ドアの近くへと移動する。

「ペクーニアのこと、頼んだぞ。ミッデジアン卿」

「必ずや育てて見せましょう」

 伯爵はペクーニアを外へと先に行かせながら、公爵へと答えていた。そして、執事がドアを閉め、3人は侯爵のマナーハウスを辞去した。

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