表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

ガウェイン・オースティン(2)

久々の投稿。明日からテストなのに。





「っな、なぜ、ジュリアンナ様が……?」



「……違う、こいつはジュリアンナじゃない。」




ジュリアンナと同じ顔なのだ。

狼狽えるのも無理はない。


あまりジュリアンナと面識のなかった二人には分からないだろうが、俺にはすぐにわかった。



本物のジュリアンナは俺に向かって微笑んだりしないし、敬語を外すことは無い。


彼女は、俺に似たのか、俺が相手だからなのかはわからないが、基本的に表情が乏しい子だった。ここまで親しげに話しかけてきたことなどない。


こんな理由で見分けるなんて、我ながらどうかしてると思うが……



「くふふっばれちゃったぁ

さすがですね、ジュリアンナのパパさん」



ジュリアンナの顔で、ジュリアンナの声で、違う誰かが話している。気分が悪くてしょうがないな




「何故、ジュリアンナの姿をしている?

お前は何者だ」



「あはっしょうがないなぁジュリアンナのパパさんだから特別に教えるね!僕は風の精霊で、名前はフェイっていうんだけど……あ、この名前ね、ジュリアンナが付けてくれたの。精霊って、基本的には姿がないから性別とか名前とかもなかったんだけどね?

精霊さん呼びじゃ他の精霊と区別できないからって、一生懸命考えてくれたんだよ、素敵でしょ?」



自称精霊のフェイは、ジュリアンナの真似をやめてペラペラと聞いてもいないことを喋り始めた。




「ジュリアンナには精霊が見えていたのか?」



「あっパパさん、もしかして精霊に会ったの初めてだった?僕らが見える人間て少ないけどね、ジュリアンナには見えてたよ〜

ジュリアンナは生まれつきかなり精霊に好かれる体質でね?塔の上ではほとんど精霊と一緒に生活していたし、精霊に育てられたようなものだよ」



「それに、いろんな精霊に名前つけようとするから、止めるのも大変だったんだよ?精霊に名前つけるのって契約の証なのにね!

いくらジュリアンナでも不特定多数の精霊を管理するのは不可能だもん。精霊は自由だから。

……あ、つまりね?僕はジュリアンナと、契約してるの。


だからよろしくねパパさん♡」




話すだけ話して満足したのか、最後には華麗にウインクまで決めた偽ジュリアンナに若干の殺意が芽生えたが、流石に自分の娘の顔をしているだけあって、正直ムカつくほど可愛かった。



「あの頃のジュリアンナは幼かったなぁ~無防備だったし、今よりもよく笑ってたし。もちろん今も可愛いけど!」




無防備でよく笑う、か……。俺の知っているジュリアンナとはだいぶ違っているようだ。

幼い頃というのは俺がジュリアンナを認知する以前のことだろう。



精霊たちがいたなら、幼いジュリアンナが一人で生きてこれたのにも納得がいく。



アメリアが消えてから、俺が幼いジュリアンナを見つけるまでの約三年間。


四歳の子供がこんな暗くて冷たい塔の上で、たった一人で生きていけるわけがないのだ。




「あの子を塔に住まわせていたのは俺だが、寂しい思いをして欲しかったわけではない。だから、ジュリアンナを見守っていてくれたことには感謝する。」



「……別に感謝しなくていいよ。

知ってると思うけど、精霊は基本、“誰かのため”なんて理由じゃ動かない。全部自分たちのためなんだから。知らないでしょ、ジュリアンナの魔力ってすごく美味しいんだよ?

僕、もう彼女なしじゃ生きていけない♡」




「……そのジュリアンナの姿は精霊の能力か?」




それとも幻術魔法?変身魔法か?

だが、精霊は契約した人間の魔力を使って魔法を発動させるから、普通自分で魔法を使えないはずだ。




「無視なのぉ?娘が男に狙われてるってのにぃ?」



「精霊に性別はないんだろう」



「別になろうと思えばなれるよ。上位ならね〜」




こいつの話によると、精霊が自力で魔法使えないってのは人間が勝手にそう解釈しただけで、上位の精霊は普通に魔法使えるし、下位の精霊はその精霊に見合った場所に住めば、その場所にいる限り魔法を使えるらしい。


例えば下位の水の精霊は、川や海に住んでいればその場の水を操る魔法を使える。

上位になると、水がないところから水を出したりもできる。



人間の魔力を使うのはその方が楽だからで、下位の精霊は人間と契約を結ぶことで、住処でないところに移動できるようになるらしい。


契約というのは双方のメリットがなければ成り立たない。


力の強い上位の精霊は、人間に頼らずとも魔法を使え、自由に移動できるから契約はかなり難しい。


力を持つ彼らにとって、契約で得られるメリットは永い生の中のひと時の娯楽。条件はその人間に興味があるか、その人間が好きかどうか、の二つに絞られる。



そして精霊にとってジュリアンナからもらう魔力は甘い砂糖菓子みたいなもので、そばにいることが御褒美みたいなものらしい。



フェイも上位の方に含まれているが、そもそも風の精霊は他の精霊と違って、下位だろうと上位だろうと風があるところには行けるから移動自体は自由なんだとか。




「でも、この姿は幻術じゃないよ。ただの人形。」



「人形……?」








今年いっぱいは忙しいので更新出来ないかもな……なにしろ受験生なもので。早ければ12月にはもう決まってるので更新は年明けになりますかね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ