ヒューとバアサンの出会い。
ある町にヒューという少年がいました。ヒュー少年はおばあさんと2人暮らしでした。少年は生まれたばかりの頃、おばあさんの家の前に毛布にくるまれて捨てられていました。
「オギャー。」
「おやこんな所に赤ん坊が。母親はどこじゃ?」
赤ちゃんを不憫に思ったおばあさんはヒューという名前を名付け、育てる事になりました。おばあさんはいつもヒューに言います。
「いいかい、ヒュー。私はいつ死んでもいい年だ。お前にはいつでも1人でやってけるようにいろいろ教えてやろう。しっかり覚えるんだよ。」
そんなヒューが7歳の頃、ある事件が起きました。
「おばあちゃん、洗濯終わったよ!」
「そうかい、じゃあ今度は皿洗いをやっておくれ。」
「は〜い。」
ヒューはまだ背が小さいので、おばあさんが作ってくれたヒュー専用の台を引っ張り出してきて皿洗いを始めました。
「♪♪♪」
「ヒューや。私はいつ死んでもいい」「はいはい。その話はもう聞き飽きたよ。」
「こら!人の話を遮るんじゃない!」
「はーい、何?」
「お前にはいつでも1人で生きていけるようにいろいろ教えてきた…。しかしお前からさっぱり友達の話を聞かん。お前は友達はおるのか?」
「……あ!薪割り行かなきゃ!」「ヒュー!ごまかすんじゃない!」
ヒューはしばらく困惑した表情を浮かべ
「おばあちゃんの悪口を言う奴となんか友達になりたくないよ!」
そう言って、ヒューは外に飛び出して行きました。入れ替わりに若い青年が入って来ました。
「あれ?ヒューはどこ行ったの?」
「あいつも反抗期かのぅ。」
「…ヒューはまだ7歳だよ。」
おばあさんとヒューは町外れの山中に住んでいました。町のお母さん達はあそこには偏屈ばあさんがいて、わけわからん子供を育てている。関わっちゃいけませんと子供達に言い聞かせています。しかし、町の猟師さん達はおばあさんに絶大の信頼を置いています。おばあさんは何十年も山の中で暮らしており、どこが危険か知り尽くしています。そこで猟師さんはいつもおばあさんに山の様子を聞きにいくのです。
「いいかい、山の状況は刻一刻と変わっておる。山を甘く見るんじゃないよ。」
そして猟師さんたちはお礼に町の様子を教えていきます。だから、おばあさんはもちろん町のお母さん達が自分の事をどう思っているかも知っています。
「ばあさん、ヒューを町の学校に入れてやったらどうだい?」
青年はヒュー特製のクッキーをバリボリ食べながら言いました。
「あほ!私が入れないんじゃない。あいつが入りたがらないんじゃ!」
「まあ、ばあさんは町でも有名な偏屈ばあさんだからな。ヒューもそのへんで苦労してるんだろう。」
「……お前は、もう少し言葉をオブラートに包んだらどうじゃ。」




