表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色とりどりの黙示録  作者: owen
第2章 開幕
94/97

舞台裏のコメント

 

 テラスに出て夜風を浴びる。

 雲一つない星空を見つめる。手を伸ばせば届きそうだ。

「戻ってたの」

 室内から聞こえた女の声。

 振り返ると、円形のベッドから抜け出す人影が一つ。

 青い瞳の女が、裸体にシーツを巻いてテラスに出てくる。

「……起きていいのか」

「まだ少し辛い。けど、前より楽になったよ。見ず知らずの女を心配してくれて、ありがと」

 見ず知らずはないだろう。まぁ、半分くらいは当たっているが。

「様子、見てきたんでしょ? どうだった?」

「悪ガキの仕業だった」

「そう。でも、貴方の『刻印』が増えた。これは今までに無いことよ。今回はきっと……」

 そこで、女は言葉を切った。

「……きっと、なんだ?」

「ううん。なんでもない」

 女は屈んで、手摺に寄りかかった。

「おい、大丈夫か」

「あ……ごめんね。ちょっと力が……」

「あれだけ無理するなと言っただろ」

 女の体を抱き上げる。

「……」

 軽い。よくこれで生きていられるものだ。

「どうしてお前はいつも俺の言うことを聞いてくれないんだ」

 女をベッドに運ぶ。

「ごめんね。私……ダメだな。君を困らせることしかしてない」

「何を今さら」

 微笑を浮かべて言い返す。

「ふふ……変な人」

 女の笑顔を見て、顔から微笑を消す。

 すると、女が頬に触れてきた。

「君の笑顔、好きだからやめないで」

「……すまない」

「どうして謝るのよ」

「……」

「そんな悲しそうな顔しないで。いつか、私達を解放してくれる人が現れるよ」

 何も言わず、彼女をベッドに寝かせてシーツをかけてやる。

 それからあっという間に、女は眠ってしまった。

「……今回はきっと、俺達を殺せる奴が出てくる、お前はそう言いたかったんだろ」

 ベッドに腰掛けて、眠ってしまった女に話しかける。

「今回は、確かに期待できそうだ」

 精々、寄り道はしないことだ。

 無駄なモノが絡まって、生き方が鈍ってしまうからな。

 殺人鬼がそうでなくなるように。

 善人がそうでなくなるように。

 賢い者がそうでなくなるように。

 運命というのは、予測できない。


 さて、今回はハッピーエンドかデッドエンドか、見極めさせてもらおう。





第二章 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ