↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
15/15

4日目 またも寝不足のまま空港へ…

 香港で過ごす最後の夜。全く眠れなかった。文字通り全くだ。1秒たりとも寝ていない。長い長い夜だった。そんなに帰りたくないのか。

 窓の外から見える隣のマンションの明かりをぼんやり見つめ、「あの部屋の人はいつになったら寝るんだろう」と考えていた。いつの間にか根比べのようになっていたが、私の一方的な勝利に終わった。人生初のオールだった。香港には「初めて」がたくさんある。


 孤独なオール後の気分は最悪で、謎の空嘔が止まらなかった。さて、朝ごはんは何を食べようか。寝不足でこんなにオエオエしているのだから軽く食べるしかない。

 真っ先に思い浮かんだのはエッグタルトだった。クッキー生地の香港式エッグタルトをまだ食べていない。そこで、ホテル近くの「紅島」という茶餐廳でエッグタルトと鴛鴦茶(コーヒーと紅茶のミックス)をテイクアウトしに向かったのだが……

 テイクアウト専用カウンターで鴛鴦茶もテイクアウトできるか尋ねたところ、怪訝な顔をされてしまったため、手に入ったのはエッグタルトのみだった。加えて私がクッキー生地だと思って買ったものは、よく見てみればパイ生地のマカオ式エッグタルトだった。きっと寝ていないので頭がおかしくなっていたのだ。写真も撮り忘れている。


 帰りの便は16時半だった。ホテルをチェックアウトするには早すぎたため、また私は九龍公園へ向かった。鳥たちが囀る朝の公園で、体操する人やウンチをする野良猫、飼育されているインコ、そしてまたもフラミンゴの群れを見て時間を潰した。ついでに昨夜行ったフェリー乗り場の展望デッキにも行ってみた。相変わらず海の波は穏やかで、オレンジ色の朝日がビル間から顔を出そうとしていた。この景色も見納めである。


 何とも言えないせつない気分になってきたので引き返し、九龍公園を出ると尖沙咀の飲食店が立ち並ぶエリアを散歩した。bakehouseには気が遠くなるほどの大行列ができていた。ここのエッグタルトもいつか食べてみたいものだ。というか、いっそここに並べば良かったと思う。


 昨日の夜行こうと思ったが結局コンビニのおにぎりで済ませてしまい行けなかった雲呑麺屋の外観も見てきた。いつか行けますように。


 散歩をしているとどんどん元気がなくなってきて、このままでは体力を使い果たしそうだったので、だいぶ早いがもう空港へ行ってしまうことにした。


 空港へも来た時と同様A22のバスに乗る。チェックアウトを済ませて志和街の向いにある教会前のバス停へ行ってみると、キャリーをいくつも持ったたくさんの旅行者が列を作っていた。すぐにバスがやって来たのは良かったが、座席も荷物棚も満杯になってしまい、乗ることができなかった。余裕を持ってバス停に来ていて良かった。仕方なく次を待つと、今度は空いているバスがやって来たので乗り込んだ。

 しかしバスは私がオクトパスカードをタッチした瞬間に勢い良く走り出したので、危うくキャリーと一緒に仲良く転がってしまうところだった。


 そこから帰国まではあっという間だった。香港の空港はハイテクで、キオスクでチケットを発券した後セルフ荷物預け機でキャリーを預けるのだが、パネル操作を誤ってひとりプチパニックになり、結局係員の方に助けてもらったりもした。相変わらず時代について行けない人間である。


 空港内のフードコートは激混みであることに加えシステムがよくわからず、これまで旅の中でどうにかしてきた度胸もこの時にはどこかに行ってしまっており、なんだかんだで食べ損ねてしまった。まるで魔法が解けてしまったかのようだった。ゲートは45番だったので、空港内の無料で乗れるシャトルトレインに乗車し、1つ目の駅で降りた。


 16時半。飛行機は時間通りに離陸し、香港の街が遠ざかって行った。

 機内食はまたチキンとポテトを選び、一瞬で平らげた。機内食が好きだという人は少数派のようだが、私は本当に機内食が好きらしい。



 21時15分。羽田空港に到着した。機内モードのスマホ画面を見ると、まだ香港の時間が表示されていて少し切なかったのを覚えている。本当に帰ってきてしまった。

 預入荷物が出てくるのを待ちながら税関申告書を書いた。今回もオンラインチェックインすらしなかったし、紙の申告書だし、やっぱり時代について行けない人間なのであった。


 たった4日間ではあったが、私は今回のひとり旅のことをいつまでも忘れないだろう。



 


 

 長くなりましたが、最後まで拙い文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。

 これで2026年1月の香港旅行記はおしまいになります。初めての1人旅でしたが、とても楽しかったです。

 また香港に行く機会を作れると良いのですが、現在何かと身の回りがごたついており、暫くは叶わないかもしれません。その間に日本も香港も変わってゆくはずです。これまでそうだったように。

  

 まだまだ知識不足ではありますが、ここのところ国際関係の悪化や大規模な火災、民主派政党の解散など色々とありましたよね。

 お恥ずかしながら、最近になってようやく、ただ「面白い!」「美味しい!」「綺麗!」という自分にとって都合の良い面だけ消費する無責任さについても考えるようになりました。


 今回の旅では特に大きなトラブルもなく、スムーズに行動することができました。しっかり下調べしたこともありますが、SNSやnote等で色々と情報やアドバイスをくださった方々のおかげでもあります。本当にありがとうございました。

 

 また、私の英語力は低レベルで、広東語力はもっと低レベルでしたが、旅行中は大抵なんとかなりました。

 この「なんとかなった」というのは、決して私が凄いのではなく、それだけ香港の街とそこに住む人たちが気を回してくれた結果であるということをしっかり認識しなければなりません。自分がどれだけ低レベルなのか実感できたので、もっと勉強しないといけませんね。


 好多謝每一位幫助過我嘅人。

 多謝晒,香港。


 

おしまい

 


 



 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。