表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/31

エピローグⅠ



 深い絶望と慟哭を潜り抜けて、勇者は再び召喚される。


 ステンドグラスを透かして陽光が差し込む礼拝堂。祭壇に刻まれた魔法陣の上。そこに色とりどりの光と共に、勇者ショウマは召喚された。

 

 だが未だ、ショウマは疑問のただ中にあった。

 土下座神の裏切りによる理不尽な死を受け止め切れていなかった。受け止めるには、あまりにも彼のしたことは残酷すぎた。


 それでも、自分が死んで回帰したことだけは理解できた。今自分がいる場所が、懐かしい始まりの地点であることを否応なく理解する。


 祭壇の上から見える光景は、もはや懐かしさすら覚えるあの日そのもので……


「……え?」


 呆然と、ショウマはさらなる疑問に間抜け面を晒した。


 死を経て回帰した以上、目の前にいるのは愛したはずのお姫様のはずだった。そうでなければおかしいし、そうでなければおかしいし、そうでなければおかしいおかしいおかしいおかしい!


 けれど自分を見つめるそのお姫様は、ここにはいるはずのない少女だった。


 神の得意げな嗤い声を、ショウマは聞いた気がした。


「お初にお目にかかります、勇者様」


 と、初対面の相手を呼ぶようにショウマを呼んで、ラベンダー色ではなく、銀色の髪を揺らしてお姫様は恭しく頭を下げた。


「わたくしはシャトリア王国第一王女、グローリエ・シャトリアと申します。若輩の身ながら、勇者様の召喚という大儀を果たさせていただきました。このたびはわたくしの声に応えてくださり、感謝の言葉もございません」


「第一、王女? 第二王女じゃなくて?」


「はい。わたくしは第一王女です。上に亡くなった兄がおりますが、シャトリアの姫はわたくしだけですので。不満はあるとは思いますが、盟約に従って我が身を捧げます。ゆえに、どうか。この世界を悪辣なる魔王の手より救って……あの、勇者様? 聞いていますか?」


 ショックのあまりその場にへたりこむショウマと、勇者らしからぬ全裸の勇者を訝しげに見つめるグローリエ・シャトリア。


「…………」


 儀式に同席したグローリエのメイドが、部屋の隅から怯えたように二人を見つめていた。 







【一章 神様の勇者オモチャ】END


【二章 魔王の勇者】ReSTART





ここまでお読みいただきましてありがとうございます。

この先もお付き合いいただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ