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第十一話 幸せという光




さて、今朝は打って変わって運動会練習が再び始まりました。

沙紀は校庭をいつも通りに走っています。

毎日走っているうちに慣れてきたようです。

隣には愁さんが。

なんてまぁ…仲良さげに話してるんでしょう。


あの沙紀の誕生日から既に二週間経ちました。

運動会は明日です。


「明日ですねっ!」

「お前元気だな?」

「はいですよっ!」

「はいですよって…」

「え?!」

「何でもねえよ」


あんの親父、沙紀の事に気が付きやがった。

夜中メール来たし!


『最近は幸せだろう〜!!彼女出来たなら紹介しなさいよ家出少年♪』


ウザイウザイ!!

てかメアド変えたのに何でくんだよ?!

あ〜〜〜〜〜〜〜?!

あの日かっ?!

充電器取りに行った日!

山揉さんっっ!(メイド)


何か仕掛けられそうだな…。

心配になってきた。

あんのくそじじい!

若いがな…。

愁は小さく溜め息をついた。


実は愁の父猪垣校長は愁の本当の父ではない。

姉の馨も違う。

この二人は本当の姉弟なのだが猪垣校長に養子として引き取られた。

猪垣校長の奥様つまり愁たちの義母は子供が出来ない体だった

そんな時両親を飛行機事故で亡くした愁たちを引き取ったのが彼等。

なので校長は若い…。

奥様は元気ですよ。

え?校長の名前?

自己紹介してっっ!


「良いですよ?わたくし猪垣研一イノガキケンイチと申します。年齢は若いですが仕事はきちんとしてますのでご心配なく」


ありがとうございました〜。

何故愁が出ていったのかはいつか説明しますね。


「お父様と仲悪いんですか?」

「仲悪いってか…」

「仲直りして下さいね」

「いつかな。ほら走れよ!全く」


愁さん照れてるのか怒ってるのか分かりませんが面白いです。

私赤組が良かったです。

愁さんと仲間になりたかったんですが…。

残念ですゝゝ


「おいっちに〜」

「沙紀も慣れてきたな」

「マラソンっですか?」

「ああ」

「運動会一緒に頑張りましょうね!」


沙紀はにっこり笑った。

そんな顔にキュンときた愁は首を縦に振りまくっていた。

後ろから声がした。


「沙紀ちゃ〜ん!愁く〜ん」

「アスカぁぁっ!」

「しぬ…」

「すいませんっ!」


夏樹と鏡がいた。

二人はいつも通りに仲良く?会話をしていた。


「夏樹くん!!鏡さん!!」


なんつ―嬉しそうな顔してんだコイツは。

まぁ…俺達が入学して二週間経ったしな。

男が苦手な奴でも流石に慣れるだろう…と思った人はだめだ。

沙紀はまだ"俺ら"にしか慣れていない。

てか…俺ら付き合ってるんですがねえ…〆


「今日も走ってるねえ」

「はいっ!優勝目指してますからねっ!」

「他のクラスは女子がいないからな」

「そうなんですよ…あっ!!静さんだ!!」

「呼んだぁ?」


静は結局俺達の学校にきやがった。

しかも女として!

顔だけは女だからいいもものを

親父には説得したらしい……ふざけんな……


「静さんは私のクラスだから一緒ですね!」

「そうよ〜さーちゃん相変わらずかわゆす〜」

「か…かわゆす?」

「可愛い〜っていう意味よ♪」


沙紀は顔を赤らめた。

そんな反応が気に入った静は沙紀を抱きしめた。

こうして見ると静も女に見えないこともない。

鏡意外の全員が頷いた。


「しっ静さんは運動とかお好きですか?」

「運動〜?」

「私最初は苦手だったんですが最近は好きになりました!」

「私はね〜化粧とか得意なのよん♪今度さーちゃんにも化粧してあげるからね〜」

「ありがとうございます!!」


だからその笑顔不意打ちだこの野郎っ!

俺はただ一人顔を赤らめていた


その後沙紀達は練習を終えて鏡の家にお邪魔する事になりました。

鏡の家は普通な家…ではありません。

夏樹よりデカい―――?

かなりデカい家です。


「うひゃあ―――?!」


今叫んだのは沙紀。

デカすぎてびっくりしたらしい

金持ちばかりの学校だからね―


「じゃあ来て」

「お…お邪魔しますね」

「アスカ〜」

「死にたい人手〜上げて〜」

「ごめんなさいごめんなさい」


やっぱりこのコント笑えるわ

沙紀はびっくりして口をパカンと開けてるし。

まぁ俺も初めて来たときは驚いたしな。

シャンデリアなんて今頃ねえからな。


「あらお友達………?」

「お姉様」


お姉様?!

ここは何処ですか?!

イタリア?!フランス?!

しかもお姉様美しいですよ!!

なんか…カンドーです。

クルクルした茶髪の髪はお嬢様を想像させます。

こんな綺麗な方見たことありませんっ!


私がぼーっと見とれているとお嬢様が(お姉様)こちらを向きました。

瞳を輝かせて抱きついてきました………?

ぼ…ボリュームが…。


「可愛いですわっ!鏡!彼女ですの?!」

「違いますよ。彼女は愁の彼女です」

「あら…」

「ふがふがふ…」

「あら、すみません〜」


ドデカい胸から解放された沙紀は呼吸を整えていた。

顔は真っ赤である。

む…む…胸おっきいです―?!

くるしかったです…。

ほわぁ…素敵です…。


「大丈夫かしら?んまぁよく見ても可愛いですわっっ!」

「お姉様僕は部屋に行きますのでそろそろ」

「分かりましたわ。では後でお茶しましょうね〜子猫さん」

「こ…子猫さん?」

「ふふふ〜」


何だか不思議な方ですね〜鏡さんのお姉様。

胸おっきいですし…。

いやっ!そこは関係ないですよねえ…


「子猫さん」

「はいっ?!あれ愁さん!!」

「わりいわりい」

「もうっ!」


私はぷぅっと頬を膨らました。

鏡さんが顔を赤らめながら声をかけてきました。


「部屋どうぞ〜」

「失礼しますね」


軽く鏡さんにエスコートされて部屋に入った。

部屋に初めて入った沙紀は心の中でこう思った。


(シンプルイズベストですね…)


その通りだった。

机の上にはパソコン一台で箪笥が一つ。

ベッドははじっこに置いてあったのだ。

他には難しそうな本がずらりと並んでいた。


(真面目…ですねえ)


驚き顔をしていた沙紀を鏡は座らせた。


「アスカ」

「はい?」

「僕アニヲタなんだけど変って思わない?」

「思いませんよ?」

「何で?」

「そうですね…人には個性があると言うじゃないですか?それですよ?」


そう言うと鏡さんは立ち上がりパソコンを持ってきた。

何を始めるんでしょう?

というより…初めて見ましたパソコンという物。

こんなの何ですねえ。


あ…付きました。

Windows…って読むんですかねえ…?

こんなもの良く使えますねえ…


「僕はパソヲタでもあるんだ」

「パソコンヲタクですか??」

「うん」


カチカチカチカチカチ


は…早いっ?!

何でこんなに早く打てるんですか鏡さんは?!

すごいです。


見に入ってた沙紀を愁はずっと見ていた。



アイツ絶対パソコン見たの初めてだな…。

キラキラ輝かせてるよ。


「昔からヲタクだった訳じゃないんだよ」


沙紀は急に話を始めた鏡にびっくりしていた。


パソコン見ているのにどうして話が出来るんですか?!

何か凄いです!!


「僕の家…まぁああいう系だから苦手でさ…」

「私も少し苦手でした」

「それは良いんだけどさ何かつまんなくて」

「つまらない?」

「こんな良い家なのに〜?」


夏樹くんが鏡さんに笑いながら聞いた。

私も気になります!!

鏡さんは少し困惑そうに口を開いた。


「良い家じゃないよ……ここは息が苦しい」

「"坊ちゃん"として生活する事がですか?」

「うん……」

「でもそれは気にしなければ良いんですよ!!好きな事は好きで結構です!!息が苦しいのなら私たちと沢山遊びましょう!」

「………うん///」


鏡はニッコリと笑った。

実はといえば鏡は笑ったことが無かった。

いつでも無表情で感情を表さないから。

だからこんなにも優しく笑ったことは俺は見たことが無かったのだ。

びっくりした。


きっとアイツがいたから鏡は笑えた。

鏡にとっても沙紀は大切な人なのかもしれない。

沙紀は幸せを運ぶ奴だ。

…………。




静さんが話を変えて私に聞いてきました。

静さんいましたよ…?


「ところで〜愁とさーちゃんどこまでいったの?」

「は?!」

「沙紀耳を傾けるな」

「その反応じゃキスもまだみたいね〜」


クククッと小さく静さんが笑った。

私は顔を真っ赤にして頭から煙が出そうだった。キス…キス…?

キスっていったら唇に唇が……


ボッ…

また顔が赤くなった。


「かわい〜」

「かわい〜って言わないで下さいよっ///」

「照れてる!かわい〜」

「////」


愁さんが隣でため息を付いて私を持ち上げた。

私だから重いってい…


「沙紀、帰るぞ」

「え〜っと…まだ来たばかりじゃないですか」

「お前に聞きたいことがあるんだよ」

「?」

「って事で俺ら帰る」

「バイバーイ」

「アスカぁぁぁっ」

「死にたい?」


コントが始まる前に帰るとするか。

話したいこと?

そんなのねえに決まってるだろ

何か嫌だっただけだ。

誰かが沙紀を好きになる…俺は渡したくない。

手放しもしない。

絶対に裏切らない。

死ぬまで側にいる。

喩えお前が俺から離れようと俺はお前を想い続けるから。

安心してくれよ―――。


「愁さん〜?」


気付けば既にマンションのまえ

愁さんは黙り込んで私を持ち上げたままです。

心配です…


愁さんが口を開いた。


「お前俺の事………」


愁さんの…事…?


「大切な人だと思っています」


大切な大切な大切な人。

失いたくないです。

好きですから。


「………」

「今日暇ですか?」

「あ…あぁ」

「じゃあ私の家でお茶しませんか?」

「じゃあ…お邪魔する」

「はいっ」



**********************



「ふう……」

「あれえ静ちゃんどうかしたのぉ〜?」

「そうね…どうもしてないわね…」


私は小さく溜め息を付きお菓子を口に運んだ。

ほんわかと口に広がる甘い味が私を落ち着かせた。

悩んでいる事がある。

それは"あの子"達の事。


幸せ過ぎるほど別れる時は辛くなるの。

何かあったら耐えられないと思うのよ………。

………心配だわ。


「心配はまだしなくていいんじゃないか?」

「そうかもね…きょん」

「きょん………」

「ふふふ…ありがとう」


ニッコリ笑って誤魔化してみた

何も起きなければ良いんだけどね……………。

愁…守りなさいよ。

どんなことがあっても。


再びお菓子を口に運んで一休みをした。




**********************


「お……猫か」

「はい。ミントくんです。ほらご挨拶して」

「みゃ―」

「いい子だな。お前によく似てるよ」


沙紀の家でお茶をしている二人は楽しげに話をしていたからさ〜

話は明日の運動会の事。

晴れるかな〜とか優勝してみたいなぁ〜とかの話をしていたんだよ。


僕ミント。

今この状況見てると本当に幸せそうなんだ。

沙紀も愁―とかいう男も笑ってばっかり。

でも…それが良いんだよね―!

明日は楽しみだな。


「みゃ――――♪」



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