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13/30

12,緑に輝く目

 昨日の森田の元気ない声を授業中に思い出していた。そのあと授業が終わり給食を食べた。あいつらが来るまで佐々木と喋ろうかな。そう思った時だった。


 「鈴木 秀太君はいませんか。」


 来やがったよ。僕は教室の扉を開けた。すでに山田も火上達も到着している。山田と僕は顔を見合わせてうなずく。火上達もフテキな笑みを浮かべる。そして僕は構えをとってすり足で火上達に歩み寄る。


 火上は放水を僕にぶっぱなす。首を軽くひねって放水を回避。見てからじゃ遅いから撃ってきそうだったら動いたほうがいいのだ。火上の仲間達が三人同時に飛び出してくる。


 囲まれてはたまらないので一歩下がる。一人僕を追って仲間から少し離れたやつがいる。そいつの足に前足でのローキックを打ち込んで腹に右フック。


 続けて攻撃をしようとするが、それは止めた。来る!少し頭をかがめて放水を避ける。さっき右フックを打ち込んだ奴は腹を抑えて後退しようとする。


 どうやら後退することしか頭になさそうなので、勢いよく左の掌底を顎にたたきつける。間髪入れず右ストレートをみぞおちに一発。


 敵は膝から崩れ落ちた。残り六人。今度は敵が二人で接近してくる。僕は敵が拳を振り上げようとしたところで敵の懐にもぐりこんだ。

 

 敵と密着しているので火上の放水も敵にかかるだけで意味をなさない。僕は敵の頭を抱え込んでから膝蹴りを横顔に食らわした。


 そして敵を突き飛ばす。地面にひっくり返って敵は動かなくなった。残り五人。今倒した敵と一緒に突っ込んできた一人はいきなり仲間がやられたせいか硬直している。


 そいつに近づこうとしたところで放水。今度は顔にもろにかかった。目がよく見えんが後ろに何回も跳んで距離をとる目が開いた時には拳を振り上げた敵の姿が目に映った。


 視界がぶれた。殴られたか。だがたいした威力ではない。すぐに右の掌底で殴り返す。だが追撃はできない。いったん下がった。敵が追加で二人近づいてくる。


 僕は横に跳んで左側の敵の正面に着地と同時に踏み込んで左フックを腹に当てた。右の掌底を続けて打ち込む。右側の敵は僕の攻撃に視線を向けた。


 僕は向きを変えて右側の敵に向かって跳んだ。右足を横に向かって内側に薙いだ。足の指の付け根当たりが敵の頬に激突して頭が勢いよく揺れた。跳び蹴りである。


 着地と同時にそいつは体を支えられず廊下に倒れこんだ。残り4人。左側の敵はようやく目の焦点があってきた。


 でもまだ万全ではなさそうなので、そいつを狙いたい。だが・・・・・・!僕は急いで手のひらを顔にかざす。


 掌が一気に冷える。放水だ。来ると思った。手のひらを下げると、三人の敵が視界に移る。火上とその仲間。あと4人残ってるはずだ。まだ山田と戦っているのだろう。


 これならいける。僕は闘志を燃やした。でもどうやら敵も同じらしい。いや・・・・・・。敵の表情がゆがんだ。後ろからの足音。


 僕は後ろをちらっと見た。左目に緑色の光をまとわせた山田が立っていた。どういうこと?火上達も思考が停止したらしく。


 山田以外の全員の足が止まる。山田は絶好のチャンスを無駄にすることはなかった。緑色の風を手から放出した。敵の顔に風がかかる。敵は目をつぶった。


 よくわからんが喧嘩では足を止めてはいけない。僕は飛び込みながら膝を抱え上げて目をつぶった敵に膝を打ち付けた。飛び膝蹴りである。


 敵は倒れ伏した。敵は残り三人。火上は慌てて水を飛ばす。山田も同時に風を吹かせる。風に吹かれて水が散った。山田はそれで終わらせない。何度も風を吹かせて火上の顔をゆがませる。


 僕は火上の懐に飛び込んで横顔に膝蹴りを入れて、ふらついたところで左の肘をみぞおちに突き刺す。こいつはこれでまだ倒せない。僕は腰をひねって肘を円を描くように顎にぶつけた。


 これくらいで十分か?僕は離れた。・・・・・・信じられない。また立っている。だがしばらく動けないはずだ。


 僕は残りの敵に目を向けた。嘘だろ。目を疑った。山田の右ストレートが敵のみぞおちに突き刺さり敵は体をくの時に折る。


 強くなっている。僕も頑張るか。動けなくなっている火上の前に立った敵がパンチを打つために拳を引いた。しかしパンチを打つ前に引くのは無駄な動作だ。


 僕は相手の拳が届くよりも前に右の掌底で顎を打ち抜き、後ろに重心がずれた敵の腹に奥足で前蹴りを叩き込んだ。敵は力を失い、地に背中をつけた。残りは二人だけだ。


 火上は動き出した。今までの戦闘のダメージで遅くはなっているものの精一杯動いている。そんな動き方だった。


 僕と火上は互いにすり足で接近する。火上が右の手のひらを僕の顔に向かって突き出す。異能は使わない。使うことを考える余裕がないのか?


 僕はかがんで火上の掌底を回避。かがんだ勢いを利用して右ストレートでみぞおちをえぐった。火上の体が後ろに大きく傾き、背中を地面に打ち付ける。


 これであと一人。僕は最後に残った一人のほうを向いた。拳を振り上げて山田に襲い掛かっていたが、拳は山田が後ろに下がったことで空を切る。


 連続で風が吹き、敵は目を開けていられない。眼をつぶった瞬間に左ストレートが腹に刺さった。続けて右ストレートがみぞおちにめり込んで倒れ伏した。


 勝った?これは勝ったぞおおおお!僕はウチョウテンで山田に近づいた。すると山田は左目を手で押さえる。僕は山田の左目を見た。左目の光が最初より弱くなっている。どうしたんだ?状況が理解できない僕に山田はつぶやいた。


 「左目がよく見えない。・・・・・・視力が下がっている?」


 どういうことだ?山田の発言を聞いても僕は状況を把握することは全くできなかった。ひたすら不安なままだった。

 



 




 


 

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