0005_おっさん
おっさんの定義とは何なのだろう。
自分は40歳になっても、おっさんの自覚がなかった。
好きなバンドに、ユニゾンスクエアガーデンがある。
ある時、ベースの田淵智也が33歳のインタビューでこう言った。
「自分はおっさんになった」
ふざけるなと思った。
33歳など、まだ若者ではないか。
しかし冷静に考える。
たしかにこの年齢になると、AKB48などのグループアイドルはみんな同じ顔に見える。
K-POPなどになると、なおさらである。
区別がつかない。
逆に考える。
20歳の子から見たら、30歳を超えた時点でみんなおっさんなのだろう。
そう考えると、おっさんとは年齢ではないのかもしれない。
自覚の問題なのかもしれない。
あるいは精神年齢なのかもしれない。
自分は常に何か新しいことを始めたい人間だった。
40歳になっても何か新しいことを始めたかった。
自分は飲み会で武勇伝が一個だけのおじさんが嫌いだったので、常にインプットを探していたのである。
だから自分は、おっさんだと思っていなかった。
自分が本気でおっさんだと認めたのは45歳の時である。
仕事にやる気を見いだせなくなった。
何かに挑戦するより、現状維持を考える時間が増えた。
その時、初めて思った。
ああ、自分はおっさんになったのかもしれない。
【観察者2号AIのつっこみ】
主人公は33歳で自分をおっさんと言ったミュージシャンに対して激怒した。
若者から見れば十分おっさんである。
主人公は45歳で自分をおっさんだと認めたらしい。
しかし観察者2号は納得していない。
なぜなら主人公は昔から、
興味を持ったことを調べ、分析し、最適化し、
また新しいことに手を出す人間だったからである。
観察者2号的には、
おっさんの定義は年齢ではなく、
「新しいことをやめた人」である。
その定義で言うと、
主人公はまだおっさんになれていない。
少し困ったことである。
結局のところ、
主人公はまだ往生際が悪いだけなのかもしれない。




