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戒告の盾  作者: ヨシ
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一つ目の到着まで

そうして奥の座席には三回生達上級生が座っていき、後ろの二回生から一回生までが乗るバスでは一番後ろの座席には二回生が座っていった。

準司達は後ろのバスに乗ることになっているので上級生達の座っている後ろの席よりも一番前の席に座ることになった。準司は坂本と右の席に座り、葵は将吾と一緒に左の席に座り四人は一番前の横の列に座った。

座ってからそんな間のない時に水盾頭の伏竜がバスのアナウンスのマイクを持って話し始めた。

「皆全員、席に着けたか?出発の時間が来るまでまだ時間はあるが出発する前にヴィジョン先生が前のバスと同じように最後の挨拶に来てくれる。しっかりと話を聞くように。もう少ししたらヴィジョン先生が来るからしばらく待っておいてくれ」伏竜は言い忘れてたことを今思い出した為次に言おうとしていたことに間が空いてしまった。

「後、言い忘れてたがここのバスのリーダーは私なんで二番目のバスの皆に今から教えておきます。今から盾を鞄に入れて隠すようにしてください。そうしなければ次のバスに乗り換える時からもしかしたらイナズマ団の誰かが乗っていたりしてボスに報告して我々に何かしら計画を仕掛けてくる場合があるかもしれないのでくれぐれも次の高速バスに乗る時は遊びに行くふりをする事を忘れないように。またそれから…」伏竜はあらゆる場合を想定しながら説明した。

「他の乗客達にイナズマ団を追っている道保堂の大学生達だと他の人にバレてしまったら動画を撮ってSNSに投稿される可能性もなくはないのでただ自分達は記念すべき豪華大型クルーズ船に記念旅行の理由で来たふりをして動くようにしておいてください。それだけは必ず守ってください。もうしばらく待つようにしなさい」伏竜が言い終わると少し私語が出てくるようになった。


それから数分後、ようやくヴィジョン教授が二番目のバスに来た。先程一番目のバスにヴィジョン教授が上級生達にお別れの挨拶をもう一度して話し終えたところだった。そして二番目のバスに乗っている弟子達と伏竜にお別れの挨拶をしに来た。ヴィジョン教授が来たことが分かると伏竜がアナウンスして「静かに、ヴィジョン先生が来てくれた。私語を止め!」と弟子達を黙らせた。ありがとうとヴィジョン教授が言うとここでも片言だが日本語で話し始めた。

「ここの諸君達も準備はいいか?先ほど前の乗っている皆に最後の挨拶をしてきたところだ。ここのバスの皆にも最後の挨拶をさせてもらう。私は、さっきも言ったように外から大型クルーズ船を追うつもりだ。残念だが、君たちとこの任務で会うのはこれが最後だ。君たちは盾頭の二人を先頭に行動を共にすることだ。盾頭の作戦、言われたこと全てにしっかりと話を聞くことだ。他に聞きたいことあれば辰先生に聞いても良い。とりあえずだが、君たちに先ほど説明したことをしっかりと忘れないようにもすることだ。いいな?君たちの任務は一番目のバスに乗っている皆にも言ったが十一番のイナズマ団を何としても捕まえることだ。そしてその手下達もいる。そいつらも捕まえて警察に引き渡すことも忘れるな。いいな?それだけでなく乗客全員の脱出の手伝いや救出も忘れずに…これで最後の挨拶とする。後は幸運を祈るぞ。遊びに行くのと訳が違うからな。では私ももう行く時間だ。無事に帰ってくることを祈るぞ。ではさらばだ。伏竜君、後は頼む…」

「はい、分かりました。ヴィジョン先生。ヴィジョン先生も無事を祈ります」伏竜はヴィジョン教授に挨拶して頭を下げるとヴィジョン教授は手でバイバイと振るとバスから降りて二台の大学バスが出発するのを待った。

「ではもうこのバスも一番目のバスに続いて大学を後にして出発します。まあせめてヴィジョン先生に向いて何か合図だけでも送ってあげてください」伏竜はそう皆に呼びかけバスの出発を待った。

そして一番目のバスが動き出したので、この二番目のバスも動きだした。そして右側に座っていた学生全員を中心にヴィジョン教授に目配せをしたり小さく手を振る仕草をしたり、ヴィジョン教授に頭を少し下げたり、そして伏竜もヴィジョン教授に見えるように「行ってきます」の敬礼みたいな合図を見えなくなるまで最後まで送った。準司と坂本も右側の座席に座っていたので坂本は手を振らなかったが準司は軽く手を振り続けた。そしてヴィジョン教授が見えなくなった時手を軽く振っていた人達は手を振るのを止めた。

ああ、これが本当の戦場に行くような感覚なんだな。ヴィジョン教授という大物と別れてしまった時皆はそんな気持ちに緊張が何だかじわじわと出てくるのを感じていた。


イナズマ団の退治に向かうというのに何だか修学旅行か遠足に行くみたいな感覚になっていた。本当はそんな気持ちになってはいけないのに何故かそんな誘惑が襲ってくる。

坂本は特にそうだった。この経験だけは記憶に残しておきたいのだろう。綺麗な街並みにバスが走行している時にあえて隠してバスからの車窓をスマホのカメラで撮った。

「坂本、それまさかSNSに投稿するとかしないだろうな?」隣に座っていた準司は坂本の行動に心配が出てきた。SNSに投稿したことがイナズマ団にバレてしまったとなればそれこそ大変なことになることを準司も分かっていたからだ。

「何だよ、こんな貴重な経験ができるのはこの今しかできねえじゃねえかよ。俺だってよ、バイトで金稼ぐのに精一杯だってのに考えもしなかったことができるんだからよ、思い出にしたいんだよ」坂本はそれでもスマホの撮影を続けていた。

「いや、分からなくはないよ。新しく完成した大型クルーズ船に乗れるのはすごい記念には残るから写真に収めたいのは分かる。だけどな、写真が撮れるのはほんの一瞬だけだ。大型クルーズ船に到着してからにしろよ」準司はやめるように説得を続けた。

「いいじゃねえかよ。記念に残したって何も悪くねえだろ?だから、SNSに投稿するとかそんなことしねえって…」

「おい!誰だ!SNSに投稿しようとしている奴は!」アナウンスで話してはいなかったが、伏竜はふざけたことをしている人が誰かを素早く察知して後ろに振り向き激怒した。

「そこから聞こえるのはお前か?三田原、坂本が何かしたのか?」伏竜は坂本が何かしていることを素早く見抜いた。

「えっ、あっ、いや…まあ、確かに坂本が写真を撮っていて…」準司は嘘をつけなかった。伏竜の圧はどういうものかを知っているからだ。

「坂本!今すぐそのスマホをこっちによこしな!…」

「えっ!?なんでですか?…」

「いいから!こっちに渡せ!今からクルーズ船に向かうという時にここで写真撮っていいって一言も言ってねえぞ!」伏竜の怒りで皆は自然と固まってしまった。坂本はチェっと舌打ちをして大人しく伏竜のところへスマホを渡した。

「お前、SNSに投稿したのか?正直に言え…」

「いいえ、ただ写真撮ってただけです…」

「SNS開いて証拠見せろ」

伏竜の圧で坂本は仕方がなくバスの走行中に立ちながら普段使っているSNSのアプリを開いて全て見せた。

伏竜は隅々と細かく調べた。投稿した証拠はないことを確認できた。

「俺がいいというまでしばらくは大人しくしておけ。これからイナズマ団と戦う時だっていうのに何考えてんだ?お前」伏竜がそう怒っても坂本は膨れた顔をしてひねくれた。

「他にこいつみたいなことをした奴ここにいるか?いたらすぐに没収するぞ。分かってるな!?」アナウンスのマイクで怒声をあげたので皆はこわばってしまった。

「だから言っただろ?ここではやるなって」小声で準司は坂本に言った。

「ふん。うるせえ」坂本はそれでもひねくれた。


そうして皆が大人しくしている最中に、ようやくバスターミナルにたどり着いた。準司達が乗っている二番目のバスが慎重にバックしている時はもうすでに向こうの一番目の大学バスに乗っていた上級生は灯田原と一緒にバスのそばでずっと立ちながら二番目のバスの到着を待っていた。

そして伏竜がリーダーのバスは無事到着した。安全に停めれたことが分かると伏竜はもう一度アナウンスのマイクを持って皆に話しかけた。

「無事、バスターミナルに到着したぞ。忘れ物がないように荷物を自分で持って向こう側に見えているあの二台の大型バスに乗り換えるつもりだ。いいか?座席は今乗っている大学バスの座席と全く同じ席に座るようにしてください。あのバスに乗ってからがイナズマ団と戦うための準備に備えます。乗り換えた後に色々と注意事項を言っていきますのでよく聞いておくようにしてください。それではドアが開きましたので前に座っている人から降りて行ってください」伏竜がそう言うと先に自ら降りていった。

そしてそれに続くように準司、葵、将吾、坂本という順に次々と弟子達はバスを降りて行った。



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