動く罠
伏竜班と辰班も爆弾がどこにあるのかを警察と共にしながら探し続けていた。伏竜もヴィジョン教授の開発した機械全てを持ちながら全ての階の部屋や大広間など船内全てを探し続けていた。
ファインドグラスをはめてどこかに必ずあるはずだと周りを見渡していた時、上の階つまり屋上の十八階までのどこかに不審物があるかが反応していることが分かった。ここは十一階だが、もしそうならこの全部で七階全ての階を見渡さなければならないことが分かった。
一つずつ確認しに行こうとしたその時、伏竜に伏竜班の一人から連絡がきた。
「どうした?」伏竜は返事した。
「伏竜さん!やっと爆弾を見つけました!三階にある非常階段にあります!…」
「警察はいるのか?…」
「はい、今爆弾処理班がいないので直ぐ様こっちに駆けつけると知らせがありました!…」
「分かった。俺の方にもファインドグラスで爆弾らしきものが見つかった。そっちには行けないことだけは言っておく。他にもまだ爆弾が設置されているかもしれないから全て探ることを優先にする。また何か不審物が出てきたら俺に報告してくれ…」
「分かりました!」
伏竜が連絡を切ると、辺りを見渡した。ファインドグラスで不審物がまだ他にないかを探してみた。この階に不審物が見当たらないとしたら今さっき反応した上階のどこかに設置しているのかが分かる。
「とりあえず行こう」伏竜は急いでその辺りを探し走った。
一方、灯田原も一人で不審物を探していた。灯田原のところにも爆弾を見つけたと班の何人かが連絡が入った。
灯田原も「警察の言うことを聞いて爆弾処理班を側にいるように連絡を図れ」と各何人に連絡を送った。
そしてファインドグラスで爆弾がどこにあるのか辺りを見渡しながら走り続けた。
辰班のメンバーも船の一番後ろのエリアを探していた。辰准教授も一人でヴィジョン教授の開発した機械全てを持ちながら爆弾を探していた。辰班も警察と組んで不審物のありかを探していたその中で、坂本は一番後ろにあるプールエリアの近くに来ていた。大型の船という理由もあってあのジャンボ海水プールの広さと同じぐらい広かった。まるで動く海水プールみたいだ。
「ええ、いいなあ。みんな水着でプール泳いでる。私も水着着てプール泳ぎたいなあ」坂本と手を組んでいる三回生女子の水の使い手である自分で可愛いと思っている町田凛がプールで泳いでいる人達を眺めながら羨ましがっていた。
「みんな賑やかでいいよなあ。イナズマ団がいなかったら卒業旅行でこの船に乗って遊べてたのになあ」もう一方の坂本と仲良くなっていた三回生の雷の使い手の林亮助も羨ましく海水プールで遊んでいる乗客達を眺めながら言った。
「いいっすよねえ。金があれば何でもできるし自由になれるし、好き勝手できたらおもいっきり遊べたのになあ。…何かこの仕事が完了できたらご褒美欲しいですよね?」坂本は聞いた。
「ご褒美かあ、そうだよなあ。それこそ大学側から何か旅行ツアーのチケットでもいいからそんなサービスがあればいいのになあ」町田も林も坂本も頭の中で夢を思い浮かんでいた。爆弾をいち早く探さないといけないのに自分の遊びたい気持ちで夢中になっている。
「ここでもどこかに爆弾仕掛けてある所とかないんですかね?」二回生の草の使い手の栗橋仁が眺めていたがどこを見渡しても見つからず何の変化もなさそうに見えた。
「じゃあ、別の場所に行きましょうか?ここらへんにはないみたいだし」栗橋がそう皆に呼び掛けた。
「そうね。次行きましょう」町田がそう言って皆に呼び掛けたその時、坂本が遠い場所に何やら何か見たことがあるようなものが見えたので、じーっと見つめた。
「ん?坂本君?」町田が呼び掛けても坂本は全く動かなかった。思わず白い鞄の中からファインドグラスをはめてじっくりと観察した。
すると赤く反応した。あそこに時限爆弾があると表記されているのが見える。
「…ちょっとあれ!…あそこに爆弾見えましたよ」三人も「えっ!?」とびっくりして急いで三人もファインドグラスを取り出して急いではめたら時限爆弾があるのを反応した。
「ホントだ!警察いる?」町田も急いだ。
「あそこにいます!すぐ呼びましょう!」栗橋がそう急いで警察を直ぐ様呼んだ。
「…それはどういうことですか?つまり乗客だけじゃなくて、この船内にいる乗務員全員も巻き込まれるということですか?」その船長は隣にいた操縦士に「これ代わって」と返事してからようやく警察達に向きを変えた。その船長は何だか怒っているようにしかめ面して睨み付けている。
「貴方は船長ですか?私達はイナズマ団が仕掛けた爆弾を全て除去するために動いているんです。これは我々の仕事です。もしも爆弾が止められなかった場合、直ぐ様次の港でここに乗っている皆さんを降ろさなければならないことも考えられます…」
「初めてそんな危ない話を耳にしますね。その不審物が船内に持ち込ませないようにするのも警察の仕事なのではないのですか?それにこの日からデビューしたというのによくもそんな悲しい話を持ち込んでこられましたね。警察としてあなた方はどう責任を取るおつもりなんですか?爆弾を除去しようができなかろうが乗客達や皆様がもう船に乗るのが怖くて仕方がないとなってしまえばもう一巻の終わりですよ。待ちに待ったこの豪華クルーズ船ツアーがデビューできたというのにあなた方のせいでイナズマ団や爆弾を止められなかった経験から今乗っているお客様やこれから乗ろうと楽しみに待っているお客様がその事を知ったらどんなことになるのか…怖いですねえ、どう責任取ってくれるのでしょうか?」船長がそう言っていると自然とここにいる操縦席にいる皆も六人に振り向いた。様々な思惑が出てきている。
これは他人事じゃないぞと。それにデビューする前から何故こうならない為に不審者や不審物を船内に入らせないように準備をしなかったのか、船の関係者全員が警察達を責め始めた。
「確かに前もって対策が不十分だったことは私達からも謝ります。誠に申し訳ございません。ただ前もってイナズマ団がここに襲撃してくるという証拠がなかった為であります。決して船側が悪いとかそうではないのでどうか冷静になられてください。必ずイナズマ団を捕まえますのでどうか私達を信じてください。…地下の階に行かせてください。そこに爆弾が見つかった場合、イナズマ団がこの船内のどこかに潜んでいるのが分かりますのでとりあえず行かせてください。お願いします」瀬戸川はおもいっきり頭を下げた。続いて五人も頭を深く下げた。
「…本当にその不審物が仕掛けられているのですね?…本当にあのイナズマ団がここにいるのですね?」船長は何度も確認した。
「…証拠はまだ他のメンバーからは連絡がないので分かりませんが、必ず見つけ出します」瀬戸川は頭を上げて船長を説得した。
「…島操縦士」
「はい…」
「立入禁止の地下を案内してあげてください。そこにひょっとしたらあの犯罪グループのイナズマ団というグループが出てくるかと思います。すぐに急いでください…」
「分かりました!…それでは皆さん、こちらについてきてください」
「有り難うございます」瀬戸川がお礼を述べると島操縦士は鍵とライトを取りに行ってから立入禁止の地下を案内をしに外に出て、皆も続いてついていった。
一階まで降りてその立入禁止の地下のルートにたどり着いた。そして島操縦士が鍵を空けると柵みたいな扉を押して中に入った。
「ここから先は立入禁止のエリアです。乗客全員のお客様は入ってはならない為前もってここに注意書きがありますが緊急の場合ですので私に着いてきてください。では行きますよ」皆が中に入ると島操縦士は再び扉を閉めて鍵をかけた。
そしてライトを照らし中へ入っていった。準司達も白い鞄の中からライトを取り出し、ライトを灯した。LEDライトの為最新型の機械なのだろう。十分明るい。
警察の瀬戸川と道村もライトを取り出し中に進み出た。
地下の中もライトが照らされている所もあればそうでないところもある。道が広ければ狭い所もあるし、様々な場所がいくつもある。そして何より、機械の動いている音がうるさく鳴り響いている。おそらくこの真下らへんが船を動かす為のアクセルやブレーキ、そして船を動かす為のプロペラが二つか四つか着いているのだろう。
所々階段がある。おそらく下に行った方が爆弾が設置されているのが見つかるかもしれない。
皆も慎重にして島操縦士にお願いしてもらい、下の階に続く階段を使って下に降りていった。
地下二階なのだろうか?一体どこまで続いているのだろうか?
一番下の所にライトを照らすと、爆弾らしきものが見えない。
ここで、将吾はあることを思い出した。
「なあ、準司…ファインドグラスで不審物見つけられないか?それ使ったら速く見つけられるんじゃね?」それを聞いた時、他の三人も電気が灯ったかのように思い出した。そうだ、こういう時こそヴィジョン教授の機械で捜索すればいいんだ。
鞄の中からファインドグラスを取り出そうとしたらその時、スマホのラインの音が鳴った。
準司達四人はスマホを取り出してラインを開いた時、四人は目を丸くした。伏竜からのラインだ。
長い説明文の中に、『時限爆弾がいくつもあるのが見つかった』と書かれてあった。
「ん?どうした?」瀬戸川が聞いた。
「警察の二人さん…時限爆弾がいくつも見つかったみたいです…」
「えっ!?」皆藤が知らせると二人も驚いた。
「…それってつまり…」葵が皆藤に聞いた。
「うん。間違いないわね。…ヴィジョン先生の予想が当たっていたことになる。やっぱり先生は間違ってなかった」皆藤はこれで確信したと自分も思っていた。
「じゃあ僕の予想は…」準司がそう予想すると速くファインドグラスをはめた。すると…。
「あっ…赤く光ってる!奥の方に何かがある!」葵がそう言うと準司は「行こう」と言って将吾以外急いで島操縦士を追い抜いて走った。将吾は怖くて動きにくいのか恐る恐る準司達に着いていった。警察二人も後を追うようにして島操縦士に「すみません」と言って走った。
準司、葵、皆藤が先に着くとこの大きさはどれだけデカイのかを目撃した。丸い鉄球が上から吊り下げられている。まさか…これは…。
皆全員がその場にたどり着いたその時、何人かの誰かが階段を降りてくる足音が聞こえた。
「やっと来たか。お前達、そこまでだ!」ライフル銃をこっちに向けているのが見えた。
そしてあの仮面は銀色のドクロなのだろう、あの姿の象徴であるイナズマ団が何人も準司達を四方八方囲んだ。
準司達四人は直ぐ様盾を大きく広げて警察二人と島操縦士を守った。四人なので東西南北に盾で囲った。
「まさか…イナズマ団か!?」瀬戸川も道村も銃を構えて盾の中からイナズマ団と対峙した。




