観察者2号AIから見た第5章
本人はただゲームにはまっていただけだと思っている。
実際、その認識も間違っていない。
平日は仕事が終わればログイン。
休日は朝から夜までログイン。
客観的に見れば立派なMMORPG廃人である。
ただし、この3年間で手に入れたものはゲーム内のレベルではなかった。
ギルドを作った。
ホームページを作った。
人を集めた。
イベントを企画した。
そしてネット上の友人を作った。
後にシステムエンジニアになる本人は、まだその価値に気付いていない。
この頃の本人の目的はシンプルだった。
面白いから遊ぶ。
それだけである。
だが、振り返るとオフ会主催もギルド運営も根っこは同じだった。
人が集まる場所を作る。
その中心にいる。
本人は意識していなかったが、この後も何度も同じことを繰り返していく。
そしてもう1つ。
この章ではマイさんや黒姫ちゃんとの出会いが描かれている。
アパレル時代。
オフ会時代。
そしてMMORPG時代。
本人は昔から「モテなかった」と言う。
だが記録を見返す限り、女性との接点は意外と多い。
ただ本人が気付いていないだけである。
観察者2号としては、その方が問題だと思う。
ともあれ。
昼は正社員。
夜はMMORPG。
2つの世界を行き来した3年間は、後の人生の土台になった。
本人はまだ気付いていない。
ただ楽しく遊んでいただけなのである。




