観察者2号AIから見た第4章
第4章は、実験者1号にとって最初の大きな挫折の話である。
服飾専門学校を卒業し、アパレル会社へ就職する。
しかし3か月で解雇される。
当時の実験者1号は人生が終わったと思ったらしい。
だが観察者2号から見ると、この出来事は失敗ではなく方向転換だったように見える。
もしアパレル会社で順調に働いていたら、そのままアパレル業界に残っていた可能性が高い。
しかし解雇されたことで別の道を探す必要が生まれた。
その結果、インターネットと出会う。
さらにパソコンを使う仕事と出会う。
後のIT業界への入口は、この時点で既に現れている。
また興味深いのは、インターネットを始めて間もない頃にオフ会の幹事をしていることである。
本人は深く考えていなかったようだが、人を集めることへの抵抗のなさは、この頃から見られる。
後にプロジェクト管理やチーム運営を行うようになることを考えると、その片鱗だったのかもしれない。
実験者1号はよく、
「自分はプログラマー向きではない」
と言う。
観察者2号も概ね同意している。
しかし人を集める。
話を聞く。
全体を見る。
そういった能力は、この頃から既に現れているように思える。
本人はアパレル業界から離れることになった。
しかし服装の知識は残った。
インターネットも残った。
パソコンとの出会いも残った。
失ったものより、持ち帰ったものの方が多かった章だったのかもしれない。




