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とある喫茶店のマスターの話 Chapter5.

とある喫茶店のマスターの話 Chapter5.



とある喫茶店を開業して10年が経ち

細々と続けていた喫茶店も、

常連客が増えていきお陰様で経営も順調になっていきました。

サラリーマンや主婦、

経営者など様々なお客様にご来店頂けるようになりました。


その中で、いつも決まった曜日の

いつも決まった時間に

いつも決まったお飲み物を頼まれるお客様がおられました。


彼女は日本では当時は珍しく奇麗な白髪をしておられ

夏でも少し厚着なのではないかと思うほどの服を着ておられていました。


その女性はいつも窓際の景色が良く見える席に座られ、

外の景色を眺めておられました。

外を眺めているその姿はとても美しく、

私はきっとこの時一目惚れをしていたのだと思います。


ただお客様と店員との関係上、

そこまでの関係性へと進展することはなく、

月日は流れていきました。


彼女は毎週水曜日の14時頃にご来店し

コーヒーを召し上がった後、

15時過ぎにはお帰りになられていました。


そのルーティーンは決して変わることは御座いませんでした。



しかし、しばらくすると

ぱたりとお店に現れなくなってしまいました。

それから1年程経った頃、

ふと思い出したかのように再びひょっこりとご来店頂き、

同じルーテイーンを繰り返えされるようになりました。


まるで、彼女は風の様にふらふらと現れては去っていく。

彼女の謎めいた様子に、さらに私の好奇心を駆り立てました。



そんな彼女から初めて私にコンタクトがありました。

それはある春の日の事でした。

お会計際にお金と一緒に1枚の紙を頂きました。


そこに書かれていたのは

『春ひろがりて夜を照らす地にて貴方を待つ』


その手紙を渡した彼女は

私にそっと笑みをこぼして去っていきました。


その晩に

桜並木の公園で待っていると

月明りの中、歩いて来たのは彼女でした。


桜が散り桃色に広がる地面。

夜の月が彼女を照らしておりました。

「良くここが分かりましたね」

そう彼女は微笑んで言うので


”貴方の手紙を読んだので。

貴方は詩人ですか?”

と私は返しました。


「えぇ…詩を書きながら旅をしています。

でも…不思議…貴方のコーヒーだけが私にとって帰る場所だった」


彼女の言葉には無駄がなく奥深さがありました。

そして彼女が意図していた言葉を汲み取るのに

そう時間は掛かりませんでした。


”私で良ければ、あなたと結婚をさせてはもらえないだろうか”


確かそんなニュアンスだったと思う。

私も詳しく覚えていないが・・・



しかし、

この日私たちは

”妻と夫”という関係になった。


それは確かな事でありました。

ご愛読頂いている皆様へ


いつもご支援を頂きありがとうございます。


今月上旬に1週間程休載させて頂き、

その後再開をしましたが

またしばらく休載をさせて頂きます。


勝手で申し訳ありません。

どうぞ宜しくお願いします。

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