ふたり
「結婚しましょう」
出会った翌日に僕は彼女からそう言われた。
「恋人になってください」とあってすぐに言われたのにも驚いたがこの言葉には混乱した。
「僕らはまだなにもお互いを知らないだろう」
「別にいいじゃない、これから知っていけばいいわ」
僕は押し切られ、渋々結婚をした。
その日から僕の生活は二人のものになった。
僕らの出会いは同窓会だった。
彼女は特に目立つ方でもなく、僕も覚えていなかったのだが、そこであってすぐに付き合いましょうと言われた。
「何故僕なんだ?」と聞いたことがあるが、「私の半分をあなたにあげてもいいと思えたのよ、直感に理由が必要?」
僕は感覚を言葉で説明できないという彼女の言葉に納得しその日は僕の部屋に二人で帰った。
翌日にプロポーズされたが、彼女は一流会社の社員であり、僕と釣り合うのだろうかと思ったが、彼女は「別にあなたが無職でもよかったわ」と言った。
それから数ヶ月もすると二人の生活は普通になっていた。
帰宅すると彼女が待っていて、休日に二人で出かけることが当たり前になった。
僕らは二人で一人だった。
それから一年後彼女は死んだ。
病気だった。
彼女の家族によると僕に会う数ヶ月前に余命の宣告をされていたらしい。
家族は彼女が死の淵で一人でなかったと僕に感謝をした。
僕はそれから孤独だった、誰かと一緒にいるのが苦痛になり一人きりで暮らしていた。
数年後、僕は新しい恋人に出会った。
僕はまた二人の生活を始めたが、どこか満たされることがなかった。
そして数年後、僕は人間ドックでがんが見つかり余命の宣告をされた。
そのときになって僕と結婚した彼女の気持ちを理解した。
人は一人で生きられるが、一人で死ぬのがこれほど難しいとは思わなかった。
僕は今の妻に、愛していると伝えた。
一人ではないことがもたらす安らぎに揺られながら僕は眠りについた。
さすがにネタが尽きましたのでこれで完結です。




