第3章 韓国人の名前について②
『名前はやはり漢字由来が多そうでね。
昔の韓国ドラでは現代劇でも名前を漢字で表している場面がありました。もしかしたら、ハングルではなく漢字表記をするのは、公の場合なのですか?』
作者が見たのは、婚約パーティーの席順だった。あと、オフィスの机の上。
【韓国において、名前を漢字で表記するのは「公的な身分証明」や「厳格な法的続き」を行う場合です。
韓国の日常生活や日常のビジネスでは、文字はほぼ100%ハングルだけで完結しています。
しかし、法律によって「名前の公式な登録」にはハングルと漢字の両方を登録することが義務付けられているためです。
具体的に漢字表記が使われる「公の場面」や、漢字を使う理由は以下の通りです。
1. 漢字表記が必要になる具体的な公の場面
住民登録証(マイナンバーカードのような身分証):ハングル表記のすぐ横に、カッコ書きで漢字が公式に併記されています。
行政手続き・法的書類:出生届、死亡届、婚姻届、不動産登記などの公的文書には、必ず漢字を記載します。
卒業証書や表彰状:学校の卒業証書や伝統ある賞状など、格式を重んじる公の書類では今でも漢字が好まれます。
冠婚葬祭の祝儀袋・不祝儀袋:お祝い事や葬儀の際、自分の名前を「表書き」に漢字で書くのが礼儀とされています。
2. なぜ公の場面で漢字が必要なのか?
理由は「同姓同名の区別」と「個人のアイデンティティの確定」です。
ハングルは表音文字(音を表す文字)であるため、同じ「ミンジュン(민준)」でも、漢字にすると「敏俊」「明準」「民駿」など何通りもの組み合わせが存在します。
同姓同名がただでさえ多い韓国において、行政が個人を確実に特定し、財産や家族関係を管理するためには、文字に意味を持つ「漢字」が絶対に欠かせません。
補足:ドラマのテロップと現代の若者事情
古い韓国ドラマや、現代でもニュース番組、あるいは歴史物のドキュメンタリーで人物紹介に漢字が使われるのは、「公の記録に基づいた正確な表記」を視聴者に提示するためです。
ただし、1970〜1980年代以降の韓国では学校での本格的な漢字教育が段階的に縮小されたため、現代の若い世代の中には「自分の名前の漢字は知っているしスマホで変換はできるが、いざ公的な書類にペンで手書きしろと言われると書けない」という人が非常に増えています。また、ごく稀に漢字を持たない「純ハングルの名前(例:ハヌル=空)」の人も存在し、その場合は公的書類もハングルのみで登録されます。
韓国の身分証明書にどのように漢字が並んでいるかなど、実際の「住民登録証」のレイアウトや、名前に関する法的なルールについてさらに気 plough(深掘り)したい部分はありますか?】
そこまでは必要ありません。しかし、奥が深いですねぇ。ますます疑問に思うことが増えてきましたよ。
続けて訊いてみます。
『ということは、他人の名前は読めない人が多いということですね?』
【いいえ、実はその逆で、「他人の名前の漢字は書けなくても、ハングルを見れば誰でも完璧に読める」というのが韓国の面白い現状です。
ここが日本人にとって少し勘違いしやすいポイントなのですが、韓国では他人の名前を「漢字」で見る機会は日常生活でほぼゼロであり、あらゆる場面で「ハングル」で表記されているため、読み間違いが絶対に起きない仕組みになっています。
なぜ「読めない」という問題が起きないのか、理由は以下の3つです。
1. すべて「ハングル(表音文字)」で表記されるから
学校の名簿、会社の社員証、名刺、テレビのテロップ、芸能人のSNSなど、日常のあらゆる場所では100%ハングルで名前が書かれています。
ハングルは「見ればそのまま発音できる文字」なので、初対面の人であっても、子供であっても、他人の名前の読み方に迷うことは一切ありません。
2. 漢字1文字に対して「読み(音)」が1つしかないから
日本人の名前は、同じ漢字(例:「生」や「明」)でも人によって読み方が何通りもあり、初見では読めないことが多いです。
しかし韓国語の場合、漢字1文字に対する読み方は原則として「1つだけ」と法律や規則で決まっています。
「賢」は絶対に「ヒョン(현)」
「俊」は絶対に「ジュン(준)」
「美」は絶対に「ミ(미)」
そのため、もし仮に書類で「金俊賢」という漢字を見せられたとしても、韓国人は一瞬で「キム・ジュンヒョン」と間違いなく読むことができます。
3. 「書けない」けれど「読める」
現代の韓国人は、他人の名前の漢字を見せられたら「読むこと」は簡単にできます。
しかし、逆に「この人の名前を漢字で正しく書いてみてください」と言われると、教育の変化によって漢字を忘れてしまっているため、「書けない(再現できない)」という人が多いのが事実です。
まとめ
日本:漢字は書かれているが、人によって読み方が違うので「読み方がわからない」。
韓国:ハングルで書かれているので「読み方は100%わかる」。ただし、その名前の裏にある「漢字を正しく書くことはお互いに苦手」。
このように、文字の仕組みの違いによって、日本人とは全く異なるコミュニケーションの形が生まれています。
もし興味があれば、日本と韓国の名前の構造の違いや、韓国人が漢字を忘れてしまった歴史的な背景(漢字廃止の歴史)などについて、さらに詳しくお話しできますが、いかがでしょうか?】
とても興味深いお話で面白かったです。その他にも知りたい気持ちはありますが、ちょっと長くなりそうなので、それは次の機会ということにして、別の質問をすることにします。引き続きよろしくお願いします。
第4章は17時10分を予定しています。




