六話、アレン出陣する
〔グランデウス城〕
アーリアがナタリアに急接近する。
ナタリアも迎え討つが二刀流と言う新たな力を手にしているアーリアは手数で勝っておりオーバードライブを使わずともナタリアを圧倒する。
「くっ…それは魔王の剣ね…?」
「うん、お母様を元に戻しそしてお兄様を討つために手に入れたの」
「あなたにはそんな事出来ないわ!良いから大人しく私に従いなさい!」
ルシラと協力してナタリアはアーリアを捉えようとするが。
ルシラはルミナの雷撃の直撃を受け続けてフィリーの風の魔法を連続で喰らうと壁と一緒に下に落ちて行った。
「後はお母様だけ!」
「チッ!」
ナタリアは仲間がやられたのを見て舌打ちをする。
すると何者かが転移して来た。
「!?」
ナタリアは現れた者アレンを見て驚く。
「どうやって…あなたは私の部屋で捉えていたはずよ!?」
「君は朝かなり興奮していた様子だったからな、鍵を盗むのは簡単だったよ」
普段のナタリアならそんな隙は見せなかっただろうが戦争が始まると言う事で興奮していたナタリアは隙が多く盗む事が出来たのである。
「…それがどう言う事なのか分かっているのかしら?あなたは私の食糧として生かしていたのよ?私の食糧じゃないあなたなんて不要、抹殺対象になるわ」
「そうならないように俺が君を倒す」
「フン、出来もしない事を!」
ナタリアはアレンに斬りかかる。
しかしナタリアの剣はアレンに弾かれ腹を狙ったパンチが喰い込みナタリアは咳き込んだ。
「君を取り戻すためだ、痛いかもしれないが我慢してくれ、そしてアーリア、お前は先に行け、アッシュを討て」
「分かった、メルちゃん、残ってくれる?お父様がお母様を倒したら逃げられる前に浄化して欲しいの」
「分かりました」
アーリアはメルティが頷くのを見ると走ってナタリアの隣を通り抜けようとする。
ナタリアはそれを邪魔しようとするがアレンが防ぎアーリアは上に登って行った。
「…良いわ、あなたを今ここで殺す!!」
怒るナタリアは連続して闇の魔法を放って来る。
アレンは全て避け火の魔法を次々と直撃させた。
「なんで!なんでこんなに強いのよ!」
アレンの力は自分に劣ると思っていたナタリアは圧倒されていることに納得が行かない。
「愛している女のためだからだ、俺は君を愛しているからこそ君がそんな状態になっているのを許したりはしない!」
アレンは妻の顔をしっかりと見ながら言う。
「っ!」
ナタリアはその言葉に胸が痛むのを感じた。
しかしソレが次々とナタリアの頭に向けて注ぎ込んで来る悪意の塊のような命令に逆らう事は出来ず洗脳が解ける事はない。
「黙れ黙れ!!あなたなんて死んだしまえばいいのよ!」
ナタリアは更に出力を上げアレンに向かって来る。
アレンは迎え討ちナタリアの攻撃を避けると全力の蹴りを脇腹に叩き込んだ。
「かっはっ!?」
その一撃でナタリアは吹き飛び壁に激突すると気絶した。
「君は確か聖女メルティだったな!今だ!ナタリアの浄化を頼む!」
魔瘴石は聖女の浄化魔法で消すことが出来る。
そのためメルティに浄化を頼んだ。
「あら?させないわよ?この子はとても優秀な適合者なのだから」
しかしエイラが現れメルティを阻んだ。
「くっ…ダークローズの幹部か!」
アレンはエイラに斬りかかるが軽く止められ蹴り飛ばされる。
「もう少し…もう少しでナタリアを元に戻せるんだ…だから俺は!!」
アレンは痛みを堪えて立ち上がるとエイラにもう一度斬りかかる。
エイラは薄く微笑みながら迎え討とうとしたがその瞬間にメルティが強い発光魔法を放つ。
「うう!?」
アレンに注視していたためメルティの動きに反応が出来なかったエイラは光に目がやられた。
その隙を狙ってアレンはエイラの腹に剣を突き刺す。
「お前がナタリアをこうしたのは知っている、俺にとってはお前が最も許せん敵だ!ここで死んで貰う!!」
アレンはエイラをそのまま真っ二つに斬り裂こうとしたがエイラはアレンを蹴り飛ばして無理矢理に剣を引き抜く。
「おのれ…おのれ…人間め!!この痛み忘れないわよ!!」
エイラはアレンを必ず殺すと決めるとナタリアを置いて去る怪我の状態から考えてもナタリアを連れて行く余裕がなかったのだ。
「聖女メルティ!頼む!」
「はい!」
メルティはナタリアに近付くと浄化の魔法を施した。
「ああ!?いやぁぁぁ!!!」
魔瘴石の浄化は激痛を伴う。
アレンは苦しむナタリアを抱きしめ一緒に耐える。
暫くするとナタリアは静かになった。
「あなた…?私…なんて事を…」
ナタリアはメルティの浄化によって人間に戻ったしかし魔瘴石の影響で若返った姿のままだ。
「君は操られていたんだ、だから君がやった事は全てダークローズが悪い、俺はこれからアーリアと共にダークローズを潰すために動く、君も協力してくれ、それが罪滅ぼしになると俺は思う」
アレンは罪滅ぼしをするためにも共にダークローズを潰そうとナタリアに言った。
「ええ…ええ!協力するわ!」
ナタリアは力強く頷くと立ち上がる。
「ああ、さぁ行こう、アーリアの手助けをしなくてはな」
「ええ」
ナタリアは地面に落ちている操られていた時に使っていた剣を拾うとアレンとメルティと共にアッシュがいる玉座に向かう。




