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五話、開戦

〔サキュメアーレ王城〕


開戦の日がやって来た。


アーリアは軍に対して進軍の命令を行おうとしている。


「全軍!進軍開始!」


魔王軍の進軍が開始される。


魔王軍はこれから歩いてグランデウスに向かうわけではない。


アーリアのアイデアで決定された作戦ゲート攻撃作戦が実行されるのだ。


このゲート攻撃作戦はグランデウスの端から進軍して行くのではなく帝都に直接攻撃を仕掛けるものだ。


グランデウスにこれ以上蛮行をさせたくないアーリア達の想いもあるため一日で戦いを終わらせるためにこの作戦を行う事が決まった。


「ゲート展開!進軍!」


サーリアの命令でゲートが展開され魔王軍は次々とゲートを通って帝都に乗り込んで行く。



〔魔帝国グランデウス帝都〕


「な、なんだと!?」


戦争が始まっても帝都に攻め込まれる事なくいくつかの街を落とされる程度で勝てるだろうと思っていたアッシュは帝都に直接攻撃を仕掛けて来た事に驚く。


「げ、迎撃!愚かな人間と魔族共を討ち倒せ!」


慌てて迎撃命令を行うも帝都の兵力は少ない。


アッシュの命令で国境付近で展開していたのだ。


急いで彼等に帝都に帰還するように命じるも戻って来るまでは二日かかるため程度の防衛は残っている兵力で行うしかない。



「予想通りだな、アーリア」


「だね」


敵軍の少なさを見てアーリア達は予想が当たった事に対して喜ぶ。


これまでこの世界の戦争とは国境から攻め始めて街を落として行き最後に本体である首都を攻めると言うものであった。


しかしアーリアが考えた作戦は直接首都に攻撃して落とすと言うもので一般市民の被害も少なく戦争を行うことが出来る。


「敵の数はやはり少ない、行けますぞ!」


サイクはこれなら勝てると確信した声を出した。


「そうだね!さぁみんな!一気に攻め込もう!」


「「おお!」」


魔王軍は帝都駐留部隊との戦闘を開始した。


魔人と化した兵で構成された軍であるが練度の高い人間とそもそもが強い魔族達で構成された魔王軍は一般兵の魔人程度ならば容易く打ち破りつつ帝都に雪崩れ込んで行く。


「あ、あれは!」


「アーリア様にサーリア様!」


アッシュの政策により虐げられていた市民達はアーリア達が攻め込んで来たのを見て喜ぶ。


彼女達が勝てば自分達は解放されると思ったのだ。


「どんどん行け!」


こちらに反転し戻って来ている魔帝国軍二日経てば彼等が戻って来て数の多さで魔王軍でも厳しくなるそのため今日一気に勝ち切るために魔王軍は本気で帝国軍を蹴ちらして行く。


「やぁぁ!!」


最前線に立つアーリア達四人は破竹の勢いで次々と敵兵を倒し城に向けて突き進んで行っている。


アーリア達の任務は敵の城内部に突入してアッシュを討つことだ。


「三人とも!城の中に飛び込むよ!」


「ええ!」


四人は確実に互いをカバーし合いながら突き進み外の戦闘はサーリアに任せて城の中に飛び込んだ。




城の内部は外と違い静かである。


城の内部を守っていた兵も全て防衛に駆り出しているからだ。


アーリアは静かに懐かしい城の中を歩く。


「お婆様…城の地下に…」


『あぁ…恐らくは魔人兵を作るための巨大な魔瘴石があるな』


地下から放たれている邪悪な気をアーリアは感じ取った。


まずはアッシュだが彼を倒した後はその巨大魔瘴石の破壊を行わなくてはならない。


「…まさかこんな攻撃をして来るとは思っていなかったわ、アーリア、やってくれたわね…」


歩いているとナタリアがルシラと共に四人を待ち構えていた。


ナタリアはこれでは魔帝国でも勝てない事を分かっているため悔しそうにアーリアを見る。


「退いてお母様、私はお兄様を討ちに来たの」


「させないわ、あなたを倒して捕らえ、この状況を打破してみせる!」


魔帝国がここから勝つためにはアーリアを捕らえて魔王が負けた事を知らせて士気を下げるしかない。


そう思うナタリアは全力を持ってしてアーリアとの戦闘を開始する。



〔ダークローズのアジト〕


「グランデウスはもう確実にアルゲイドに落とされるわ」


エイラは忌々しいと思う感情を隠さずに言った。


「フン、まぁ構いませんよ、愚かな人間の国を三つ落としただけでも十分な働きです」


エイガはグランデウスが負けてもダークローズが負けたわけではないため構わないと言う考えのようだ。


「我々幹部の出陣はなしです、今後のためにも戦力を減らすわけにはいきませんからね」


出陣したそうなエイラにエイガは口を挟んでおく。


今後魔王軍との戦いは続くそれなのに力を増しているアーリアと戦って貴重な戦力である幹部を失うわけにはいかないのだ。


「分かっているわよ…」


エイラはイラついた様子を見せつつ水晶に映る戦場の様子を見守るのであった。


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