七話、スキルオーバードライブ
〔ダークエルフの里〕
現状の半覚醒状態から覚醒状態にするスキルを得たアーリアは身体が全快すると立ち上がった。
「メルちゃんありがとう、もう行けるよ」
「はい…ゼーリア様と話していたようですが、無理はなさらず…」
メルティは先程下手をすれば死んでいた大ダメージを受けたアーリアに無理はしないで欲しいと言った。
「ごめんね?メルちゃん…今のこの状況じゃなければ無理しないって言えるんだけど…」
今こうしている間にもクイーンアルウラネの触手は自分に対してそうしたようにダークエルフに襲いかかって惨殺している。
これ以上彼等が死なないようにするためにも自分が戦わなくてはならない。
今勝てるのは魔王としての力を持つ自分だけなのだ。
「…無理するしかないと言う事ですね、分かりました…」
メルティはアーリアが無理をするしかない状況を見てこう言う事を少なくするためにも自分達ももっともっと強くならなければと思う。
「ごめんね?…よし!ご先祖様!覚悟出来た!やろう!」
『うむ、スキル名はオーバードライブだ、言えば発動する!』
「分かった!さぁ!行くよ!オーバードライブ!!」
オーバードライブのスキルを使用した途端。
ブゥン…と音が鳴った次の瞬間にはアーリアの身体から魔力が吹き荒れる。
オーバードライブを発動させた事でアーリアの全ステータスに十万プラスされる。
「これが私の本当の力なんだ…」
これほどの力が自分にあったのか…とアーリアは思う。
しかし既に立っているだけでも身体に痛みが生じているまだまだ修行が足りず身体が全開の力に耐え切れていないのである。
「ふぅぅ…皆、行って来る!」
アーリアは地面を蹴るとクイーンアルウラネに向けて飛び出した。
「私達も援護するわよ!」
ルミナ達もアーリアの援護を開始した。
「はぁぁ!!」
クイーンアルウラネに迫るアーリア。
アルウラネは迫る外敵を見て大量の触手を差し向けるがアーリアは向上した魔力を剣に纏わせて次月と触手を斬り飛ばし本体に迫ると蹴り飛ばした。
その蹴りの威力はクイーンアルウラネの巨体が浮く程である。
「つぅ…やぁぁ!!!!!!」
一撃放つ度に痛みが走る。
アーリアはそれに耐えつつも腕を剣の形にしたクイーンアルウラネと斬り結び始めた。
クイーンアルウラネの巨大な剣を魔力を纏わせた剣で弾き隙を伺い隙を見つけると斬りつける。
「キェェ!!」
いきなり強くなったアーリアに対してクイーンアルウラネは怒りを見せる。
アーリアはその怒りなど構わずに攻撃を続ける。
「ダークブレイド!!」
振り下ろされた剣をアーリアはへし折った。
「キェェェ!!!!!!」
その痛みにアルウラネは叫びつつ触手を束ねて砲撃を放って来た。
「まずい!!」
アーリアはこの攻撃はまずい!と剣に強く魔力を溜めるとタイミングを合わせて弾いた。
「よし!」
砲撃を弾いた事で隙が出来るアーリア。
アルウラネはそこを狙い攻撃を放つがルミナ達が渾身の攻撃を当てて怯ませる。
『我が子孫よ!長引かせるな!ここで決めるのだ!』
オーバードライブ使用時の戦闘は長引かせるべきではない。
ゼーリアはアーリアに決めろと言いアーリアはその言葉に頷いた。
「うん!黒炎魔法奥義!!ダークネスブレイカー!」
ダークネスブレイカーは巨大な魔力で作られた剣を作り出して振り下ろす技魔王の必殺技の一つだ。
「はぁぁ!!」
巨大な剣を作り上げたアーリアは振り下ろす。
アルウラネはそれを見て慌てて触手を束ねて防ごうとするがアーリアは触手ごとアルウラネをぶった斬り倒して見せた。
「やった!!あっ…」
クイーンアルウラネに対しての勝利に喜ぶアーリア。
しかし攻撃のあまりにも高い出力に剣は耐え切れず折れてしまう。
アーリアは三年間共に戦った剣が折れた姿を見て目尻に涙を溜めた。
「ごめんね…ありがとう…」
アーリアは共に戦ってくれた剣に感謝し抱きしめた。
目覚めたナタリアと戦闘の様子を見ていたルシラの元にエイラがやって来る。
「うふふ、素晴らしい力ね」
エイラはアーリアの力を見て邪悪な笑みを見せる。
あの力は絶対に手に入れるべきだと思っているのだ。
「あの力、絶対に手に入れるわよ、良いわね?」
「はい、もちろんです」
エイラはアーリアから視線を外すと転移して去って行った。




