世界が変わった日
「う、うわぁぁぁ」
僕は飛び起きた。
ピピピ....
「ゆ、夢か?とてつもない悪夢だったな、、」
ピピピ....
「できればもう見ないことを願うよ」
ピピピ....
「うるさいな」
鳴り響く目覚ましを止めようとしたとき、気づいた。
「な、なんだこれぇぇぇ!!」
動転してたとはいえ、起きた瞬間になぜ気づかなかったのだろうか。
目を開けたら絶対気づくはずなのに、、
僕の視界にはゲームによくあるような、テキストウィンドウがあったのだ。
しかも、字幕がついてある。
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「いや、めっちゃ邪魔なんだけど」(しゃべるとより見えづらいな)
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僕の視界の半分はこの状態だ。
「ん?なんだこれ?」
よく見るとテキストウィンドウの下には"save" "load" "status" "option"というコマンド?的なものがある。
「まだ、夢を見ているに違いないな、、うん、そうしとこ」
ブーブー、携帯が鳴る。
慌てふためきながらも携帯に手を取る
「あ、起きた?」
もちろん相手はユキだ。
「あー、うん、起きたけど、、」
「どうしたの?なんか元気なさそうだけど」
「いや、元気はあるけど、、疲れてんのかな?」
「大丈夫?今日は休んで病院行ったら?」
「そうするよ、、」
そして電話は切れる。
そうだよ、疲れてるだけかもしれない。もう一回寝たら治るはず、、
そして、僕は二度寝した。
目が覚める。
「戻ってない!!」
どうしてだよぉぉぉと心の中で叫ぶ。どうやら心の中で言うことも字幕化されるらしい、ちょっと恥ずかしいのでやめてほしいものだ。
少し考えたのち僕はある結論に至った。
「えーと、これは僕の視界にしか現れていないっぽいな」
そう、遊び倒すという結論に至ったのだ。
(原因なんて探っても仕方ないしな)
「触れることは、、、、できない」
「saveも、、、触れれない」
他もしかり。
僕が今やっていることを見ると、滑稽に違いない。
おそらくこれが見えてるのは僕だけで、第三者からすると空中に指を突き刺す、狂人にしか見えないだろう。
そう考えると恥ずかしくなったので指を突き刺すのをやめた。
「ふー、じゃぁここは念力で!!」
念力といっても、念力がよくわかっていないため、目をかっぴらいて"save"という文字を穴が開くほど見ながら、頭の中で(セーブしろセーブしろセーブしろ)と唱えた。
ピコン
セーブ中....
「お、おぉぉ、セーブができたぞ!!」
ピコンという音とともに僕の視界にセーブ中という文字が現れた。
案外あっけなくセーブができたため実感がない。
「確かめるためには、、ロードするしかないか」
僕はしばらく"load"という文字を見つめ、、やめた
(本当にできそうで怖いじゃん、なんかあったらやだし)
ということで他のものを試すことにした。
「じゃぁステータスはどうだ?」
先ほどと同じように目を見開いて見つめ、頭の中で何度も念じた
エラー
対象がいません
と僕の視界にでかでかと出された。
「人に向けて使うのか?」
「今じゃ何とも言えないな」
「じゃぁ最後オプション」
すると、大きなテキストウィンドウが新たに僕の視界を覆った。
「うぉ、びっくりした、前が見えないんだけど、、」
さっきまではかろうじて半分は見えていたものの新たに出たことで完全に僕の視界は奪われた。そして、そのウィンドウに書いてあったのは
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UI ON 自分のステータス
進行度 0.4% 特に目立った特徴なし、本人はすべてにおいて
TR 0 平凡と思っているが、平凡より少し下ぐらい。
認知度 1 ただ機転が利く。
g3o 0 そして陰キャ。
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「誰が陰キャだ!!」
(普通ステータスはHPとかMPとかじゃないのかよ、、説明って、、僕平凡より少し下なのか、、)
(いろいろと突っ込みどころのあるウィンドウだな。まず、UIってあれだろ、ゲームとかのやつを消すか消さないかできるやつ。
で、ここからが問題だな、進行度って何の進行度だよ。0.4進んでるのも謎
TRは何の略?
認知度も何に対してのだ?
g3oは何?
TRは英語の略っていうのはわかるけどさ、、g3oも英語の略なのか?)
「ふぅすっきりした」
いっぱい突っ込みができて満足だ。
「とりあえずUIはオフにしてみよう、僕が思っている通りなら視界が戻るはず」
ピコン
「思った通りだったな、やっぱりあのUser Interfaceで間違いないな」
(UIって何の略か気になって調べてしまった、、)
予想通りにuiをオフにしてみるとさっきまでのテキストウィンドウがなくなった。これで視界がもどり、いったん日常生活に支障はなくなったんだが。
「原因は何だったんだろう」
気になり始めた。
今起きたことを携帯で調べようとすると、あるネットニュースが目に入った。
内容は男が火を操って被害を出しているというものだった。
ご丁寧に動画もつけて、、
「は、なんだこれ?どうせAIとかじゃないのか?」
そう疑いながらテレビをつける。
ニュースになってるか確かめるためだ。
「はっ、やっぱりデマか、今じゃ何もかも信じられないな」
とテレビを消そうとしたとき
「速報です、現在ーー県ーー市ーー町で男が火をもって暴れています」
「え?嘘だろ?」
嘘と思って再度テレビのほうに目を向ける。そこには男が火をまとい町に放火する姿が映っていた。しかも生放送で。
男がどこからともなく火の玉をだし、駆け付けた警官たちに向けてはなっている。
「こんなの現実にあるのか?」
その情景を見て彼は怖がっているわけでもなく、ただ興奮していた。
男がいくら火の玉を出しても彼には関係がなく、所詮他人事だったのだ。
しかし、火の玉を出すという超常現象は確約されたとき、自分自身に起きたことは紛れもない現実で幻覚ではないと気づいてしまったのだ。
「まじか、、じゃぁ僕の視界に映ってたあれは、もしかしたら、、」
ドーン、、、
轟音が響き渡る
かなり近い、家全体が揺れるほどの余波が来るほどだった。
さっきまでの興奮を冷め、あることを思い出す。
「この音は、、」
夢だ。夢で起きた音が聞こえたのだ。
それに気づいた瞬間家を飛び出していた。
(気のせいであってくれ)
そう願いながら走った。
そして、学校についたときに願いは打ち砕かれた。
「嘘だろ」
学校があった場所には瓦礫しかなく、嫌な臭いが鼻につく。
そこかしこに赤黒い肉片が飛び散っていた。
「えっ?、、は?、、」
ここに来た時には予想はついていた。でも、頭の中では疑っていたのだろう。
彼は見つけてしまった。全身が焼かれ、なぜ認識できたのかわからないほどにぐちゃぐちゃになった彼の幼馴染だったものを。
「あぁぁぁぁ」
声にならない声がでる。彼女、ユキはすでに死んでいる。誰から見ても明白だった。しかし、彼の中ではまだ彼女は生きている。
「おい、どうなってるんだよ。起きろって、いつも僕に言ってるじゃないか」
ピコン
ユキ:世話焼きで数少ない友人の一人、すでに死んでいる。
「なんだよこれ、、」
ピコンという音と同時にでてきたテキストウィンドウ、そこに書かれている言葉が容赦なく告げた。
「知ってるよ、わざわざ出さなくても」
彼からふつふつと怒りがわいて出る。そんな中新たにウィンドウが映し出された。
ロードしますか?
その一言。
彼は迷いもなくそれに同意した。




