表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

見張りでの悲劇

それから、これからどうするか、話し合いをしたが、いや、しようとした。

しかし、私が案を言っていると、クロウが寝て、逆にクロウが案を言うと、私が寝るという、話し合いにならない状態だったので、とりあえず寝ようぜ、ということになった。


クロウが、見張りをつけた方がいいと言ったので、交代制で見張りをすることになった。

最初は私が見張る番ので、クロウは寝ている。私も寝かせろやこんにゃろう。

あくびをしながら、人間だった頃を思い出す。今日は、色々と忙しくて思い出す機会なかったからね。


まず、私は人間だった、これは確実だと思う。そして、女だった、なんかそんな感じがする。男ではなかったと思う。いや、心のみ乙女だったとか?

…うん、ないな。

自分でいうのもアレだが、自分が乙女だとは思えない。かも。

いやさ、自分よりでかい鳥を背負って駆け回るような奴だぜ?そっから、そいつを川にどぼんしようとするやつだぜ?

こんな奴が乙女なら、女性全員乙女だわ。

…悲しくなってきた。


もう考えるのも面倒くさくなった。

「はぁ…」

ため息をついて、クロウを見る。…幸せそうに寝やがって。

クロウを見るのも飽きて、空を見上げる。

「…!!」


そこには、白い翼を持った純白の馬が空を駆けていた。

その馬に、私は目を奪われた。

その馬は、こっちを見た。

あ、まずい。襲ってきたらどうしよう。私戦えないんだけど!?

いや待て待て待て!こっちを見てるだけかもしれない。

…と、思っていた時期が私にもありました。

あの馬、どんどん近づいてきてない!?


眠気を忘れ、内心焦りながらクロウを叩き起こす。…必要はなかった。

「…どうどう、落ち着け、な?」

と、何故か既に起きていたクロウに撫でられる。

私は、ぶんぶん、と音がなりそうなくらい頷く。どうやら、寝起きのクロウにわかるくらい私は焦っているようだ。いや、クロウ

そんなこと考えてる場合じゃないわ。


「あの子、平気?」

と言いながら、私は馬の方へ手を向ける。

「襲ってはこのないんじゃないか?」

若干笑いを堪えながら言うクロウ。何笑ってんだこいつ。

笑ってる場合じゃないでしょっ!?

馬が、馬がもう近い!!だめだ、これダメなやつだ。


笑ってるクロウの方を見る。…こいつ戦えるの?いや、戦う気なさそう。

逃げそうもないし…。

おし、逃げるか、一人で。

思い立ったら即行動。後ろを向き、走り出す。

「あっ、おい!」

グッバイクロウ。君のことは忘れないよ…。

そう思った瞬間。

「ぐえっ」

誰かの下敷きにされちまったぜ…。

おぉ、神よ…。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ