閑話:クラウスの悩み①
夜。
クラウスはベッドへ寝転がったまま、小さくため息を吐いた。
眠れない。
原因は分かっていた。
昼間の出来事が、頭から離れない。
「……はぁ」
目を閉じる。
だが余計に駄目だった。
思い出してしまう。
濡れた髪。
水滴。
薄い下着越しに浮かぶ身体のライン。
そして。
こちらを不思議そうに見上げてきた、あの顔。
「……っ」
クラウスは片手で顔を覆った。
「何考えてんだ俺……」
相手はリオだ。
元は男。
それは分かっている。
分かっているはずなのに。
今日の姿は、完全に女だった。
しかも――
無茶苦茶可愛かった。
前から、綺麗になったとは思っていた。
女になってから、顔立ちも雰囲気も変わった。
だが今日の姿は違う。
あれはもう、自分が思い描いていた“理想の女の子”そのものだった。
「……駄目だろこれ」
小さく呟き、深くため息を吐く。
頭がおかしくなったのかもしれない。
相手はリオだ。
一緒に迷宮へ潜って。
馬鹿やって。
酒飲んで。
死にかけて。
そういう相手だったはずなのに。
なのに今日、一瞬。
普通に見惚れた。
しかも、かなり本気で。
「……いやいやいや」
クラウスは慌てて頭を振る。
落ち着け。
そういうんじゃない。
ただ見た目が変わっただけだ。
中身はリオだ。
そう。
分かっている。
分かっているのに。
「……可愛かったんだよなぁ……」
思わず漏れた本音に、自分で頭を抱えた。
そのままクラウスはベッドへ倒れ込む。
顔が熱い。
原因は分かっている。
分かっているからこそ認めたくない。
「何考えてんだよ俺……」
夜はまだ長そうだった。
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7:10 投稿ですが、投稿時間を間違えたわけではないです。閑話は半日ずらして投稿 !(^^)!
今後もクラウス君は閑話で登場予定。リオちゃんへの感情に悩み続けてもらう予定です(笑)




