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一行詩集《仮初め》
薄く、小さなものをかぶって。
はらはらと青葉に踊る幻影
誰のためでもない犠牲
再び凍てつく海と、それから
頬を撫でる手が血塗れでも笑えるの
男の子を犬だと言った彼
目には目を、銃には銃を?
死ねと言った癖に哀悼だって
綺麗事に飽きてしまったの、ね?
可哀想と言いながら何も聞いていないのよ
魔法なんてない、みんな代償があるわ
見えないものは存在しない、だなんて
麗しき石油王は定めに気づいたかしら
荒野の民はその魂を置き去りにした
日が昇り沈むこと、電灯では忘れてしまうのね
あてのない旅になるけれど、絶望ではないわ
くるくると回る小さな虫
生きていけるといいわね
だいぶスランプ。