前へ目次 次へ 68/130 哀傷 足音を失った 美しい影 君の爪先から 光が散って 静けさの内の 祈りを乞う 朝陽も夕陽も ただあるだけの孤独 なのにどうにも 独りにはなれないね 花が咲くように 子供たちが駆け回る 白い骨の街だけど 君たちは自由だ まだ 甘い消耗が 呼んだ胡蝶 戯れの恋が 尾を引いて 月の皓さに 霞んでゆく あなたも、と呼びかけて 風船を飛ばしていく 感傷の水面を渡りながら 誰かの波紋を振り返る 浮き上がる想い出に 薄れた面差し とうとう、 死んでしまったみたいだ 霧の中に消えて