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正義はだいたい行方不明
あなたの隣にいた詩は
微笑んでいたのだろうか
それとも
涙ぐんでいたのだろうか
わからない
わからないことだらけだ
あなたを引き上げた詩は
一方で叩き落とすらしい
自意識の底へ
絶望を知ったあなたは
可愛らしさを脱ぎ捨てて
ずっと美しくなった
その瞳を見ようと思うほどに
形見分けを君は拒むだろうから
可憐なメロディーを口ずさむ
そうさ
それが詩だ
手が届かないことを知ったその先
虹の足をつかまえにゆく
シャボン玉でもいい
果てなき世界の切れっぱし
小声で叫ぶんだ
君のことを