36話 黒き咆哮
翌朝。
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赫月の盟約。
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ギルド内の空気は重かった。
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ざわめき。
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不安。
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冒険者達も異常を感じ始めている。
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ヴェルクが資料を机に置く。
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ヴェルク「正式依頼です」
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トール達を見る。
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ヴェルク「中層奥に向かった採取パーティ二組」
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ヴェルク「現在、連絡が途絶えています」
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リシア「中層奥か……」
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深層寄り。
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危険地帯。
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ヴェルク「目的は二つ」
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指を立てる。
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ヴェルク「生存者確認」
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次。
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ヴェルク「異常化原因の調査」
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トール「赤黒結晶」
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ヴェルクが頷く。
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その時。
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カツン。
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杖の音。
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ローグ。
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ローグ「無理はするな」
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短く。
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リシア「珍しくまともだな」
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ローグ「死なれると困るからのう」
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軽く笑う。
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だが。
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目は真剣だった。
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ローグ「特に深層側には近づきすぎるな」
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トールは頷く。
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ヴァルグリム深林——中層奥。
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空気が違う。
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重い。
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静かすぎる。
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ナイトが前を歩く。
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影。
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風。
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周囲を探る。
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メタは長剣を背負っている。
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リシア「……嫌な感じだ」
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トールも同感だった。
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気配が少ない。
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森が死んでいるようだった。
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その時。
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ナイトが止まる。
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低く唸る。
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トール「いたか」
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木陰。
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倒れている冒険者。
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まだ生きている。
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リシアが駆け寄る。
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リシア「おい!」
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男が震えながら顔を上げる。
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冒険者「逃げろ……!」
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目が怯えている。
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冒険者「赤黒い……ブラックハウルだ……!」
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その瞬間。
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森が揺れた。
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“グルルル……”
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低い唸り声。
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木々の奥。
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現れる。
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巨大な狼。
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ブラックハウル。
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だが。
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普通ではない。
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毛並み。
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赤黒い。
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全身に赤黒い脈動が走っている。
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瞳。
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濁った赤。
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殺意だけがある。
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リシア「……異常化個体」
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ブラックハウルが地面を蹴る。
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速い。
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ブラックハウル本来の速度。
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さらに凶暴化。
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トール「ナイト!」
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影。
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風。
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ナイトが加速。
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正面ではなく横へ。
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流れを逸らす。
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ブラックハウルが視線を向ける。
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その瞬間。
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メタ。
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長剣を抜く。
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踏み込む。
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斬撃。
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だが。
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ブラックハウルが避ける。
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速い。
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次。
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背後。
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リシア「後ろ!」
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トールが反応。
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影粘域。
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地面から影が伸びる。
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拘束。
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一瞬。
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止まる。
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その隙。
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ナイト。
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風を纏う。
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牙。
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噛みつく。
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ブラックハウルが体勢を崩す。
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メタ。
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今度は長剣ではない。
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収納。
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大剣。
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重い一撃。
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叩き込む。
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ブラックハウルが吹き飛ぶ。
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地面を滑る。
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だが。
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立つ。
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咆哮。
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森が震える。
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赤黒い脈動が強くなる。
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トール「……来る!」
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次の瞬間。
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ブラックハウルが消える。
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速い。
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今までで一番。
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だが。
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ナイトが反応する。
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風。
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影。
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同時。
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ブラックハウルの動きを読む。
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トール「リシア!」
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リシアが駆ける。
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剣。
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メタも動く。
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左右。
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挟撃。
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ブラックハウルが避ける。
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だが。
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その先。
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影粘域。
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拘束。
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完全には止まらない。
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だが十分。
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リシア。
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斬撃。
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メタ。
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大剣。
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同時。
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赤黒い脈動部分へ叩き込む。
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“ギィン!”
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硬い。
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だが。
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砕けた。
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赤黒い結晶。
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ブラックハウルが絶叫する。
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暴走。
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だが。
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ナイトが飛び込む。
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風操作。
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加速。
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喉元へ。
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牙。
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食い破る。
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血が舞う。
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ブラックハウルが崩れ落ちる。
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静寂。
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全員が息を吐く。
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リシア「……はぁ」
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トールがブラックハウルを見る。
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赤黒い結晶。
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昨日より大きい。
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だが。
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その体。
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素材としては極上だった。
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リシア「これ……」
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メタがブラックハウルの毛並みに触れる。
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赤黒い毛。
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強い魔力。
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トール「武器に使えるな」
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リシアが目を向ける。
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トール「リシアとメタの分」
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メタが少し揺れる。
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嬉しそうだった。
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リシアが笑う。
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リシア「いいな、それ」
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トールはブラックハウルを見る。
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異常。
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危険。
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だが。
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確実に強くなっている。
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森の奥。
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まだ何かいる。
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その気配を感じながら。
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トール達は赫月の盟約へ戻り始めた。




