第5話 世界の加護
「オラン地区はどんなところなんだ?」
「オラン地区は風の精霊・ヴァンがいた場所です」
「いた場所です。って今はいないの?」
「その可能性はあると思います」
「どういうことだ?」
「本来であれば、あなた方6人の魂と私だけが、特異としてこの世界にいなければいけないです。それぐらいであれば、大して歴史に変化はありません。しかし、魔物の介入がいつからあったのか?」
アグライアが心配していることは、魔物がいつから存在していたのかということだ。
魔物が作る影響はかなり大きい。アグライアがこの世界に戻ってきた時も、魔物の手によって滅んだ村があった。人や街が死んでしまえば、人の流れは変わってしまう。出逢うべき存在が変わってしまうことで、世界は変わる。
本来なら、戻ってきた20年から歴史が少しずつ変わっていく予定であったが、今は既に大きく変わっているに違いないと睨んでいた。
「歴史に変化があるからそう思うのね」
「そういうことです。そうであって欲しくはないのですが...」
「オラン地区まではどのくらいかかるんだ?」
「オラン地区に入るぐらいなら半日で着きます」
「半日か…遠いなぁ」
「一先ずオラン地区に到着してから、そのあとの事を考えましょうか」
シエルとルミエールは歩き続けてオラン地区へと到着する。
※※※※※※
〜イウロ領・オラン地区〜
ここオラン地区はイウロ領の西端に位置するランス領の隣りにある。
東北にはイツベル地区があり東南にはイーリア地区がある。
「オラン地区に入りましたが、街を見つけなければいけません。この先に大きな街があったはずです」
アグライアの案内に従うようにシエルたちは歩き続けた。陽が落ちた頃に大きな街が見えてきた。
「暗くなってきたな」
「とりあえず、休める場所を探しましょうか?」
〜オラン地区・ブリッサ街〜
ブリッサ街はオラン地区で一番大きな街。
街には綺麗なチューリップが咲き、風車が回っている。シエルとルミエールは見た事は無い建物や花に目を輝かせていた。
宿を見つけて中に入るとお金というものが必要だということを知った。
一文無し生活をしていたシエルとルミエールは、お金という存在を知らなかった。
「どうすんだよ? 外で寝ろって言うのかよ」
「知らないわよ! お金? それが何なのか知らないし」
「2年も過ごしましたが、本当に何も知らないのですね」
どうすることも出来ず途方に暮れていた時に、夜道をぶらついていた老人に声をかけられた。
「もし? そこの御仁」
「...ん? 俺たちのことか?」
「こんな時間までウロウロしておられるのはお困りかね」
「あの...私たち休める場所を探してるんですが、その...お金?みたいなものを持ってないんです」
「なんと!?まだ若いのに浮浪者か。ならワシのところに来るといい」
シエルとルミエールは浮浪者と間違われているようだが、強ち間違いでもない。とくかく甘えさせてもらうことにした。
「ベッドふかふかー!」
ルミエールはベッドに飛び込んだ。ふかふかのベッドに顔を埋めて、疲れを吹き飛ばそうといている。休息を取っていた時にシエルはふと疑問に思った事を聞いた。
「ライアってどんな旅してたんだ?」
「あっ!それ私も聞きたいわ!」
「旅ですか?あまり時間はなかったので、それほど訪れた場所は多くありませんよ」
アグライアたちが訪れた地は10領地だった。
イウロ領、ソシロア領、トウア領、フリア領、イスイ地区、ブリテン連邦、ノエル領、コル領、ジビアラ領、ガンディア領。
「どうして10個だけだったの?」
「精霊が統括してる領地は、訪れる必要がありました。次いでに隣領地を訪ねただけです」
「精霊が統括してる領地って?」
「イウロ領、ソシロア領、トウア領、フリア領です」
「精霊が統括してる領地が変わってることはないのか?」
「それは大丈夫です。私が指定した領地を統括してるのは間違いありません」
「他に領地はあるのか?」
「ありますよ」
この世界は、6つの大陸に分けられている。
①ユーラ大陸
地球上で1番大きな大陸で多くの領地が連なっている。
イウロ領、ソシロア領、トウア領、イスイ地区、ブリテン連邦、ノエル領、コル領、ジビアラ領、シン領、極東領がある。
②フリア大陸
ユーラ大陸と陸続きになっており、地球上で1番大きな領地である。
フリア領がある。
③コンゴ大陸
ユーラ大陸の西側にあり、ワナ大陸と繋がり北側に位置する大陸。
合衆国、カナン領、スノーランド領がある。
④ワナ大陸
ユーラ大陸の西側にありゴンゴ大陸と繋がり南側に位置する大陸。
第1領、第2領、第3領、第4領がある。
⑤オセア大陸
地球上で1番大きな島とされている。
ジーランド領がある。
⑥南極大陸
日の当たらない大陸で極寒の地とされ、誰も住んでいない大陸。
ツンドラ領ある。
「世界ってそんなに広いのね」
「今回は行くのか?」
「そうですね...この星は文化が違えば、学ぶことも多いです。出来る限りは訪れて、力をつけましょう!それに、英傑たちもどこにいるかわかりませんから」
前回は運良く、引き継がれた魂を持っていた人物が近くにいたから探す手間が省けたようだ。
「近くにいるといいんだけどなぁ...」
「そうですね。明日は聞き込みをしましょう!今は正しい情報が欲しいです」
「わかったわ!」
「では、また明日に!今日はゆっくり休んで下さい」
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