第89話⬜リーム王国紛争
「もう降参した方がいいですよ。死んじゃいますよ」
「何言ってる戦いはこれからだ!総力戦で勝負だ!」
「今負けたでしょ」
「そうです第一王子 もう終わりにしましょう!」
「やかましい!!」
ほんとおバカな王子様。どうするか。俺一人で行っても勝てるけど向こうに死人が出てしまうな。
「ルーナ様どうしたでありますか!」
「んー実は今この国の第一王子に喧嘩を売られてね。決闘して勝ったんだけど。まだやるって言うんだよ」
「すると総力戦でありますね!」
「そう言ってたね」
「でしたらミルキーウェイ家も総力を用意したらいかがでありますか?」
「いやーさすがに浮遊要塞とか姉さんたちを連れてきたらこの国皆殺しになっちゃいます」
「それではルーナ様の手持ちの軍勢で対応するでありますか!」
「元々私の喧嘩だし それしかないわね。うーん。面倒だな」
「そうでありますか。私エローラ技術主任はこういうこともあろうかと準備をして来たであります」
「え?」
これまでコソコソとやっていたのは軍備を増強していたということだ。一体何を考えてるんだこいつは!
待てよ。こいつの喋り方は軍人の喋り方なのか?
「エローラさん。つかぬことをお尋ねしますが君の元の世界での役職は何というのですか」
「はっ!東部方面軍機械化遊撃師団技術大将エローラであります!」
「そうでしたかー」
こいつ怖がりのくせにバリバリの軍人だったんじゃねえか。しかも大将なんて言ったら軍のトップじゃないか。
「それじゃあ大将閣下!明日の朝6時までに用意した部隊をこの浮遊島周辺に集結させてください」
「はっ!了解したであります!」
どんだけ用意してくるんだか。俺の方も手持ちのゴーレ厶を連れてこないといけないな。
そうだ!これだけ成長したんだから 天使ちゃんも形が変わるに違いない!
早速試してみよう。前は服装で失敗したからな。今度はパンツ丸出しにならないように気をつけねば。
えっとエローラが作ってくれた服の中から白い服を選ぼう。戦いに行くからスカートは膝あたりがいいかな。服の上から白い鎧を着る。腕と足 胴体については鎧で包む。頭は天使の羽の付いた兜をかぶる。オリハルコンの剣を腰に下げて出来上がりだ。
「合体!」
きっと今 形が変わっているはずだ。もう少し待って よしいいだろう。立ち上がる。
中からだとわからないな。1回外に出て確かめてみよう。
「分離!」
おおーーなかなか かっこよくなったな。前は本当に天使って感じだったが今回はちょっとお姉さんになった感じだ。神話のヴァルキリーみたいだ。
羽も多くなっていた。ちゃんと剣も腰に下がっているし文句ありません!
えーと手持ちのゴーレムは5メルト級ゴーレムが100機 空を飛べる天使ゴーレムが200機 黒ゴーレムが300機 これぐらいしかないな。あとは エローラに期待するか。
次の日 午前6時
浮遊島近くには超巨大戦艦が浮遊していた。500メルトの巨大戦艦だ。大砲がいっぱいついている。ミルキーウェー号の5倍はある。こんなもの作ってたのか。どおりで顔見せないわけだ。あいつは世界を征服する気なのか!
あれ?後ろにまだなんか浮いてる。ゴーレムがたくさん載ってる。なんだ?ゴーレム空母か?300メルトの平らなゴーレム空母が2隻 戦艦の後ろに浮いていた。
「エローラさんすごいの作りましたね」
「はっ!少々手間取りましたが形を整えたであります!これもルーナ様の技術があっての物であります!」
「それであの後ろのゴーレム空母はどれぐらいゴーレムが乗ってるの」
「はっ!5メルト級ゴーレムが300機ずつ計600機であります」
「それ飛べるんですか」
「問題なく飛べるであります!」
「ご苦労様でした さすが大将閣下ですね」
頭をなでなでしてあげた。
「こ、光栄であります!むふふん!」
「それでは先手必勝です!王都に向かい全軍出撃します!」
「はっ!了解しました!全軍出撃!」
リーム王国王都
「大変です王様!王都の西10キロメルトに空中に浮かぶ巨大な3隻の船と無数のゴーレムが迫ってきています」
「何という事だ!あれほど刺激するなと言ったのに!」
「王子は今朝早く第1第2騎士団を連れて出てしまいましたので・・・」
「愚かな奴、いやあやつを止められなかった わしが一番愚かじゃ!わしも出る馬を用意してくれ」
「分かりました」
王都の西の平原に止まり相手の軍と向かい合った。相手は騎馬300騎
歩兵1000名 ゴーレム20機だった。
「エローラ 戦艦の主砲を空中に向けて撃ってください。威嚇射撃です!」
「了解しました!主砲発射!」
バシューーーン!パシュパシュパシュパシューーン!ドガガガガガガガン
「向かってくるなら全て殺します。降伏するなら命は助けます。降伏するなら武器をしてその場に座りなさい!」
「こんなの勝てるわけねえじゃねえか!」
「無理だ!」
「降伏だ!」
ガシャガシャ ガシャガシャ
みんな武器をしてその場に座った。馬に乗ってるものは馬から降りで座った。
「お前ら恥ずかしくないのかーくそう!」
王子が一騎で突進してくるので天使ちゃんゴーレムで捕まえた。空中に放り投げてやる。受け止める。
「くそう!放せー!」
空中に放り投げる。受け止める。
「ウガー!」
空中に放り投げる。受け止める。
「・・・・・・」
やっと静かになった。さてどうするかな。あれ誰か馬で近づいてくる。
「お待ちください!ルーナ様!」
「だあれ?」
「この国の王です」
「ああ・・・・」
この後王様との話し合いになった。 ジャック・トンプソンさんも加わりエローラを含めて4人で話しあった。
王国側の全面降伏ということで決着がついた。王子については幽閉して再教育してもらうことにした。
しかし死者は出ていないものの両軍が向かい合って戦争状態になったということで賠償してもらうことになった。これを言い出したのはエローラだ。
リーム王国の西側のドレーヌ帝国との国境から50キロメルト四方の土地をもらうことにした。
了承したのはこの地域は鉱石がたくさん取れるからだ。それと同時に俺の留学はこれで終了ということになった。
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