第40話⬜インナーと新女王
勝ったけど腹に穴を開けられるとは思わなかった。これはちょっと考えないといかんな。普通ならトラウマレベルだよな。二度と剣なんか握る気にはならんと思う。
こんな小さい体でいつも鎧を着てるというのもなあ。鎖帷子かなんかつけるか?うーんそれもなあ。
普段はほとんど いらないんだよな。たまにああいうことが起こるから困るんだよ。うーん。どうしよう。
だめだ全然いい考えが浮かばん。お菓子でも食べよう。
「何だ?おやつの時間かルーナ。難しい顔してるじゃねえの?悩み事なら あたいが教えてやるよ」
「何か身を守る軽くて丈夫な物はないかなと思って」
「なんだ簡単だぜ。気合いだよ気合い!これに勝るものなし!」
だめだ聞く相手を間違えた。ユノねえさんなら もっと冷静だし いい答えを持ってるんじゃないかな。
「身を守る いい道具? そんなの簡単よ。愛よ愛!この体を盾にすればコメットねえさんを守れるわ!」
やっぱりダメだった!この人達に聞いても答えは出ない!
ソレイユねえさんは、2人よりもっと極端な気もするし・・・どうしようかな。
「どうしたのルーナ〜。身を守るいい道具?簡単よ〜。私には硬い鱗があるもの〜」
そうだよな。ほとんど無敵状態だよな。でも俺の体には鱗なんてないしな。
「もっと軽くて丈夫な物?あるわよ〜デビルスパイダーの糸なんかいいんじゃない。あれで縫った服だったら早々は破れないわね〜」
「そんな物があるでしゅか!」
「でもね〜炎に弱いの〜火がついたらすぐ燃えちゃうわ〜」
「そうでしゅか」
軽くて丈夫な繊維か。そういう手もあるな。う〜ん。でも火がつかなきゃ丈夫なんだよな。そこまでは使えるな。ならその糸を燃えないようにすればいいんじゃないの。
「ソレイユねえさんデビルスパイダーの糸は手に入りましゅか?依頼したいでしゅ」
「いいわよ〜格安で取ってきてあげるわ〜」
その後ソレイユねえさんはすぐに糸を手に入れてきてくれた。なんて早いんだ!ルーナもうびっくり。姉妹でもちゃんとお金を払ったよ。
さて本当に丈夫な糸だろうが これ本当に燃えやすいの?ちょっと切って確かめてみよう。あれ?なかなか切れない。さすが丈夫な糸。
ほんの少し糸を切り取って火をつけてみたら燃える燃えるよく燃える。
何かと合成したら燃えなくなるかな。さて何がいいか。俺はそれらしいものと糸を合成させてみた。で、燃えるかどうかを確かめたがミスリルとガラスが一番燃えにくかった。
どっちが安いかといえばガラスの方が全然安くできる。強度はといえばミスリルの方がちょっと上かな。
普段着はガラスで作っておこう。ここぞという時ミスリルを使おう。こうして俺は自分専用の合成インナーを作った。
ねえさんたちは必要かな? ソレイユねえさんはいらないかな。他の2人は気合だ愛だと言ってるぐらいだからやっぱりあった方がいいんじゃないかな。
聞いてみたら3人ともいらないそうだ。ソレイユねえさんは鱗があるから。コメットねえさんとユノねえさんは最悪何かあったら体を分離するそうだ。
よし!これでもう体に穴が開くことはないぞ。首切られたら終わりだけどね。
「母じゃ!助けておくれ」
「どうしたの?」
「魔の森で仲間が木の魔物に襲われているのじゃ。助けてやってほしい!」
「分かったけど、どっちの方なの?」
「南西方向ね。行ってくる」
妖精女王の能力なのか?仲間が襲われていることがわかるんだ。とにかく急がなきゃ。
エアーバイクに乗って南西の方向を目指して飛んでみた。魔の森に入って少し飛んだところで森が動くのが見えた。
「ここかな?」
「ダメです。もう防ぎきれません!早く逃げてください!」
「木の魔物が多すぎます。村を捨てましょう!」
「やっとここまで育ったのに!くっ」
とりあえずトレントどもを倒してしまおう。あれ普通のトレントよりでっかいのがいる。上位種ってやつかな?
ミスリルの剣に魔力を通す。風魔法で相手を切り刻む。切り刻む。切り刻む。
後はでかい奴だけ!木のムチが飛んで来る。剣で防いでいると今度はついてきた。当たらないよそんな攻撃。全部剣で薙ぎ払ってやった。森であんまり火は使いたくないが火炎で焼き払う。トレントは全滅した。
「ルーナは妖精女王に頼まれて来た。安心してくだしゃい」
「しっかりして死なないで!しっかりー!」
「私の友達が死んじゃったよー」
「うわーん!」
「大丈夫でしゅ 妖精女王の雫があるです」
倒れている者全員に妖精女王の雫をかけてあげた。すると怪我している者は治り死んでる者は生き返った。
「よかったわ」
「ありがとう!」
「よかったよー!」
「これからどうするですか?」
「ここにいたらまた襲われると思います。だから別のところを探さなきゃいけないんですけど・・・もう行くところはないです」
こんなこと前にもあったな。うーん。やっぱり家に連れて行くしかないか。見殺しはかわいそうだもんね。
「じゃあ家に来ないでしゅか?竜人族の村でしゅけど、みんなには見つからないようにできましゅよ」
妖精女王の雫がみんなを安心させたのか村に来ることに同意してくれた。
「でもこれを持って行かないと!せっかく ここまで育ったんです。持って行きたいんですが私たちではもう動かせません」
あー、見たことある。絡まった木の根のようなものがあって、そこに繭がある。
「これ女王の繭?」
「そうです。よく分かりますね」
「家の妖精の村にもあったから」
ふふふ ルーナはバカではない。同じ手に何度も引っかかるか。これに魔力を与えると私にそっくりなのが生まれてしまう。
「分かったでしゅ」
拡張空間を作り その中にそっと繭を入れてあげた.もちろん細心の注意を払って魔力が漏れないように注意した。
家に帰ってきて妖精女王にみんなを紹介した。全部で45人だ。拡張空間を作って別の木に丸扉をセットしてやった。中身は前回同様広くして山1個分ぐらいはある。
後はこの妖精女王の繭だ。これを空間の中へ持っていけば終わりだ。あれ?手伝ってくれるの?妖精女王が繭に手を添えてくれている。一緒に拡張空間の中に運んで置いてきた。
ふぅーこれでいいかな。妖精の村が2つになるとはなあ。分からないもんだ。
何日か後
「母上お会いしたかったです。タイターニアです。よろしくお願いします」
何?タイターニア?新しく生まれた女王だよね。なんで?目の前にはピンクの髪の可愛い少女が立っていた。ティターニアよりは年下に見える。やっぱり自分にそっくりだ。なんで?魔力をあげなかったはずだけど。
「なんで?あなたにはルーナ魔力をあげなかったはずでしゅ。どうして そっくりなの?」
「愛をもらいましたから ポッ」
何それ、もう防ぎようがないじゃん!
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