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超現実拡張妄想変換装置(仮)改弐  作者: 西ノ圭吾
第1章 この世界
4/5

魔術師

朝、起きるととりあえず自分の身体と回りを確かめた。


「帰れてない…か」


6畳程度の部屋にベットとタンスが一つ。

ジェスさんが昔使っていたという部屋に俺は泊まっていた。


入った時は倉庫のようになっていたが片付けてそのまま飯も食べずに寝てしまった。


色々ありすぎてまいってしまったようだ。

しかし、しばらくはこの世界?で生きて行かなくてはならない。

夢でない以上、覚悟を決めなければ


「よし!…」


とりあえずはヤンさんのところへ行こう。

とりあえず学生服ではダメだろうから着る物がないか見るとタンス内に服があったのでそれを着た。

ゴワゴワした素材で重みがあるが、かなり丈夫そうな感じだった。


部屋は2階の1室だったので降りて受付のようなところに行くとヤンさんがいた。


「起きたか、ジェスの昔の服だが似合ってるじゃないか。うちは宿屋兼夜だけ居酒屋だ。忙しいのは主に夜だが、今日は朝から宿屋の方の手伝いをしてもらおう。と言っても特にないんだがな」


と笑いながら言いつつ、やる事を説明してくれた。


宿屋の仕事は受け付けと部屋の片付けで昼位までは特段仕事はない。


受付はヤンさんがやるし、片付けも出て行く人がいなけば仕事がない。

ヤンさんの宿屋は冒険者相手の安宿で中長期滞在も多く部屋数は少ないのであまり頻繁な入れ替わりはないみたいだった。


現在も4組程の冒険者がいるがそのうち2組は出て外で仕事のようだ。

4、5日帰ってこないこともザラだが、部屋には途中で決して入ったりしてはいけない。

冒険者は宿屋を倉庫代わりにしていることもあり色々な物があるからだ。


「今日出て行く奴らはいねぇし、新規も大抵昼以降だ。居酒屋は夕方からだし、まぁ今は掃除くらいか」


ということで、廊下などの掃除を始めた。

魔法で掃除も出来るとのことだったが使えないので力仕事である。


「まぁ俺もいつも魔法でやってんだが、完全じゃないしな、お前は体力作りがてら体でやってみな(笑)そんなひ弱じゃこの先大変だぞ」


さらりとヤンさんが魔法を使えること言っていたが、ヤンさんはどうみてもファイターな気がする。

ジェスさんも身体強化の魔法はみたいなこと言ってたし案外誰でも使えるのかな?


「クラインに会いに行くんだろ?あいつは魔術師だからな。まぁあいつにでも聞いてみろ。俺が教えるより丁寧だ。俺は魔術師じゃないしな。しばらくしたらジェスが来るからジェスと行ってこい」


魔法についてはあまりヤンさんも知らないのかめんどくさいのかすぐには教えてくれなかった。


とりあえず肉体労働で掃除を始めて昼になる前くらいにジェスが来た。


「よっ!元気になったかな?えっとクオ…カ…」

「カイです…」

「あっそうそうカイ君♪あっそれ俺の子供の時の服じゃん懐かしいね」


子供服かよ!


「あっ使わせて貰ってます」

「ヤンさんに話はしてるからお昼食べたらクラインのとこ行こうか。」


「そんな急に行って大丈夫なんですか?」

「あぁ店は趣味だからいんだよ(笑)古書屋なんて文字読める魔術師位しか行かないし。」


この世界の識字率は低いのかジェスさんの思い込みなのか。

まぁ行けるなら色々行きたいしお願いしよう。


「そうなんですか。わかりました。掃除ももうすぐひと段落するので…食堂に後で迎えばいいですかね?」


掃除中に宿屋の配置は粗方わかっていたのでお昼ということもあり食堂で待ち合わせをすることにした。


「そうだね、昼は俺が作るよ。」

「意外そうな顔すんな、俺も昔からここで働いてるし、今でも飯作ってるんだぞ」

意外だったがジェスさんは料理が出来る見たいだった。

まぁ冒険者なら野宿もあるし今もヤンさんの店で働いているのだし普通といえば普通か。


「有難うございます。それではまた後で行きますね」


掃除をひとしきり終えるとかなりの疲労が溜まった。

家で柾と暮らしている時もほとんど家政夫状態だったので掃除は嫌ではないがさすがに一軒家と違って宿屋は広すぎる。


早く魔法が使いたいと思った。


掃除も終わり、食堂に行くといい匂いがした。


「おっきたか。もうできるからなー」


美味しいな匂いだが、異世界?の料理か。

何の肉か気になるが聞いていいものか


「いい匂いですね。どんな料理なんです?」

「今日は昨日の狩の肉だよーホーンラビットとかの」


うわっ


まぁーモンスターでもそら喰えるんだろうが、食う前に聞くんじゃなかった。


最初に襲ってきたあの角うさぎか、ちょっとまだ足が竦む。

今はそれが調理台で調理されてるのだわかっても、少し怖い。


その後運ばれて来た料理は、もちろんウサギの形ではなくどちらかといいと鳥のもも肉ステーキみたいな感じで味も美味かった。


「美味しいですね」


「でしょ?伊達にこの店で働いてないよ。意外と流行ってんだから」


前に座りながらジェスさん笑う。

いやー強いし、料理も出来るしすごい人だな。


「まぁ君もこれくらい出来るように早くなってね、ここで働くんだから」


あぁそうだよなー、ここで働くなら食事処もやらないとだなーウェイターやりながら少しづつ厨房もか


しばらくはこの世界で生きていくすべを身につけないと


「今日はとりあえずこの後、クラインのとこ行こか。ヤンさんも許可してもらったから」


「ありがとうございます。お願いします」


食後、ジェスさん案内で友人のクラインさんの店まで行った。

道中やはりもの珍しくてキョロキョロしてるとジェスに苦笑された。














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