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超現実拡張妄想変換装置(仮)改弐  作者: 西ノ圭吾
第1章 この世界
2/5

最初

「で、君はどうしたの?」


自らを救ってくれた中々のイケメン冒険者風兄ちゃんを前に俺は、考える

この問いにどう答えるべきか?


1 ゲームの世界の選択肢として考えれば、記憶喪失等を装い、安全な場所への誘導を期待する


万が一リアルだった場合でもこれは使える。


2 正直に言う


ゲームの世界ですかと尋ねるのも一興だ。

反応から見てNPCが喋っている風には見えないがゲームという単語に反応するかにより選択肢1に分岐出来るかもしれない


がおかしいと思われれば、この世界の事情が分からないが病院とかに連れてかれるかも


悩みどころだがとりあえずは、様子見が正解なのかもしれない。

よって選ぶのは・・・


「自分でもよく分からないです。気づいたらこの森にいました」


とりあえず1だ


その言葉に男は不思議そうな顔をした後に


「ふーん、まぁこのご時世色々不思議はあるだろうなー。俺はジェスって言うんだ。この近くの街で一応冒険者をやってる。君は?」


うーん、この答え方からしてとてもゲーム内のNPCには見えない。

やはり、これはリアルなのか?


柾は最後に失敗で数値がおかしいとか言ってたし、まじで変な異世界に来たのか?


しかし、漫画とかでありがちな異世界に来たら特別な能力が与えられるというご都合が・・・俺に使える雰囲気は今のところない


先ほどモンスターから逃げる際にも、特別な身体のパワーも感じなかった


まさか何の能力もなしに異世界に来たのかも


えっそれオワリじゃね?


普通の高校生が異世界で何の特殊能力も持たず生きていけるわけないじゃん!


これはもうこの人に寄生するしか生きすべが…

一応はいい人臭いし


てかこれが罠でも、もう詰みでしょ!


「ん?名前もわからない?」


ジェスと名乗る男は再度固まった俺に問いかけて来た


まずい!とりあえずは!


「あっあっすいません!自分の名前は久遠寺開と言います。本当なんでここにいるかも、ここがどこなのかも本当に分からないです。」


「記憶がない?記憶喪失ってこと?自分の名前は言えるのに?それにしても聞きなれない感じの名前だなー」


うっそうだよなー都合よすぎるよなー


「ふーん、まぁいいや。ここはセラの森という街の近くの森さ。とりあえず街まで行こうか?。俺あんまり頭良くないから、記憶喪失とか言われてもどうすればいいのか分からないんだよね」


おぉ、何か知らんが話は進んだぞ、街かー

人一杯いるのかなー


もしゲーム内としても俺が初プレイヤーだし、他に自分と同じようなプレイヤーはいないんだろうな


でも行かないと始まらないだろうし行くしかないか


「あっお願いします。本当何も分からなくて」


「あはは、そっか。そりゃさぞかし不安だったろうね。もう大丈夫だよ。街には俺の知り合いに色々不思議に詳しい人がいるから聞いてみたら?」


良かった。

あんまり色々質問されるとどうなるか分からないけど、とりあえずは連れて行ってもらって考えよう。


そうして俺はジェスの後をビクビク着いて行きながらジェスの住むという街に向かった。


約2時間という現代であれば中々の距離を歩くと俺は緊張もあってかヘトヘトになっていた。

見慣れぬ場所それもモンスターが出てくる場所とは本当に落ち着かない。


道すがらモンスターも何匹か出たが、ジェスにとっては狩も兼ねてるのか嬉しそうに倒していた。


2時間の道程で一応話を聞きジェスが分かる範囲で答えてくれたのだが、やはり異世界というに相応しい設定?だった。


まず、この世界自体には特に名前等はない?みたいだった

地球という単語を出したのだが、


「ん?何それ」


みたいな反応で、世界全体的なものだと言うと


「世界は世界でしょ、変なこと聞くね」


という感じだ。

これは多分日本という国について聞いても駄目だろうな。


次に、この世界の国についてだ。

冒険者というからには色々知っていておかしくないんだろうが


「国?一杯あるよ。」


という中途半端な回答だった。

ん、まぁ聞き方も悪いんだろうが、このジェスという人はいい人なんだろうが適当なところがありそうだ。


街で詳しい人に聞いた方が正確だろう。

後は今の街に住んでいると言ったが、拠点なのかそれとも他に行く予定なのかを聞いたが


「ん?まぁ今は、そこに住んでるけど…ね」


と、ちょっと言葉を濁した感じ顔にも陰りがでて、快活そうなジェスの聞いてはいけない部分に触れたような気もした。


これがNPCなら大したもんだ。


そして、すぐに話題を変えるため、一番のファンタジー要素として、魔法について聞いてみた。


「魔法かーあるよ。俺はあんま使わないというか使えないけど、あえていうなら身体強化の魔法位かな俺が使えるのは。というか魔法があるかどうか聞くなんて珍しいね。記憶喪失にしては」


と嬉しい答えがあると共に疑問を持たれてしまったので深くは聞けなかった。


次に種族というか人間以外にもいるかを聞いてみた。

魔法の後だし危険かもしれないが、ファンタジーなんだから絶対いるだろうし、ぜひ会って見たい!


「街にいるかってことかな?そりゃいるよ。小さな村だったら限られてくるかもだけど。一応この付近の交易都市の一つだしね。亜人種のドワーフやらエルフなんかも沢山いるよ?」


田舎者とでも思われたのか魔法ほど疑問は持たれなかった。

だが、やっぱいるのか!!


いやー柾や他のヴァーチャルゲームでも見てきたけど、このリアルと寸分違わぬこの世界ならさらなる感動が得られるに違いない!


特にエルフ!

俺も若い男だしねへへへ。


聞けば聞くほど疑問が湧いてくるがジェスが知らないのかはぐらかしてるのか面倒なのか、それ以上は聞いてもあまりしっくり来るものはなかった。


まぁこれ以上質問ぜめにしてもジェスに失礼だしやめておこう。


そうこうしているうちに街の壁、城壁と言えそうなものが見えてきた。

城壁は人の身長の3倍、いや5倍はあるだろうか、綺麗な石が積み上げられた造りになっており、大きな門も見える。


それを見ても、とてもゲームには見えない位の出来栄えだった。


「ほら、あれが俺の住んでる街だよ。見たことある?記憶復活しない?」


「いっいやー綺麗な街だとは思いますが、何も思い出せませんね。ちなみになんて名前の街ですか?」


「交易都市ハジだよ。結構有名だと思うけどなー王都も近いし」


王都…やっぱ王様とかもいるんだなーますますファンタジー


本当王道RPGゲーム要素が凄いな。

いや、現実世界でも遥か昔はそうだったんだから、リアルとも・・・


いやいやモンスターはいねぇーから!

一人突っ込みを心でしながらも俺はジェスの後を着いて行った。


大きな門の下までくると人が多く並んでる大きな門の扉ではなく、その横の小さな扉に来た。

大きな門はこの街の住人以外が並んでいるんだそうだ。


小さな扉にも衛兵らしき人がおり


「おぉジェスなんだ?今日は早いな。修行はもう終わりか?」


と知り合いっぽくジェスが話掛けられていた。

そりゃここに住んでるんだもんな。


「うーん色々あってね、んでこの子は知り合いの子なんだ。一緒に通るよ」


「ん?お前の知り合い…ね。んーまぁいいだろうお前だしな。責任はヤンさんがとってくれるだろ」


「そうだな(笑)」


おぉジェスさんすいません侮ってました!

自然に疑いにくい嘘をつけるとは(失礼)

だが、ヤンさんか。


ここに来るまでジェスとの話にも出てきたが、ジェスの師匠のような存在でこの街で宿屋兼居酒屋をやってる人と聞いている。


ジェスも普段はそこで働きながら、冒険者の修行を続けているそうだが、この衛兵からの反応を見る限りいい人なのだろう。


まぁジェスの師匠という時点でいい人の上に強いんだろうと思っていたが信頼もあるようだ。


つくづく良い人に拾って貰ったと思い、ゲームだとしたらイベント的に普通なのかとも考えながら街に入って行った。


街は本当呆れる位にファンタジーしていた。

街並みはレンガ造りの家が立ち並び道路も馬車一台分くらいは石畳舗装がされている。


そして、数が多いわけではないが亜人種と呼ばれるべき存在もいた。


中でエルフを遠目に見た時の感動はやばかった。

もうなんか芸能人というかハリウッドスターを見る感覚だ。


まじで綺麗だった。

ただ違和感というかエルフにも何種類かいるのか違うハイエルフとかなのかわからないが雰囲気が異なる者もいた。


なんとか言えばいいか人間に近い感じのエルフと本当無機質な感じというか人間見がないものだ。


「本当人族以外が珍しい感じだね(笑)見過ぎで怒られるよ」


ジェスが笑いながら、注意をしてくれた。

確かに見すぎた、自分の耳が赤くなっていくのが分かる。


「すいません、いや本当なんというか初めてじゃないけど初めて見たので…」


「やっぱ変わってるね、まぁもうヤンさんの店に着くよ、もうすぐ昼だからヤンさんの店でご飯でも食べようか。昼は店やってないからちょうどいいよ」


そうか宿屋兼酒場と聞いていたから昼は酒場してないか。

出来れば都合よく住み込みで働くとかできないかな。

なんか当分帰れない気がする。


一応自分としても色々試して見た。

所謂ステータス画面やメニュー画面が出るのか?

ログアウト出来るのか?


答えは、一部否だ。

ステータス画面っぽいのは確かに出た。

本当、思った感じで自分の目前か目の中なのかはっきりしない感じだが、白い枠の中に数字が並んでいた。


もちろんLVは1だった。

スキル等は特に記載はなく改めてこれは死ぬと思った。

ただ気になるのは種族表示が創世人というなんかご立派なものになっていたことだ。


考えられるのはプレイヤーはこういう表示なんじゃないかなというところだ。

そうであればゲーム(世界)を創った人間だから間違ってないし。


ただこのステータス表示というのはジェスからは見えないのか喋っている時もステータス表示については何も言ってこなかった。


創世人にかんしても何かある意味怖くて聞けないし、ほっといた。

それにログアウトボタンというのが見えなくてそれに落ち込んだというのもある。


あぁ俺の試験、学校というか人生は…うぅ

本当に泣きたくなったが、ゲーム内の可能性もまだあるし完全に悲観する時ではない。


数あるゲームや小説で異世界転移等の知識がある俺はとりあえず立ちくらみしそうな気持ちをなんとか踏ん張った。


「ここだよ。ヤンさんの店」


考え込んでる間に着いたみたいだ。




感想評価等お待ちしております。

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