表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/26

騎士団との戦い 前編

 ある日の夕方のことです。

 草原に壮大な土煙が立ち上っています。

 双眼鏡をのぞいていたメイドさんは、大きなため息をつきました。


「面倒なお客さんが来てしまいました……」


「メイドさんがそんな顔をするということは、新興騎士団の皆さんですか?」


「はい……」


 それはたしかに、面倒なお客さんです。


 ボクたちの話を聞いていた地底人さんは、首をかしげました。


「新興騎士団とは何者なのだ?」


「その名の通り、新興の騎士団です。彼らは草原を領地にするため、時々こうしてお屋敷に攻めてくるのです」


「なんだって!? ペペロッペ卿の領地を取り上げようだなんて、ひどい奴らなのだ!」


「地底人さんは人のこと言えませんよ!」


 メイドさんのツッコミは地底人さんには届きませんでした。

 地底人さんは顔を真っ赤にします。

 きっと新興騎士団に怒っているのでしょう。


 ただ、今は冷静になるべきです。


「これから夕ご飯の時間です。争いごとはやめましょう」


「むむ、そうだったのだ! ご飯なのだ!」


 何よりもご飯が優先。

 ボクたちは食堂に向かいました。


 食堂では、すでに魔術師さんがフォークを片手に夕ご飯を待っています。

 夕ご飯が完成するまであと少し。


 ところが、タイミング悪く騎士団がお屋敷に到着してしまったようです。


「出てこいペペロッペ卿! 今日こそ、この草原を我らのものにしてくれようぞ!」


 お庭で大声を出す騎士団長さんに、ボクはため息をつきました。

 せっかくの夕ご飯を邪魔されたくはありません。


「ペペロッペ卿、どうしたの?」


「騎士団長さんと、少しだけお話をしてきます」


 そう言ってボクは、お屋敷のバルコニーへ。


 バルコニーに立てば、鎧に身を包んだ屈強な男たちが見下ろせます。

 ボクは大きく息を吸い、言いました。


「新興騎士団の皆さんにお願いがあります。明日の朝、きちんとお話をしますので、それまでは草原でくつろいでいてください」


 ザワザワする新興騎士団。

 少しして、騎士団長さんが答えます。


「良いだろう! だが、夜襲を仕掛けようなどと考えないことだな! そちらが攻撃を仕掛ければ、我々は貴様らを皆殺しにしてやる!」


「構いません」


 これで話し合いは成立です。

 急がないと夕ご飯がはじまってしまいます。

 ボクは急いで食堂に戻りました。


 食堂に戻ると、魔術師さんが質問を投げかけてきます。


「騎士団長とのお話、どうなった?」


「明日の朝、あらためてお話をすることになりました」


「そうなんだ。へ~」


 ニタリと笑った魔術師さん。

 一方の地底人さんは、ちょっと不満げ。


「どうしてなのだ!? 我とペペロッペ卿なら、騎士団なんてすぐに倒せるのだ! どうして明日の朝に話をしないといけないのだ!  早起きしたくないのだ!」


 口を尖らせ、怒り心頭な地底人さん。

 でも


「夕ご飯、できましたよ!」


「わーい! 夕ご飯なのだ!」


「クリームシチューだ~!」


「今日もメイドさんのご飯は美味しそうです」


 メイドさんの夕ご飯の前では、新興騎士団のことなど忘れてしまいます。


 さて、美味しい夕ご飯を終えたボクたち。

 食器の片付けをしながら、メイドさんはボクに言います。


「ご主人様、明日のお話のために、いろいろと準備をしないとですね」


「そうですね」


 相手は剣や槍を装備した、屈強な男たちです。

 お話をするにも準備は欠かせません。

 夕ご飯に満足している魔術師さんに、ボクは話しかけました。


「魔術師さん、例の魔法を新興騎士団の皆さんに使ってくれませんか?」


「え!? いいの!? やったー!」


 口元にパンくずをつけたまま、魔術師さんは食堂を飛び出していきました。

 これで準備は万全です。


「あとは明日の朝を待つだけです。今夜はゆっくりと体を休めましょう」


「はい、ご主人様」


「我は眠たいのだ~。おやすみなさいなのだ~」


「こら、地底人さん、きちんとベッドで寝てください」


「なのだ~」


 こうして一日は終わりを迎えます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ