表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/98

22・同じ想いを



 私が龍青様と、好きな桃を半分こして食べるのがいいと話したら、

なぜかその話を聞いた龍青様が、頬をほんのり赤くして喜んでいた。



「そ、そうか、食べ物の共有は、番の愛情表現でも大事なことだからな」


「キュ?」



 よくわからないけど、そういう事にしておいた。

龍青様がしっぽをたぱたぱ揺らしているので、何か嬉しかったのだろうから。

私も真似っこして、自分のしっぽを揺らしてみた。

おそろいですることは楽しい。


 

「さ、さて話の続きだが、俺の傍に姫が居る事は、

 同時に父上にも狙われる可能性が高くなることを意味していたから、

 おまえの両親が、姫の行方を捜しに屋敷を訪ねて来たあの時、

 俺は父上にまだ見つからないうちに、桃姫を陸へと逃がしてやって、

 陰で守ってやれないかと思っていたんだが……」


「キュイ」


 私が龍青様と一緒に居たいと願ったから、

龍青様の嫁になるって約束をしたんだよね。


 

「姫がそう望んでくれるのなら、俺も姫と生きて行こうと思ってな、

 何かあった時のためにと、姫の額に俺の守りのしゅを刻んでおいたんだ」


「キュ?」



 そう言えば……大きくなったら迎えに来てくれるって約束してくれた時、

龍青様は私の額に口を付けていたことがあったんだよね。

あれ、おまじないだったのか。私は両手で額に触れる。



「そして俺の神通力を蓄えていた鈴をおまえに与えた。

 だから姫は、俺の力の宿る鈴を使いこなせたという訳だ」


「キュイ」


 そうだったんだ。あの鈴は誰でも使える訳じゃないってことだよね。

だから、とと様も私から鈴だけは取り上げたり出来なかったんだなと、

今更になって思い出す。



「桃姫には何も告げないまま解決しておきたかったよ。

 姫が無事に成体になるのを見届けてから、

 本当に俺の嫁になる気があるかを、決めさせてやりたかったんだが」

 


 私は龍青様の嫁の方がいいとキュイキュイ応えて、彼のお膝の上で寝転がる。

自分の足先を両手でつかんで、ゆらゆらと転がった。


 龍青様が助けてくれなかったら、きっと今頃、私は生きていられなかった。

そうしたら、私のとと様やかか様にもまた会うことも出来なかったんだよ。

かか様は私に、自分を大事にしてくれて、守ってくれる相手を選びなさいって、

前に教えてくれたんだよね。その時は何のことかよく分からなかったけれど。


 今なら何となく分かる。私はそれが龍青様だと思っている。

こうして一緒に居られるとすごく幸せだからね。



「そうか」


「キュ」


 いっぱいお話を聞いて、難しい言葉もたくさん聞いたから、

途中で眠くなったりもしたし、たぶんあんまり私は分かってないと思うけど、

龍青様の嫁になる為に、これからも私はがんばればいいって事だよね。


 あ、でも私はまだ聞いてない事があるよ。龍青様。


「ん? なんだ?」


「キュイ、キュ?」



 あのね。私のこと、好き? 


「……姫?」


「キュ」



 顔を見上げたまま、龍青様を見つめる。

私は龍青様のことがすごく好きなんだけどね?

さっきの話を聞いたら、番になるのは好きな相手じゃないとだめみたいだし。

龍青様のとと様に勝手に相手を決められて、嫌じゃなかったのかなとか。

それなのに、私にこんなに優しくしてくれるのはどうしてかなって思ったの。


「キュイ」


 私は、郷でよそ者の紅炎龍のおじさんに、無理やりに嫁にするって言われて、

すごくすごく嫌だったし、怖かったもの。


 龍青様は私に強く何かをしなさいってことは、あんまり言わないし、

よそ者がしてくるような嫌なこともしてこない。自由にさせてくれる。

私を助けてくれた時から、龍青様は怯えて泣いていた私にとても優しくしてくれた。


 でも話を聞いたら、本当はしかたなく嫁にしてくれるのかなとも思ったんだ。


「桃姫……」


「キュイ」


 それに、龍青様が私の事をどう思っているのか、聞いていなかったし、

番って、私のとと様と、かか様みたいな事かなって思うんだけど。


「キュイ、キュイイ」


 とと様はね。すごいんだよ。

人間達に捕まっていたかか様を助けて、自分の郷に連れて来てあげてね、

そのまま一緒に暮らし始めて、かか様をずっと守っていたんだって。


 どうして郷のみんなは紅炎龍なのに、

かか様だけは白龍なのかなって思っていたら、

今日の話を聞いて分かった気がする。


 かか様の故郷はもうなくなってしまって、仲間もきっと居ないんだなって。

代を重ねるために、いろんな所を転々として命をつないで。

だからとと様と家族になって、一緒に暮らし始めたんだろうって。



「キュイ、キュイイ、キュ」


 とと様と、かか様はとっても仲良しで、

とと様はかか様をとても大事にしているし、

かか様もとと様をすごく信頼している。


 見ていていつか私も、成体になって巣立ちの時が来たら、

そういう風になりたいなって思ったんだ。


「キュ」


 龍青様とね。私、龍青様のことが大好きなの。


 しっぽをたぱたぱして、龍青様の顔をのぞくと、

龍青様は、そうか……と言って、私の頭をなでてくれた。


「そうか……では姫は俺に恋をしてくれているんだね。

 こんなに小さいのに、初恋を俺に捧げてくれるのか」


「キュ?」


 はつこい?


「姫が初めて大好きになった相手という意味だよ。

 おまえの親や仲間とは違う意味での、好きな気持ちだ」



 そう言ってくれるのがずっと続けばいいのになと、

龍青様は寂しそうな顔でぽつりと話す。

このお兄さんは、私がいつか離れていくと思っているようだ。


 だから私はずっとずっと大好きだし、一緒に居るよ? 

とキュイキュイ鳴いて応えた。



「姫はまだ幼い、大きくなるまでにいろいろな者達と知り合い、

 俺への気持ちが変わっているかもしれないだろう?」


「キュ」


 そんなことないよ。それより龍青様の気持ちが知りたいよ。

そう言うと龍青様は私に微笑みかけてくれた。



「そうだな、嫌ではなかったよ。俺の他に同族の龍が居なかったのもあるが。

 自分の番になる娘がどこかに居ると分かっていて、

 嫌がる雄は居ないだろう」


「キュ」


 ほんと?


 そう聞くと龍青様はうなずいてくれた。


「ああ、それに俺の気持ちも何も……こんなに心を砕いて接しているのは、

 おまえ位なものだろうに、まだ姫には分かりにくかったかな」


「……キュ?」


「桃姫、水神の寿命は姫の両親や仲間達よりも遥かに長い。

 それだけ俺は長い時を生きているからな。だから、桃姫が成体になる頃も、

 変わらぬ姿で俺はいる。このまま番にならずに姫と過ごしていけば、

 それが姫にもよく分かるのだろうが……」


「キュ?」


「今の姫と過ごす時間は、きっとまばたき程の時間しかないが、

 こうして共に居られるのはかけがえないものなんだよ。

 俺のことを真っ直ぐな目で見てくれたのは、おまえだけだったからね」



 龍青様は私が子どもだからって、気持ちをごまかさなかった。

ちゃんと私の目を見て応えてくれる。小さな私の手をその手でつないで、

笑いかけてくれる。



「キュ?」


「ああ、だから俺もおまえのことを好いて……好きだよ。桃姫。

 いつか大きくなって、俺の嫁になってくれたら嬉しいと思う位にな」


 なるよ龍青様。大切な約束だもの。

私はしっぽを振って応えた。


「桃姫、水神の嫁、つまり半身になればおまえの寿命は俺と同じになる。

 そうなれば、本来のおまえの時間の流れが変わって、親や仲間とは……」


「キュ!」


「……そうか、じゃあおまえはずっと俺の傍に居てくれるのか?」


「キュイ」


 居るよと言ったら、龍青様は嬉しそうに微笑んだ。


 それじゃあ、私が成体になって、

まだ気持ちが変わっていなかったら……と言われたけれど、

私はもう龍青様の嫁になると決めたから、約束は守るよって伝えた。

約束は絶対なんでしょって。すると龍青様はふうっと溜息を吐いた。



「……姫は思ったより強情だな。

 俺としてはまだ考える猶予ゆうよを与えてやりたいのだが。

 おしかけ女房になりつつあるぞ姫は」


 好きだと言われて、私は嬉しくってしっぽを目いっぱい振る。

胸がどきどきして、何かふわふわした気持ちになるけど、

きっと今までで一番嬉しかった。


 じゃあ一緒だね。やっぱり一番の仲良しさんだよねと、

私は龍青様に両手を伸ばしてキュイキュイ鳴いて、ぎゅっと抱きついた。



「ああ、そうだね。桃姫」


「キュイ」


「ありがとう」


 龍青様も私を抱きしめてくれた。



 ……その後、私は龍青様に好きだと言われたのが嬉しかったから、

龍青様と別れた後、手まりを持って屋敷の中を走り回り、会う人会う人に、

「龍青様が私の事を好きって言ってくれたの」と、教えてあげたんだけど、

私と同じ龍族ではないお屋敷の眷属さんは、私の話している言葉は伝わらない。


 だからよく分からないけれど、

きっと楽しい事があったんだろうと思われたらしく。



「ふふ、まあまあ、公方様に遊んでもらって楽しかったんですかね?」


「良かったですね。姫様」


「うふふ、すっかり仲良しさんですね」


……と、頭をなでられるだけで終わってしまった。

龍青様とのことを知ってもらいたかったのだが、人語がまだ話せない私には、

眷属のみんなと会話はできないんだよね。


「キュー……」


 だから私のこの嬉しさを、みんなには分かってもらえなかった。

むー……っと思ったけれど、今日も私の小さな手と手を合わせてくれて、

なんだか楽しかったから、キュイっと返事をしてみんなに手を振って別れた。


 でもその後、巣穴に帰った時にとと様とかか様にも教えてあげようと思い、

龍青様は一番の仲良しさんで、私は嫁になってあげるのと言ったら、

とと様は私を抱き上げて、「もう逃げきれない……」とわんわん泣いていたよ。


 あれ? そういえば……。

何かとと様とかか様に龍青様のことで、

ちゃんと話しておこうって思う事があったんだけど、

なんだったかな? 思い出せないや。


 その日の晩は、龍青様のおそろいの匂いに包まれて、

ふわふわした気持ちで眠りについた。



※  ※  ※  ※




 次の日、龍青様のお屋敷に連れて行ってもらうと、

ミズチのおじさ……おじちゃんが庭の池の前に立って、私達を待っていた。


「よう、嬢ちゃん。待ってたぜ」


「キュ!」


 私は龍青様の腕から飛び降りて、ててて……っと近づき、

右の手をちょいっと上にあげると、ミズチのおじちゃんがしゃがみ込んでくれて、

私の小さな手にぽんっと手を合わせてくれた。



「うん? こりゃ何かの遊びか?」


「キュ」



 もう、このおじちゃんとも出来るようになったぞ、すごいだろう。

私の人間に慣れる練習も上手くいっているんじゃないかな。



「キュイキュイ」


「はは、嬢ちゃんは今日も元気そうだな」



 あ、そうだ。ミズチのおじちゃんには言ってなかったな。

あのね、聞いて? 私ね、龍青様に好きって言われたんだよ。


 しっぽをふりふりして揺らしながら、

気分よく昨日の事をキュイキュイ教えてあげると、

ミズチのおじちゃんには私の言葉が伝わったようで、

凍りついたような笑顔のまま、私の後ろに立っている龍青様を見上げる。


「キュ?」


 つられるように後ろを向くと、

顔を片方の手で覆って、耳まで赤くなっている龍青様がいた。



「おい……龍青様よ。さすがに今の年頃の嬢ちゃんを相手に、

 そういうことを言うのは、いろいろとまずくねえか?」


「し、仕方ないだろう。幼いとはいえ婚約者の娘にごまかしはできない」


「そう言う所はやけに真面目だよな、おまえ……。

 せめて返事を上手いことごまかすとか、

 大きくなるまで保留にするとか他にも方法があるだろうが」


「それでは思わせぶりな態度をするだけで、

 姫の気持ちを振り回すだけじゃないか」


「振り回すんじゃねえよ。駆け引きと言え」


「俺は姫にはいつも誠実に向き合いたいんだ」



 ごにょごにょと、龍青様とミズチのおじちゃんが話している。



「キュ?」


 なにを話しているの? 私も混ぜてよ。

ちょんちょんっと龍青様の着物を引っ張る。



「な、なんでもないよ、姫」


「そっかー……いや良かったな~嬢ちゃん」


「キュイ」


 うん、良かった。これからは毎日言ってもらうんだって言ったら、

龍青様が「そ、そう……か、それは決定事項なのか?」と、

今度は両手で顔を覆って震えていたので、そうだよと私は言う。


「よ、良かったな嬢ちゃん、龍青の奴、やってくれるってよ」


「キュ」


 うん、良かった良かった。

私はこっくりとうなずく。


「誰も言ってない!」


「キュ……?」


 え……なんで? 言ってくれないの? なんで?

とと様とかか様は毎日私の前でやっているよ? 

私はおろおろと龍青様の着物をつかんで訴えた。



「おまえの両親は、そんなことまで幼い子どもの前で堂々とやるのか!?

 ……い、いや、か、考えておこう。姫には深い意味がないようだしな」



 龍青様の言葉にうなずいてから気づいたが、

今日はミズチのおじちゃんが何か包みを持っているな。

緑色の布に草の模様が描かれたもので、何か丸い形をしていた。

気になった私は、周りをぐるぐると歩いた。


「キュイ、キュイキュ?」


 それなあに? おみやげ? とキュイキュイ聞いてみたら、

ミズチのおじちゃんは抱えていた包みを解いた。


「ん? ああこれな」


 それは大きな……大きな白い卵の殻だった。

見てすぐにわかった。これは私の生まれた故郷で失くしてしまった私の卵、

……の半分、私のお気に入りの寝床だったものだ。



「キュイ!」


 私の卵!



「ほらよ。嬢ちゃんのだろ?」


 手まりを横に置いて、両手で受け取る。

この卵から出てきて私が生まれた。

幼い子どもにとって、卵の殻は大事な栄養源にもなるから、

私は大事にぽりぽり食べていたんだけど、食べきる前に人間に郷を襲われたから、

最後まで食べられなかったんだよね。おかげで今もこんなに小さいままだ。


 あの頃は遊び道具もなかったから、これで転がって遊んだりもしていて、

私にとってお気に入りの卵だったんだ。



「これはどうした? ミズチ」


「いやな? おまえの神使の蛇が俺の所にやってきてな。

 俺様の管理していた水源の近くに、怪しい連中が出歩いているのを見かけて、

 これを持っている人間が居るって教えてくれたんだわ。

 そしたら嬢ちゃんの匂いがするから、龍の郷を襲った奴らだなと思って、

 海に差し掛かったところで、そいつらの乗っていた船を丸ごと沈ませて、

 卵を奪い返したんだよ。豪快にな」


「キュ?」


「これは幼い龍の子どもが抵抗力をつける為の、大事なものだからな。

 悪用されて、嬢ちゃんの居場所を特定されるかもしれねえし」


「キュイ、キュイイ」


 そうなんだ。ありがとう、ミズチのおじちゃん。

でもなんで、ミズチのおじちゃんが私の故郷を知っているの?



「ん? ああ、そういえば嬢ちゃんにはまだ言っていなかったな。

 俺様は嬢ちゃんの故郷で飲んでいた。川の水を管理しているんだ」


 ということは、私が流されたあの川の持ち主がミズチのおじちゃんなのか。



「そうだ。だから、その水で育った子供たちは、

 眷属に近い存在でな、みんな俺が守るべき存在なんだよ。

 だから嬢ちゃんは俺様の身内みたいなもんだな」


「キュ」


 そうなのか。だから取り戻してくれたんだね。良かったよ戻ってきて。

もう郷に戻るのは危険だからって、とと様が言うから、

取りにも行けないし諦めていたんだ。


 半分だけになった卵の殻は、ようやく私の手に戻ってきた。

大事に食べよう。つるつるとしたその表面を私は小さな手でなでる。

すると「私のこともなでて」と、手まりがくるくると回って、

私にすり寄ってきたので、よしよしと手まりもなでてあげると、

嬉しそうに飛び跳ねていた。


 振り返ると龍青様が扇で口元を隠しながら、

ミズチのおじちゃんと、またなにかひそひそ話している。



「そうか……では首謀者ごとか?」


「ああ、だから陸の件は大丈夫だろうとは思う。

 蛙の方はどうした? 俺様はあいつとの眷属の契約を切っておいたが」


「蛙は蛇が元の姿に戻ったのを見届けて、たいらげたと聞いた。

 姫や俺の内情を話すのはこれで居なくなったか」


 なんだろう……私の事なんだろうけど、なあにとキュイキュイ聞いても、

龍青様はなんでもないよと微笑まれ、私の頭をなでて終わった。

お仕事の話かな、じゃあ私が聞いても分からないか。

でも、ないしょ話ばかりで寂しいな。


 私は龍青様の着物にぎゅっと抱きつくと、龍青様が私の方を見た。



「しかしこれが……本当に桃姫の入っていた卵……なのか?」


「キュ」


 そうだよと龍青様に言うと、龍青様がしゃがみこんで来て、

私の両脇に手を添えて持ち上げると、

そのまま卵の殻の中にそっと入れてくる。



「龍青?」


「まだ入る……余裕で入るじゃないか」


「キュ?」


「……姫はやっぱり小さいな」



 卵のふちに両手を添えて首をかしげると、

龍青様は私をじっと見つめながら、その後何度も私を持ち上げ、

入れては、持ち上げて、入れてを繰り返していた。


 なんなんだ。いったい……何がしたいんだ龍青様。



「キュ……?」


「おい、龍青……落ち着けよ」


「成長しているとは思っていたが、まだまだ小さいな。

 姫が成体になるのはいつになるのだろうか……。

 もう生まれてだいぶ経つだろうに、大きさが余り変わっていないんじゃないか?

 栄養が足りていないのだろうか? もっと滋養のあるものを食べさせてやらないと」



 ああ、そういうことか。ごめんね龍青様。

龍青様の手をぽんぽんとなでた。

私が大きくなるのは、まだまだ先のようだよ。


「キュイイ、キュ?」


 大きくなるまで待っていてくれる? と、キュイっと首をかしげて話したら、

龍青様は苦笑しながらうなずいた。



「待っていてあげるから、早く大きくなってくれるか?」


 がんばる。キュイっと手をあげて応えた。



 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ